「あたし…生きてるの…ここは?確か剣司を待ってて…」
咲良は北極決戦で得た真壁アカネのコアによるデータから同化現象から回復することが出来た。
「咲良...本当に起きたのか?」
「剣…司?」
無言で咲良に抱きつく剣司...その眼には今にもこぼれそうなほど涙がたまっていた。
「あらあら…母親をさしおいてみせつけてくれるのね」
後ろで困った顔をしていた咲良の母
「要先生!あの…これはっ!…その」
「いいのよ、剣司君、おかえり咲良」
「母さん、剣司、わたしここに…いるの……………………………………………………あっ!?」自分が裸であるのに気付いた咲良、真っ赤になりながら剣司に無言で鉄拳を与えた。
咲良が目覚めてから三日後、二人は今はもう誰も住んでいない剣司の家で話をしていた。
「そっか、私が寝てる間に沢山の人がいなくなっちゃったんだ…」
「あぁ、みんな誰かを守るためにいなくなっちまった…衛もかぁちゃんも…」
今にも泣き出しそうな声で話していた剣司、そこで何かを思い出した。
「そうだ!俺一騎に勝ったんだぜ!いやぁ見事な背負い投げだったな〜咲良にも見せっ!?」
話の途中で咲良に抱きつかれ動揺した剣司、いつも自分を軽々と投げ飛ばす怪力少女の面影はなく、その姿はとても可愛らしくまた慈愛に満ちていた…
「ちょっどっどうしたんだよぉ咲良?」
「しばらく見ないうちに強くなったんだね...剣司、」
「うん、まぁな今なら一騎どころか溝口さんにだって勝てるぜ!」自信満々に言う剣司
「いいよ無理しないで…」
「だから無理じゃねぇって…」
「違うの…そうじゃないの、私の前でそんな意地張らなくてもいいよ…剣司は剣司なんだから、私はどんな剣司だって…その...あれだよ…うん、」
「待ってくれ咲良!」何か言いたそうな咲良の口を抑えた
「約束したんだ…衛と、ちゃんと咲良に言うってだから俺に言わせてくれ」
「…うん」(女の子らしく待ってやるか…)
なぜかベットの上で正座で待つ咲良、ベットの下で土下座の剣司
(なんでこんな形なのよ!!)
(やっべーちゃんとしすきだ!!)
互いにわかっているはずの気持ちをちゃんと伝えるだけなのにこの形になるということは、既にこの二人の関係がこの状態だということを証明していた。
(女の子らしく聞きたかったなぁ…)
(しょうがない、このまま言うしかねぇ!)
ガチャッ
「あらこんなところにいたの二人とも?」
なぜか現れる咲良の母
「?…………なにをしてるの?」
(なんでこんな時にくるのよ母さん!)
(くっそー立ち会い人まででてきやがった…俺は試合するわけじゃねぇのに、まぁある意味ちゃんとしてるか…仕方ねぇ)
「おかあさん、其処に座って下さい」
(剣司、まさかこの状況で言う気なの?)
「咲良、好きだ!!俺と付き合って欲しい」
(こんな時になんて言えばいいのよ!!馬鹿!)
(フフ、なんて答えるのかしらあの男勝りの咲良ちゃんは)娘の顔をヤらしく見つめる母
(言ってやるわよ!!要流師範の娘としてね!!)
「そのお願い謹んでお受けしたいと思います。」