マリーナのクエストも無事終わってわたしは一人エベリンに来ている。
久しぶりにギアに会いにきたんだ。
キスキンでの冒険のときにわたしはギアからプロポーズされたけど。わたしは冒険者を辞めたくなかった。
でもギアのことは好きだったんだ。
ゆっくり歩いていきたいってわたしのわがままをギアは理解してくれて。
今はお互い別の道を生きながら、手紙を交換したり、こうして時々エベリンで会っている。
ギアはわたしの初キスの相手……、だけではなく、今やわたしの初体験の相手でもある。
そう。恋人同士っていうのかな。
きゃー、きゃー。
ギアはエベリンで何をしているかというと、なんとあのジュン・ケイの下で、特別警備隊の隊長を務めているんだ。
でもね……。
そのせいか、ここ最近のモテ方は尋常じゃなくて。
うう。メナース、またドジやったんじゃないでしょーね。
恋の女神に悪態もつきたくなる
だって、やっぱり心配だもの。
冒険者を続けることを選んだのはわたしなんだけど。
正直、離れている時間は気が気でない。
この前立ち寄った村もわたしたちが来る前にモンスターの襲撃を受けたんだけど、ギアたちが助けてくれたんだって。
それは誇らしいよ?
だけど、そのときにギアにヒールされた女の子がいて。嬉しそうにそれを話しているのを聞いた時は嫉妬してしまった。
キットンにもヒールしてたし、ギアにとっては怪我してる人にヒールしてあげるのは特別なことじゃない。
わかってる。
強くて、カッコよくて、優しいギア。
モテるのは当たり前だよね。
エベリンにもギアに憧れる女の子はいっぱいいる。二人で歩くと、女の子たちの目線が痛いもん。
ギアはわたしをすごく大事にしてくれる。それこそお姫さまみたいに。
不安なんて……、必要ないんだけど怖い。
それにギアの回りに集まる女の子に不安になってしまうんだよね。綺麗な子もいるし、グラマーな子だっている。
愛されているのはよくわかっているのにね。
はぁぁぁ、自己嫌悪。
そんなわたしにマリーナが持たせてくれた秘密兵器……、それがパメラの屋敷のメイド服なのだ。
「うふっ。これさえあれば大丈夫。ね?」
キュートにウインクするマリーナの顔を思い出す。マリーナがそう言うなら大丈夫なんだよね?
幸いギアはわたしをホテルに送ったあとで特別警備隊の用事で少し外出していて。
その隙に、わたしはメイド服に着替えてみたんだけど。ドキドキする。
ギア、喜んでくれるかな。
いろいろな気持ちがこみ上げてきたわたしはクッションを抱き締めたり、何度も鏡を見たり。何とも落ち着かない時間を過ごしながら、ギアが帰ってくるのを待ちわびていた。
コンコン。
「パステル、俺だ」
ギア!
「おかえりなさい!」
「……!」
ポカーンとした顔。
あはは。ギアってこんな顔するんだ。なんて思ってる場合じゃないってば!
も、もしかして引かれてる!?
そりゃ帰ってきたら恋人がメイド服で待ってるって……。うう、わたし空回ってるかも。今さらながら後悔してきた。
ふぇーん。
「……かわいい」
「へ?」
「すごくかわいいよパステル。どうしたんだい?」
あれれ?ギアってば、ちょっと照れてるかも。珍しい!
「たまにはどうかなーなんて」
「びっくりしたよ。よく似合うね」
上から下までまじまじと見てくるギア。
「そ、そう?」
ははは。なんだかわたしまで照れてきちゃったぞ。
「ああ。メイドのパステルもいいな」
「ん……」
ぎゅっと抱き締められて、キスの雨。
慣れてきたけど、胸のドキドキは変わらない。
ギアがきゅっと優しく下唇を噛んで、また唇を合わせて、上唇も噛んで、また唇を合わせる。リズミカルにふんわりとそれらの動作を繰り返すと彼の舌が侵入してきた。
わたしの舌を捕まえてペロペロしてくるギアの舌。わたしも真似してみる。
こ、こんな感じだよね?
