俺たちはL計画の終了とともに現れた脱出艇で竜宮島に帰ってきた…  
 
三人のパイロットと八人の大人達、生き残れたのはたったの11人。フェステム達に竜宮島の位置を悟られないための作戦…  
 
竜宮島には平和が訪れた。しかしフェステムは必ずまた竜宮島に近付いてくるだろう、しかしたとえ何日かの平和でも俺は生きている事に感謝したい。  
 
竜宮島に帰った俺を待っていたのはプクと蔵前だった。  
 
「おかえりなさい先輩、プクお返ししますね」涙をうかべ笑顔で迎えてくれた蔵前。  
いつものように寄り添ってくるプク…  
 
「ありがとう、帰ってきたんだな…俺」  
 
 
ドクン!  
 
 
「先輩!!」  
 
気付いた時にはアルビスのメディカルルームだった。  
どうやらファフナーから降りた今でも同化現象は続くらしい…仕方ない、最新のノートゥングモデルと違いティターンモデルはパイロットへの負担がかかりすぎた。俺の命もそう長くはない、事実生き残った俺と祐未以外のパイロットはもう逝ってしまったらしい…  
 
元々体の弱かった俺は激戦からか歩けなくっていた。祐未の親父さんと同じ状態だ。  
 
今は祐未が俺に付き添ってくれている。祐未は体が強いのか適性値が低かったのか分からないが同化現象も大分落ち着いたらしい。  
 
「悪いな祐未、面倒をみてほしくないなんて言ってたけど結局はそばにいてもらって」  
 
「いいのよ、父さんも死んじゃったし誰かの世話をするのも苦にならないし、それに…貴方の側にいたいの…」  
 
「祐未…好きだ、いや好きだった多分ずっと前から」  
 
「私…あなたを好きかどうかわからない…もうそんなの通り越してた。今側にいてくれるのがあなたでよかった…これって好きってことなのかなぁ」  
 
「祐未…」  
 
俺は祐未を抱き寄せた…祐未も俺の背中に手を回してくれている。ちょっと不格好だけどそんなのは気にもならなかった…  
 
そっと祐未にキスをした。祐未は黙って俺を迎えてくれた。  
 
あと何日生きられるかわからない、もしかしたらこの瞬間に同化現象が襲ってくるかもしれない。もしかしたら祐未のように元気になってあと50年生きられるかもしれない。  
 
そう思ったが考えるのは止めた。今はこの生きている時間を感じていたかったから…  
 

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