最近クレイの様子が変だった、鈍さには定評のあるパステルでさえそう思ってしまうほど。
生ぬるい風が湿気を含んだ指でパステルの頬をなでる。
夕暮れを過ぎても涼しくならないなんてめずらしい。
今夜は熱帯夜になりそうだ・・・ベランダの石塀から身を乗り出してパステルは思った。
ここは海沿いに建てられた白亜の城、城主は今回のクエストの依頼主である。
ベランダからはアビス海を一望でき、暗くなった海と空を水平線がうっすらと分けていた。
昼間のうちにパーティー全員でこの町を見て回ったがそれはそれは美しい町並みだった。
真っ青な海と空、まぶしいほど白い家々には大きくオレンジの家紋がそれそれ刻まれている。
この城も例外ではなく、外壁にはオレンジのフェニックスが踊っていた。
驚いたのはこの城の城主も含め、この町の人々はとにかくお祭好きなのだ。
パステル達一行の為に城主が今夜はパーティーを催してくれた。
ふっと視線がクレイを探す。
パステルは賑やかな広間で器用に人々をぬって歩いた。
居た。
ちょうどこちらに横顔を見せて壁に寄り掛かる長身のクレイ。
黒のタキシードがあまりによく似合っていてパステルは思わず感心せずにいられなかった。
さすがは名家の生まれの男の子だ。
少し長い黒髪を後ろで青いリボンで結んでいる。
くいっとアルコールを口にするその横顔にはどこかかげりが見えた。
視線はどこを見るでもなくぼんやりとしていた。
最近クレイ変、パステルは首をかしげてここ数日のクレイを思い返してみた。
まず、こちらの顔をまともに見ない。
そして妙によそよそしい。
別に特別喧嘩したってわけでもないし、例え失言してしまったとしても
イヤミさえ気づかない鈍感なクレイが気にするはずもない。
私なにかしたかなあ、一生懸命考えてみるがパステルの記憶をかすめる出来事などひとつもなかった。
じっとクレイを見つめているとふいにクレイのさまよった視線がこちらを向いた。
「クレ・・・」
パステルは手を振って歩み寄ろうとした。
しかしはっとするようなクレイの顔はみるみる赤くなっていき、
そして勢いよく顔をそむけるとその場を去っていった。
「なんなのよう・・・」
残されたパステルは頬をふくらませてつぶやいた。
「あつい」
ポツリと呟いてクレイは首のタイを外した。
こんなに暑いのにピッタリと張り付くジャケットなんて苦しすぎる。
もう脱いでしまおうとタキシードの前をあけた時、トントンとドアから小さな音がした。
不甲斐なくも、とある事情でパーティーをさぼってしまったので誰かが心配して訪ねてきたのか。
まさかパステル・・・、そう思って足が止まったがいやいやをして考えを改めた。
変な態度を取ってしまったせいできっと嫌われただろう。
来るはずがない。
立派な城の立派な部屋のドアもやはり立派で重い。
少し力を入れてドアを引くとワインが乗ったトレーが目に飛び込んだ。
「はい、これ持って、落とさないでね」
ぐいっと押しつけられて律儀にも言うとおりにトレーを大事に抱えた。
「パ、パステル!」
少し怒ったような顔をしたパステルが勢いよく部屋に飛び込んできた。
体重をかけてドアを閉めると近くにあったチェストから鍵をあさった。
「ゲストルームにはちゃんと鍵が置いてあるのよ」
カチャリ、ただ茫然と見ているクレイの目の前で鍵をかけてそれをスカートのポケットに入れてしまった。
「さて、これで逃げられないわよ」
パステルはどうだ、とばかりに腰に手をやってクレイを見据えた。
「話しに来たのよ」
「ちょ、ちょっと待ってパステル」
おろおろとクレイは数歩さがるとテーブルにトレーを置く。
「今ちょっと気分が悪くて・・・」
「嘘ばっかり。話してくれないなら帰らないんだから」
キッとクレイを見つめたパステルの顔は怒っているのか泣きそうなのか。
意外に強情なパステルの事だ、ほんとにもう逃げられない。
クレイは観念してテーブルにパステルを招き座らせる。
