野球拳で脱ぐ順番に手順があるわけじゃないから別にどうでもいいことなのかもしれないけど…
普通は、上着類→ズボン(またはスカート)→ブラジャー→パンツってのがポピュラーな話だろう?
したがって、俺としては一応、明鐘に確認しておくことがある。
「再開する前にひとつ聞いておきたい」
「なぁに?」
「お前、ブラはしてるのか?」
「えっ…」
おおっぴらにのけぞる明鐘を見て、俺は焦った。
街中で「ぐふふぅ。君ってブラしてるのぉ?」って聞く人がいたら間違いなく変質者であり、今の俺はそれにかなり近い立ち位置な気がする。
「い、いや…だって、してないように見えるし…」
「う、うん…」
焦って放ったセリフは何の信頼回復にもなっていない。
しかし、明鐘と俺の間には年月と血が育んできた強固な絆があったようだ。
「た、確かに、し…してない…けど…?」
明鐘は顔を真っ赤にさせながらも答えてくれた。
そうか…明鐘はノーブラか…
先ほどより若干冷静になった心臓が再び急稼動を始める。
「そ、そっか…なんで?」
「ね、寝るとき、楽だし…そ、それに私、西守歌ちゃんほど…その、色っぽく…ないし」
「そんなことない!明鐘は負けてない!負けてないぞ!」
「「…」」
「ゴ、ゴホン。じゃあ下から脱げよ?」
「う、うん。そうする」
さあ、心配事も去ったところでレッツベースボールナックルだ。
前、何かで聞いたことがある。
すなわち、ジャンケン必勝法パートUとして、『相手方が直前に出したものを出すと勝てる』というものがあるらしいのだ。
そのときはどうにも眉唾物だなぁっと思ったが、ソースはジャンケンの世界タイトル連続防衛者らしいので、何らかのご利益はあるのだろう。
てゆーかジャンケンの世界王者に何年もつけるもんだってことが驚きだ。
異常に運がいいのか?何らかのスペシャルな能力を持っているのか?
どこの国の人なんだろう?日本代表は果たして強いんだろうか?
色々と疑問に思うところはあるが、さて、そんなことより気になるのは明鐘の脱衣の行方である。
「「ヨヨイのヨイッ!」」
グー>チョキ。
「きゃぁぁぁぁぁっ!!」
「うしっ!」
その瞬間、明鐘は顔を両手で覆ってうずくまり、俺は心の中でガッツポーズをした。してしまった。
思わず、うしっとか言ってしまうくらいに。
ジャンケンは俺の勝ちだが、人としては負けかもしれない。
ともかく、俺としては明鐘のしなやかなおみ足とその上の神秘の布切れを堪能できることが決定した。
明鐘は唇を尖らせながら顔を上げる。
「う〜〜…兄さん、ジャンケン強いよぉ…」
「てゆーか明鐘が弱いんじゃないか?」
「…そうかも」
別にジャンケンなんて3分の1の確率論といってしまえば、それまでかもしれないが、どうにも明鐘には心当たりがあるらしい。
明鐘はうなだれて、がっくりと首を折った。
「あ、あんまり見ないでね?」
明鐘がゴニョゴニョと何かいっているが、俺には何を言っているのか聞こえない。
いや、聞いてやらない。
その時、俺は目の前の芸術のあまりの素晴らしさに目を奪われていた。
今、明鐘はうつむき加減にパジャマのズボンに手をかけ、フルフルと震えている。
美少女が脱衣を強制され、羞恥に震えるその姿は筆舌に尽くしがたいほどエロい。エロ過ぎる。
裸よりエロいんじゃないか?
