【叶えられた想い〜2034年・倉成武視点〜】
「んッ…ん、あ!あ、あぁ…んふ…ん、んむ…」
重ね合わせた唇の下で、甘く漏れ続ける女の泣き声が俺の聴覚を刺激する。
普段は気の強いつぐみの弱々しい声。普段とは少し異なるその声が可愛くて、
俺はますます激しく舌でつぐみの口内をなぞった。
(―――そう言えば、責められると弱いんだったか?)
17年前の記憶が不意に蘇えって、漠然とそんな事が頭に浮かぶ。
細い肢体を組み敷く様にして唇を重ね、舌で舌を絡めとると、
つぐみの腕からはどんどん抗いの力が抜けていってしまう……。
「はぁっ…あ、はぁ…抱いて…!
もっと強く…もっと激しく…武を感じさせて…!」
ぎゅうっと俺にしがみつきながら、掠れた声で紡がれる言葉。
その言葉と弱々しい抵抗に、自分の体の奥からは
また熱い衝動が込み上げてくるのが分かった。
17年ぶりに目覚めたばかりの筈の肉体。
その筈の俺の体は…つぐみから伝えられてくる温もりに、
一人の男としてすっかり目を覚ましてしまっていた。
「途中で、後悔も前言撤回も受けつけないぞ?
何せ俺は、17年ぶりに目が覚めた訳で。非常に…その空腹状態である訳で」
「……食べたいの?」
「うむ」
声色に少しだけからかう様な色を浮かべて、つぐみの潤んだ瞳が
此方を見つめてくる……今にも吸いこまれてしまいそうな深い瞳。
触れ合う事で伝わる温もりに熱っぽい光を浮かべた瞳には、
確かに俺の顔が映っている。
「つぐみを、腹一杯、食べちまいたい」
「うん…私も…武を食べたい。武に…食べられたい…」
「17年分、たっぷりな」
俺はその瞳をしっかりと覗き込みながら、つぐみに正直な言葉を返した。
自分で聞いてきた筈の事なのに、俺の返答を耳にした瞬間
つぐみの頬には、かぁっと恥かしそうな朱の色が上る。そして―――
「ふふっ。良いわよ…食べて。一杯…一杯、食べさせてあげる」
「…つぐみッ…つぐみ、つぐみ!!」
そしてそんなつぐみの言葉を待ってから、
彼女の濡れた可愛い唇をそのまま自分自身のそれで塞いだ。
舌を唇の隙間に少しだけ強引にねじ入れ、一気に口内まで侵入する。
固くなった下腹部をぐいぐいと押しつけながら、掌で柔らかな双胸を揉みしだく。
敏感になったつぐみの身体に、熱を帯びた俺の身体を重ね合わせていく。
―――くちゅっ、ぬちゅぬちゅ…ぬりゅっ…くちゅくちゅくちゅ…
「んっ…ふぁっ、う、んむ…あ……ぁ、あぁ…ひゃんっ…あ…!あ…!」
組み敷いた身体の下で、俺から何とか逃れ様とつぐみが細い肢体をよじる。そんな抵抗を制する様に解け合う唇と唇の水音が、甘く室内を満たして行く。
柔かな膨らみを包みこむ掌に力を込めると、
俺の手の中でつぐみの乳房はされるがままにその姿を変えた。
鼓膜を刺激するつぐみの泣き声と切ない息遣い。
掌に伝わって来る柔らかさと確かな弾力。
その先端で唯一固く尖った部分だけが、
可哀想なくらいにびくびくと震えながら、俺の掌を押し返そうと抵抗してくる。
衣服ごしでも伝わるその部分の感触…。
きゅっきゅっと力をこめて揉んでやる度に、
ますます切なく自己主張を繰り返してくる乳房が心地良い。
「あ…ん、あ!あぁ…あん…っ、や…ッ」
「すげぇ柔らかいぞ、つぐみのおっぱい」
「―――ッ、ば、バカっ!や、ぅ、んんっ…ダメ…其処…」
きゅっと、尖った先端を黒いワンピースの上から強く摘んでみる。
指の腹の部分でぐりぐりと其処を弄ると、
つぐみの体は俺の腕の中でびくびくと大きく震えた。
ますます固さを増した蕾が俺の指を押し返してくる。
「ダメよ、其処は…んっ、や、許して、まだ…っ」
「感じ過ぎちまうか?」
「あ!バ、バカッ!―――はぁ、はぁ
…あ、あぁん…は、恥かしい事…言わないでよ…」
「あははは。相変らず可愛いやっちゃなぁ、お前」
かぁっと耳まで赤くなりながら、
消え入りそうな声で呟くつぐみへの愛しさが俺の胸を満たす。
