とある村に、ちょっと届け物をしてほしいと頼まれて、わたしたちはこぢんまりとした村にやってきた。
拠点にしているシルバーリーブよりもさらに小さくて、のんびりとしていて、なにより宿代がとっても安いの!
情けない話だけど、とても助かる…。
しかも、部屋は綺麗でごはんは美味しい、村の雰囲気も優しい。
なんていうのかな、素朴なんだよね。
村の子どもたちは冒険者に、とくに戦士であるクレイに興味しんしんで、用事を済ませてからわたしたちが宿を探し始めるとあちらこちらから集まってきて案内してくれ、宿に着くまでの間、
「ちょっとその剣見せてくれよー。だめ?だいじょうぶだよーおとさないよー」
「そのアーマーなにでできてるの?」
「なあなあ、いままでどんなモンスターと遭った?怖かった?」
なーんてずっと質問し通し!
クレイもなんだかとても仲良くなっちゃって、宿に着いてからも子どもたちの人気者になっちゃってた。
でも、クレイは優しいし面倒見がいいから、子どもたちが慕うのもわかるんだけどね。
そして、宿代があまりに安かったので広めの部屋を2つ取り、その夜のことだった…
「あらら…2人仲良く、寝ちゃったのね」
「そうなんですよ、ずいぶん早かったですよ」
キットンが図鑑をめくる手を止めて、わたしのつぶやきに返事をくれた。
ルーミィがなかなか部屋に戻ってこないから、男部屋に迎えにきてみたんだけど、クレイとルーミィが仲良くくっついてすやすやと寝息を立てていた。
ルーミィの右足がクレイの喉に乗っかっていて寝づらそうなのに、彼は全然目覚めそうにない。
今日、子どもたちの相手をずっとしてたもんなぁ。疲れたんだね。
ルーミィの足をそっとどけて、毛布をかけなおしてあげた。
「そういえば、トラップはどこにいったの?」
「うーん?わたしは知りませんよ。さっきまで、いたような気がするんですけどねぇ」
「そっか。まったくもう…きっとどうせ、お酒でも飲みに行っちゃったのね」
「この村じゃ、ギャンブルの心配がないだけいいじゃあないですか。ぎゃっはっはっは」
うーん。
それはそうなんだけどさぁ。
わたしはキットンにおやすみを言ってから、自分の部屋に戻ることにした。
もう、トラップってば。
「遊ぶのは控える」…って、約束してくれたのに!
付き合い始めて、もうすぐ1ヶ月。
みんなの目を盗んでするキスも、ドキドキしても慣れてきたけど…
すぐにふらっとどっかに遊びにいっちゃうのは、ちょっと、やっぱり、やだなぁ。
ということは、今日。
ルーミィと2人、いつも1人用のベッドを使っているところ、すこし広い部屋に大きめのベッド、という部屋を借りてみたんだけど…
ひとり占めできるんだ!わああ、やったぁ!
クレイに心の中で大きな感謝を捧げて、部屋のドアを開けると…
「よっ。邪魔してるぜ」
…
?!
とっさにびっくりして大きな声を出しそうになった口を、自分で抑えた。
「と、トラップっ」
小声なんだけど、声が裏返っちゃう。
トラップってば、トラップってば…いつのまに?