ふわぁ。
頭がぼーっとしてくる。
強く押し付けられたギアの唇の感触とか、舌を絡ませ合う恥ずかしい感じとか、触れるか触れないかの微妙なタッチでくすぐったい感じとか。
わたしはギアとのキスが好き。
キスをするたびにどんどんギアへの好きって気持ちが高まっていくんだ。
スッと唇が離れる。
うっすら目を開けてみると、優しく熱っぽい瞳でわたしを見つめるギア。
「好きだよ……、パステル」
頬にキスされる。羽のような優しいキス。
「ギア……。わたしも、好き」
「パステルはかわいいな」
ギアは優しく微笑んだ。わたしだけに見せてくれる顔。
わたしはギアの笑顔が大好き。
「こんなにかわいいメイドは他に知らないよ」
おでこをコンってくっつけて、それからまた唇を合わせる。
ん……。とろけちゃう。
体をさわさわと触れられてるのも心地良い。
わたしはギアの長い髪に指を絡めて、それに応える。さらさらとわたしの指をすべるギアの黒い髪。わたしはこの感触が好きなんだ。
ギアの手がわたしの手を取って、手首を包み込むようにギュッと掴むと壁に押し付ける。
な、なんだろう?
はりつけにされてる人みたいな格好。
恥ずかしくて、ドキドキする。
長い長いキスが終わってもギアはその手を離してくれなかった。
「かわいいメイドを捕まえた」
ニヤリとするギア。ちょっと意地悪な顔。
もー、そんな顔されたら……、わたしはますますドキドキ!
メイド姿でギアの大きな手で壁にはりつけにされるのは、なんだかすごくえっちじゃない!?
そんなわたしの姿をギアが眺めてるって想像したら……、体が熱くなってきた。
「さあ、パステル。俺にご奉仕するんだ」
「ギ、ギア?」
えーと?
「ご主人さま、だろう?パステルは教育がなってない子だな」
「……っ!」
そ、それって!?
「俺が教育し直してやろう」
「ちょ、ちょっと!?」
「悪い子にはお仕置きするよ?」
うっ……。ギアってば楽しそう。
「パステルが上手にご奉仕してくれたら許してあげてもいいけど」
「ご、ご奉仕って?」
「そんなこともわからないのか。本当にダメな子だ」
壁にドンと両手をついて、冷たい笑みを浮かべるギア。
「俺を気持ちよくするんだよ。それが仕事だろう?」
あわわわ。わたしまだそこまで慣れてないよ!いつも、その、されるがままだし。
「ギ……、ご、ご主人、さま?」
こ、こんな感じ?
「なんだ?」
「気持ちよくってどうすれば……?」
「ご奉仕のしかたを教えて下さいって言ってごらん?」
「……ご、ご奉仕の、しかたを、教えて下さい、ご、ご主人さま……」
うう。恥ずかしいよ。
「さすがパステルは作家だね。飲み込みが早い。こういうのは想像力だよ」
ギアってば、ちょっと嬉しそう。
「まずは口でしてもらおうか。パステル、ひざまずくんだ」
わたしは素直に従う。
「……わかるな?」
そ、その、これは、ま、まさか、うん、それしかない、よね。
わたしは恐る恐る手を伸ばして、ギアのズボンのファスナーを……、下ろしてみた。
もう大きくなってるみたい。熱を帯びているのがズボン越しでもわかる。
「ベルトも外した方がいいな」
「は、はい……」
わたしはギアのベルトを外すと、ズボンの中をまさぐり、ギアの、おっきい、アレを取り出した。
目の前で見るアレは、まるで別の生き物みたい。すごくすごくいやらしい形をしている。
明かりをつけたままの部屋では細部まで見えてしまって……恥ずかしい。
いつもこれを入れられてるんだ……。
カァッと頬が熱くなる。
「パステル、さっさとくわえるんだ」
「は、はい……。ご主人さま」
「いい子だ」
わたしはまずペロリと舐めて、ギアのアレにキスをして……、パクッとくわえてみた。先の方は、ちょっと唇の感触と似てるかも。キスするときの要領でもごもごと唇を強めに押し付けてみたり、口に含んだまま舌で刺激してみる。
ど、どうなんだろう?気持ちいいのかな?合ってるの?
