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第3.14159話 「ロ リ エ リ」  
 
 緞帳が下り、6年1組の劇「長靴を履いた猫」は無事終わった。  
 バカバカしくてやってらんない…と練習をサボり続けた割には、しゃべる猫の役もうまくいったようだ。途中、2度ほどセリフをトチってしまい、主役のニナモリに睨まれはしたけれど──。  
 幕の向こうではマミ美とハルコがまだ騒いでる。  
「たっくん、カッコよかったっす!」  
「いよっ、ニッポンイチィィ!」  
 どうも、アイツらの馬鹿騒ぎがいけなかったみたいだ。  
「なによっ! あたしが主役なのに。なんでブサイクな猫のほうに声援が多いのよっ」  
「そ、そんなこと、ありませんっ。蜷守さん、頑張ってましたっ。それに、一部のマニアの人から『ニナモちゃん、かわいい〜』って声、飛んでたじゃないですかぁぁぁぁ」  
 ミヤジュンが必死にとりなすが、  
「大したこと、ありませんから」  
 とニナモリはそっけない。キっとこちらを睨みつけて  
「ほんっとに、役にも立たない猫一匹、ねっ」  
 ほとんど八つ当たりだ。ムっときて、思わず手が出る。帽子をたたき落とす。  
「ズルして主役になったくせにっ!」  
「何言ってんのよっ! こんな耳してっ!」  
 着ぐるみの耳を引きちぎられる。  
「猫耳はニナモに移ったじゃないかよっ」  
 その時、再びニナモリ・エリの頭から耳が生えた!!  
「痛い…ううぅあぁぁあぁぁあ。やだっ、何これ、うぅぅうう、いやぁ、うぁぁああぁ、ぅうう」  
 耳は講堂の天井を突き破り、ニナモリを中空に引きずり上げる。この前と同じだ…。いや、ちょっと違った。ニナモリは意識を失っていなかった。  
 
「うぅぅう、ナオ太くぅん…、た・す・け・てぇぇ」  
「ニナモぉ! 待ってろぉっ」  
 その時、  
「どーしたんだにゃあ?」  
「ハルコ! ニナモが…」  
「あ〜ん? これは…、大丈夫だにゃ。たっくんがぁ、戻してあげればいいんだにゃ」  
「ぼ、ぼくがぁ? どうすりゃいいんだよっ」  
「ニナモちゃんは、たっくんのことが好きなんだなぁ。だから、望みを叶えてあげればいいんだにゃ」  
「わかんないよっ」  
「たっくんは子供だからにゃあ。仕方ないにゃ。お手伝いさんが手伝ってあげるにゃ」  
 いきなり飛び上がり、ベースで猫耳をブッたたくハルコ。猫耳は消えたが、ニナモリは宙に浮いたままだ。  
 ふと気がつくと、ナオ太はニナモリに覆い被さっている。  
「ほんじゃあ、劇の第2幕の始まり始まりぃ…ってことでぇ、タイトルはぁ……『長靴を履いた猫(役のナオ太に犯される美少女は学級委員でマバセ市長の娘!)』だぁいっ!」  
 2人の上空で物語を勝手に進めるハルコ。  
「なんじゃそりゃあ〜。なんで、括弧の中のほうが文字数が多いんだよぉ〜!」  
「ほんじゃあ、キスからいってみよぉかぁ。マウス・トゥ・マウスよりスゴイっZE! ってヤツな」  
「ZEって…」  
「ほら、ムチュウウウウウ…って、やんなさいっ」  
 そそのかすハルコ。  
「で、できないよっ!」  
「ナオ太くん…、いいよ、キスして」  
「ニナモ…」  
「ほ〜ら、ムチュウウウウ」  
 ハルコに頭を押さえつけられ、ニナモリと唇を重ねる。  
「いまチュウしてるねぇ? チュウ、チュウ、チュウ〜」  
 舞台の袖でネズミのガクが騒いでいる。  
「エッチ! ナオ太、エッチ!」  
 はやし立てる声に赤面する。  
 
