暗い密室の中、海光を背に…つぐみの、その美しく、傷ついた肢体が顕になった。
そうライプリヒの過度な実験によったものか、それとも【死のうとしたからか】…無残にも、腕や腹、胸…痛々しい傷跡が残っていたんだ。
「どう…? これが私の身体。こんな身体でも…武、貴方は私を受け入れてくれる?」
自嘲混じりの微笑を浮かべ、近づいてくるつぐみ…。
俺は目を離さなかった。もし、離したらつぐみを拒絶することになる。
俺は…歩み寄る。その目の前の悲しき少女…つぐみに。そのまま…。
ゆっくりと、その体躯を抱き締めた。
「武…?」
少し驚いたような表情で俺を見るつぐみ。
俺は自分が出せる精一杯の笑顔を向けて…言葉を紡ぐ。
「馬鹿。今更拒絶なんかするかっての。俺はつぐみが好きだ…。だから…俺は、つぐみを受け入れる」
言い切った。あいつの目を見つめ、自分の本心を…。
同時に…つぐみの双眸が涙で滲むのを…見た。
「馬鹿…」
そして、微笑を浮がべたつぐみの声を…近づいてくるその端正な顔を…。感じ…。
俺たちは…一つに、重なった。