トラップがヨウグス蛾の毒から完治までの一週間わたし達はトラップの家にお世話になっていた。  
トラップはもちろん安静にして(毒が消えたから心配はないけど)クレイも傷が治るまで安静にしているようにとユアン先生に言われたので同じく部屋に缶詰  
ノルやキットンは、また病院沙汰になると困るからお金を貯めておくためのバイトをする。もちろんわたしもね  
考えたくもないけどまた誰かが負傷して治すお金がないから治せないじゃシャレにもならないから  
クレイは「俺もバイトできる」とは言っていたけど「また無理して傷でも開いたら迷惑なんだよ」とトラップが言うと渋々引き下がったまあウチの大事なファイターだから治ってもらわないと  
バイトはノルは大工ノルは手先が器用だからいい仕事するので大工さんに気に入られている、キットンはもちろん薬剤師最近調剤にさらに磨きが掛かっているよね  
私はは印刷屋のバイトがないので他探しているんだ  
ルーミィは?というと、トラップのお母さんのおいしい料理やお菓子が気に入ってくっついて歩いて離れないからバイト中見てくれるんだってありがたいよね  
 
わたしは、ここのところバイト探しが終わってトラップの家の手伝いも終わると、トラップの家にいる人たちにショートソードの修行をしてもらっている  
機械の鳥にルーミィがさらわれたときもしも剣をまともに使えたらと思うとルーミィにも怖い思いさせずにすんだし…なんて思うと修行しなくちゃと思うのよ  
でもクレイは安静なので彼らに頼んだって事  
(クレイに話したらきっと無理して練習につきあいそうだし)  
さすが盗賊一家の衆だけあってタダで教えられないっていうので(トラップが育成されるだけある)彼らの夜食を作る代わりに教えてもらえることになった  
レッスン料は現金でっていわれると思って覚悟していたのに(なけなしだったから助かったのは本音だけどね)  
 
朝からバイトを探し回り夜は剣の稽古ヘトヘトだけど、役にたちたいと思うと頑張れるんだね  
何日か探しやっと見つかったのがウエイトレスだった  
リタの手伝いで何度かやったことあるので、全くの初心者ではないにしても支給される制服が…大魔術教団のレオタードよりはマシだけど、だけど…形としてはメイド服  
でも胸を強調したラインひらひらのエプロン、膝ぐらいのスカート、なんでかなーガーターベルトまで制服として着けるんだって  
説明だけじゃぁ、さもないようだけど  
はたしてわたしが着たら似合うのだろうかそんなデザイン  
誰かさんは必ず「出るとこ出ないで」なんて言う事は想定できちゃうもん  
トラップの家に帰り「ウェイトレスの仕事があったんだ」と言うと  
「おめぇみてーなドジに務まるのかー?」  
だって!失礼しちゃうわねベッドの上でトラップは意地悪そうに言う  
病人じゃなきゃ背中でもバシッと叩いてやりたい  
「リタの仕事を手伝ったことあるもん」とはいうものの眉をひそめながら「ホントは皿洗いやら裏方仕事を希望したけど定員でこっちしかなかったんだーちょっと自信ないかも」というと、キットンは  
 
「パステル、あなたは仮にも小説家なんでしょ客のなりとメニューを物語として覚えておけば失敗も少ないんじゃないですかギャッハッハッハ」  
助言ともつかないような助言に少し自信がもてた「制服も貸してもらったしがんばるわ」というと  
「ぱーるぅせーふくってなんだぁ?」  
ルーミィはトラップのお母さんが作ったドーナツをぽろぽろこぼしながら聞いてきた  
「病院のお医者さんとか看護婦さんが着る服みたいに仕事によって服があるんだよ」  
クレイが優しく答えると、  
「ぱーるぅおいしゃさんになるんかぁ?」とシロちゃんと無邪気にはねまわっている  
「制服ってどんなのなんだい?」クレイは爽やかな笑みを向けながら聞く  
 
恐る恐る配給された制服をだすと、この場は言葉を失った  
「ドーマにもこんな服を着る店があったんだね」クレイは目をそらしがちに言う  
「なんだよおめぇー出るとこ引っ込んで出ないとこ出てる奴が着れんのか?」  
予想通りの言葉に怒る気もしなかったがやっぱりムカつくわ  
「パステル…きっと似合うよ」  
とノルが言うと  
キットンも、  
「ギャッハッハ馬子にも衣装っていいますからねぇ以外と似合うかもしれませんね」  
わたしは「ありがとうノル、キットン」  
というと、トラップにはベーッと舌をだしてやった  
しばらく服の話が続き、わたしはみんなを爆笑の渦に巻き込んだ服を部屋にかけると、動きやすい格好に着替えて稽古場に向かった  
 
