ひとまず宿に戻ってから、わたしはギアが泊まってるホテルへと向かった。
コンコン。扉をノックする。
「パステル」
もうすっかり元気そうなギアを見て安心する。
わたしはギアの部屋に入るとソファーに座った。
いいなぁ。
わたしたちの泊まる宿とはランクが違うよね、あはは。
そんな悲しいことを考えていると、
「どうした?」
と、ギアがわたしの隣に座る。
「うん、改めてお礼を言わなきゃと思って。ギア、助けてくれてありがとう」
「俺も今度は助けられて良かったよ……」
優しい瞳で熱っぽく、わたしを見つめるギア。
あ……、そうか。
ギアは昔のパーティーで好きな人を亡くしてるんだ……。
「ギア、傷はどう?」
「もうすっかりよくなったよ。まったくホワイトドラゴンの血はすごいな、ほら」
と、着ているシャツをめくる。
きゃあああー。
ギアの細いけど、引き締まった体に赤面する。
そんなこと構わず、ギアはわたしの手を取り、怪我したところに触れさせた。
「もう傷跡もわからないだろう?」
「う、うん……」
わたしは直に伝わるギアの体温にドキドキしながら固まってしまった。もー、恥ずかしくて!
だって男の人の体にこうして触るのなんて……初めてだよ?
「パステル……」
「!」
ギアはそのままわたしの体を引き寄せると、強く抱きしめた。
「君に抱きしめられたのも悪くなかったけど」
あわわわ。
胸が、胸がバクバク言ってる。
そういえば、二人きりだ……ホテルで。
ど、ど、ど、どうしよう?
そんなわたしの動揺にはお構いなしに、
「パステル……、俺の気持ちはあの時から変わっていない。会いたくてしかたなかった……」
愛おしそうに、わたしを見つめるギアの瞳。
優しく頬を撫でられる。
「ギア……」
そして……、わたしの唇にギアの唇が重なった。
前みたいな一瞬のキスではない、大人のキス。
これだけパニックを起こしていながら、わたしは自然にギアのキスを受け入れた。
合わせた唇から、絡む舌先から、わたしの戸惑いの気持ちや緊張なんて全て吸い出されるかのように。
この言葉が聞きたかったんだ
わたしはギアが好きだった。
それでも、……冒険者を辞めることができなかった。
一度は別れたけど、ギアからもらった天使のネックレスに触れるたびに切なくなっていた。
再会したギアは何事もなかったかのように大人で。
ギアにとっては過去の話になってるのかな、そう、それが気になって、確認するのも怖くて……胸がざわざわしてたんだ。
ギア……。
わたしがギアの首に手を回すと、ギアはわたしを上にしてソファーへと倒れ込んだ。
長い長いキス。
ギアの骨ばった大きな手がわたしの背中、ウエスト、おしり、いろんなところを撫で回して……くすぐったいけど心地いい。
唇が離れる。
わ、わーっ。
ギアを上から見下ろしてる。
普段とは逆の構図に今更ながら照れくさくなった。
ギアの手が優しく頬を撫でる。
「パステル……ずっと、ずっとこうしたかったよ」
切ない声。わたしを見つめる瞳。
今度はわたしがギアの唇を塞いだ。
離れていた時間を埋めるようなキスを繰り返すわたしたち。
唇を合わせたまま、ギアはゆっくりと体を起こして、今度はわたしの体を反対側に押し倒した。
逃げられない。
わたしに覆い被さるギアを見上げると、まるで捕らわれてしまったかのような錯覚……ドキリと胸がときめく。
それにそれにすんごいかっこいー。
至近距離で見上げたギアの顔はいつもに増して素敵で……たまらなくなる。
普段より熱っぽい瞳もセクシーすぎて……恥ずかしいけど、そんなギアに釘付けになってしまう。
ギアはそんなわたしにふっと微笑むと、おでこに、瞼に、頬に、唇に軽くキスをした。
そして……。
「……移動しようか?」
わたしはギアの瞳を見つめたまま、コクリと頷いた。
ギアはいつかのダンジョンの時みたいに わたしをソファーから抱き上げた。
(「俺が抱いてってやろうか?」)
あの時とは全く違う、甘く、とろけるような、ときめきを感じながら、抱き上げられた私は、これから二人でするであろう行為にドキドキしながら……ベッドへと運ばれた。
さっきまで唇同士を合わせるためだけに使っていたギアの唇が今度は……、
耳たぶをくすぐり、首筋を這う
ギアの指がテンポよくブラウスのボタンを外していく。
あらわになっていく体に唇が下がっていくと、わたしの心臓のドキドキさえも伝わってしまいそう。
恥ずかしがるわたしの気持ちを無視するかのように呼吸が荒くなる。
。
整えようとするものの、それは無駄でしかなかった。
ギアの唇がわたしの胸の頂点を……吸い始めたとき、自分の意志と裏腹に恥ずかしい声が漏れる。
「可愛いよ、パステル」
ギアはもう片方の胸を指先で弄ぶ。
「ゃぁんっ……」
甘い甘い刺激が電流みたいに流れて体の中心に集まっていくみたい。
熱い。
「気持ち良かったら声を出していいんだよ?」
ギアはするりと器用にスカートと下着も脱がせた。
そして、ギアもシャツを脱ぎ、ベルトを外して……初めて見た男の人のそれはすごく大きくて……見てるだけで変な感じ……というか、甘い甘い疼きをわたしは恥ずかしい部分に感じてしまった。
一糸纏わぬわたしたちはお互いの素肌を感じ合うように強く抱き合いキスをした。
さっきまでとは違う……恥ずかしい音をいっぱいたてるキス。やらしいよ、ギア……。
ギアの手は胸を、恥ずかしい部分を弄ぶ。
にゅる。
「濡れてる……」
ギアの指先が小さな突起をクルクルと撫で回す。
「ぁん……ぁぁっ……」
「可愛い、可愛いよパステル…もっと鳴いてみせて?」
指先の動きが早くなるにつれて体中の神経が全てそこに集中するみたい。
す、好きかも……。
「いやらしい子だね、パステル。女の子なのにこんなに堅くして……」
ギアは指先できゅっと堅くなった突起をつまんだ。
「んっ……、ぁ……」
体がビクッとなるほどの刺激。
痛さと快感のちょうど真ん中くらいの強い刺激に私は溺れるばかりだった。
そして、ギアはわたしの手に、堅く大きくなった男の人のあれを握らせた。
「そう、力は入れないで……指は、こう……そうだ……上下にこすってごらん」
うわぁっ……、お互いに恥ずかしい部分をいじり合ってる……。
そんな罪悪感に似た気持ちすら快楽につながる。
「そうだ……、上手だね……」
ギアの声もなんだかいやらしい。
ギアのあれもピクッと反応したり……気持ちいいのかな?
