「あっ・・・涼様」  
フローリングの上に組み敷かれた西守歌は、恥ずかしさのあまり目を逸らす。  
涼は何も言わずに彼女が部屋着として愛用している白い薄手のセーターの上から胸を揉んだ。  
「・・ゃん・・」  
西守歌は声を上げる。その声が涼の神経を刺激する。セーターとブラジャー越しに触れた西守歌の胸は  
何というか・・・ゴワゴワしていて感触など良くわからなかった。しかし、これだけの美少女の胸を揉んでいる  
という事実が涼の理性を蝕んでゆく。涼は西守歌の胸の感触を得ようとさらに両手で強く揉み込んだ。  
「あっ・・・っ・・・涼様・・・少し痛いですわ・・・それに・・こんな所で・・・」  
西守歌は小さな声で訴えるが、涼は頭に血が上ってしまっており、彼女の声は届かない。  
(直接触ってみたい)  
そう思った涼は西守歌のセーターに手を掛け、ゆっくりと捲り上げた。  
「あっ・・・ゃぁ・・」  
抵抗する間もなく純白のブラジャーに包まれた西守歌の胸が晒された。  
涼は目の前に晒された光景に見入る。  
―多分、脱ぐとすごいはずだ、あれは―  
(ハルが確かこんなことを言っていたな・・・・・・・・確かにすごいよ・・)  
そんなことを考えながら涼は西守歌の胸に手を伸ばした。先ほどより一段階リアルな柔らかさが  
感じられた。  
涼はしばらくブラ越しにふにふにと西守歌の胸を揉んでいた。  
「あっ・・・・は・・・んんっ・・・」  
涼の手の動きに合わせて西守歌の声が漏れる。やがて、  
(直接・・・触りたいな・・・)  
涼はそう思った。  
 
(この下に・・・西守歌の胸が・・・)  
そして、そっとブラの下に手を滑り込ませる。西守歌の体がビクッっと硬直する。  
「・・・ぁ・・・ん・・」  
手のひらに吸い付いてくるような柔らかさに酔いしれながら涼はやわやわと手を動かした。  
「あ、あの、涼様?」  
突然西守歌が呼びかけた。  
「あの・・・お望みでしたら・・その、外しましょうか?」  
「あ、ああ・・」  
そう言われて涼は返事をする。そして西守歌を押し倒して初めて言葉を発したことに気が付いた。  
西守歌は少し体を起こして背中に手をやり、プチンとブラのホックを外した。そしてそのまま  
元の体勢に戻る。  
「ど、どうぞ」  
そう言われて涼は未だ西守歌の胸とブラの間に手を突っ込んだままだったことに気が付いた。  
涼は西守歌のブラをゆっくりと引っ張って外す。そして西守歌の乳房と薄紅色をした乳首が晒された。  
「っ・・・!」  
涼は赤面しながら目をそらす。頭がくらくらした。母親と幼い頃の明鐘を除けば、女性の胸を生で  
見たことなど初めてなのだ。有害指定図書などでは決して味わうことのできない現実味・・・・。  
西守歌は目をそらした涼を見て少し不安になる。  
「あの・・・お気に召しませんでしたか?」  
「い、いや違う」  
すぐさま否定する。まさか鼻血が出そうになったなどとは言えない。  
ゆっくりと涼は西守歌の胸に視線を戻した。  
彼女の胸は程良い大きさでお椀のように形が整っており、まるで芸術品のようだった。  
ゴクリッと涼は唾を飲む。  
「さ、さわって・・・・いいか?」  
そう聞かれて西守歌は西守歌はキョトンとし、  
「ふふっ」  
と微笑んだ。  
「何で笑う・・・」  
「だって涼様・・・先ほどまでわたくしが「痛い」って言っても夢中でさわっていらしたのに・・」  
今度は少し頬を膨らませて抗議する。  
「あ、あれはだな・・・その・・・なんつーか・・頭に血が上ってて」  
そういえば、今は会話ができるくらいには冷静になっている。  
「悪い」  
涼は先ほどのことを詫びた。  
「・・・涼様。ありきたりですが・・・わたくし・・・・その、初めてですから・・・・」  
涼が落ち着いたことに安心したのか、西守歌は自分の望みを告げる。  
「できれば・・・優しくしていただけると・・・」  
「ああ」  
 