「みんな、見てるじゃないかよ」  
「見て欲しいんだもんっ!」  
「目立ちたがり」  
 ニナモリに引き寄せられ再び唇が重なる。と、舌が入ってきた。  
「ん、ん、んんん〜」  
 ナオ太は慌てて逃れ、  
「ど、どこで覚えたんだよっ、こんなこと…」  
「子供ね。これが大人の味でしょ。さあ、続き、しよ?」  
 理性が吹っ飛んだナオ太はニナモリの細い体を抱きしめ、唇を吸い、舌を絡ませる。  
「ぅぅん、ぅんん」  
 切なげに喘ぐニナモリ。が、いいところなのに響くミヤジュンのヒステリックな声。  
「蜷守サ〜ン、やめなさ〜い! 禁止! 禁止! 舌を入れるのは禁止ですぅぅ!」  
 カンチがミヤジュンや呆然と見上げていたクラスメイトたちをドアの外に追い出した。これで、邪魔なのは、そこらに浮かんでいるハルコだけ。  
「ナオ太くん、とっても上手…。ナオ太くんって時々、すっごい不良なんじゃないかって思える」  
「まあね」  
「ナオ太くんの舌、ザラザラして猫みたい」  
「痛い?」  
「うぅん、気持ちいい」  
 自分の服を脱ぎ、ニナモリの衣装を破るように剥ぎ取る。ブラジャーなんかいらないほどの小さな胸に吸い寄せられ、揉みしだき、べろべろ嘗める。サクランボのような乳首も容赦なく攻める。  
 ニナモリは身をよじって、喘ぎ声をあげる。  
「ううぅあぁぁあぁぁあ。うぅぅうう、いやぁ、うぁぁああぁ、ぅうう」  
「ニナモ…」  
「あぁ、やめないで」  
 
 その時、くるんと天地がひっくり返る。ニナモリが上のポジションだ。  
「猫は、猫らしくするにゃ」  
 ま〜た、ハルコの悪戯だ。猫らしく…って?  
「四つん這いでするにゃあ〜」  
 ニナモリの背後に回り、細く白いうなじにかぶりつくナオ太。  
「にゃっ! なぁぁああぁぁ」  
「ニナモ…、猫みたいだ」  
 後ろから手をまわして胸を揉む。重力によって少しは大きくなり揉みごたえがある。背中に舌を這わせ、真っ白なパンティを脱がす。  
「あ〜ら、もうお毛毛はやしちゃって。エリくんは大人だにゃあ」  
 カブリツキで覗き込んでいたハルコが言うとおり、そこは柔らかな毛がうっすらとはえていた。  
「ニナモ、もっとよく見せて」  
「や、いやぁ、恥ずかしいぃ」  
 その声は無視し、力づくで足を開かせ、お尻を突き出させる。割れ目に顔をくっつけ、『ぺちゃ、ぴちゃ』と音をたてて嘗めると、そこは汁を滲ませてきた。  
「あっ、あっ、あっ、あっ、あ─────っ」  
「そろそろ、いいみたいだにゃ。ニナモはもうお赤飯、炊いてもらったのかにゃ?」  
「えっ? うん…」  
「じゃあ、たっくん。これ、つけましょ〜ねぇ」  
 そう言ってハルコが取り出したのはコンドーム。ハルコはぼくのズボンを一気に下ろす。大きく硬くなった男性器がまっすぐ空に向かって屹立している。  
「やだっ、たっくんから太い、変なのが…」  
 舞台の隅で隠れていたマミ美が思わず立ち上がる。  
 ハルコはコンドームを自分の口に放り込み、ぼくのアソコに装着した。  
「特注の"処女でも痛くない快感倍増コンドーム"だにゃ。さあ、一気にブチ込むにゃ」  
 