俺はほうけたように明鐘を見つめ続ける。
「兄さん…?」
返答のないことを怪訝に思ったのか、明鐘は顔を上げて俺を見る。
そして、俺の視線が明鐘の肢体…主に下半身に固定されているのを見て、ぱっと後ろを向いてしまった。
「うう〜。脱ぐとこ見られるの恥ずかしいのに〜!兄さん、見ないで?ね?」
「イヤダ」
「え?」
「明鐘には悪いけど…じっくり見たいわ」
「に、兄さん…?」
本心をさらけ出す俺に、明鐘は首だけ振り返る。
普段は俺から明鐘にわがまま言うことなんてめったにないし、今、この場面でこんなわがまま言うのがどれほど危険かわかってはいるが…
でも…マジで見たい。
信仰心にも似たその思いを胸に抱いて俺は明鐘を見つめる。
明鐘ののどがコクリと控えめな音を立てる。
「な、何でそんな…真剣なの?」
「明鐘、今すげー色っぽいから」
即答だった。
「…エッチ」
「う…」
明鐘はほほを膨らませ、ジト目で俺をにらみつけている。
ちょっと調子に乗りすぎたかもしれないと、俺は後悔した。
せめて可愛いと言うべきだったか。
なんにせよ、誰かの前で服を脱ぐってのは明鐘にとってはかなりつらいだろうし、過度な要求は失敗だった。
「わ、悪かったよ…ほら、後ろ向くから」
確かに死ぬほど残念ではあるが…下手にこだわってここで終わりにされてしまっては元も子もない。
俺は断腸の思いで明鐘に背を向けた。
…が。
「…いいよ?」
「え?」
一瞬、何のことか分かりかねてきょとんとしてしまう。
明鐘はぼそぼそと言葉を継ぐ。
「だ、だからその…兄さんがそんなに見たいなら…いいよ?」
「ほ、ほんとに…?」
明鐘は困ったようにうつむいていたが、小さくコクリと首を振った。
「恥ずかしいけど…兄さんがそんなに見たいって言ってくれるなら…私、嫌じゃないから」
そう言って、明鐘は顔を上げた。
明鐘は恥ずかしそうに、しかしどこか嬉しそうにしながらズボンに手をかける。
そして…
「これで…いい?」
すとんと、あっけないほど簡単に明鐘のズボンは地面に横たわっていた。
俺は心臓が激しくごとごとと音を立てるのを聞いた。
今、明鐘はシャツのすそをつかみ、恥ずかしげに下に引っ張っている。
そのせいでパンツは見えないが、その代わり俺は遠慮会釈なく明鐘の脚を見物させてもらう。
明鐘の足は白くてしなやかでとても細く、とてもきれいだった。
実際、学校指定の黒いストッキングをはかせたら、明鐘ほど色っぽい女の子はいないと思う。
俺は思わず、感嘆のため息を漏らした。
「明鐘…すごく色っぽいよ…」
「に、兄さん…恥ずかしいよ…」
明鐘は恥らってそう言ったが、俺の言葉にまんざらでもなさそうなのは分かる。
困ったように眉をひそめながらも口元が緩んでいて、泣き笑いのような表情になっている。
俺は明鐘のその反応に満足しつつ、次の要求をする。
「な、明鐘?シャツのすそ上げて?」
「え?そ、それは…」
「せっかく俺がジャンケン勝ったのに、これじゃ見えないだろ?」
何がとは言わないが、今の俺たちにはそれだけで十分だ。
明鐘は困ったようにパジャマをつまんだままの指に力をこめた。
「え、そ、その…」
「な?いいだろ?」
「わ、わかった…」
しかし、肯定の返事とは裏腹に明鐘の動きは鈍い。やはり明鐘にとっては恥ずかしすぎる要求らしい。
パジャマのすそをつまんだまま、深呼吸を繰り返すがなかなか次のステップに進むことができない。
「大丈夫だから?な?」
「に、兄さん?」
明鐘の緊張を和らげようと俺は明鐘の頭を軽く撫でてやる。
最初、不思議そうに俺の顔を見つめていた明鐘だが、次第に気持ちよさそうに目を細めて俺の手を受け入れてくれた。
「兄さんの手…大きいよね?」
「ちょっとは緊張感抜けたか?」
「う…うん、多少は」
「じゃ、手上げてくれる?」
「…」
「大丈夫…恥ずかしくないから?な?」
「…うん」
そこで、ようやく決心が付いたのか、明鐘はゆっくりと手を引き上げ始めた。
「に、兄さん…あまり見ないで…」
やはり、相当に恥ずかしいらしい。
明鐘はゆっくり、ゆっくりとパジャマのすそを持ち上げていく。
よく見るとその指先は小刻みに震えている。
そしてパンティの三角形が半分ほどあらわになったところで、とうとう明鐘の手は停止してしまった。
「明鐘…それじゃ、全部見えないだろ?もっと上げて…」
「うう…はい…」
羞恥に耐えかねて明鐘は瞳を閉じ、俺から顔をそむける。
再び、ゆっくりゆっくりと明鐘の手が上昇を始めた。
そして、明鐘のパンティはとうとうその全貌をあらわにした。
明鐘らしい、清楚だけどピンク色のリボンのついた真っ白な可愛いパンティだった。
「…今日は白いパンティなんだ?リボン可愛いな?」
「あ、ありがとう…」
「いつも、白系履いてるのか?」
「そ、そんなことないよ。水色だったり、ピンク色だったり…は、恥ずかしいよ」
「恥ずかしくなんてないよ。可愛いよ、明鐘は」