「あ、・・・・ん・・・涼様・・少し・・強い」  
涼は西守歌の胸を両手で揉みしだいていた。年齢の割には大きいとはいえ16歳になったばかりの  
西守歌の乳房はまだ固さを残している。涼は西守歌が痛がらないようにゆっくりと撫でるように  
揉む。そうしているうちにプニプニしていた西守歌の乳首が徐々に固さを帯びてきた。  
涼はそれを指先で転がしてみる。  
「あ・・・や・・ぁ・・・」  
西守歌は自分の親指をくわえながら切なそうな声を上げる。それに気を良くした涼は、続いて西守歌の  
乳首に吸い付いた。  
「あ、涼様なにを・・・・・・きゃっ・・・・・ゃん・・・・・・恥ずかしい・・・ですわ」  
西守歌の声を無視して涼は乳首を吸い上げる。時折舌で転がしたり、前歯で甘噛みしたりしながら  
西守歌の乳首を責め立てた。ひとしきり続けてから涼は乳首を解放する。西守歌の乳首は彼の唾液に  
まみれ真っ赤に充血していた。  
「涼様・・・胸ばかりではわたくし・・・切ないですわ・・・・」  
「あっ! ああ・・・・そうだな」  
そう言われて涼は、今度は西守歌の下半身に手を伸ばしてみる。短めのスカートからすらりと伸びた  
西守歌の太股に触れる。  
「んっ・・・・・ん」  
太股をなで回され、西守歌はくすぐったそうな声を上げる。涼の手は少しずつ上に上がっていき、  
やがて彼女の赤いチェック柄のスカートの中に入っていく。  
「んっ・・・・お願い・・・・じらさない・・で・・・ください」  
涼がスカートを捲り上げると、西守歌の純白のショーツが晒された。  
「ゃっ・・・・いきなりそんな・・・」  
スカートをめくられた西守歌は真っ赤になり顔を両手で覆う。  
「そんなに恥ずかしいものか? 胸とか・・・ほら、あんなにしたのに」  
涼はスカートを捲られたくらいでどうして・・と思い無粋な質問をしてみた。  
「その・・・最後の砦といいますか・・・とにかく恥ずかしいんですわっ!」  
西守歌の中で、直接見られながら触れられるのと、スカートに隠されたまま触れられるのとでは  
どうやら違うらしい。ともかくこのままというわけには行かない。  
「西守歌・・・少し足、広げてくれるか」  
西守歌は返事をしない。スカートを捲られショーツを涼の目の前に晒しているのが恥ずかしいらしい。  
「な、西守歌」  
涼が何度か呼びかけると、観念したように西守歌は少しずつ足を開いていった。  
 
(濡れてる・・・?)  
西守歌のそこを覆うショーツの中心部は、周りと比べてうっすらとではあるが湿っていた。  
涼は人差し指でゆっくりと、西守歌のそこに触れる。  
くちゅり  
「んっ・・・」  
西守歌は小さく声を上げた。涼が少しずつ指を動かすと、ショーツの染みの面積は少しずつ大きくなる。  
「あ・・・・あぁ・・・・・」  
息を切らせながら喘ぐ。涼は少しずつ頭がぼーっとなっていた。それは部屋に充満する西守歌の  
女の匂いがそうさせるのか、または涼の脳の作用なのか・・・どちらかはわからない。しかし  
次第に大きくなっていく彼女の声と淫らな音が再び彼の意識を覚ます。そして涼は西守歌のショーツに  
手を掛けた。  
「いい・・・よな」  
「あ、・・・はい・・」  
同意を得て、涼は西守歌のショーツを下ろそうとするが、彼女のお尻に引っかかってうまく行かない。  
「西守歌・・・少し腰を浮かしてくれないと・・」  
「あ、ごめんなさい」  
そう言われて西守歌は慌てて腰を浮かす。彼女も余裕がないらしい。所詮は童貞と処女のセックスなのだ。  
思い至らない部分など上げればきりがない。  
 
