「ん…」  
薄闇の中、アーシェは寝返りを打つ。  
夢を見ていた。  
夢の中でアーシェは天使に素肌をさらしている。  
「はぁ…」  
天使は優しくアーシェを翼で包みこむ。  
そしてその大きな翼の中で無防備なアーシェの身体を…。  
「ああっ…」  
 
 
 
感極まった声を上げて目が覚める。  
身体に寝汗で髪が張りついて気持ち悪い。  
気だるい身体を無理矢理起こす。  
夢で感じていた熱があっさりと引いてゆく。  
むなしさを感じてアーシェは鼻を鳴らした。  
 
(何で…夢の中にあいつが…!)  
宿で朝食を済ませると憎々しげに床を強く踏み鳴らして街にでる。  
今朝の夢を思い出して忌々しく唇を噛む。  
気晴らしでもと思い街の露店を歩く。  
気侭に歩いているとどこかで見知った顔を見つける。  
(あれは…)  
 
前に一度、天使と行動していた時、会ったことがあるから知ってる。  
自分と同じ勇者のティアだ。  
傍らに天使も見つけた。  
ふたり楽しそうに歩いている。  
「……」  
何を話しているんだろう、寄り添って笑い合っている…  
ティアは年頃の娘らしく頬を染めて愛らしく笑う。  
天使はそんなティアに優しく微笑みかえす。  
アーシェはなぜだかその光景に胸がきしりと痛むのを感じた。  
ないはず透明の壁を感じる。とたんに周りの景色は急に色褪せはじめる。  
「…!」  
天使がこちらに気づいたような気がした。  
さっと身をひるがえしてアーシェはその場から逃げ出す。  
(私、何で逃げだしてるの…?別にあいつが誰と笑っていようが関係ないじゃない!)  
細い路地を抜けて街の外に出る。  
街の外は高い木に覆われて街道が一本通っただけの森になっている。  
アーシェは少し街道からはなれて森の中に入る。  
人気のない森で軽く息を吸うと気分がいくらか落ち着いたようだ。  
(あいつは天使で、ティアは勇者…ふたりでいたって別に普通なことじゃない…)  
天使と勇者  
ただそれだけのこと。ティアと天使をつなぐもの、そして  
アーシェと天使をつなぐもの。  
ふ…と息を吐く。  
森はしんと静かでひとりでいることを実感する。  
あてもなく物憂げに歩いていると何かを踏んづける。  
「げ…」  
靴の下にスライムが蠢いている。  
スライムの防御反応がアーシェに体当たりを喰らわす!  
「きゃあ!」  
不安定な体勢のところまともに喰らってアーシェは倒れ込む。  
「くっ…!」  
すぐさまアーシェは短刀をスライムに投げつけた。  
 
 
 
「いったぁ…」  
スライムを倒した後で足をみる。  
少し捻っているみたいだった。腫れて熱がある。  
ふと知った気配を感じて舌打ちしたくなる。  
 
「…アーシェ!」  
天使はアーシェの怪我をみると直ぐに駆け寄ってアーシェの足首を手のひらに包み込む。  
天使の治癒で、すっと熱が退いていく…がまだ痺れるような痛みが残る。  
「すみません…地上で力を使いすぎました…今はこれくらいで…」  
申し訳そうに天使が謝る。  
「いいよ…。他の勇者のとこにいたんじゃなかったの?」  
「街でアーシェを見かけて様子がおかしかったので…」  
「……どうせ、おかしくて悪かったわね」  
ぶすっと頬を膨らます。  
天使はそれを見て吹き出し、それからアーシェの膨れた頬を両手で包み込む。  
思わぬ天使の行動にアーシェ心臓が跳ねた。  
「…あ…」  
なにか言おうとして口を開くがふいに肩に重みを感じた。  
「…すみません…少し…目眩がして」  
アーシェの肩に天使の頭が置かれている。  
「え?ちょ…なに?」  
天使はそれきり何も言わなくなった。  
「……」  
アーシェは天使の身体をずらしその場に転がす。  
そういえば以前、天使が地上に降りるにはそのための力が必要で。  
力を使い切ってしまうと動けなくなるとか妖精から聞いたことがある。  
…たしかにそう思えば今の彼はぐったりとしいてだいぶ疲れているみたいだった。  
「…もう」  
 
