闇の中に、少女が一人。
額にうっすらと汗を浮かべ、静かに佇んでいる。
長い黒髪。ゆったりとした装束。長く黒い髪は闇にそのまま溶け込む様に艶やかで、紫暗の
瞳はどこか虚ろで、神秘的な美しい顔立ちを演出していた。
きしっ。
どこかで、古い木造りの住居が軋みをあげる様な音が響き、少女の眉間に僅かに力が入った。
きし、きしっ。
奇妙な空間だった。一面が黒一色で塗り尽くされているのに、少女の姿だけがまるで切り抜かれた
様にはっきりと見える。
ゆったりと楽そうな姿勢で立ってはいるが、少女の両手は臍の辺りで結び合わされ、いわゆる
印を形作っている。
少女の名は、楊雲といった。
ぴしっ。
ひび割れの様な音が、また一つ。手に、汗がにじんだ。表情は変わらない。
闇の様な空間は、ピラミッドの様な正四面体の形をしていた。その中心に、少女。
その周囲は・・・一面の夜。暗がりの中に、ちらちらと白い塊が蠢くのが見えた。
怨霊だ。
ぼこぼこと泡立つ様に蠢きつづける不定形な白い塊は、楊雲が形作る結界を取り巻く様に、周囲
一面にとぐろを巻いている。幾本もの大小さまざまな触手が、黒い結界に侵入を試みていたが、
触れる度に弾かれる。
影の民の、結界。目的が時間稼ぎにあることは明白だった。程なく、朝が訪れる。そうすれば、
怨霊はその形を保っていることが出来ない。
ぴしっ。
網の目の様な結界の隙間を抜けて、細い触手が一本、這いずりこんできた。
しかし、楊雲の顔に焦りはなかった。たかが一匹だ。結界の網が荒かったかも知れないが、元来
怨霊はそれ程力の強い存在ではない。この程度の細さでは、印を結んでいる細い両手を引き剥がす
ことすら出来ない。
そう、思っていた。
しゅる。
楊雲の足元に、人差し指ほどの太さの、白くぬめぬめとした触手が這い寄ってきた。
足首に絡まる。
そのまま、足を這いずる様に、上へ。装束の中へ。
その時、初めて楊雲の表情が僅かに動揺した。
湿った感触が、自分のふくらはぎに、太ももに、上ってくる。直立したままの足に、絡まる
白い触手。
(・・・まさか・・・)
印を結んだまま、楊雲は 動く訳にはいかない。
服の中を、上に向かって這い上がってくる。ふくらはぎ、膝、腿。段々と上へと移動する感触に、
羞恥と嫌悪、そして動揺が呼び起こされる。
汚らわしいものが、自分の服の中を這いずってくる。頬に赤みが差す。だが、動けない。
振り払うことも出来ない。ただ不安げに、感触を無視しようと努めるだけだった。
ねとねとした質感が、太腿まで登ってきた。液体が滴るのが気持ち悪い。
(・・・!)
更に、上へ。
楊雲の股間は、長細い襦袢の様な下着で包まれていた。布地は、薄い。
その布地を、股間へと押し付ける様に。
指ほどの長さの触手が、唐突に、楊雲の秘所をこすり上げた。
一瞬、少女の体が揺れる。僅かに。だが、触手はまるでその反応を予想しているかの様に、
連続した刺激を下着越しに送りこんできた。
「・・・・・・っ」
本当に僅かな綻び。表情すら変わらない。
だが、体ははっきりと、自分の体の変化を感じ取っていた。
楊雲にとって不運だったのは、彼女の体が既にこの感覚を知っていることだった。
それ程強い刺激ではない。快感をまだ知らない体であれば、反応することすらない程度の
刺激だろう。
しかし、彼女の体は、僅かな刺激をスイッチとして、次から次へと快楽へのステップを準備
し始めた。乳首がゆっくりと膨らみはじめる。体が紅潮する。そして、
体の奥に、豊かな泉がたゆたい始める。
決して誰にも明かすことのない秘密だったが、楊雲は、人一倍性欲が強い体質だった。いかに
汚らわしいことだと思っていても、一度反応してしまうと、自分の体が快感を求めて疼き始める
ことを食い止められないのだ。
更にまずいことには、彼女の性欲は、極めて魔力に敏感だった。
かつて数人の仲間達と旅をしていた時、いつも通りの無表情の陰で、ざわめき経つ性欲を必死に
抑えていたことは何度もあった。魔術の訓練をした後など、使い切れなかった影の民の魔力が
体に溶け残り、それが激しく楊雲の性欲を責めたてるのだった。立ち寄った町の宿で、トイレで、
あるいは草むらに一人隠れて、自らを慰めてしまった経験すら数え切れない。装束の袖を噛んで
声を押し殺し、裾を自ら臍まで捲り上げ、後から後から湧き上がる愛液の中、秘所を必死に
かき混ぜるのだ。
結界を維持する集中の中、下着の上をこすり上げられただけで、体が記憶している快感が蘇る。
ぴし。ぴしっ。楊雲の心の乱れに乗じる様に、次から次へと細い触手が結界へと這いずり入って
くる。少女の足元から、胸元から、白い肌を伝って装束の中へと潜り込み、胸へ、尻へ、淫らな
指先が絡みつき始めた。
「・・・!・・・・・・・っ!!」
声のない声。ゆったりとした楊雲の装束の中で、既に濃い染みを作っている長細い下着の中に、