俺が思わず笑い声を洩らしてしまうと、
つぐみはまるで拗ねた子供の様な表情を浮かべて、俺を上目遣いで睨んで来た。
うっすらと涙を滲ませた瞳。
其処に宿った雫をそっと唇で拭い、舌で舐めとってやると、
つぐみの体は小さく震えながら俺に応じてくれる。
「あ…ン…」
「じっとしてろって、もうちょっとだからさ」
「あ…うん。ふふふ、何だかくすぐったい―――んっ」
可愛い笑い声を洩らすつぐみの唇を、そのままもう一度唇で塞ぐ。
胸元を愛撫していた掌をそっと這わせて、
黒いワンピースのボタンを一つずつ…焦らす様に外して行く。
プツン、プツンと音を立てながら
ボタンが外されるのに従って、つぐみの上気した肌が露になった。
17年前にも目にした…悲しいくらいに透き通った、つぐみの白い身体。
「んぅっ!?あ、はぁ…ん、んんッ!あ、あぁ…ダ、ダメ…」
「ん…」
「――っ!ん、あふっ…ふあ、あ!あぅ…んむ…」
それに気付いたつぐみが、慌てて唇から逃れ俺の行為を留め様とするが、
どうやらもう上手く力が入らないらしい。
普段は凶悪な程の破壊力を誇る右腕の動きも弱々しいまま…
俺が一度離れた唇を押し重ねると、どうする事も出来ずにその動きに身を委ねてくれる。
―――くちゅッ…ぬりゅ、くちゅ…ぬちゅっぬちゅっ…
ぬめぬめと這い回り解け合わされていく二つの舌が、粘ついた水音を奏で始める。
はらり、と一番上の赤いリボンを解き、ますます下の方までボタンを外して行く。
しゅるしゅると薄布が擦り合わされる音が、
俺とつぐみの唇から漏れる旋律に、また新しい音を加えた。
細かな傷が刻まれたままの…悲しい程に華奢なつぐみの身体が、其処にはあった。17年前に目にしたままのつぐみの身体。ボタンを外すことで余裕の出来たワンピースを、そのまま肩から腕の方までするりとズリ下ろす。
「―――――あっ!やっ!イヤ…ダメよ、見ないで!」
「つぐみ…」
「お願いだから…見ないで、武…」
「ワガママ言うなよ…」
俺の視線に気付いたのだろうか。
俺の唇から逃れたつぐみは、慌てて自分の身体を隠そうとする。
其処にある彼女の気持ちを察して、俺は今度は敢えてつぐみの唇を解放してやった。
つぐみは瞳に懇願の色を浮かべて、
一度ずり下げられたワンピースの襟元を掻き合わせる。
「―――つぐみ」
「ご、ゴメンね…でも私……」
「つぐみ?」
「武に…こんなふうに、見られたく無いから…だから…」
全身に刻まれた傷痕を俺の視線から隠そうとでもするかの様に…
つぐみは、黒い衣服で白い裸体を覆ってしまう。
次第に小さく、消え入りそうになりながら紡がれる言葉。
そんなつぐみの様子に、上手く言葉にはならない…
きゅうと絞めつける様な、切ない感情が込み上げてきた。
「…見せてくれよ、つぐみ」
俺はそっとつぐみの手首を取ると、
そのまま寝台に押し付けるようにして彼女を組み伏せた。
押し殺された甘い泣き声が赤い唇から漏れる。
弱々しい抵抗…。きゅっと寄せられた眉根と、悲しげに閉じられた瞳。
今すぐつぐみを抱き締めてやりたい――そんな衝動が、強烈に俺の内側を満たした。
「今更俺に隠す様な所、ひとつも無いだろーが。俺は…気にしないぜ。
いや、気にしないから気にするなって云うのは不躾だよな。
お前が過ごして来た辛い時間を、その間の想いを、
今の俺には全て分かってやる事は出来ない……だけどさ」
胸に込み上げる感情が少しでも伝えられる様に…
俺はそっと、露になったつぐみの胸元に唇を寄せた。
痛々しく刻まれた無数の細かな傷痕が、其処にも消える事無く残されている。
その跡に俺は、出来るだけ優しく舌を這わせた。
つぐみの心臓の音が、とても近くに聞こえる。
どくどくと早鐘の様に脈を打つその音…
「ンっ…!あ、あはぁっ!!――――はぁ、はぁ…はぁ…」
其処から伝えられる感覚が、伝わっているだろうか?
