(破滅だ。破滅だ。破滅だ。このままだと俺は組織に殺される)
解析課情報監督官にして、シンジケートに仲間の情報を売った裏切り者。
その末路は、シンジケートに口封じで抹殺されるか、警察の内通者あぶりだしに引っかかって社会的に抹殺された後に、シンジケートの制裁で物理的に抹殺されるか。
どの道死ぬ。
(落ち着け。大丈夫だ。身代わりを見つければ)
助かるために男が思いついた最後の方法。
バカな生贄を探し出し、犯罪の証拠を偽造。
全ての罪をおっかぶせた後、シンジケートに殺してもらう。
単純で最低な思考。
身代わりとなる獲物を求めてMPB本部ビルの情報解析・通信班フロアの閲覧室をうろつく。
ふと、ある少女の姿が男の目に留まる。
陽炎・サビーネ・クルツリンガー。
最強の特甲児童の一人で狙撃手。
情報通。
良くも悪くも有名人。
その噂の一つ、売春行為。
陽炎の情報元は、ベッドの中のピロト−クだというもの。
男は、舐めるように赤いワンピースの少女を見つめる。
少女趣味は無い男だが、その完成した肢体――すらりとした手足に、眼を引くほど突き出た豊満な胸――は欲情をそそるのに十二分だ。
男の分身がズボンの中で膨らみ固くなっていく。
素行不良の悪い噂が広まっている情報通、生贄としても申し分ない。
すでに男は、陽炎を自らの身代わりにすることを、その過程で若い体を思うさま味わうことまでを一方的に決めていた。
様子を伺い、何やら調べ物をしていた陽炎が作業を終え、立ち去ろうとする背中に声をかける。
「欲しい情報でもあるのか?」
警戒を解くために餌を撒く。
「ちょうどSSコードの定期メンテナンス中だ。俺が複製をもう一つ余計に持っていたとしても誰にも分からないように出来る」
陽炎は、無表情に男を見つめて、ガムを膨らませながら思案。
急すぎたかと内心あせる男。
ガムが弾けると陽炎は一言。
「なぜ私に?」
(貴様が素行不良の丁度いい生贄で、ついでにその体も味わいたいからだよ)
本音を隠してにやりと笑う。
「噂の特甲児童と、仲良くなれる機会を探してたんでね」
小娘の色香に迷ったバカな大人のふりをする男、自分がそのふりをしているモノよりさらに最低な存在であることには、まるで気づいていない。
「優しい男性とはいつでも」
極上の笑顔を浮かべる陽炎の笑みに男は、成功を確信。
男は内心、愚かな少女を嘲りながら陽炎の肢体と無残な最期を思い浮かべて興奮。
「俺は大抵の男に比べれば優しい方だと思うがね。その格好だとオフか? 俺も今日はあがりだ。昼の三時ごろ、俺の家によってみるといい。お前ら風に言えば、素敵な戦利品が手に入るかもしれん」
上ずりぎみになりながら、自分の住所を書いた紙を陽炎に渡す。
「きっと伺います」
にっこりと笑みを浮かべ、立ち去る少女。
その赤いワンピースに包まれた若々しく張りのあるヒップを犬のような体位で、思うさま男根を叩きつける情景を想像。
男は早速準備に取り掛かる。
数時間後、男の家。
陽炎が欲しがっていたいたデータ、餌と罠を用意。
捏造した証拠、架空の犯罪組織と陽炎の取引の記録。
丁寧に小娘をそそのかした共犯者まででっちあげ、MPB隊員番号071・モリィ・円・カリウス。かつて言い寄って振られた腹いせ。
残る時間を陽炎の歓迎の準備に当てる。
すでにカーテンはシンジケートの狙撃を恐れて締め切りっぱなし。
ベッドルーム及びバスルームにビデオを設置、末永くこれから自分が死においやる少女の痴態を楽しむつもり。
そして様々な生活用品と大人の玩具。
縄――よく育った乳房を絞り上げ、より強調されたソレに吸い付くのを想像。
洗濯バサミ――年頃の少女の敏感な乳首へ付ければ、大きな胸が男の突き上げで揺れるたびに痛みが陽炎を襲うだろう。
その他、ロウソク、鞭、ローション、ローター、バイブ、アナルバイブ、クスコなどなど、専門店なみの品揃え。
39歳――陽炎の3倍近い――の男は離婚暦2回、全て男の性癖が原因。
今まで味わったことの無い極上の体を持つ若い雌犬に対して、中年男の穢れた欲望を全てぶつけるつもり。
(人生は最高だ)
ここ数日、シンジケートと内部調査に脅えていたのが嘘のよう。
不安を解消ついでに、性欲も解消できるのだ。
準備を万端にととのえて、精力剤を飲みながら獲物を待つ。
すでに股間は、痛いほどたぎっている。
とても午後三時までまてそうにない。
一度、放出して落ち着くことにする。
妄想するのは陽炎の体の中でも一際目に付く、大きく膨らんだ豊かな乳房。
広報のカメラに映し出されるお仕事中の特甲児童たちの姿の中でも、特に人気が高いのが彼女たちの広報部特製パンツでその人気はケルベロス小隊の三人は、ほぼ互角。
しかし、胸のショットでは――激しい機動で揺れる歳相応に膨らんだ夕霧や、無いのがいい人向けの涼月も、もちろん人気ではあるのだが――やはり、若さと大抵の娘が成長しきっても得られぬ大きさを併せ持つ陽炎が一番人気だ。
例えば、突き出た胸元に飾った小隊記章・名札をアップで捉えた映像。