 
涼はただ呆然と西守歌の秘部を眺めていた。初めて見る女のその部分・・・。一方西守歌は恥ずかしくて  
足を閉じてしまいたいのだが、涼が股の間に体を入れているため閉じることもできず、内股のように  
なっている。  
「あの・・・なにかヘン・・でしょうか?」  
西守歌はおそるおそる問う。  
「え?・・いや、どうだろう・・・」  
涼は間の抜けた返事を返した。その返事を聞いて西守歌は不安になる。  
「どうだろう・・・って、どういうことですの・・・?」  
端から聞けば間抜けなやりとりかも知れないが、彼らは至って真剣なのである。  
「いや・・・比較するものが・・・ないから」  
「あ、そういう・・・」  
西守歌は思い至る。涼もまた初めてなのだ。  
「あの・・・どうぞ」  
「えっ?」  
「ずっと眺めていても・・・その・・・」  
「あ! ああそうだな」  
涼はハッとして返事をする。そしてゆっくりと西守歌の秘部に顔を近づけ、その部分に舌を這わせた。  
「あっ・・やん・・・いきなりそんな・・・・」  
まさか舐められるなどど思ってもいなかった西守歌がびっくりして太股を閉じる。  
しかしそれは結果として涼の頭を自分のその部分に固定してしまう。  
涼は味など良くわからなかったが、西守歌のその部分から流れてくる女の匂いに支配され、丹念に舐め  
あげる。やがて舐めるのに飽きたのか、涼は舌先を西守歌の中にねじ込み始めた。  
「あっ・・・あ・・・やっ・・・・・いやぁ」  
どうして良いかわからず、西守歌は声を上げ続ける。  
涼は構わず、西守歌のそこから溢れてくる彼女の愛液を啜りながら行為を続けた。  
 
やがて涼は舌を抜き取ると、西守歌に目配せした。  
「なあ・・・そろそろ・・・いいか?」  
「えっ?」  
西守歌は、いきなり愛撫を止められ何か声を掛けられたことに気付く。  
「あ、あの・・・?」  
「いや・・・そろそろ俺も・・・なんつーか・・・」  
「あ、そういう・・・」  
西守歌はやっと涼が求めていることを察する。西守歌は目だけを動かして涼の股間を見た。  
既に涼の性器は勃起し、ズボンがテントのように張っている。  
「あの・・・わたくしが脱がせて差し上げた方が・・・・・」  
「い、いや、いい。自分で脱ぐ」  
涼はベルトに手を掛け、かちゃかちゃと音を鳴らしながらズボンを脱ぎ、そのままトランクスも  
脱ぎ捨てた。逞しく勃起した涼のそれが西守歌の目に晒される。  
(や・・・大きい!? 何ですの・・・あれは?)  
考えてみれば、西守歌が男性器を直に見たのは幼い頃、祖父にお風呂に入れてもらったとき  
以来である。その後、生粋のお嬢様である彼女は家庭教師や学校の性教育などから知識を  
得ていたので、男性はセックスをするときこのようになることは知っていた・・・理論だけだが。  
西守歌は不安になる。あんなに大きなものが自分の中に果たして入るのか。ちゃんと涼を  
女として受け入れられるのか・・と。  
 上気した顔で目をそらしている西守歌を見て、「多分恥ずかしがっているのだろう」と  
勘違いした涼が、西守歌の股の間に再び体を入れ、彼女の上にのしかかる。  
そして、自分の勃起した性器を西守歌のそこへと押し当てる。  
「あっ・・・!?」  
西守歌は不安でたまらないが、もうここまで来れば覚悟を決めるしかなかった。  
 