天使を放って置くこともできず仕方なくその日は野営することにした。  
ぱちぱちと火が踊っている。  
火から少し離れたところに天使が眠っている。  
ティアの同行後一旦帰る予定だったかもしれず、アーシェのために無理に  
留まった彼をそこら辺に転がしておくのも躊躇われたからだ。  
アーシェはごそごそと自分のスカートのポケットから何かをとりだす。  
ひらりと風をうけて舞うそれは一本のリボン。  
アーシェの服と同じ色をしている。  
いつか街の露店で見つけて気に入って買ったものだ。  
いまだ深い眠りについている天使をちらっとみる。  
アーシェの口元は不思議な笑みを浮かべていた。  
生真面目な彼の常とは違うあまりに無防備な天使の姿がアーシェの悪戯心を  
刺激して止まない。  
「しぃ…と」  
そっと近づいて天使の衣に手をかける。  
そのまま衣のなかで手を滑らす。ごくごく静かに。  
天使のはだけた胸に手を這わしたと思ったら今度は脇腹を指先でくすぐる。  
天使の耳に息を吹きかける。  
「…ん」  
わずかに身じろぐが天使は眠ったままだ。  
アーシェはごくっと唾を呑む。  
そろっと天使の下半身に手を伸ばし…衣服の前を開かせた。  
 
息を潜めてじっとそれを見つめる。  
彼が確かに男であるという証。  
わずかにためらったものの、手にそれを持つ。  
(あ…)  
手の平に握り込むとびくりとそれが脈打つ。  
アーシェの心臓も絶え間なく脈打っている。  
アーシェは確かめるように天使のそれをなでさする。  
やがて…それは硬くなり上を向いて勃ちあがりはじめる。  
(目、覚まさないでね…)  
アーシェは手にしたリボンを天使のモノに二重三重に巻き付ける。  
そして根元の所できゅっと結んでしまった。  
「…っ」  
天使は目をつむったままだったが眉が寄っている。  
(ぷ…間抜け、いつも偉そうにしてるから仕返しよ!)  
ひらひらとリボンが揺れている。  
滑稽なその姿に一応は満足するが何となく飽き足りない。  
ぐりぐりとそれを片手で握り、先っぽを指の腹で擦る。  
先ほどより硬さが増して巻き付けたリボンがきつそうだ。  
更なる悪戯を思いつき、アーシェは意を決して天使のモノを口に含む。  
ちゅぷ…  
口の中でぎこちなく舌を這わす。  
次第にアーシェは我知らず興奮し夢中で天使のモノに吸い付く。  
するっとリボンがほどかれるのを視界の端にみた。  
その意味に気づく前に、口の中に大量の熱が放出された。  
「んんっ!!…げほっ…うぇ」  
白い液状が口から溢れた。  
吐きだしてはみたが少し飲んでしまったみたいだ。  
口元をぬぐうとごく近いところから視線を感じた。  
「…アーシェ」  
低く呼びかけられて、はっとするが顔が上げられない。  
重い沈黙。  
天使の手に白いリボンが握られていた。  
 
