「はぁっ…ふぅ…っ」  
「…おいパステル、もっと腰使えって」  
「そっ…そんな事…言ったって…んんっ……」  
 
白昼堂々と、わたしとトラップが二人きりで何をしているかというと。  
 
「痩せたいんだろ?これ位できなくてどーすんだよ?」  
「ばかぁ…っ…結構…つ…辛いんだから…」  
うー、腹筋ってこんなに大変だったっけ?!  
 
実は、最近ちょっとだけ太ったかな?と思って、腹筋を始めることにしたんだ。  
でもこれが、思ったより辛い。  
冬はあんまりクエストにも出られないから、身体が鈍っちゃってるのかも。  
いや、だからこそこうしてトラップに手伝ってもらいながら、頑張って引き締めようとしているのだけど…  
 
「ほれほれ、あと25回」  
「………」  
 
やっぱり、トラップに頼むんじゃなかった。  
いくらわたしがトラップの彼女とはいえ、甘やかすような人じゃないのは一番解ってたはずなのに!  
とほほ、既に腹筋がキリキリ痛くなってきた。  
 
「ちっ、しゃーねーなぁ…んじゃ、これならどうだよ?」  
「…!」  
 
トラップはそう言うと、右手はわたしの足首を押さえたまま左手を伸ばしてきた。  
これって…  
 
「ちょっ…こんな時に…何、やってるのよ」  
「いいからいいから。ま、そのまま続けてみろって」  
 
彼の指は、わたしの下着にぴったりと張り付いている。  
触られただけなのに、なんか身体の奥がムズムズしてくる。  
言われた通りに腹筋運動を再開すると。  
 
「あ……」  
 
別段トラップが何かしたわけじゃないんだけど、  
わたしが起き上がる動きに合わせて、下着と肌が擦れ合う。  
控え目だけど、けっこう気持ち良いかも。  
 
「ふん、どうだよ?」  
「ん…ちょっと、気持ち良いかも…」  
「だろ?」  
 
そう言ってトラップは、添えている指に少し力を込めた。  
下着と一緒に、わたしの肌にわずかに食い込む。  
身体を起こすと強くなり、戻すと弱まる刺激。  
僅かな時間だけ与えられる快楽に、もどかしくなってさえくる。  
 
「やぁ…っ、あ…んッ」  
「あと10回」  
 
…ほんとはもっと、触ってほしいのに。  
 
「パステル」  
 
私が起き上がる隙をみて、耳元で囁く。  
 
「おめえの腰…すげぇ、やらしー」  
 
だって、自然に動いちゃうんだもん。  
こればっかりは仕方ない。  
 
「トラップが…さ、触ってくれないから…だよっ」  
「あと5回、出来たらな?」  
「意地悪…あ、あぁっ!」  
「ほーれ、頑張れ。あと、4回」  
 
ついにトラップの指が下着を掻き分けて、すっかり濡れているわたしに直接触れた。  
 
「だ、だめっ…いやぁ……おかしくなっちゃうよぉ……っ」  
「いいんだぜ?おかしくなってみろよ…あと、3回」  
 
部屋中にトラップの指とわたしが触れ合う音が響いて、かなり、恥ずかしい。  
でももっと恥ずかしいのは、その音にも増して大きい…わたしの喘ぎ声。  
 
「あぁぁ…も、もっと……」  
「あと2回」  
 
罠を解除するときのような、繊細な指の動きに、もう我慢できなくて。  
 
「あっ、あぁっ!も…もうだめ………っ、トラップぅ…」  
「…ラスト、な」  
 
そう言うと一気に指の動きが速くなった。  
 
「や……あぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」  
 
起き上がったところで、わたしは果ててしまった。  
……ゆ、指だけでイッちゃった…  
 
気まずくて、そっとトラップの顔を見る。  
彼はそれはそれは嬉しそうな顔で口の端を上げると、  
 
「よく出来ました。じゃ、ご褒美な」  
 
そう言って、わたしを抱きしめた腕に力を込め、そのままわたしを押し倒した。  
 
 
おしまい。  
 

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