「あっ・・・あぁ・・・っ、痛っ!」  
メリメリと涼の男性器が西守歌の膣口を抉る。  
性交経験のない涼が西守歌の膣口をとらえることができたのは、まあ運が良かったからだろう。  
「くっ・・・」  
処女地からの締め付けに涼の顔がゆがむ。  
(なんて・・・締め付けだ・・・)  
西守歌の顔を見ると、涙を流しながら痛みに耐えている。それを見た涼は挿入を一時止める。  
「西守歌・・大丈夫・・・な訳ないよな・・・すまん」  
「いえ・・・わたくしが望んだことなのですから・・・」  
痛みを耐えながらも西守歌は涼に向かって微笑んだ。その微笑みが痛々しく涼の胸はチクリと痛む。  
結合部を見てみると、西守歌のそこからは既に何筋もの血が流れていた。  
涼は西守歌の頭を撫でる。  
「ごめんな・・・俺が弱かったから・・・おまえに」  
西守歌は遮るように、  
「ね、涼様。わたくし今とっても幸せですのよ」  
本当に幸せそうな顔をして涼に告げた。  
「だって・・・愛する殿方にこうして初めてを捧げているのですから・・・一人の女としてこれほどの  
幸せはありませんわ」  
「西守歌・・・」  
(健気だな・・・こいつ)  
そう思った・・・・。涼は心の底から優しくしてやりたいと思う。  
「何か・・・俺にしてやれることは・・ないか?」  
自然にそう口から出ていた。何か望むことを叶えてやって、それで西守歌の痛みが引くのなら・・  
涼はそう思う。  
「ん・・・そうですわね・・・」  
涼を半分受け入れたまま、西守歌は少し考えて  
「キス・・・してくださいませんか?」  
自分の望みを告げる。  
「え、そんなのお前・・・さっきから何度も」  
「涼様からは一度もしていただいてはいませんから・・・」  
「あ・・・」  
言われてみれば確かにキスをしたのはすべて西守歌からであって、涼はただ受け入れるだけだった  
ことに気が付く。  
「このようなお願いをしては・・・わたくしからキスしたのと変わりありませんけれど・・・」  
西守歌は少しだけ自嘲気味に微笑む。  
「それでも・・・・・・わたくし頑張れますから・・・」  
「西守歌・・・・」  
涼は何も答えずにただ西守歌の唇に自分の唇を重ねた。  
息継ぎをしながら何度も何度も。  
キスを重ねるたびに、涼を半分受け入れている西守歌の女性器が潤んできた。  
 
 
どれくらいそうしていただろうか。  
やがて、どちらからともなく二人の唇は離れた。  
涼は西守歌を見つめる。  
「じゃ、・・・続き、な」  
「はい、ありがとう・・・ございました」  
そう言いながら西守歌の目からは再び涙がこぼれた。痛みからではない別の涙が静かに零れ落ちる。  
「西守歌・・・ゆっくりすると・・・多分痛いと思うから・・・」  
「わかりました・・・」  
そう言って涼は西守歌に深呼吸を促した。何度か西守歌の胸が大きく動いた後、体の力が抜けた瞬間  
涼は一気に自分の性器を膣内に押し込んだ。処女膜を押し破る感覚が涼の性器に伝わる。  
「いぎっ・・・っ・・・・・痛っ・・・・・・はぁ、はぁっ」  
余程痛かったのか、西守歌は口をパクパクさせている。  
「全部・・・入ったぞ・・・しずか・・」  
西守歌の頭を撫でながら涼は伝えた。  
「はい・・っ・・わかり・・ます・・・・すごく痛いですけど・・・・今わたくしのおなかの中に・・・涼様が・・・」  
そういってゆっくりと自分のお腹の、涼がいる辺りをさする。  
涼は西守歌からの締め付けによる刺激のせいで、今すぐにでも動いてしまいたい衝動に駆られた。  
それを何とか堪えて西守歌が落ち着くのを待つ。やがて西守歌の呼吸が落ち着いた。  
「涼様・・・・どうぞ。わたくしなら、もう大丈夫ですから・・・」  
「ああ・・・なるべく早く終わらせる・・・」  
西守歌はおそらく快楽を得ることはできない。ならばと・・・思い、涼は自分の腰を少し早めに動かす。  
開通したばかりの西守歌のそこは涼をきつく締め付けてくるが、破瓜による血と先ほどのキスに  
よって分泌された愛液のおかげで思ったよりもスムーズに動かせるようだ。  
 