 
「また宜しくお願いします」  
わたしは、トラップの家にいる盗賊団の人に剣を教わっている  
その時手の空いている人に頼んで相手をしてもらうんだ  
基本的に気のいい人ばかりで文句も言わず相手してくれる  
「おっパステルちゃんまた着たね」  
二回り上の髭を生やした、すらっとしたおじさんが今日の相手  
わたしは修行用の木刀でおじさんは細い竹ひごみたいな棒でやるんだけど……  
これで普通はおじさんが不利みたいだけど、まともに当てたことがないのよ  
おじさんのくりだす攻撃が見事にあたる  
これでも手加減しているらしい(これでおじさんが修行用木刀持ったらただではすまないからね)  
「パステルちゃんは剣先ばかり見ているから、ちゃんと視線や踏み出す足も見てごらん?」  
おじさんは涼しい顔でアドバイスするが対照的にわたしの方は息がかなりあがっていた  
「はい!」  
と答えると、剣を構えた  
予備校でロドリゲス先生にも言われたっけなあ  
剣の稽古を二時間くらいやると、へとへとだけど、ここ数日やっているからかなり慣れてきた  
稽古前に仕込んでとろ火でかけていた鍋を夜食として出すと、  
「だいぶ良くなってきたね」と言われて嬉しくなった  
 
それが多少の成長だとしてもなにもしないよりずっといいもんね  
その夜はバイトだから早めに寝ることにした  
 
翌朝、トラップのお母さんの手伝いをしつつトラップの部屋に朝ご飯を運ぶ  
だいぶよくなって憎まれ口をたたくせいか忘れがちだけど一応病人だからね  
「なんだおめぇーか」  
トラップの部屋は相変わらず散らかっている  
「悪かったわねわたしで」というと、置き場所もないからベッドの上に朝ご飯をおいてやる  
「おめぇーは食ったんか?」トラップはフォークをぷらぷらさせながら聞く  
「珍しートラップが人の心配するなんて」熱でもあるんじゃないの?なんていったら  
「バッカだなおめー食いすぎて更にでっぱったら制服着れなくなると思って心配してんの!」  
にやにやしながらいうトラップを睨むと  
肩をすくめてご飯を食べ始めた  
 
「じゃあ、わたしバイトあるから行くね」  
トラップの部屋を後にすると、制服を持ってバイトに出かける  
キットンやノルはもうとっくにバイトに行ってしまった  
ルーミィはトラップのお母さんにくっついて歩いているので、  
「じゃあルーミィ、おりこうさんにしているんだよ」というと  
「わかったおう!ぱーるぅがんばっておう」  
「ワンでし」と二人でニコニコしながら見送ってくれる  
 
初日から遅刻したらまずいから、バイト決まってから何回も目印を確認したからなんとか迷わずたどり着いたバイト先  
 
ドーマのはずれに最近できたこのお店  
町外れとはいえ、制服が可愛いからという口コミでお客さんの入りもいいみたい  
ウェイトレスが一人急にこられなくなって短期でわたしが偶然バイトに入ることができた  
 