あるいは、戦闘の激しい動きで装甲に押さえつけられてもなお揺れる乳房を捉えた映像。
もしくは、狙撃のために構える大型ライフルなどに押し付けられ、やわらかに形を変える乳房を捉えた映像。
それらの映像は、たちまちの内に、複製、コピーされ、世界中に流れて大勢の男――もしかしたら少数の女――が一方的な欲望のはけ口として使用する。
今この瞬間にも、陽炎の全身を染め抜くほどの量が放出されているかもしれない。
これからあと少しで、その体を自由にできるのだ。
男は優越感にひたりながら、陽炎の乳房の感触を妄想。
おとなしく従順な雌犬となった陽炎の乳房を乱暴に揉みしだく。
男の力強い手で、こねられ形を変える大きな乳房。
痛みと興奮に硬く、そそりたった乳首。
男に自らの乳房を玩具にされながら、媚びた笑みを浮かべる雌犬の顔。
――白磁の陶器のようだった芸術的な膨らみを、痣になって残るほど手で揉みしだいた後は、口を使って乳房を虐めてやる。
男は、妄想の中で、その嗜虐性を存分に発揮。
赤ん坊のようにではなく、野獣のように、たわわな胸の膨らみに噛り付き、男の所有物となった証であるかのように歯型を残す――、一つではなくいくつも、いくつも。
そして歯型と涎まみれになった乳房に、いきりたった男の男性器が擦り付けられる。
涎を潤滑油に快感をむさぼる男。
無数につけられた歯型に擦られ、泣きながら痛みを訴える少女。
だが、男はかまわず胸に発射。
大勢の人間が憧れ欲情してきた理想的な膨らみに、冴えない中年男の匂いをマーキング。
竿についた汚れは少女に舐めて掃除させる。
自身の乳首から移った男の涎と、男が発した汚濁液に汚れたそれを、口元に差し出され、好物の骨をしゃぶる犬のように男の物をしゃぶる少女。
いくら舌でぬぐっても、汚れは止まらず。
唇でしごかれ、卑猥な水音が部屋に響き。
男は、少女の髪を掴んで、口腔の一番奥まで自らの欲望を叩き込んで、汚濁液で少女の体の内側まで染め上げる。
あふれた精液が逆流して、鼻から噴出した美少女の無残で滑稽な姿を想像して、男は興奮する。
その妄想は、決して夢物語ではない。後、わずかな時間で実際に起こすことが出来るのだ。
――おっぱいだけじゃないぞ。マンコも、ケツマンコも楽しんで、壊してやる。どうせすぐに組織に殺されるんだからかまわないだろ?
そうだ、レンタルペットで大型犬を借りてきて交尾せるのもいいかもな。それ位の余裕はあるだろう。
そして玄関のベルがなる。
監視カメラの映像を確認。
若く美しい雌犬の姿。
「時間通りか。偉いぞ」
少女を陥れる作業と、2度の放出で憔悴した顔で、男は、哀れな獲物を出迎える。
「お前が聞きたがっていた小隊の記録と、SSコードのダミーパスだ。ついでにお前達を開発した連中の情報にアクセスするIDを仕込んでおいてやった。本部内ではなく、街のネットカフェででも使うんだな」
自慰をしても収まらない興奮は、獲物を目の前にして抑えきれないほど高まっている。
「それで、優しい男にどんなお礼をしてくれるんだ?」
餌――データディスクをみせびらかしながら男は、ベッドルームに通じるドアを開く。
少女は、歳に似合わぬ、過剰な色気が込められた声でお返事。
「満足のいくように」
艶めいた媚を浮かべて、男に歩み寄る。
その顔が、苦痛に揺らぎ快楽に泣き叫ぶ様子を想像して男は、にやけづら。
当然、少女がその場にべたっと身を伏せた。
「それは服従のポーズか――?」
男は、素敵な時間の始まりに心躍らせる。
ベッドルームの様々な器具は、後で使うとして、まずはここで一度楽しもう。
口でズボンのチャックを開けさせて、手を使わずに取り出させた男の物を奉仕させ、犬の体位でハメながらベッドに向かうのもいいだろう。
そして、これほど従順に躾られた雌犬なら、仲間を他の二匹の雌犬を差し出すよう仕向けるのも可能かもしれない。
信じていた仲間に、薬を飲まされ、意識を失っている間に義肢を外され、ダルマにされて見知らぬ男に体を弄ばれる時、あの気の強そうな黒犬と、天然の白犬は、どんな顔で鳴くのだろう。
目の前で、成熟し開発された赤犬との濃厚な交わりを見せ、これからされることの予備知識を与えてやるのもいいだろう。
ありったけの禁制薬を二人にぶち込んで、年頃らしい膨らみを持つ白犬を責め、仲間が堕ちる瞬間を見せてやれば、未成熟な体の黒犬とて、涎をたらして男を欲しがるだろう。
そうして、調教した三匹の雌犬をかわるがわる味わうのだ。
そうすれば、組織に赤犬が殺された後も、残る二匹を、性処理便器&優秀なボディガードとして使えるだろう。
マンコ貸し出して、様々なコネや金を手に入れば、より上の地位に成り上がることすら可能かもしれない。
人生は薔薇色だ。
一瞬で、脳内に浮かんだ薔薇色の考えは、しかし、口をついて出ることなく、音速を超えて飛来してきた弾丸によって物理的に脳内が薔薇色に弾けたことで、永久に闇に葬られた。
組織の殺し屋は、男が思っていたより格段に早く、その行動を開始していたのである。
そして、組織と巻き込まれた少女の戦いが、今始まる――。