俺の温もりが…少しは彼女に伝わっているだろうか?
つぐみの身体はびくりと一度大きく震え、唇は弾かれた様に可愛い声を紡ぎ出した。
それから荒い息遣いを整え、薄く瞳を開いて懇願するかの様に俺を見つめてくる。俺は一度顔を上げ、彼女の耳元へ唇を寄せると、つぐみにそっと囁いた。
「だけど、俺には――今、此処にいるお前が全てなんだよ。
刻まれた傷痕も、抱えた胸の痛みも…全部ひっくるめてつぐみを包んでやりたい。 これからはずっと、此処にいるままのお前を抱き締めていてやりたいんだ」
「武…」
「――なんてな。ちょっとキザだったか?」
震える声で名前を呼ぶ彼女に軽く笑みを見せると、
つぐみは真っ赤になって俺にその唇を合わせて来た。
「―――――バカ…本当に…バカ」
唇と唇が触れるかどうかの一瞬前に、少しだけ悔しそうにつぐみが呟く。
それは、此処まで顔と顔が密着していなければ、きっと聞こえ無かっただろう一言。
「私が逆らえないの……知ってる癖に…ッ」
「ああ。スマンかった」
愛しさに支配される様にして、そのまま俺の方からもつぐみの唇を奪う。
性急に唇を割って入って来た舌を俺の舌で絡めとってやると、
重ねられた唇の向こう側からは、くぐもった様な泣き声が聞こえた。
「――んっ!ん、んぅ、うん…あ、ふ…うン…っ!んっんん…ッ!」
ぴちゃぴちゃと云う唾液が解け合う音を耳にしながら、
もう一度つぐみのワンピースを摺り下ろす。
するすると滑らかな衣擦れの音がすると、
その下からはもっと滑らかなつぐみの白い肌が現れた。
つ…と、指先で刻まれた傷痕をゆっくりとなぞってやる。
「――――ン…ふぅ…ん……はぁ…あぁ、武…ぃ…」
「可愛いぜ、つぐみ」
「あッ!あ、あぁ…ん…ふあ、あっ、あう…ダメよ…ダメ、ダメ――…ひゃうっ!?」
そのまま離れた唇と舌でつぐみの耳朶を甘く噛み、
首筋から肩に、鎖骨から胸元にかけてのラインを舐め下ろす。
時々、執拗に白い肌を吸って、その上に口付けの後を残した。
ついさっき付けたばかりのキスの跡に、更に赤くて大きな口付けの花を咲かせる。
「やめ―――っ、だ、ダメよ、止めなさ…あ、ふぁっ!?ダメ…あ、跡が…あぁん」
「どうせもう幾つか残っちまってるって。観念して大人しくしてろよ」
「やッ…バ、バカ!皆に見られたらどうするのよ!?」
何とか逃れ様と身をよじり首を左右に振るつぐみの仕草に、
一旦行為を中断して少しだけ頭をひねる。
だが、俺はまたすぐに彼女のうなじに唇を押し当てた。
「うーん…ま、まぁ、その時はその時と云うか…。
心配すんなって。Lemuでもバレなかった訳だし、まぁ、何とかなるだろ」
「もう…ッ!んっ、ほ、本当に…あっ…」
「本当に、どうしようもないバカなヤツだって?」
抗うつぐみに俺は少し苦笑いを浮かべた。
つぐみが本当にイヤがってないのは、何となく分かっている。
ただ、外にいる優や空…それに沙羅やホクトに気付かれる事が気恥かしいのだろう。
(だがまぁ、そうやって拗ねた表情で此方を睨んでくるつぐみが、
俺としては非常に可愛いと云うか…何だか妙に燃えると云うか)
つまり、そう云う事だったりするのだった。
今もつぐみは頬を朱に染めながら切なげな表情を浮かべ、
瞳を閉じたまま荒くなった息遣いを整え様としている。
「でも………」
「―――?」