グラスにワインを注ぐ。
あまり涼しくもないだろうが窓を開けて風を通した。
ちょっとごめん、と言ってクレイはタキシードを脱いでシャツをくつろげた。
ツツーと汗がクレイの首を伝った。
伸びた首筋のそれを見てパステルはどきっとした。
慌てて視線を戻して気を取りなしてクレイに聞いた。
「どうして・・・?」
うん、と曖昧にクレイは答えて腰かけてグラスを手に取る。
「私に怒ってるの?」
「違うよ」
頼りない笑顔でクレイは否定する。
「なんで最近よそよそしいの?」
「・・・・・・」
クレイは今も視線をそらしてワインをあおっている。
「私が、嫌い・・・?」
「違うっ!違うよ!」
これには真っ向から否定した。驚いてパステルの目が見開いた。
「ごめん、大きい声出して・・・」
謝るクレイの伏せた目にパステルのあらわになったデコルテが飛び込んでくる。
「・・・っ!」
クレイの顔が真っ赤に染まった。
こんな、こんなドレス・・・。反則だ。
パステルは淡いブルーのタイトなドレスを着ていた。
細い肩ひもが頼りなくドレスを吊っている。
アップにした金髪がこぼれて風に揺れていた。
「・・・困る」
耳まで真っ赤なクレイはそう言ってまたグラスに口を付けた。
そしてしばらく間を置くと、意を決したようにパステルを見る。
「何も話さなかったらほんとに朝までここにいるんだよな」
挑戦するようにクレイがそう言うので、パステルもパステルも喧嘩を買うような気持ちで言い返した。
「あ、当たり前よ」
「じゃあ話さない」
「なんでよう」
「我慢しなくていいから」
「なにを?」
そう言うと同時にすっとパステルは手を取られた。
そしてその白い手にクレイはキスをした。
「ク、クレイ!」
ええええええ、驚いて顔を真っ赤に染めたパステルは思わず手をひっこめた。
クレイはゆっくりと立ち上がるとまたゆっくりとパステルに詰め寄った。
立ち上がろうとするパステルの肩を上から押さえつけてクレイは耳元でつぶやいた。
「こういう事だから」
低い声で囁かれて頭が真っ白になるパステルの後頭部を持ち上げる。
「んん・・・!」
いきなり不意を突かれてのキス。
柔らかく湿った感触がパステルの唇を覆う。
「好きだ、パステル」
一旦離れた唇がそう告げて片腕でぎゅっとパステルを抱きしめた。
「ク、クレイ?」
もう片方の腕は体重をかけるようにテーブルを抑えている。
パステルはその手が固く握りしめられる瞬間を見た。
「ずっと好きだった。もう止められない」
そう言ってパステルの顔を愛おしげに見つめるクレイの顔は泣きそうな表情をうかべている。
「クレイ、ま、待ってよ」
「待てないし止まらない」
再び唇が落とされる。
今度はじっくりと味わうような長い口づけ。
「んう・・・」
唇を割って侵入するクレイの熱い舌からはワインの味がする。
逃げ惑うパステルの舌をとらえて絡みつく。
ぴちゃ、と音が鳴って角度を変えて口内を侵される感覚。
そのいやらしく動く舌にパステルは頭の中が痺れてしまったようだった。
気持ちがいい、顔が熱い、下半身がジンと甘く疼いた。
キスをしたままパステルを抱えて立たせると再び抱きすくめてクレイはつぶやく。
「気持ちいい」
低く囁かれてパステルはびくりと背中があわ立った。
クレイの手に背中と腰を押さえられて身動きができない。
この激しい心臓の音はどちらのものなのか。
ふわりとクレイの身体からいつもの彼の匂いがする。
「あっ」
クレイの手が下へと動いた。
膨らんだ魅力的なパステルのヒップが柔らかくなぞられる。
「クレイ!」
ゾクリとしてパステルは思わず力まかせにクレイを突き飛ばした。
「ま、待って。その、私・・・」
一歩二歩と後ずさるパステルにクレイは同じように詰めよってくる。
「クレイの事は好きだけど、い、いきなりこんな・・・。ご、ごめんね、今日は帰るね」
顔を真っ赤にして鍵を探しながらドアに後ずさる。
「あ、あれ?」