彼はいつも結んでいる髪の毛をほどいて、リラックスした服装でベッドの端に腰掛けていた。
うわ、なんか赤面しちゃうぞ。
見慣れてるはずなのに。
「いま、そっちの部屋に行ってきたところなんだけど…」
「ああ、クレイとルーミィ、寝ちゃってただろ?」
「う、うん」
少しだけ唇をとがらせながら、彼はじっとわたしを見つめてきた。
ええと…つまり。
えっと…そういうこと、っていうか、どういうことなのかな、というか。
とりあえずベッドの、トラップの隣に、彼に向き合うように座った。
わたしも見つめ返してみる…
「髪の毛、おろしてんの…いいな」
「えっ」
耳の、後ろ側。
髪の毛を梳くように、手のひらを首にまわされて、そのままぎゅうっ、とトラップに抱きしめられた。
耳と髪の毛を彼の鼻先がくすぐってる。
…幸せ。
ドキドキ、するんだけど、ものすごく安心もする。
からだじゅうの力が抜けちゃうよ。
…あっ。
わ、わ…どう、どうしよ…
トラップの手が、背中から服の裾を押し上げて、腰のあたりを触り始めたっ…
わたしが、どんなにどんなに鈍感でもわかる。
彼がしようとしてること…
「…ひゃっ」
胸。や、むね…
彼の手が服の下で、わたしの胸を探り当てて、ふに、と掴んだ。
「あ…あっ」
最初やさしかったその感触が、乱暴になったり、戻ったり、ちょっとだけつまんでみたり…
耳の横でたまにトラップの吐く息の音しか聞こえない。
そのほかの音がなくなってしまったみたい。
ふいに、その手がわたしに触るのをやめて、背中を抱きしめなおした。
「パステル」
…トラップ。
声に出す前に、唇をふさがれた。
熱い吐息と舌が差し込まれて、めまいがするくらいに絡め取ってる。
キスしながらトラップは優しくわたしの背中をベッドに押し付けた。
おなかのあたりをさわさわ、と、さっきとは逆側の手が撫でて…
これって…ああ、あの、トラップ?
「んむっ…」
パジャマのズボンのなかに、するりと忍び込んできた。
「んんんんッ…あっ…」
な、なんていえばいいんだろ。
押し広げるようにして、その場所を、トラップの冷たい指が触ると…
ぬるっ、としてた…。
それを広げるようにくるくると、触られているとときどき、自然に声が出てしまって。
こ、これが…「感じる」って、やつなのかな?
「パステル…いいか?」
そこを触りながら、トラップが耳元で囁いた。
って、そんな、いいかって言われても…
「も、や、やっ、いま聞かれても、こま…あっ、る…」
なにに対して、許可を求めてるのよ?
こんなに、こんなに好き勝手してるくせにー!
と、思ったのが先か、後か。
彼の指がぐい、と入ってくるのがわかった。
「ああっ、ああ、や、やっ…」
擦られて、入れられて、そのたびにわたしは声を我慢できなくなっていった。
薄目を開けると。
彼がいままでみたこともないくらい真剣な顔で、わたしを見ていた。
「や、やだ、見ないでよぉ…やだ…」
「…やだよ」
「え…?」
「全部、見たい」
指を引き抜くと、彼はわたしの下着とパジャマのズボンを下ろした。
そして、自分の履いていたハーフパンツとボクサーパンツを脱いで…
「…わりぃ、止まれねぇからな」
大きく硬くなったそれを、わたしの中に突き入れた。
「やぁっ…!や、トラ、トラップっ…!!」
い、痛いっ…!
男の子の、これって、こんなに硬くなるのっ…?!
ずん、ずん、と激しく突かれるたびに、おなかが鈍く痛んだ。
トラップを見上げると、彼も眉根を寄せて、苦しそうな表情を見せてた。
「だ、ダメだ…パステル、おれ、もう…っ」
「ト、トラップ…?」
言うが早いか。
彼がそれを引き抜いたと同時に、わたしの太ももになにかが撥ねた。
わたしの、足と足の間…
そこに、白い液体が放出されてた。
トラップは、「いきなりイきそうになって…あっという間に…わりぃ…」と言っていたけど。
わたしは、なんだかほっとしちゃった。
気持ちよかったけど…ちょっと痛かったし。
恥ずかしかったし…
でも、落ち込むトラップがすごく…こんなこと言ったら怒るかもしれないけど。
可愛かったので。
はじめて、わたしからキスをしてみたら、彼はバツがわるそうに、笑った。
「次はもうちっと、頑張るわ」
…ううん?
それは、嬉しいような…困るような。
気が、する。