「ご褒美」
膝を立てさせられて大きく足を開かれる。
「丸見えだね」
わたしを辱める事ばかり言うギア。
「いじわる。。」
「可愛がってるんだよ?」
意地悪く言うギア。
そして、わたしのあそこに指を沈めてぐちゅぐちゅと欲望の音を立て、さらに舌でペロペロと突起を舐め始めた。
「ちょ……そんなとこ……」
今更、羞恥心なんて無駄だけど。
さすがにあんなところを舐められたら……ぅぅ、気持ちいい……。
溺れている……淫らな行為に。
「こんなに俺が欲しいのか……」
ギアはぐちゅぐゅあそこをかき回すと満足そうに言った。
「いやらしい子だ……初めて、なんだろ?」
ギアの目を見てコクリと頷く。
「潤んだ瞳は反則だな……そんな瞳で見ないでくれよ……」
そしてギアは私の耳元で、
「乱暴に犯したくなる……」
そんな囁きと、耳にかかる彼の熱い息にわたしの全身は更に熱くなる。
そして、ギアは熱くなったあそこを、さっきまで指が入ってた部分にあてがった。
でも、でも、でも!!
指の何倍も……大きいよね?
緊張で力が入る。
そんなわたしに気付いたギアは、
「大丈夫、わかってるから。優しくするよ……」
ふんわり口付ける。
そんな甘く優しいキスをしながら、ギアは……ぐっと押し込んできた。
「!!!!!」
わたしはパニック。やっぱり無理。あんな大きいの無理だよ。
「ギアッ……怖い……入んないよ……」
「大丈夫だ、パステル。もう先のほうは入ってる」
ギアが私の腕を引っ張って、私の体を起こさせると……僅かに結合してる部分を見せてきた。
「ゃだ……、こんな……」
それは今まで見た何よりも……みだらな光景だった。
わたしのあそこが押し広げられて、あんなに大きいギアのものをくわえ込んでるっ!
「少しだけ我慢して」
ギアは再びわたしを押し倒し、今度は強引に腰を進めてきた。
「あぁあぁぁッ」
ズブズブと体の奥深くに異物感。これはギア?
「奥まで入ったよ……いい子だ」
ギアはわたしの頭を撫で、軽く口付けるとゆっくりと腰を動かし始めた……。
最初こそ、痛いような、不自然な摩擦感に違和感ばかり。
でも……だんだんと生まれて初めて体験する快楽がわたしの体を支配していく。
ギアとわたしがこすれるたびに、さっきまでとは比べものにならない快感が生まれる……。
わたしの息づかいや声からそれを察したギアはさっきまでより早く腰を動かし始めた。
わたしは激しくギアに突き上げられるたびに……ギアがくれる快楽に征服されていく。
ギアの首にすがりつくと、彼は荒々しくわたしの舌を絡めとるキスをした。
いつも冷静なギアからは想像できないくらい激しく情熱的に。
腰を動かすたびに彼の唇からもれる声はわたしと同じで、とても気持ちよさそうで……。
それはさらにわたしの気持ちを高めた。
「締まる……ッ」
なに?
わかんないけど、すごく恥ずかしいことを言われてる気がする……。
「すごくいいよ……パステル……ッ」
二人の荒い息づかいと喘ぎ声と快楽の音が……静かな部屋の中で絡みあう。
体がつながることが、こんなに、こんなに気持ちいいなんて。
わたしはどこにいるんだろう?
ギアと二人で違う世界に飛ばされたみたいな……「パ、パステルッ……いくッ」
目の前が真っ白。なんとなくわかったのは、わたしの中でギアがビクッとなって……そして、ドクッドクッってなって、何か暖かい液体がわたしの足の間を伝っていた。
ねぇ、ギア。
また、あなたと離れ離れだよ。
今のわたしたちは同じ場所では生きられないから。
結局、キスキンのときみたいに、わたしたちは離れた。
でも、あの時と違うのは……。
きっとまたあなたに会える。
何の確信もないけど、素直にそう思えたんだ。
再会を約束したキス。
離れてもそれは別れじゃない。
そんな思いを胸にわたしたちはそれぞれの場所へ旅立った。
クエストで手に入れた人魚の涙はすごい大金にはならなかったものの、貧乏パーティーを脱出するのに十分な収入となった。
そして、実はギアも人魚の涙を手に入れてたんだって。
その人魚の涙が指輪になって、数年後、わたしの左手の薬指にはまることになるとは……このときのわたしは知るよしもなかったんだ。
おわり