入れたはずの鍵がない。ドキドキして震える手は何もつかまない。
焦ってクレイを見ると指にひっかけた何かを無言で揺らした。
「いつの間に!」
トラップ並みの手癖の悪さだ。
「クレイ、お願い、鍵を渡して」
懇願するパステルを楽しそうに見ながらクレイは鍵を揺らす。
「もう、ふざけないで!返して!」
不敵なクレイにパステルはちょっとむうっとして歩み寄る。
掴みかかろうとするがひょいと意地悪くかわされた。
「きゃ!」
よろめいた所をすかさずクレイは抱きとめて、そのまま持ちあげられた。
「ちょっと、クレイ!」
じたばたと暴れるパステルを無視してベッドへと向かう。
まさかそんな!パステルは予感して身を固くした。
「止まらないんだってば」
言い訳するように囁くクレイに押し倒されてパステルはその柔らかなベッドに身を沈めた。
「んん〜、んう・・・」
クレイは乱暴に手を押さえつけてパステルに馬乗りになった。
三度唇を塞がれてパステルの身体が硬直する、が、次第に力が抜けていく。
クレイの情熱的なキスがパステルの体を柔軟にしていくのだ。
「あっ」
くるりと身体をひっくり返されるとパステルの背中のジッパーが下ろされた。
「クレイ!」
現れた白く滑らかな背中にクレイは息をのんだ。
「綺麗だ」
「そんなこと・・・、あん!」
背中をペロリと舐められてパステルの口から思わず声が漏れる。
ちゅ、とキスをされながらあらわになるパステルの肌。
ブラのホックを外し器用に腕からドレスの肩ひもを抜いてく。
そして再びパステルをこちらに向かせ、勢いよくブラとドレスをはぎ取った。
「やだ・・・!クレイ!」
恥ずかしがって抵抗するパステルの両手をひとつにまとめての力まかせの作業だ。
パステルは涙目でクレイを見上げると、そのうつろな視線が自分の身体に落とされているのを知った。
パステルの履いていた靴を脱がせて放り投げ、その手はするすると足を撫でる。
「やっと見れた」
「な、なに」
「パステルのはだか」
眩しそうに眼を細めてクレイは言った。
カアっとパステルの肌が赤くなっていく。
ベッドの脇に置かれたカンテラの淡い光と月明かりが二人を照らしている。
恥ずかしくて全ての光源がなくなってしまえばいいのにとパステルは思う。
「ここの所、毎日想像してたんだ」
罪を告白するように、言葉につまりながらクレイは言う。
のけぞるパステルの首筋に唇を落としながら。
「やっ、クレイ!あ・・・」
「パステルのはだかを、服の中を想像していたんだ、毎日」
唇があらわになったパステルの膨らみをめざして降りてくる。
ああ、ダメよクレイ、パステルはクレイの唇を恐ろしく思って見つめる。
クレイのいきなりの告白に、考える前にこんな事になってしまって。
さっきから身体が熱い。
自分が自分でなくなってしまうようで恐かった。
「パステルを犯す夢を毎晩見てしまう。だから・・・」
だから、クレイは罪悪感でパステルと距離を取ってしまった。
「おれを助けて」
切なげに言ったあと、クレイは自分のシャツを引きちぎった。
ボタンが飛んでパステルの胸に当たって谷間に落ちる。
「ああ、ん」
谷間を舐めあげてボタンを口にふくむ。
横目でパステルを見下ろしながらプッと吐き出した。
揺れるパステルの胸にそっと指を這わせた。
ビクリ、とその身体が跳ねる。
やわやわと揉みしだき、いやらしく唇をひと舐めしたクレイが乳房をなぞった。
「・・・ん、ふっ・・・」
舌が乳輪をなぞる。
パステルはいやいやをするように頭を振って、吐息をはく。
固く突き出たピンク色の乳首が可憐に震えている。
ハラリと落ちたクレイの黒髪だけがそこに触れていて、微妙な感覚にパステルがうめく。
一瞬間をおいて舌がそこに触れた。
「あああ!」
大きく声が漏れてパステルはのけぞった。
ぬるぬるしたものが乳首を弄ぶ。
左右に揺れて乳首はクレイの舌で嬲られた。
腰に、下半身の大事な場所に電流が流れる感覚、パステルはがっちりとシーツを握りしめた。