「ニナモ、足、広げて」  
「いや、いやよぉ」  
 聞きわけのないニナモを無視し、両膝を使ってぐいと押し広げる。  
「あぁん…」  
 いつもは小生意気なニナモが漏らす恥じらいの吐息。ナオ太はどうしようもなく興奮する。くびれたウエストに左手の指をくい込ませ、右手を首に当てて、ニナモを前のめりにする。  
「あぁ…ナオ太くぅん…お願いぃ…やさしく…やさしくしてぇぇぇ」  
 小ぶりなお尻が突き出され、その中心で可愛らしい蕾がいやらしく濡れている。ナオ太は大きく息を吸い、右手で自分のモノを握り、蕾に押し当てた。  
 軽い抵抗の後、意外にもすんなりと挿入できた。さすがはハルコ特製のコンドームだけのことはある。  
 ニナモの小さな蕾がぱっくりと広げられ、ナオ太の大きなモノがぎっしり根元まで埋まっている。それを見ていたマミ美とハルコが驚きの声をあげる。  
「たっくんを…」  
「たべたあっ」  
 何かをつかもうとするかのように、ニナモの両手が虚空を泳ぐ。  
「あっ…あぅ…、あぁ…、あんっ、あぁぁぁ」  
 初めての行為、初めての感覚、絶え間なく声が漏れ出ている。  
「な、何か、してない!? 今あたしに大変なコトしてない!?」  
 顔をナオ太に向け、怒ったような声で問いただすニナモ。  
「してるよ。それに、ね。これからもっと大変なこと、するからね」  
 冷たく言い放ったナオ太は腰を引き、そして一気に奥まで突き入れた。  
「ううぅあぁぁあぁぁあ。やだっ、何これ、うぅぅうう、いやぁ、うぁぁああぁ、ぅうう」  
 大きくストロークしてニナモを犯していくナオ太。  
 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐっ、ぐちゅ…。血と愛液に染まった結合部が淫靡な音をたてる。  
 
「二、ニナモ…。きつくて気持ちいいっ」  
 たっぷりとバックを楽しみ、正常位に移行するナオ太。ニナモがしがみついてきて、背中に爪をたてる。  
「つっ。痛いよ、ニナモ」  
「あぁ、あっ、ああぁっ」  
 ナオ太の背中から血が流れるが、下半身の快感が勝る。ズコズコと突きまくり、ついに最後を迎える。  
「エリっ!」  
 初めてニナモの名前を口にしたナオ太は、これ以上入れられないほど深く挿入。しばらくそこにとどまってからズボっと引き抜き、コンドームを引き剥がした。そしてニナモの顔に向けて欲望を一気に噴出させた。  
 夥しい量の白濁した液体がダテ眼鏡を通過し、瞼を、頬を、唇を汚した。  
「あ、つ、い…」  
 放心して、つぶやくニナモ。その少し開いた口に、ナオ太はいま放出したばかりのモノを押し付ける。  
「きれいにして」  
 言い放ち、口の中に亀頭を埋没させる。  
「舌、使って」  
 言われるままに舌をぎこちなく動かすニナモ。その動きに刺激され、残っていた精液が口内に放たれた。  
「ん、ん…」  
 ニナモがうめく。唇の端から精液が垂れる。  
 口内を楽しんだナオ太は、気がすんだかのように引き抜き、後ろを向いて服を着だした。それから、顔だけニナモに向けて冷たく言い放つ。  
「きれいだよ、ニナモ。今度はニナモんちで抱いてやるよ、いいね?」  
 
            *            *            *  
 
 ひと月後、発売された「大人のミニコミ COME ON マバセ 03」の巻頭カラーを飾ったのは、マミ美がいつの間にか撮影していた『ミルクまみれのメガネっ娘美少女』。  
 アップで撮ったものをさらにトリミングしてあるから、それがニナモリ・エリだとはわからないはずだが…。  
 その号はモニワ屋でチェリオが復活販売されるほどの売り上げを記録した──。  
 
 
♪Ride on shooting star♪  
 
 
 
 

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