そのつぐみの唇がふと、聞えるか聞えないかの擦れた声で言葉を紡いだ。
くすり、と小さな笑みを浮かべながら俺の瞳を覗きこんでくる。
「でも…そんな所も、好きよ、武」
「――――――っ、バ、バカ!恥かしいだろうがっ」
「ふふふ」
思わぬつぐみの反撃に、かぁっと頭に血が上るのが分かった。
顔が赤くなるのを、悔しいが自分じゃ止める事が出来ない。
してやったり、と云ったつぐみの表情が何となく憎らしくて、
ますます激しくつぐみを責める事を、こっそりと一人で決定してやる。
「じゃあ…俺の事が本当に好きなら、全部見られちまっても問題なんか無いよな?」
「えっ―――きゃっ!?」
俺の行動を察したつぐみは、小さな悲鳴を上げながら
慌ててその行動を制そうとする。
だが、もう遅い。
つぐみの奴が抵抗するよりも一瞬早く、
俺の頭は彼女のスカートの中に潜り込んでいた。
むわっと、其処は既に蒸せ返る様な女の匂いで満ちている。
薄闇の中…その匂いに引き寄せられる様に、
俺はつぐみの黒いスカートの中を進んで行く。
「あ…ダメよ、武…お、お願い…ね、まだ…」
切ない声色で抗いの言葉を紡ぎながら、
つぐみの細い指先がスカートの布地の上から俺の頭を押し返そうとする。
やや細身の白い太腿が、何とか進攻を食い止めようと閉じ合わされるが、
すべすべとしたその感触は、俺の行為に拍車を掛けるだけだった。
甘くねっとりと絡みつく様なつぐみの匂い。
普段彼女から香る麝香の香とはまた異なった琥惑的なその匂いに、
脳裏がクラクラする様な感覚に襲われる。
「つぐみ…お前、凄い濡れてるぞ?」
「ぁ…………」
白い下着越しに、ふるふると震えるつぐみの大切な部分に囁いてやると、
上の唇からは半ば諦めた様な声が漏れた。
その反応に背中を押される様にして、
ぷっくりと膨らんだ其処を下着の上から舌先で突ついてみる。
「ひあっ!?やっ…!あ、あぁ…っ」
「――――っ」
瞬間、つぐみの体は弾かれた様に一度大きく弓なりに仰け反った。
そのまま汗ばんだ白い太腿が、焦れた動きで切なく俺の頭を締め付けて来る。
「だ…ダメよ…そんな、そんなにされると、私―――ああぁぁっ!?」
「くっ…可愛いぜ、つぐみ。すげぇビチョビチョだ」
「やッ、バ、バカッ!!あ、あん、あぁ、ふあ…
…ん、んんっ―――…うぁ、あ!あ!あぁん!」
俺の舌の動きに応じて漏れるつぐみの可愛い声を聞きながら、
下着越しに何度も何度もつぐみの弱い部分を弄る。
奥の方から溢れた蜜でぐっしょりと濡れた白い下着は、暗がりでも
分かるくらいに、ピッタリとつぐみの秘裂に張り突いてふるふると震えていた。
「相変らず…甘い匂いがする」
「ん――あ、やぁっ!あ…あ、あぁっ!んあぁぁぁっ!?」
ぺろり、と、舌でつぐみの割れ目をなぞり、
指先で濡れた下着の上から優しく撫でてやる。
白い布地を通してでも、溢れた雫がじんわりと指先に絡みついて来て、
その感触がますます俺の心と体を悦ばせてくれた。
こんなふうに、つぐみが俺を感じて可愛く応えてくれていると言う事が、
何だか妙に嬉しくなっちまう。
「可愛いぜ、つぐみ」
「やっ…!?―――いやぁぁんっ!!!」
下着の上からでも分かるくらいに固くなった下の蕾の部分を唇で挟み、
ぷっくりと膨らんだ其処に優しく歯を立ててやると、