「ああぁぁっ・・・あああっ・・・ん」  
西守歌が喘ぐ。  
「西守歌、大丈夫か?」  
「は・・・い・・・んんっ・・・んぐっ・・・」  
(お腹の中が・・・引きずり出されるみたい・・・・)  
西守歌は痛みで涼の背中に爪を立ててしまう。  
「つっ!」  
「あ・・涼様、ごめんなさい。わたくしつい」  
「いや、いい。お前のほうが痛い」  
涼はそう言って西守歌の頭を撫でてやる。続けて、キスをしながら再び腰を動かす。  
「んんん・・・・・んふ・・・・ちゅっ・・・」  
そしてさらに往復するスピードを早める。  
「んあっ・・・・・んんっ・・・・・んふっ!」  
西守歌が苦しそうに声を上げる。痛がる西守歌を見て、少しスピードを落とそうかとも思うが、、  
気持ちよすぎて勝手に腰が早くなってしまうのだ。涼の腰回りは既に別の生き物のような感覚だった。  
頭ではなく腰が考えている・・・そんな気分になる。  
「あっ・・・・・うぐっ・・・・ゃんっ・・・・ぁあっ・・・・んんっ」  
涼は西守歌の胸に手を伸ばしてわしづかみにし、少し乱暴にこね回す。  
「しずかっ・・・・・しずか・・・ぁ・・・」  
涼は快楽に溺れていく。やがて腰の辺りにむずがゆいような感覚が広がる。  
「しずか・・・しずかっ・・・・俺もう・・・・もうすぐ・・・・・」  
「あぁっ・・・・涼様・・・もうっ・・・」  
西守歌は涼の限界を察する。  
「んんっ・・・・涼様・・・中は・・・・中は・・・・だ・・・・・め」  
もし・・・・自分が妊娠でもしたら・・・涼に迷惑が掛かってしまう。  
西守歌は消えそうになっている意識でそれだけを考え、膣内に出されることを拒み体を  
逃がそうとする。しかし、涼に腰をガッチリと固定されているため離れることができない。  
「しずかぁっ・・・もう・・・ダメ・・・・くっっ!」  
ドクッ ドクンッ ドビュッ!  
次の瞬間、涼の腰がびくっと動いたかと思うと、西守歌の膣の中へ男性器から大量の精液が  
注ぎ込まれた。  
「ああっ・・・」  
ビュビュッ!!  
涼の脈動は止まらず、何度も何度も西守歌の膣内に精液を流し込んだ。  
途中で抜くことなど考えられなかった。  
 
「うぁっ・・・ぁぁぁ・・・・・」  
西守歌は涼の火傷しそうなほど熱い体液を、まだ幼い膣で受け入れる。やがて涼の放出が止まった。  
「涼様のが・・・・わたくしの膣内に・・・」  
「ごめん・・・・抜けなかった・・・・」  
涼は謝罪した。自分が責任を取るのは構わない。しかし、西守歌は日本有数の企業グループの令嬢だ。  
彼女を傷物にしたあげく妊娠までさせてしまったら・・・彼女の人生はどうなる。  
射精したために、徐々に醒めてきた頭で涼は考える。  
「ううん、気になさらないで涼様・・・。これはすべてわたくしが望んだこと」  
目を閉じたまま、涙の跡が残る顔で微笑み、静かに首を横に振った。  
「それに・・・多分・・・大丈夫ですわ」  
「・・・安全日とか・・・いう日なのか?」  
西守歌を抱いたまま涼が尋ねる。  
「いえ・・・違いますけど・・・」  
「だったら・・・」  
「あの・・・・こういうことを・・・つまり・・・出してしまった後に飲むお薬もありますから・・・・」  
西守歌は、涼の家に来る前に万一のことを考え、持参していた薬のことを思い出していた。  
涼の人柄がわかってから、使うことはないだろうと思い荷物の一番奥に仕舞い込んでいたのだが、  
まさかお世話になるなんて・・・、そう思っていた。ただし、かなり強い薬であるため、体への負担は重く、  
人によっては吐き気・頭痛など重い副作用がある。主治医はそう言っていた気がする。  
「ですから・・・大丈夫、ですわ。・・・それより・・・」  
西守歌は結合部を見る。未だ半立ち状態の涼の性器が入ったままになっている。  
「あ、抜くから・・」  
西守歌の視線を受けて涼はゆっくりと自分の性器を抜き取った。抜き取る時の刺激のせいで、  
涼の中に残っていた精液が放出され、西守歌の履いたままになっているスカートにかかる。  
西守歌の膣口から血の混じった精液がごぽり・・・と流れ落ちる。かなり大量に出されていたようで、  
なかなか止まらない。涼はテーブルの上のティッシュを手に取り、流れ落ちる血と精液を拭き取る。  
「りょ、涼様・・・やだ・・・・恥ずかしい・・・自分でいたしますわ!」  
西守歌は涼の手からティッシュの箱をひったくり、背中を向けてこしこしと拭き取っている。  
どうやらかなり出血していたようで、拭き取った精液に結構な量の血が混じっている  
やがて、すべて拭き終わったのか  
「わたくし・・・シャワーを浴びてきますわね」  
そう言って脱がされたブラジャーやショーツを拾うと、彼女は洗面所へと向かおうとする。  
急に立ち上がったために、彼女の股間から膣内に残っていた血や精液がフローリングの上に  
零れ落ちた。破瓜の痛みのせいか、歩き方も何だがぎこちない。  
(何だか歩き方がヘンだな・・・)  
そう思い、  
「おい、大丈夫か? 何か歩き方が変だけど・・・肩貸そうか?」  
「けっこうです!それに・・・誰のせいだと思って・・・」  
他ならぬ涼のせいである。  
西守歌は真っ赤になった頬を膨らませて洗面所へ消えていった。  
(しまったな・・・俺、何言ってんだ・・・)  
無粋な自分に軽くへこむ。  
ダイニングを見渡すと、破瓜の血と精液の拭き取られたティッシュが散乱している。  
「ゴミ箱には・・・捨てられないな・・・」  
もし明鐘に見つかったら・・・多分泣かれる。色んな意味で。  
一人残された涼は事後処理に取りかかった。  
 