チラリとギアを見る。
ギアは瞳を閉じて、唇から息のような呻くような声を漏らしている。
ふっと目が合うと、ギアは熱っぽい目でわたしを見下ろす。
「もっともっと……、下品にしゃぶりついてもかまわない」
は、激しいほうがいいのかな。ぐちゅぐちゅと舌を使って舐めまわしてみる。
「パステル、根元を手で握るんだ……」
こ、こうかな?
「手も口も上下に動かして……、くぅ……、その感じだ」
顎や舌が疲れてきたけど、ギアの気持ち良さそうな声を聞いたらたまらなくなってしまった。
ギアのこと気持ち良くしてあげたい。
「パステル、くわえてる顔をちゃんと見せるんだ」
えっちなご主人さま。
わたしはギアの顔を見ながらくわえ続ける。
熱っぽいギアの瞳、荒くなってきた呼吸。ドキドキして……、いっぱい感じて欲しくなる。
「くわえてる顔もかわいいよ」
ギアの味がする。初めて知る淫らな味。
ちゅっちゅっと吸い上げてみる。
「いやらしいメイドだな」
わたしを辱めることばかり。でもそんな言葉に悦びを感じてしまう自分がいる。
「むぐぐ……っ」
んん?
また大きくなってきたかな?
わたしの口の中のギアは、舌の動きに敏感に反応しておっきくなったり、ぴくんとしたり。愛おしい気持ちでいっぱいになる。
「パステル、初めてなのに上手にできたね」
「ご主人さまを……、気持ち良くしてあげたかったんです」
わたしも楽しくなってきたかも。
そういえば、ギアって、ご主人さま、って感じだよね。
「かわいい子だ。少しかわいがってやるか」
「きゃっ、ご主人さま!」
ギアはわたしの腕を乱暴に掴むとベッドの横に連れてきて、そのまま押し倒してきた。
わたしに覆い被さったギアは舐め回すようにメイド姿のわたしを見つめる。
「すごくいいよ、パステル」
ギアはブラウスのボタンを3つ4つくらい外して全部は外さない。
胸元がはだける。
「君をもっと淫乱に教育してやろう」
ギアってば。かっこよくて意地悪でえっちなわたしのご主人さま。
ちゅっちゅっちゅっ。
音を立てながらのキス。わざとこんなことするんだから。
「パステル、舌を出してごらん」
え、え?
舌を出せば……いいの?
わたし、すごく恥ずかしい顔をしてるんじゃない!?
はだけたメイド服で舌を出して……やだ!
ギアはすごく満足げな顔。
「引っ込めちゃダメだよ」
そ、そんなこと言われても。だんだん舌先がぷるぷるしてくるってばー!
「そんなに……舐め回すように動かされると興奮するんだけど」
ギアは苦笑いすると、ちゅるっとわたしの舌を吸い上げる。
ギアの口の中。わたしはまだ入ったことがなかった。不思議な感じ。
ぺろっと舐めてギアの口内の感触を確かめる。
「パステル、目を開けて。こっちを見るんだ」
今度は何するの?
「まだ舌を引っ込めていいと許可してないだろう?」
「ん……」
わたしがまた舌を突き出すと、ギアも舌を突き出してきて……ペロペロと絡め、舐めてきた。
空気に触れてひんやりする舌を舐め取られる。
目線はわたしから外さない。舌を突き出したギアの表情がいやらしい。
ギアから見たわたしもきっといやらしい顔してる。
メイド姿でベッドに押し倒されて、舌を突き出して、ご主人さまと舌を絡め合ってるなんて。
こんなに淫らに交わっているのに。恥ずかしいのに。
もっとして欲しい、と思ってしまう。
いつの間にか、胸元にすべりこんだギアの指がわたしの胸をもみもみしてきた。
「ひゃぁ……っ」
ギアはわたしを気持ち良くする方法を心得てる。
しつこいくらいに胸の敏感な部分を刺激する。指先でさわさわと触れたり、つまんだり、強弱をつけて動かす。
わたしはそれにすごく、感じて、しまう……。
吸われたり、舌で舐め回されたり、甘噛みされたり、口での刺激にも弱いんだ。
全部ギアがわたしに教えてくれたこと。
「はぁん……。気持ちいぃょう」
「パステル?違うだろ?」
