「わたしね・・・クレイのことが好きなんだ」  
 
生まれて初めて受けた告白・・・ではない。  
自慢ではないが、今までに数限りなく告白というものはされてきた。  
でも、この言葉は、今までとはまったく別物なんだ。  
心のそこから求め続けて、でも決して表に出せなかった希望の答えだから。  
 
今俺の目の前にいる、はしばみ色の瞳の女の子。  
パステルは、ずっと同じパーティを組んできた。  
仲間、いや、家族のように思ってきた。  
いや違うな。  
あえてそう思うことにしていた。  
でも今、恥ずかしげに気持ちを伝えてきたパステルは、既に俺の中で家族ではない。  
これまで意識しながらも、パーティの一員だからと考えないようにしてきた、  
押し殺してきた気持ちが、空気が抜けるように解放されていく。  
 
「ありがとう。俺も、パステルのことが好きだよ」  
「ほんと!?ほんとに?」  
 
気持ちを吐き出すようにつむぐ言葉。  
嬉しそうに眼を見開くパステル。  
 
本当は、やさしく抱きしめてやるつもりだった。  
でも。  
俺に向けられた、俺のためにだけ向けられたその表情を見たとき、  
こらえにこらえた思いが、俺の中から、あふれ出た。  
自分の眼の色がいつもと違うのがわかる。  
突き動かされるように両肩をぐっとつかむと、少し怯えた顔で、かすかに震えているパステル。  
そのうわずった眼差しが、余計に扇情的で胸苦しくなってくる。  
眼をそらせずにいるパステルを見据えたままで近づき、かがみ込んで唇をふさぐ。  
強引に唇を割り、舌を割り込ませると、  
 
「んっ・・・!?」  
 
慌てふためくパステル。  
唇を俺にふさがれたままの頬に、みるみる血の気がのぼる。  
初めてなんだよな、きっと。  
俺もなんだけど、もう我慢できない。  
戸惑ってる暇はない。  
この機会だけは逃せない。  
そんなドジを踏むと、きっとあの赤毛の盗賊が、華麗にこの子を攫って行ってしまうだろう。  
俺の腕の中にいる、誰よりも愛しいパステルを。  
 
唇をあわせたまま、つぶやく。  
 
「パステル、好きだ」  
 
そのままぎゅっと抱きしめて動きを封じる。  
小さくて柔らかくて、ほのかに香る女の子の体。  
心臓がまた跳ね上がる。  
 
「わたし・・・もだけど・・・クレイ?な、何?」  
 
ささやかな抗議の語尾には聞こえない振りをして、そのまま唇をゆっくりとずらし、耳もとへ、そして首筋へ唇をはわせる。  
さっきからとまらない動悸にあわせるように。  
 
「ひゃっ・・・」  
 
真っ赤になった首筋に唇をつけたまま、ブラウスのボタンを外していく。  
不器用な俺だけど、精一杯スマートに。  
身をよじってささやかな抵抗をするパステルに、いとおしい思いと、いじめてやりたいような残酷な思いがよぎった。  
身を起こし、彼女の細い手首をからめとり、後ろ手にまわしてしまう。  
片手で握りこむと、華奢なパステルはそのまま身動きできなくなる。  
伊達にファイターやってるわけじゃないからな。もがいても無駄だよ。  
 
「は、離して」  
「どうして?」  
「だって・・・」  
 
口ごもるパステル。  
ブラウスのボタンを全部外すと、白い下着があらわになる。  
息を飲み込み、ぐっと下着をずりあげる。  
恥ずかしそうにいやいやをするパステル。  
・・・わかってないんだろうな、自分じゃ。  
そんなことするから、余計に誘ってるみたいに見えるんだ。  
いつもなら絶対に見るはずのない場所。  
ピンク色の突起に舌をよせ、そっと舐めると、吐息のようにもれる声。  
 
「んっ・・・はぁ・・・」  
 
硬くなってきた部分を口に含んで転がす。  
俺の舌に呼応するように、喘ぎは少しずつ大きくなってきた。  
ほっそりしたふとももに手を伸ばすと、びくっと体が跳ねる。  
両手を戒めたまま、ミニスカートをそっとまくりあげる。  
無意識のうちに閉じようとする脚を開かせると、白い下着にうっすらと染みが浮かんでいた。  
下着の上から、その部分をやさしくなで上げてみる。湿った感触。  
 