お店で着替えると、見たことない自分が鏡の前にいるってかんじ  
髪は耳の下で二つ縛り  
うーん…自分だと似合っているのかわかんないなぁ  
 
猪鹿亭で手伝いしたり、キットンの言うとおり覚えてやると、大きな失敗はなく、なんとか仕事をこなせられた  
 
五日もやると、慣れてくるもので、お客さんもだいたい覚えられた  
 
こんな制服を着ているから、ウェイトレスの子は声をかけられたりして困ることもしばしば  
わたしも例外ではなかった  
 
店も終わり、人気のなくなった外で若い男性二人組に声をかけられた  
冒険者の格好なら声をかけられたりはしないのに服でこんなに違うんだなと感心していたら、  
感心している場合ではなかった  
「おねーさんこれからいいことしない?」  
二人組はあやしげな笑いを浮かべると、わたしの方ににじりよってきた  
「みんなが待っているからもう帰りますので」  
話して通じればと思ったがそうではなかった  
「いやなら無理にでも従ってもらうまでさ」  
二人組の一人はナイフを取り出し、もう一人はわたしを捕まえようと手を伸ばす  
怖い…怖くて足がふるえてる  
町のはずれだから叫んでも閉店したから誰も来ない  
逃れようと思わずよろけて膝をついてしまった  
「ひゃっはっおねーさんパンツ見えたよ」  
男はニタニタしたがら迫る  
偶然足下にあった棒を拾うと端を持ちしゃがんだ姿勢から男の臑めがけてなぎ払った  
「痛ってぇー」  
泣き所とはこのこと大男でも弱点はある痛みに悶えてわたしをつかまえるどころじゃない  
 
油断してくれたお陰で一人はうずくまっている  
「やってくれんじゃねーか!この女ァタダじゃすまねぇー」  
ナイフを持った男がナイフを構えじりじりと近づいてくる  
 
《お願いします自分の身ぐらい自分で守れるようになりたいんです!みんなに守ってもらってばかりで…》  
 
稽古のことを思い出し気を落ち着かせた  
 
《間合いを読みとれ!》  
男の手の長さからナイフが届かなそうな位置ぎりぎりまで間合いをつめる  
《剣先ばかり見ないで視線や足に気を配るんだ》踏み込んでナイフを横振りするのをかわす  
避けられ頭にきたのかナイフで突き出すのを一歩相手の斜め左側に踏み込み、つきだした腕の関節に棒を振りおろすとナイフが落とされる  
こちらは背を向けた状態から  
《力がなければ反動を利用しろ》  
振り向きざまにバックハンドで男を凪ぐ  
 
なんとか、男から逃れほっとしたら、うずくまっていたはずの男が隙をついてわたしを羽交い締めにする  
 
「オイ女、さっきはよくもやってくれたな…お礼をしなくちゃな」  
そのまま押し倒されのしかかられるとどうにもできなかった  
わたしの血の気が引く  
両手を頭の上で押さえられあいた手で服をたくしあげられる  
「いやぁ…やめてぇ」  
こうなると女の力ではどうにもならない  
「さっきまでの威勢はどうした」  
露わになった胸を乱暴に揉む  
こんなの恥ずかしい…痛い  
もうやめて  
 
「助けて…  
トラップ!!」  
 
彼は安静にしなければならないから来るはずないのはわかっている  
でも、いつもわたしを助けてくれた  
迷子の時もいつも探しにきてくれた  
だからまっさきに口をついて出てきてしまった  
 
あきらめかけたその時、頭の上で声がした  
「おい…そいつから汚ねぇ手を放せよ」  
聞き慣れた声がする方をみるとトラップが男を睨みつけて立っていた  
「小僧いまいいところなんな殺されたくなかったら消えろ」  
苛立ちながら男はわたしから離れトラップの方に行くと瞬間トラップ男の鼻めがけてデコピン(鼻だけど)  
バチンってかなりすごい音がしたんですけど  
男は声にならない悲鳴を上げて鼻を押さえてしゃがみ込んだ  
鼻血をだしながら殴りかかってくるのをなんなくかわして鳩尾に一発でのしてしまう  
 
奮闘したわたしが虚しくなるくらいあっさりと  
呆然とトラップの方をみていたら  
「あにボサってしてんだとっとと帰るぞ」  
って手をひっぱってどんどん家に向かう  
うぅ…なんか機嫌悪そう  
そうだよね安静のはずなのに助けにきたからかな  
 
トラップの家まで来ると安静なのにウロウロしているとうるさく言われるからトラップは窓から自室に戻ってしまった  
 
わたしの擦り傷や汚れた格好をみて皆が心配していたが  
迷って転んだって説明したらみんな納得してしまった  
余計な心配かけなくないから丁度いいけど迷って転んだで納得されるのもなんだかね…  
 
トラップにお礼をいわなきゃと思い、彼の部屋にいく  
ノックをして部屋に入るベッドにすわってまっすぐわたしをみるトラップ  
「トラップあの…」まだ機嫌悪いかな…と思い恐る恐る声をかけると  
すくっと立ってつかつかわたしの方に来るから何を言われるのかと構えていたら  
無言でわたしを抱きしめていた  
突然のことにどうしたらいいか戸惑う  
顔の横にトラップのさらさらな赤毛の感触  
意外とたくましい腕や胸の感触  
普段なんとも思わなかったのに抱きしめられるとトラップも男なんだと思った  
 