 
一方シャワールーム。  
西守歌はシャワーで自慢の長い髪を洗っていた。手間はかかるが、かなりの汗をかいてしまったので  
仕方がない。髪を洗い終わると、次は体を洗う。彼女の白い肌には所々に涼に付けられたキスマークが  
浮かんでいた。  
「服を着ていれば・・・大丈夫ですわね」  
浴室に取り付けられた鏡を見ながら、少しほっとする。  
腕、足、上半身と洗い終わって、西守歌は自信の下腹部に手を伸ばした。彼女のお腹には鈍痛が残っている。  
しかし洗わないわけには行かないので、温めのお湯をかけながらゆっくりと指をその部分に伸ばした。  
「痛っ・・・」  
ここまで歩いてくるときもかなり痛かった。直接触るのは、もっと痛い・・・・。  
それでも我慢してゆっくりと洗っていると、まだ残っていたのか膣内から涼の精液が少量流れ出てきた。  
それを見て先ほどの情事を思い出す。  
「これで・・・良かったんですわよね・・・・・」  
振り払ったはずの明鐘と笑穂の顔が再び浮かぶ。笑穂はまだいい。手紙という形ではあるが涼にはっきりと  
別れを告げたのだから。しかし明鐘はどうだろう。自分はともかく生真面目な涼はおそらく隠し続ける  
ことはできない。そしてきっと彼は自分の責任だと言ってかばってくれるだろう。  
(明鐘さんには・・・私から話さなければ)  
だが涼を誘ったのは自分だ。自分のせいで兄妹の関係が崩れることなどあってはならない。  
(この部屋には・・・居られなくなるかもしれませんわね・・・)  
最悪実家に戻った場合、電車で涼に会うには1時間半はかかる。さすがに毎日ヘリを飛ばすわけには行かない。  
涼に、生涯そばにいると言ったのだ。そのぐらいのことは何でもない。しかしせっかく友達になれた明鐘に  
敵意を向けられるのが怖かった。それに、そもそも涼だって自分を受け入れてくれる保証はどこにもない。  
『流されてしまえばいい』  
そういったのは他ならぬ西守歌なのだ。  
「ぅ・・・・っ・・・・・」  
これからのことを思うと不安で涙がこぼれる。しかし泣いていても何も変わらない。  
(明日話そう。明鐘さんは明日はお休み。涼様は3時からからバイトだから・・ちょうどいい)  
西守歌は首を左右に大きく振って不安な気持ちを振り払い、顔を洗って風呂場を出ていった。  
 