「あ・・やっ・・・そっ・・・こは・・・」  
 
潤んだ眼で顔を背けるパステル。  
その表情を食い入るように見つめながら、愛撫を続ける。  
漏れる吐息。  
俺のぎこちない愛撫に、感じてくれている、愛しい女の子。  
じわじわと滲み出してくる液体に、指が湿ってきた。  
下着の隙間から指を這いこませると、ぬるりという感触が指を伝う。  
襞をなぞるようになで回した後、そっと指を引き抜き、深呼吸。一気に下着を引きおろした。  
髪と同じ色の茂みがまぶしい。  
反射的に脚を閉じたパステルの膝を掴むと、ぐいっと開いた。  
うまれて初めて見る、女性の、色。  
そこに涙のように真珠色のしずくがまといついている。  
恥ずかしい格好をさせられたパステルは、ぎゅっと眼をつぶったままだ。  
でも、逃げない。  
決して逃げようとしないで、俺に身を任せているその健気さに、俺の中心はさらに熱く、硬くなる。  
舌をはわせると、漏れる甘い喘ぎ。  
 
「な?・・・きゃっ・・・あ、やぁ・・・」  
 
身をよじるパステルの脚を押さえ込み、思う存分に蹂躙。  
そこは俺の舌に過敏に反応し、したたるほどのうるおいを浮かべる。  
 
「すごく、濡れてる・・・」  
「やぁん・・・は、恥ずかしいよぉ・・・」  
 
恥らうパステルに、俺のものは、もう止めようがない程いきり立ってしまっていた。  
痛い・・・な。苦しいほどジーンズが張っている。  
ちょっともったいないような気持ちを隠して、彼女の戒めをほどく。  
意を決して起き上がり、Tシャツとジーンズを脱ぎ捨てる。  
ちょっと迷った後、下着も脱ぐと、俺の中心部にパステルの視線が集中していた。  
は、恥ずかしいんだよな、俺は俺で。  
顔を真っ赤にしたパステルにおおいかぶさり、もう一度秘所をさぐる。  
 
「や、もう・・・」  
 
たっぷりと濡れそぼったその場所は、俺を求めて泣いているようにも見えた。  
 
「いい?パステル」  
「・・・」  
 
何も言わないで、俺の胸にぎゅっとしがみついてきたパステル。  
こういうところがかわいいんだよな。  
なんだかこう、胸の奥をわしづかみにされたような気分になりながら、パステルの脚を割って入る。  
そのままぐっと腰を進め、狭くてきついパステルの中におれ自身をおさめた。  
 
「く、クレ・・・イ・・・んっ・・・やぁ・・・っ」  
 
苦しそうにあえぐパステル。  
痛いんだろうか。  
確かに、これは相当きつい。  
きつくきつく締め上げてくるパステルのその部分の予想外の快感にめまいすら感じながら、軽く腰を前後させてみる。  
女の子の中って、こんなにあったかいもんなのか・・・  
熱を帯び、ねっとりと纏わりつくような襞に、俺自身はあっという間に限界寸前。  
い、いくらなんでも早いぞ、俺。  
息をとめ、必死でこらえて腰を動かすが、とろけるような感触にはやっぱり耐え切れない。  
ごめん、パステル。  
おさえていたものをパステルの中に放つ。  
どくっと心臓10個分くらいの脈打つ鼓動を感じながら、俺はそのままパステルの胸に顔を埋めた。  
 
真っ赤な頬のままのパステルはおずおずと手を伸ばし、荒い息を漏らす俺の髪をそっとなでた。  
 
「クレイ・・・だい・・・すき・・・だよ」  
 
汗ばんだ体で、ぎゅっと俺にしがみついてくる。  
あ、まずい。  
あまりのいとおしさに、今果てたはずの俺自身はまたもぐい、と身を起こそうとしてきた。  
 
「俺も。俺もだよ」  
 
つぶやきながらパステルの体をやわらかく抱きしめる。  
まいったな。  
こんな調子じゃ、何時になっても彼女を離せそうにないけど・・・自分に言い訳。  
いいだろう、今日くらい。  
君が俺を初めて受け入れてくれた日くらい。  
軽くため息をつきながら、良心に片目を閉じる。  
もう一度彼女の甘い体をまさぐると、また漂う甘い芳香。  
 
もういい、決めた。  
君におぼれることにする。  
覚悟しろよ、当分まだ、離さないからな。  
 
俺の不純な決意と、そろそろ夜半をまわろうとしている、窓の外の月。  
パステルの吐息をBGMに、少しずつ下弦の月は傾いていく。  
ふたりのはじめての夜は、まだ始まったばかりだ。  
 

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