ん、ん、とクレイは必死に乳房を吸い上げている。
声を出さないようにと耐えるパステルの唇を指でなぞる。
「んう」
不意に開いた唇に、クレイの指が入りこんだ。
「う、うむぅ」
指で口を侵される。
長い節くれだったクレイの指は逃げ惑う舌を追いかけて動く。
パステルの口から溢れた唾液が伝っていて、その卑猥な光景に思わずクレイは見とれてしまった。
本当にもう止められない、さっきから下半身に熱が集中しているのをクレイは感じていた。
張り裂けそうなそこを、ズボンの上からひと撫でする。
「・・・っ」
ダメだ、溢れてしまいそうだ。
毎日焦がれていたパステルを組み敷いている夢のような現実に目まいがしそうだ。
ちゅぷちゅぷと響く唾液の音とぬめる指がいやらしく五感を支配する。
「すごく、やらしい」
ポツリとクレイは漏らした。
空いた片方の手がパステルの乳首を弾くと指を噛まれる。
思わず跳ねたパステルの膝がクレイのちょうど下半身を撫でた。
「あっ、パステ・・・」
急な刺激に顔をしかめ、切なげにクレイはうめいた。
はあはあと荒い息をしてクレイはうなだれた。
情けない事に達してしまった。
じっとりと濡れる下着の感覚にクレイは自己嫌悪に陥る。
「ク、クレイ・・・?」
顔の脇に付いた震える腕ををつかんでパステルは心配そうに見上げる。
汗で濡れた鍛えられた上半身が激しく上下している。
前髪の間からうるんだクレイの瞳が怪しく光った。
「パステルがあんまりやらしくて・・・」
「なっ・・・!」
や、やらしいってそんな事!誰のせいよ!パステルは思わず自分の身体を抱いて隠した。
上半身を起こして逃げるように遠ざかるが、四つん這いになったクレイがそれを追いかける。
最後に残った一枚だけのショーツが濡れているのはパステルは気づいていた。
やらしいのはクレイだよ、パステルはそう言ってクレイを見やった。
普段の彼とは全然違う、強引だし、エッチだし、なにより表情が違う。
「ほ、ほんとにダメだよクレイ」
「おれだってダメだ」
二人の意見が合致する事などなさそうだ。
まず鍵がなければこの部屋を出られない。
余裕の表情を浮かべてクレイは再びパステルを組み敷いた。
「暴れないで、優しくできなくなる」
クレイの熱い眼差しに射抜かれて、パステルは黙ってしまった。
結いあげたパステルの髪が優しくほどかれてた。
ふわりとシャンプーの香りがクレイの鼻腔をくすぐった。
「触るよ?」
返事がないまま手が下半身を触った。
「いやぁ」
下着越しに指がパステルの大事な場所を撫でた。
じっとりと湿った手触り、二人の顔が同時に真っ赤に染まる。
「すごい・・・」
「やだ!クレイ!」
ちょっと動かしただけでにゅるにゅると布地が滑る。
「濡れてるよパステル」
「言わないでよう」
つつつと上下にゆっくりと擦り上げるとパステルの上下の口から悩ましい声がする。
ぷくりと膨らんだ突起を少し強く押してみた。
「やあん!」
どうなっているんだろう、湧き上がる好奇心で勝手に手が動いてるみたいだった。
するりとパステルの下着を下ろしてみた。
つっと透明な糸を引いてパステルはついに一糸まとわぬ姿になった。
固く閉じたパステルの両足をぐいっと押し広げる。
「やだやだやだ」
まだ誰にも、自分でさえよく見た事のないそこにクレイの視線が刺さる。
パステルは両手で顔を覆って首を振る。
ぐしょぐしょに濡れて光るあそこにクレイは目を奪われた。
「やっぱりいやらしいよパステル。びしょびしょだ」
クレイの長い指がそこに触れる。
こんな粘液を吐くモンスターがいた、クレイは変な事を思い出してしまう。
ぴちゃぴちゃと水音を響かせてクレイの指が踊った。
指に絡みつく蜜を突起に拭うように塗り込める。
「ああ!やだやだ・・・、ああん」
よほどそこがいいのかパステルの身体がビクビクと跳ねる。
クレイはもう止まらない。
「聞こえる?パステル、ぐちゃぐちゃいってるよ」