ビクビクとつぐみの体は大きく跳ねた。
敏感になっていた身体が弓の様に仰け反り、
やがてぐったりと全身から力を失ってしまう。
「あ…はぁ…あぁ…はぁ、はぁ…」
「…つぐみ…?」
泣きそうな声で荒い息遣いを繰り返す気配がする。
俺はスカートの中に潜りこませていた頭を出し、
弱々しく震えるつぐみの様子を伺った。
瞳を閉じ、頬を紅潮させたまま横たわるつぐみの体…
「ひょっとして、イッちまったのか…?」
「―――…っ!バ…バカっ、知らないわよ」
恐る恐る確認すると、つぐみは耳まで真っ赤になって、
ぷいっと俺から顔を背けてしまった。
「武が…だって…武が悪いのよ、こんな…」
「ははは、そいつはスマンかった」
ぶつぶつと小さく呟きながら恥かしがるつぐみに、
また、思わず笑いが込み上げて来てしまった。
拗ねたつぐみはまるで少女みたいで妙に可愛らしく、
とても二人も子供を産んだ様には見えない。
「スマンかった。まぁ、そんなに拗ねるなって」
「別に拗ねてなんかいないわよ――…あ、んン…っ」
耳元に息を吹きかけながら囁くと、
つぐみの身体はまた、びくっと小さく俺に反応してくれた。
そのまま唇を滑らせて、白いレースの上から膨らみの先端部分に口付ける。
薄く透けた布地の中で震えているその蕾は、うっすらと紅色の姿を覗かせていた。しっかりとその形を主張してそそり立って存る乳首に、俺はそっと唇を寄せる…
「ん…ん、んむ…」
「あ…ん、ダメ――あ!あっ、たけ…しぃ…っ」
ぺろりと舌で其処を舐め、くりくりと先の方を弄ってみる。
すると、薄いブラジャーの下で、つぐみの乳首が一層固く尖り始めるのが分かった。
押し殺した喘ぎ声の合間に俺の名前を呼んでくる彼女が、
溜まらなく愛しく想えてしまう。
そのまま下着越しに舐めたり、突付いたり、唇の中に含んだり…
「あ…あ、あぁぁぁっ、うぅ…ふ、ひぁっ!?あ、ダメ…あ、あぁぁ…あぁっ!」
俺の一挙一動に反応して、つぐみは可愛い鳴き声をあげてくれた。
左右の蕾を散々舌と指先で玩んだ後に唇を離すと、
つぐみの蕾と俺の唇の間にもとろり、と透明な唾液の橋が掛かる。
いや…透明なのは唾液だけじゃない。
唾液で散々濡らされたつぐみの下着も
すっかり透けて彼女の膨らみに張りつき、卑猥な姿を俺の視界に曝してくれた。
(また随分と…エッチな眺めだよな)
勿論それは、俺自身がした事ではあるのだが。
下着のレースの下でピンク色に透けた蕾が、
ふるふると唾液に塗れて震える姿は、まるでつぐみが俺に
「もっと、もっと」とおねだりをしているかの様な錯覚を受けてしまう。
「もう役割を果たしてないよな…とっちまうぞ、これ」
「…う、うん…でも…」
「ん?」
「あ、な…何でもないわ…」
それでも何とか胸元を隠そうと儚い抵抗を試みる下着を取ろうとして、
俺が一応の承諾を求めると、つぐみはまだ少し躊躇うような仕草を見せた。
その表情を伺うと、
先程の様に傷痕を見られる事を拒んでいる訳では無いようだが…
「ふむ。ひょっとして、恥かしいのか?」
「――――――バカ」
思い当たった結論に俺が口を開くと、
つぐみは一瞬だけじろっと此方を睨んでから、そのままそっと瞳を閉じた。
…どうやら図星を差されたらしい。
俺は一度、唇を合わせるだけのキスを彼女に送ると、
肩に掛かったストラップを外した。