「…ね、ねぇ兄さん?もう手下ろしちゃだめ?」
「ダメだよ。ほら、また見えなくなっちゃったらもったいないだろ?」
「うう…」
俺は、下りかけた明鐘の手をつかんで押しとどめた。
明鐘としては、せいぜい口を尖らせて不服の意を伝えるのが抵抗といえば抵抗だった。
もちろん、そんなもの俺に効果があろうはずもない。
「ほら、もっと…へその辺りまで上げて」
「は、はい…」
明鐘の手が先ほどに輪をかけてゆっくりと上昇を始める。
その手が腰の骨の辺りを通過した。
もう、明鐘のパンティは完璧にあらわになっている。
「ま、まだ…なの?」
「もっと!」
「うぅ…」
明鐘の手がへその辺りまでやってくる。その細くてしなやかな腰があらわになる。
抱きしめてしまったら、折れそうなくらいに細くて頼りなく、可憐な魅力に満ちている。
「お、お願い…もうそろそろ?」
「まだだよ?あげて?」
「うう…兄さん、意地悪だよ…」
とうとう、明鐘の手は乳房の下くらいまで到達し、さすがにこれ以上は無理とばかりに止まった。
今明鐘は、パンティはおろかその可愛らしいおへそまで完璧に俺の視線にさらしてしまっていた。
明鐘は胸の辺りでシャツをつかんだまま、潤んだ瞳で俺を見つめている。
「ね、ねぇ?もう、これでいいでしょ?」
「なぁ。もっと近くで見ていいか?」
「え…そ、その…い、いい…のかな?」
俺は明鐘の返事を最後まで聞くことなしに明鐘の股間の目の前、数十センチの位置にひざまづいた。
そして、明鐘の腰をがっしりとつかみこむ。
「きゃぁっ!」
悲鳴が上がるが、それには頓着せずに俺は目の前の薄い布をじっくりと見つめる。
もちろん、これほど至近距離から明鐘のパンツを覗き込むことなど…少なくとも、俺たちに自我が形成されて以降は経験にないことだ。
「に、兄さん?んっ…は、恥ずかしいよ…」
自分の股間にピリピリとした視線を感じるのだろう。明鐘は腰をゆすってもじもじしている。
「何か…Hな匂いがする…」
「!!」
その瞬間、明鐘の顔が火事を起こした。それはもう猛烈な勢いで。
明鐘は必死になって俺の手を腰からはずし、逃げようとするが、いかんせん明鐘の細腕ではびくともしない。
俺は、明鐘の抵抗に頓着することなしに観察を続ける。
「こう…甘酸っぱいって言うか…何なんだろ?」
「分かった!もう分かったから!お願い、離して!」
「なんか…においかいでいるだけで興奮してくるって言うか…」
「やぁ…いやぁ…恥ずかしすぎる…恥ずかしすぎるよ…」
今の明鐘には、俺の嗅覚の範囲から逃れるすべはない。
それでも明鐘は必死になって俺の手をはずそうと試みるのだが、結局徒労に終わった。
「…ちょっと、触ってみてもいい?」
「え?」
俺の言葉は質問調だったかもしれない。
しかし、実際、俺が次のアクションを起こすまでのタイムラグは1秒もなかったと思うから明鐘としてはどうしようもなかった。
「だ、だめっ!」
あわてて明鐘が俺の肩を押さえるが、俺は左腕で明鐘の腰を抱いたまま、ゆっくりと人差し指を三角形の頂点部分に押し当てた。
すると…
くちゅり
「あうんっ!」
湿った音が俺の鼓膜を揺らした。
と、同時に明鐘の、普段とは明らかに違う声が上がる。
俺はびっくりして、明鐘の身体をぱっと離してしまった。
今の声は…そして、今の触感は…
「あ、明鐘…お前、濡れて?」
「いやっ!」
明鐘はぶんぶんと激しく首を横に振ると耳をふさいだ。
その仕草が、その言葉が今の俺の言葉を否定するものではないことは明らかだ。
俺は生唾をゴクリと飲み込むと、再び、人差し指と中指を明鐘のパンティに添える。
くちゅっ。
「くぅんっ…やっ!」
濡れてる…間違いない。
俺は確信を抱くと、さらに明鐘のパンティの中央のラインを指でこすった。
「あぁんっ!に、兄さんっ!」
いまやはっきりと興奮の色を帯びた明鐘の嬌声が部屋に響く。
そして、それと同時に明鐘のパンティの中央がじんわりと湿り気を帯びてきた。
あまりの興奮に俺はめまいすら覚える。
「す、すげー…女の子って…こんな濡れるんだ…」
「や、やめて、兄さん!」
「パンツの上からでも分かるよ…それに…思ってたより、柔らかくて、フニフニしてるんだな…」
「や、やぁっ!」
叫んで、明鐘は精一杯の力を振り絞り、俺を突き飛ばした。
明鐘の股間に集中していた俺はとっさのことに反応しきれず、床にしりもちをつく。
「…あ、明鐘?」
俺は呆然と明鐘を見つめる。明鐘はあまりのことに腰から力が抜けてしまっていたらしい。床にへたり込んで荒い息をついていた。
「ご、ごめんね。兄さん…少し休ませて…?」
「お、おう…」
明鐘は申し訳なさそうに俺に謝る。もっとも、原因を作ったのは俺なんだし、謝る必要もないと思うけど…
「そ、それで立てるようになったら…」
「なったら?」
「…続きいこ?」
明鐘はそう言ってはにかんで笑った。
もちろん、俺としては否応もない。俺はコクリとうなずいた。