 
アーシェは事態に気づくと血の気が一気に下がった。  
「…なぜ、こんな事を?」  
訊ねられると今度はかぁぁとアーシェの顔に血が上っていく。  
目を合わせられない。  
天使はため息を吐く。  
「答えられないようなら、こちらも考えがあります」  
怒っているのか天使の声がいつもより低く重い。  
ぐいっと身体を引っ張られる。  
両手首をリボンで容赦なくきつく結ばれる。  
長さはある程度あったが細いリボンは手首にくい込んで痺れる。  
背中を押されて尻を突き出すように前に倒れる。草の上に顔が落ちる。  
「ちょっと!なにするの?!」  
手の平の感触が尻にあたる。  
アーシェの尻の丸い表面に天使の手が置かれているのだ。  
「さて、お仕置きは叩かれるのがいいですか?…それとも  
さっきアーシェが私にしていたようなことをあなたにもしてあげましょうか?」  
感情の灯らない声音で低く囁かれる。  
(…怒ってる…こんな…)  
 
こんな天使知らない…  
青いタイツを引き下ろされ生肌がさらされる。  
ばちんっと尻を叩かれる。  
「いった…!」  
容赦ない仕打ちに涙が浮かびそうになる。…が、逆に天使を睨み返す。  
火花が散るような視線がぶつかりあって怒りが芽生える。  
「ふん!ちょっと悪戯しただけじゃない!だいたいアンタだってこんな乙女に  
あんなことされて気持ちよかったんじゃないの!?」  
乾いた音が響く。  
数刻前にアーシェの足首を癒してくれたあの手と同じ物とは思えぬほどの  
冷徹な平手打ち。  
「つぅ…」  
悔しいのか切ないのか自分でも判らなくてアーシェはついに涙をこぼす  
(…痛…ひどい…)  
落ちた水滴は土の上で染みを作った。涙の染みた土の上で拳を握る。  
「…嫌い」  
呪詛のように低くつぶやく。  
「…私、謝らない!謝らないから!怒ってばっかでアンタなんか大っ嫌い!!」  
天使が顔を歪める。しかしそれは一瞬のこと。  
再び冷たい低い声がふりそそぐ。  
「痛いのは嫌ですか?…解りました。ではもう一つの手段でお仕置きしましょう」  
うってかわって今度は不気味なほど優しく今しがた叩かれた場所をなでる。  
焦れるようなもどかしい感触。ぞくりと肌が粟立つ。  
「何するの…?」  
恐れたような不安げな声。  
「あなたが私にしたようなことを」  
 
天使の指先が円を描くように焦らしながらアーシェの秘められし所に向かう。  
誰にもさわられたことのない場所。そこに繊細な手つきでふれられる。  
「んっ」  
思わず小さく声が漏れ目を瞑る。  
荒々しくもなく、むしろ優しいしぐさでそこをほぐしていく。  
(うそ…)  
アーシェのそこ…秘部が潤みを帯びていく。  
「やだ…」  
潤みを得た指はより滑らかに動く。  
天使の視線に全てが晒されている。羞恥で身体が熱いみたいだ。  
「『やだ』?ここはこんなに気持ちいいようですが?」  
舌先でぴちゃぴちゃと音をたてて天使はからかう。  
「ほら、垂れてきた」  
足の付け根から秘部に向かって舌が這う。垂れてくるものを掬いとるように。  
アーシェは天使が舌で秘部を嬲るのを感じた。  
「ふぁ…、あ…あ…」  
背中を反らせ言葉にならない声を発してしまう。  
「アーシェ…、駄目ですよ。貴方が悦んでしまったらお仕置にならないじゃないですか。」  
なごりおしそうに舌がアーシェの秘部から離れる。  
「また痛いかと思いますが…、少し耐えてください」  
そういうと天使はアーシェの腰を掴む。  
ぐっと何かがあてがわれる。  
「っっ!!…ああああっっ」  
身体の中心で強烈な痛みが襲う。アーシェの内部を割って何かが入ってくる。  
「いったっぁ…やぁ…」  
なにが起こってるの?そんなふうに思うのも束の間  
最奥まで入ったそれはアーシェの内部にきつく圧迫されながらも頃合いを見て動き出す。  
「ああっ!!やぁっ、ひぐっ…いたい…ああっ」  
痛みに我を失い泣き叫ぶが天使は尚もアーシェを突きあげる。  
腰がぶつかるたびに縛られた手首に力が入る。下草をぶちぶちとひきちぎる。  
 