そのまま、なだらかなラインを描くつぐみの背中に指先を這わせる。
「ぁ………っ」
俺の指は、やがて彼女の下着のホックになっている部分を探し当てた。
その瞬間、つぐみは脅えたような声を洩らしたが、
すぐに俺が外し易い様に背中を少し浮かせてくれる。
プツンと小さな音を立てて、つぐみのブラジャーが外される。
俺の体のすぐ下で…
解放されたつぐみの膨らみがたわみ、薄布を持ち上げる感触が分かった。
「つぐみ…っ」
「や…ダ、ダメよ…余り、見ないで…」
白いブラジャーをするりと奪い床に落とすと、
形の良いつぐみの胸がすぐ目の前に曝け出された。
視線に耐えかねて隠そうとする両腕の手首を押しつけて、
露になった部分を見つめる…。
白い柔らかそうな膨らみの先端で赤くなって震える先端の果実。
可哀想なくらいに固く尖った其処は、俺の視線を受けて恥かしそうに震えている。
その様子が…俺の全身を、またかぁっと熱くした。
「つぐみ―――つぐみ、つぐみぃッ!」
「ひぁッ!?ん、ふぁっ、ダメ、武そんな…あ、いやっ、あぁっ!
あん、あ…ら、乱暴にしないで―――…あぁぁぁッ!?」
気が付くと俺は、目の前で揺れるその膨らみへと
激情のままにむしゃぶりついてしまっていた。
胸の谷間に顔を埋めると、
甘い体臭が鼻腔を一杯に満たし、俺の理性をますます遠ざける。
掌で膨らみをわし掴み揉みしだくと、
其処は柔らかさと確かな弾力を伝えて来てくれた。
赤い果実を指先で舌先で思うままに舐め玩ぶと、
その度に震えながらつぐみが可愛い声で俺に応えてくれる。
「はぁっ…く、固くなってるぞ、つぐみの此処も…」
「ん…あ、あぁ…あ!あぁ…あ…やぅ…」
口内に含んだ乳首に歯を立て甘噛みし、舌を絡め唾液をぬらぬらと塗りつける。
尖った先端の部分から膨らみに近い部分までを舌で舐め上げ、
ぷっくりと膨らんだ薄紅の円のラインをなぞる。
すると、その行為に感じてますます尖った蕾が、ますます俺を悦ばせてくれた。
俺の方も、熱を持って固くなった下腹部を、
つぐみの腿の辺りにぐいぐいと押しつける。
「あっ――た、武の…熱い…熱いの、が…ぁ…」
「分かるか?つぐみ」
「う…うん…」
恥かしそうに頷くつぐみの足を少し押し広げ、
スカートをめくり上げながら掌を忍び混ませる。
ついさっきまで俺の舌に触れられて恥かしそうにしていた秘裂を、
もう一度…今度は指先でゆっくりと撫で上げる。
下から上へ…上から下へ…。
其処に在る彼女のもう一つの唇は、さっきよりもぐっしょりと濡れて、
ヒクヒクと可愛く俺の指先に反応してくれた。
下着の上からでも充分に、つぐみが俺を求めてくれている事が分かる。
「よっ…と。はは、此処もさっきよりビチョビチョになっちまってるみたいだな」
「あ…あぁぁぁぁぁあああっつ!!!!」
ぬりゅ…と濡れた布地を掻き分け、つぐみの下着の中へと直接指を滑りこませる。
そのまま焦らす様にして、ヒクつく割れ目を指先でなぞってみる。
「や!ダメ…あ!あぁ…!!そ、そこ…あ、あぁぁッ!…あ!ひぁっ!!」
すると、ヌルヌルとした蜜が溢れて俺の指先へとねっとりと絡みついて来た。
ヒクヒクと小さく蠢く肉の襞。
俺を求めて、何とか内に引き入れようとするその動きに抗わずに…
熱く潤んだつぐみの中に、そっと指先を押し入れていく……