「気持ちぃぃ……、です、ご主人さま……、ぁあ……ん」
「そうだ。かわいいな」
ギアはメイド服のスカートの中に手を入れてきた。
「ん……」
くすぐったい。つま先、足首、膝、太もも……、優しくなで上げながら、ギアの手はわたしの下着へと到達した。
ギアは素早く下着を剥ぎ取ると、スカートを膝の上までめくり上げて……、ぬぷりと指を沈めてきた。
「ゃんっ」
甘い電流が走る。ギアだけが知ってるわたしの場所。
「こんなに濡れてたらメイド服まで濡れるな」
「脱がせて、下さい……」
「ダメだ。脱がさないよ?」
「ご、ご主人さま?……ひゃんっ」
ギアの指先がわたしの一番敏感な場所をこすり始めた。
びくんびくん。
まるで全身の神経がそこに集中するみたいな甘い甘い快感がわたしを貫く。
「よく見せてごらん」
ギアがわたしの太ももを胸のほうに押し上げた。
「丸見えだな。すごく濡れてる……」
するとギアはわたしの足の間に顔を……、ギアの舌先が器用にわたしの敏感な部分を舐め回す。
「ぁんっ、あぁん……」
ギアは唇に含んでみたり、舌を押し付けてみたり……、わたしの快感をコントロールする。
うう。何度してもここを舐められるのは恥ずかしい……。
「いつもいつも俺のことばかり欲しがって……、困った子だ」
ギアはわたしの片足を持ち上げてスーッとなぞるように舌を這わせながら、指をぬぷぬぷと出し入れした。
ギアってば、どこで覚えてくるの!?
ホントにえっちなんだから。
「仕方ない子だな、パステルは」
そう言うと、ギアはとんでもないことを言ってきた。
「パステル、四つん這いになってごらん」
「えぇ──!?」
そ、そんな恥ずかしい格好。無理、無理、絶対無理──!
「どうした?俺の言うことが聞けないのか?」
絶対、絶対、わかって言ってる!
いつもこうやってわたしを困らせるんだ。
「だ、だって……」
「俺に逆らったら許さないよ?」
うう。ギアってば、悪いこと考えてるときの顔になってる。
意地悪する気満々だ。
でも、こうなってしまうと逆らえない……、わたしはギアに服従するしかなかった。
「恥ずかしいってば……」
わたしはたぶん耳まで赤くなりながら、ギアの望み通りの姿勢に、なってみた。
「ちょっと違うな」
ギアはそう言うと、わたしの頭の位置をぐっと落として……、お尻を突き出すような格好にさせた。
いやぁぁぁ!顔を見られないからまだいいけど。ギアに、こんな、こんな姿を見られてるなんて!
「いいね。そんな姿勢で俺を誘うのか」
そんなー!ギアが無理矢理させてるんでしょっ!?
うう。ひどい。わたしは羞恥心でいっぱいになる。泣きそう。
「おねだりしたら、あげるよ、パステルが大好きなもの」
さらに追い討ちをかける言葉。
羞恥心が膨らめば、膨らむほど、わたしの体は熱くなる。
ギアはそれをよく知っている。
「ご主人さまの、おっきいのを、ください……」
意地悪されるのは嫌なのに。何故だか気持ちは高揚してしまう。
こんなにおかしくなっちゃうのはなんで?
辱められるほど、ギアが欲しくてたまらなくなる。
「がんばったね。ご褒美だ……」
ギアがわたしのメイド服のスカートを捲り上げた。
何も身に付けてない下半身が晒されてしまう。
きっとギアはそんなわたしを眺めて、笑みを浮かべているに違いない。
やだ。体中が熱いよ。
「入れるよ」
背後から聞こえてくるギアの声。こんな体勢で……、つながるの?
「ひゃぁぁあぁんっ」
ズブズブと容赦なく熱い塊がわたしの中に侵入してきた!
一気に奥まで到達する。
わたしに息をつかせる間もなく、ギアは腰を振り始めた。
ぬぷっぬぷっぬぷっ。
き、気持ちいい……。
メイド服で四つん這いにされて、お尻を突き出して、まるで動物のように……、犯されているのに。
「ゃあ……っ、ぁあん……、あん……っ」
ギアに征服されている……!彼の与えてくれる快楽の虜になっている!
