ん…重……?  
 
わき腹に圧迫感を感じて目が覚めた。  
まぶたを開けても真っ暗。  
でもよく凝らせばすぐそこにトラップの寝顔がある。  
 
うう、起きたらそこにトラップ、なんて初めてのことじゃないけど  
なんか慣れないなぁ。  
心臓をどきどきさせつつ圧迫感の元に気を向けると、  
トラップの腕が乗っていた。  
これかあ。まああの寝相の悪いトラップと寝てるんだもん、  
蹴落とされなかっただけでもマシって感じ?  
 
起こさないようにそ〜っと腕を下ろそうとすると、  
それを振り払って今度はしっかり腰に巻きついてくる。  
あ、あれ起きてるのかな?  
顔を見てみるけど、う〜ん、寝息といいほんとに寝てるような…。  
ま、いっか。まだ暗いし、もう少し寝よう。  
 
そうして目を閉じると、腰にあった手がゆっくり動き出した。  
「…っ」  
出かけた声をすんでのところで飲み込む。  
だ、だって冷たい指が背筋をなで上げるんだもんっ。  
その、は、はだかの背中を。  
「トラップ、起きてるの?」  
小声で聞いてみるけど、反応はない。  
でも絶対怪しい!怪しい!  
「寝ないと明日に響くよ。ね、もう少し寝よう」  
 
「…寝てる」  
 
起きてるじゃない!  
 
じたばた暴れるわたしを気にも留めず、もう片方の腕も腰に回してきて、  
強く引き寄せられた。  
トラップの胸にわたしの胸を押し付けてるみたいな格好になる。  
 
「ひゃ、ちょ、ちょっとっ」  
「いや〜、目が覚めたら抱きまくらが遠のいてっからさぁ」  
「わたし、抱きまくらじゃないよっ」  
「…あったけぇ」  
 
とか言いつつ、首筋にっ、お、おしりに〜っ。  
 
 
結局、翌朝寝坊してみんなに迷惑をかけることになるのでした。  
 

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