いやらしくクレイが実況し、その言葉にパステルは興奮していく。
「中もトロトロだよ、こんなになってる」
すっと指を差し出して糸を引く粘液をパステルに見せてあげた。
「やだ、恥ずかしい・・・」
羞恥に肌を真っ赤に染めたパステルがまた愛おしくてクレイはキスで口を塞ぐ。
そして見せつけるようにクレイは自分の指を口に含むと、演技がかったように舐めていく。
まるで水飴を舐めるように美味しそうに舐める。
するとどうだろう、悪い薬のようにもっと舐めたいと思ってしまう。
あふれ出るそこにゆっくりと顔を近づける。
「やだ、クレイそんな」
ぎゅううと太ももを閉じてパステルは抵抗する。
が、難なくクレイに広げられてあえなく晒されてしまう。
「自分で足、持って」
クレイは思いついたようにパステルに提案する。
「そんなこと・・・」
できるわけない、パステルは足を抱えた自分を想像して首を横に振る。
恥ずかしすぎる。
「できないなら仕方ない、両手足縛っちゃうよ」
真顔でとんでもない事を言う。
「やだよそんなの」
泣きそうに見つめるパステルに選択を迫る。
「お願いだパステル、言う事聞いて。逃げ場を断ったのはパステルの方なんだから」
夜に欲情した男の部屋を訪れて鍵をかける、襲われないわけがない。
「だって・・・」
こんな事になるとはつゆほども思っていなかった、パステルの主張もわからないでもないが。
今のクレイは聞く耳など持たなかった。
さあ持って、とパステルの足を持ち上げて手で抱えさせる。
自分から誘っているようなその姿にクレイはますます興奮した。
しばらくその姿を目に焼き付けておこう、クレイはじっくりと視姦する。
「恥ずかしいよう、クレイー」
全てをクレイに見られている、トロトロの自分のあそこはますます熱を持って溢れ出ている。
パステルはいやというほど気づかされる自分のいやらしさに目まいがしそうだった。
ゆっくりと、クレイの顔がそこに沈んだ。
鼻につく女の匂いにクレイの頭が痺れる。
ちゅぱ、と音を立ててひと舐めするとびくりとパステルの腰が踊った。
まさかパステルのあそこを舐める日がくるなんて。
クレイは思いきりそこにむしゃぶりついた。
「ああああ、んん、んあ・・・あ!」
「美味しいよパステル」
溢れる蜜をじゅるじゅると吸いあげ、ひだに舌を差し入れる。
同時に指も二本差し入れる。
熱く潤んだそこはきつく指を締め付けた。
蜜をかき出すように指を出し入れし、口の端からこぼしながら夢中で飲む。
「ああ!だめ!なんか・・・へん!」
わけのわからない快感にパステルは恐怖を感じた。
あのクレイが自分の恥ずかしいところを舐めている、下腹部が熱い、どうにかなってしまいそう。
「ダメだよパステル、どんどん出てくる」
舐めても舐めてもなくならない、中はいやらしくうごめいて指を食い千切ろうとする。
「シーツについてる、すごくいやらしいよ」
「ああん、やだ・・・」
ちょっと飛び出た突起が光っていた。
指で皮をむき、ぺろりと舐める。
「あああああ!やああああ」
嬌声をあげるパステルのそこをクレイは執拗に追いかけた。
一番敏感なその場所を優しく舌で愛撫する。
あられもないパステルの声に嬉しくなって、ますますクレイは追い詰める。
ぴちゃぴちゃ、くちゅくちゅ、響く濡れた音と艶のあるパステルの声。
二度目の屹立したクレイの下半身ももう限界だった。
「だめ、だめだめ、へんになるう・・・」
「ん、パステル、大丈夫、おれのほうがへんだから」
「あああああああ!」
パステルに巨大な波が襲い、ひときわ喘ぐとついに達してしまった。
ぐったりとうつぶせに倒れ荒く息を吐く、ビクビクと身体が震えている。
「パステル?」
クレイは濡れた唇を拭うと意地悪に言う。
「気持ちよかった?」
「うう、えっちー、いじわるう〜・・・」
実はトラップより意地悪なんじゃないだろうか。
普段優しい人は実はSだとかいうしね、パステルはため息をついた。
「おれはエッチで意地悪だよ、知らなかった?」