「相手が誰であっても悪戯は度をすぎると、あなたにこんな牙を向くかもしれないことをあなたは知るべきでしたね…」  
「あっ、あ、やだぁ、こんなの…くふぅ…」  
決まった速度で突き上げながら天使は片方の指をアーシェの秘部に伸ばす。  
「…もっともその奔放さもあなたの魅力のひとつなのかもしれませんが」  
荒く息を吐きながら、快楽の肉芽を探りあて指でこねくりまわす。  
「ふあっ!?…ああっ…あ…」  
アーシェは天使の行動に驚愕しながらも痛みではない感覚を呼びおこされた。  
叫び疲れた声はかすれ、吐息は甘く濡れている。  
「…あっ、ん、ん、…ぁん、はぁ…」  
粘着質な水音が耳を打つ。  
羞恥心に震えが止まらない。  
ぽた…と結合部から血の交じった愛液が下草に零れる。  
「あぁん…もう…ゆるし…あっ」  
向きを正面に変えさせられる。  
天使の胸に汗が浮かんでいる。熱い息が降りかかる  
「っ…アーシェ…私のことが…嫌いですか?」  
一瞬、アーシェは耳を疑う。  
苦しげに漏らされたその問いかけ。  
手首を締め付けていたリボンが天使の手によってほどかれる  
「…!…っ」  
自由になった手で天使の首に抱きつく。  
それが答えだというように。  
「はあっ…ん、ダメ…もうっ…ああっ」  
ちから一杯に抱きしめる。  
アーシェの内部ではち切れんばかりの天使のモノがおおきく脈打つ。  
「…くっ…アーシェ!!」  
「っっっああああーー!!」  
快感が爆発してアーシェは全身を痙攣させる。  
下腹部に天使が白濁を放った。  
 
 
 
朝靄が立ちこめている。  
あれから数刻の時が過ぎてアーシェは近くで見つけた泉で身を清めていた。  
(私…天使と…やっちゃたんだ…)  
ぼんやりといまさらながら思う。  
「どうしてこんなことしたの?」  
振り返らずに背後の存在に問いかける。  
 
「………」  
(なにか言ってよ…)  
ピチョン…とアーシェの髪から雫が水の中に落ちる。  
「すみません…ついむきになって…あんなことを…」  
「謝られても困るよ…」  
水を蹴ってざぶざぶと天使に近づく。  
天使の顔を覗きこむ。天使はひどく思い詰めた顔をしている。  
「ねぇ。大っ嫌いって言ったのそんなにこたえた?」  
天使は重く息を吐く。  
「ええ…とても。でも、それだけでなぜあなたにあそこまで酷いことを…」  
そんな彼をみてアーシェは自分の胸が早鐘を打っているのに気づく。  
息を吸いこみわざとらしく「あ〜あ、おかげでミリアス王子に嫁げなくなっちゃった!」と首を反らす  
傷ついたような表情の彼を思いきり引っ張って水のなかにたたき落とす。  
「責任は、あなたがとってくれるのよね?」  
天使はきょとんとしてアーシェを見上げる。  
「ずっと私のそばにいてくれる?」  
とびきりの笑顔で言えば天使は瞳を大きく見開く。  
が、やがて頷き「約束します」とアーシェの腕を引き抱きしめる。  
アーシェは今とそっくりのいつか夢で見た光景を思い出す。  
あの時はむなしさで溢れた胸が今は幸せで満ちてゆくのを感じる。  
天使の背中に腕を回す。  
木々から差し込む朝日がひとつになった二人を祝福するように。  
泉をきらきらと輝かせていた。  
 
 
 
end  
 

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