顔を真っ赤にしながらも本来の目的を思い出した  
「あの…トラップありがとう」  
そっと上を向いてトラップの顔を見るとトラップは怒ったような悲しげな顔でわたしの傷を見ながら言った  
「すまねぇもう少し早く着いていれば…」  
それって心配して探しに来てくれてたってこと?「わたしね、いつも助けてもらってばっかりだったから自分で何とかしようと思ったけど  
…やっぱりダメだった」  
さっきまでのこと怖くて気を張っていたのに抱きしめられているせいかだんだん緩んでくる  
「トラップいつも助けに来てくれるけど、今回は気にしないで寝ていられるように頑張ったんだけど  
誰でもなくトラップに助けてもらいなんておかしいよね」  
そういうと、トラップの顔がだんだん近づいてきてわたしの唇をそっとふさいだ  
「おめぇが帰りが遅かったから家を抜け出して様子を見に行ったんだ  
一人倒れていたのはおめぇがやったんだな」  
トラップはわたしの腕をとると血が滲んだ痕の傷口に舌を這わせた  
 
トラップの温かい湿った舌が通るたび変な気持ちになる  
わたしどうしちゃったんだろう  
さっきの男に触られたときは嫌だったのにトラップに触られていてもちっとも嫌じゃない  
「わりぃ…パステル俺これ以上やると止められねぇから…あんなことあったあとなのに」  
トラップは苦笑いをしながら唇を離す  
「いいよ…トラップだったら」  
真っ直ぐ見つめていうと、それに応えるようにトラップは深いキスかわす  
わたしの口の中に入ってくる舌にそっと触れるとわたしの舌を絡めとるような熱い口づけながら  
器用にわたしの服に手をかけ脱がせる  
あっと言う間に下着とガーターだけになったわたしを改めて見ていた  
「ごめんね胸小さいでしょ」  
いつも出るとこ出てる女がいいと言うのでこういうと  
「ばーかおめぇが思っているほどおめぇの胸は小さくなんかねぇよ  
ま、好きな女の胸がどうだろうと好きには変わりねぇからな」  
そういって笑うとわたしをベッドへ横たわらせブラジャーを取り去る  
綺麗だ…とつぶやくと首筋から胸にキスを降らせる  
くすぐったいような気持ちいいような感覚に思わず息が荒くなってしまう  
割れ目からぬるりとしたものが出ている  
あれ?これって…  
 
わたしの異変に気がついたのかトラップはわたしの足の間に膝を割り込ますとスルリと下着を下ろすと  
彼の細長い指がわたしの中に入ってきている  
くちゅりとイヤラシい音をたてながらゆるゆるとわたしの中をかき回すと次第にあふれて出てくる  
はじめは荒かった息も自分が出したことないような声がでてしまう  
「…っは…ああッ」  
徐々に指を増やし器用な指先でぐいぐいと刺激され頭の中がぐちゃぐちゃになってしまうくらい  
わたしはこの感覚に酔いしれていた  
 
トラップは熱くいきりたった彼のモノを取り出すとわたしの割れ目にあてがった  
ぬるぬると蜜を彼のモノに塗り付けると、ぐいとわたしの中に押し込める  
痛みはするけど、かなり濡れているせいか何とか入った  
指とは違った圧迫感  
「動くけど大丈夫か?」  
覆い被さるトラップにこくりとうなずくと、徐々に腰を動かす  
動いていくうちにだんだんと快感が生まれ快感に耐えるべくトラップにすがりつく  
「やべっ俺もう限界」  
抜き差しされる彼のモノとわたしの中はぐちゅぐちゅと音をたて体のぶつかり合う音が聞こえてくる  
 
トラップは腰の動きを早めるとわたしの中で果てた  
同時にわたしは頭がまっしろになった後しばらく事の余韻にひたっていた  
そういえば借りた制服をちゃんと洗って返さなきゃとふらりと立ち上がると血とトラップの放ったものが太股をつたう  
 
そんな様子に思わず目を合わせて笑ってしまう  
 
 
後から聞いた話、わたしの帰りが遅いたび部屋を抜け出ては様子を見に行っていたそうだ  
照れくさくて隠していたけど、トラップのお母さんは判っていたみたい  
 
きっとトラップの部屋での事も…ばれているんだろう  
 
 
おわり  
 

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