クレイは不敵に笑う。
「もっと意地悪したい」
そして耳元で囁いた。
パステルの顔が染まる、そんな恥ずかしい事言わないでほしい。
クレイは一旦身を引くとカチャカチャとベルトを外した。
そして中から固く屹立自身を取り出して見せる。
「パステルのせいで一度イッってしまったよ」
白濁した液がそこに絡みついている。
赤黒く光るそれを握りしめてパステルを見る。
大きい、それをここに入れるのだと思うとパステルは怯えずにはいられない。
じっとりと汗ばんだクレイの裸は男らしく美しかった。
引き締まった筋肉が影を描いている。
うざったそうにその艶やかな黒髪をかきあげてクレイは言った。
「パステル、これ入れるよ」
うそ、思わず声が出そうになる。あんなの絶対入らないと思う。
心配顔のパステルに苦笑してクレイはベッドに体重をあずける。
するすると白いパステルの足を撫でて大丈夫、と言ってまたがった。
目の前に凶暴そうなペニスを掲げられパステルはゴクリと喉を鳴らした。
「乱暴にはしないから」
とろけてしまったパステルのそこを撫でてクレイは自身をあてがった。
「怖い、クレイ・・・」
「力を抜いて」
先端がぬるぬると立ち往生している。
クレイには立ち止っている余裕などなかった。
ぬぷ、と先端がひだを分け入った。
「うっ」
「パステル」
困った、ガチガチに力の入った彼女の身体は受け入れてくれるのだろうか。
試しにちゅう、とパステルの乳首を吸うと吐息をもらして力が抜けるのがわかった。
瞬間、ぐちゅと音がしてクレイが一気に入り込んだ。
「ああ!」
「うっ!」
二人同時に声があがった。
ついに繋がってしまった。
「きつ・・・」
初めてのパステルにはやはりきつかったようだ。
痛いのとは少し違う、苦しいのだ。
それはクレイも一緒だった。
今まで味わったことのない下半身を襲う感覚。
熱くてぬるぬるとしてぎゅうぎゅうと締め付けられ痛いほどだった。
「な、んだこれ・・・」
うなだれて思わずそんな感想を漏らしてしまう。
「クレイいいい・・・」
パステルの腹の中を鈍痛が襲う。きつい、苦しい。
「ダメ、だ、パステル、動くよ」
何がダメなのかよくわからない。
さらなる快感を求めてクレイは本能に従った。
ぐちゅ、と音が鳴る。
パステルが甘く鳴く。
包み込む快感にクレイは溺れてしまう。
「はっ、はっ、うっ、っく・・・」
あまりに気持ちよくて口を付いて出たクレイの喘ぎがパステルを安堵させた。
クレイも気持ちよくて苦しいのだ。
パステルの下半身の鈍痛がゆっくりと快感に変わっていく。
クレイの先端が中のある部分を突くと知らずに喘いでしまう。
「ああ、あっ、クレ・・・」
「気持ち、いいっ、パステル・・・」
クレイの汗が降り注ぎ、合わさった下半身を中心に濡れた肌がぶつかる音がする。
ギシギシとベッドが踊る音、自分の喘ぐ声。
一心不乱に腰を振り、切なげに目を閉じるクレイが愛おしいと思う。
「あっ、あっ、イッ、く!」
いきなり強く肩を掴まれ下半身が軽くなった。
「あっ、っく・・・」
クレイが取り出した自身を支え震えた。
ぴゅぴゅっと生暖かいものがパステルの身体に飛ぶ。
そしてツンとつく男の匂い。
「クレイ・・・」
はあはあと荒く息を吐くクレイは、ごめん、とだけ言ってパステルの横に崩れ落ちた。
「気持ちよすぎてすぐイッてしまった・・・」
にっこりとクレイは微笑んで言う。
「すごいよパステルのなか」
「ば、ばか!」
「熱くてトロトロで、ぐちゅぐちゅいってて・・・」
「う、うるさい!」
パステルが慌ててさえぎる。
うーこの出したものなんとかしてよー、恨みがましく思ってクレイを睨んだ。
パステルの視線を追ってクレイが苦笑いする。
「ごめん、シャワー浴びてきた方がいいかも」
クレイの提案に渋々うなずくパステルだったが、足腰に力が入らない。
それを見てクレイは言う。
「でもまだ終わらないよ、朝まで鍵は開けない」