 
 避妊薬を何錠か手に持ってダイニングへ戻ると、部屋はきれいに片付けられていた。  
先ほどの行為の痕跡も残り香も一切残っていない、いつものダイニングだった。  
(そういえばさっき・・・)  
自分の性器を拭いたティッシュをどこに捨てただろうか。 確かゴミ箱に捨てなかったか?  
慌ててゴミ箱を見てみたがティッシュはすべて取り除かれていた。ということは・・・・  
「・・・・・・っ!?」  
恥ずかしくなって赤面し、その場にへなへなと座り込んだ。おそらく涼が部屋を掃除する際に、  
明鐘に見つからないように別の袋に分けて自分の部屋に持って戻ったのだろう。  
今から涼の部屋に乗り込んで「恥ずかしいから返してください」などと言うこともできない。  
「まったく・・・・変なところで気が利きますわね、涼様ってば・・・」  
気を取り直して立ち上がると、テーブルの上にメモ紙が乗っていた。  
『今日はもう寝ます 何か用があったら遠慮なく起こすこと 涼 』  
丁寧な字でそう書いてあるメモを眺めながら避妊薬を水で流し込んだ。  
時計を見ると、どうやら自分はかなり長い時間シャワーを浴びていたことに気付いた。  
涼もかなり疲れているのだろう。日頃からの睡眠不足に加えて今日二人でしたことを考えれば無理もない。  
涼が部屋に戻ったなら自分ももう寝るだけだが・・・どうしようか。明鐘と話して彼女を怒らせてしまった場合、  
明日涼がバイトから帰ってくる頃には自分はここにいられないかも知れない。だったら・・・  
(・・・・もし、許していただけるのなら)  
一緒の部屋で眠らせてはもらえないだろうか。  
西守歌は無意識のうちに自分の枕を抱えて涼の部屋へと向かっていた。  
 
 
「あの・・・涼様?」  
西守歌は涼の部屋の入り口をノックしてから少しだけ襖を開け、声を掛けた。部屋の電気は落ちている。  
「もうお休みになりましたか?」  
「・・・・いや、起きてる」  
返事があった。  
「どうした?」  
「あの・・・・お部屋に失礼してもよろしいですか?」  
少しだけ間があったが  
「ああ」  
と言われた。  
涼は布団に入っていたが、眠ってはいなかった。  
「どうしたんだ?」  
体をひねって西守歌のいる方に目を向けた。西守歌の腕には枕が抱えられている。  
「あの・・・・今日こちらで一緒にお休みしてはいけませんか?」  
「っ・・・お、お前なぁ・・・」  
顔の温度が上がるのを感じ、涼は照れ隠しに顔を背けた。  
「お願いします! お布団に入れてくれなどとは言いません。部屋の隅っこにでも  
置いていただければそれで・・・・」  
明鐘の反応次第によっては、自分は明日からは別の家で過ごさなければならない。  
ならばせめて・・と思い、部屋にやってきたのだ。  
涼は少し考える。さっきの西守歌の必死な言い方が気にかかった。何か不安があるのかも知れない。  
(出ていけ・・・とは言えないよな)  
笑穂を失った喪失感に負けて西守歌にすがり、そのまま誘われるままに彼女の体を蹂躙したのに、  
やることをやってしまったら冷たくあしらうなどできるはずがない。  
(落ち着け・・・一緒に寝るだけだ。明鐘が甘えていると思えばいい・・・)  
最もここ数年、明鐘と一緒に寝ているわけでもないが、取りあえずそう結論付けることにした。  
「しょうがないな・・・。こっち・・・こいよ」  
と言って背を向けたまま布団のスペースを空けてやる。  
西守歌の顔がぱぁっと明るくなる。  
「よろしいのですか!?」  
「いくらお前でも・・部屋の隅じゃ風邪ひくだろ・・・それに」  
「え?」  
「あんなことしたんだから・・・今さらだろ」  
(そうだ! さっき西守歌としたことに比べれば、添い寝なんてたいしたことない・・はず)  
涼は自分に言い聞かせる。  
「ふふっ。言われてみればそうですわね」  
意識しまくっている涼を見るのは楽しかったが、取りあえず今は彼の気が変わらない内に  
布団に潜り込むことにした。  
 

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