わたしはこの行為にどんどん溺れていった。
「パステルの中……、気持ちいい……っ」
ギアも息が荒い。
わたしの中が気持ちよくて夢中で腰を動かしてるギア。
愛おしい気持ちが溢れてくる。
「気持ちいい、気持ちいいょぉ……ぎ、ぁ……」
加速していく呼吸の乱れが苦しくてたまらないのに、そんなことを口走ってしまう。
「くぅ……、出そう……、ちょっと休憩だ……」
ギアはそう言うと、わたしに覆い被さってきて胸を揉み始めた。
背後から侵入してきたギアの骨ばった大きな手。
聞こえてくる荒い息づかい。
「パステルがメイド服で挑発するから……、すごく興奮する……」
「ご、ごめんなさい……、ご主人さま」
わたしを快楽で支配するギアは本当の意味でわたしの、ご主人さま、だ。
「パステル、君のご奉仕は最高だ……」
ギアはわたしの中から熱い塊を引き抜くと、わたしを仰向けに寝かせた。
「泣きそうな目をしてる……」
ギアの指先がわたしの目の下をなぞる。
「ギア……」
「パステルはかわいいね」
そっとわたしに口付けるギア。
「早く……、早くわたしの中に、戻ってきて」
欲しい。ギアが欲しい。つながってたい。
「じらしちゃやだよ」
「涙目でそんなこと言われたら、すぐイっちゃうよ?」
わたしを上から見下ろしながら、特上の笑顔でギアが囁いた。スッと頬をなでる指先が優しい。
「いいよ。ギア……わたしの中で、気持ちよくなって」
「ご主人さま、だろ?」
ギアはくくっと笑うと、再びわたしの中に入ってきた。
「ゃぁあぁんっ」
再びわたしはギアとひとつになる。
ギア、ギア。わたしはギアのほうへ手を伸ばして彼を引き寄せる。
わたしに覆い被さるギアと唇を合わせた。
ギアともっともっと深く交わりたい。全部一つになってしまいたい。
そんな想いを込めて、ギアのキスに反応すると、わたしの気持ちが通じたかのように、ギアも情熱的にキスを返してくれる。
「そろそろいいか?」
「ん……」
再びギアがわたしを突き上げる。何度も、何度も。激しく突き上げる。
「ぁあんっ、はぁんっ、ぁん……っ」
気が遠くなりそう。
夢中になって首筋にかじりつく。
「くぅ……っ」
「もっと、もっと、こすって。めちゃめちゃに……、壊して」
恥ずかしげもなく、そんな淫らなことを言ってしまう。
「パステル……っ。いいよ、壊してやる……っ」
「ぎ、ぁ……っ」
激しく打ちつけられる。
加速していく快感に気を失ってしまいそう。
乱暴に合わされた唇から舌が侵入してきて。噛んでしまいそうなくらいに乱れながら絡ませた。激しい息づかいと喘ぎが混じり合う。
「イキそう……っ、うぁ……っ、イク……っ、パステルっ!」
「ギア……っ、ギア……っ」
破裂寸前の欲望がわたしの中から引き抜かれて……、わたしの口の中に生暖かい液体が放出された。
「むぐっ……」
わけがわからないまま、わたしは白濁としたギアの体液を飲み込む。
そして、脱力したわたしたちは、ベッドに沈みこんだんだ。
「パステル、無理させたんじゃないか?」
メイド服の乱れを直しながらギアが優しく囁く。
わたしはそんなことないと首を振りギアに答えた。
「パステルがあんまりかわいいから、止まれなかったよ」
「メイドだったから?」
「それもあるが……、パステルは何をしていてもかわいいよ」
照れ笑いするギア。そんなギアもかわいい。
「びっくりしたけどね。……また着てくれるかい?」
あれれ?やっぱりメイドだからよかったんじゃないの?
「うん。ご主人さまが望むなら」
「ははは。楽しみにしてるよ」
やっぱり照れくさそうなギア。なんだか嬉しそう!
作戦成功、かな。
うーん。さすがマリーナ。男心をわかっているんだなぁ。
「ギア大好き」
「ああ。俺もだ」
今日、何回目になるかわからないキスを交わす。
いっぱい愛し合って。
優しくギアに抱き締められる幸せな時間。
わたしはいろんな不安に駆られていたことなんて、すっかり忘れて、その充足感に浸ったんだ。
おわり