ついに一本の触手がもぐりこんで来たのだ。指先程度の細さだったが、べろりと湿った秘所の
表面をなぞり上げられた刺激は、それまでの刺激の比ではなかった。全身がびくっと震え、
楊雲の顔が僅かに上向く。
小振りの胸にもぬたぬたと触手が絡みつき、全体をもみ上げつつ乳首をつまむ様にいじり回す。
股間から伝わってくる感覚とはまた違った、鈍いが質量のある快感に、楊雲の体はますます
追い詰められた。
もこ、と装束の各所が触手の形に膨らみを作った。装束の中で、少女の裸体の上を怨霊の指先が
這いまわっている。
これでもまだ、楊雲の手は印を結びつづけていた。屈辱と快感の中でも精神を集中し続ける、
その精神力は17の少女にしては賞賛されるべきだったろう。
(もう少し・・・もう少し、我慢すれば・・・っ)
くちゅ。
音が響いた。
「・・・っ!!・・・んっ・・・!」
背中がつっ、つっとそる。声が漏れる。
男を知らない少女の入り口に、今、一本の触手が這いずり入ってきたのである。
もはや濡れきっていた淫谷は、まるで自分の中に入ってくるモノの滑りを良くするかの様に、
歓迎の蜜を吐き出し続ける。触手が前後する度に、淫らな液体がじゅぷじゅぷと外に掻きだされ、
楊雲の体は荒波にもまれるかの様にびくつき続ける。まるでそれを狙ったかの様なタイミングで、
胸をもみしだく触手の動きが激しさを増した。時には強く、時には撫でる様に、巧みに乳首を
くりくりと回しながら嬲りまわす。
「!!・・・!・・・・っ!!」
体を激しく揺さぶる快楽を、もう抑えることが出来ない。背中を、胸を、微妙なタッチで嬲り
続ける幾本もの触手も、それを助長していた。
ついには、ゆったりとしている筈の装束の外側にまで、蜜が染みをつくり始めた。太股の
辺りに濃い彩りが出来、それが見る見る内に広がっていく。楊雲の頬が、羞恥のあまり赤く
染まった。
その時。闇一色だった周囲に、光が微かに差しこみ始めた。・・・夜明けだ。
周囲に色が戻り始める。東の丘の上に、金色の線がはっきりと見える。
(あと、たった3分・・・3分、耐えれば・・・!)
希望が差した。遠くなりかけていた理性に、輝きが戻る。
それが致命的なミスだった。
一瞬、ほんの一瞬、途切れた集中を、怨霊は見逃さなかった。
じゅっ。
突然、全く唐突に、今まで完全に放置されていた淫核を、一本の触手がなぞり上げた。
「ぁぅっ!!」
全身を、強烈な快感が貫いた。びくびくっと、全身が震える。今まで必死に我慢していた声が、
淫らに周囲に響く。
同時に、楊雲の中に入り込んでいた触手が、ざらざらとした上側の壁の辺りを激しくこすり
上げはじめた。
「あっ、あっ・・・あぁっ!!」
一度漏れ始めた声は、止まらなかった。今まで必死に築き上げてきた心の堤防が、快楽の大波に
いとも容易く突き崩されていく。全身を嬲る快感が、楊雲の意識を絶頂へと突き上げていく。
じゅぷ、じゅぷ、じゅぷ、じゅっ。
厚い服の布地を通して、淫らな音が響いてくる。自分が感じきっていることを否応なく知らされ、
楊雲の感情が羞恥に染まる。そしてその羞恥すら、倒錯した快感となって跳ね返ってくる。
楊雲の全身がぶるぶると震え始め、程なく限界がきた。
「あ・・・・・・・ふっ・・・う、うっ!!」
腕が、背中が、尻が、がくがくと震える。理性が絶頂の快楽に染め上げられ、楊雲はきつく目を
つぶって、全身を震わせる快感を貪った。
気持ちいい。どうしようもなく、そう感じてしまうのを止められない。足の先がぎゅっとすぼめ
られ、思考が白く染め上げられ、
印が、解けた。
思考が戻ってきたときには、もう何もかもが遅かった。無数のガラスが同時に割れる様な音が
響き、楊雲が編み上げた黒い空間が、辺り一面に撒き散らされた。周囲を囲んでいた白い塊が
一斉に動き出す。腰が落ち、四つんばいの様な姿勢になっていた少女に襲い掛かる。
イった直後の余韻に脱力しきっていた少女には、それに対抗する術がなかった。
体中に触手が撒きつく。触手が分泌する、白く泡立つ液体が、少女の服を濃い色に染める。
楊雲は、四つんばいの様な姿勢のまま、宙に持ち上げられてしまった。尻を突き出す屈辱的な
体勢で、裾が捲り上げられる。下着が破られる。濡れきった秘所が、丸く白い臀部と共に、
宙に曝け出された。上半身は乱されてすらいないのに、尻穴から淫核まで、全てがはっきりと
見える。
・・・そのまま。
怨霊は、楊雲を辱める手を止めた。秘所を嬲ることも、胸を揉みしだくことすら止め、じっと、
何かを待つ様に動きを止める。秘所が、まるで挿入を求めて寂しがるかの様にひくつき、愛液が
とろりとこぼれだした。太ももを伝う。
(・・・・・・!)
楊雲には、分かった。異形の存在が、何に気付き、何を待っているのか。
(く・・・る、来るっ・・・あ・・・ふ・・・う・・・っ)
不吉な予感が、太股を中心に楊雲の体をぐるぐると渦巻きはじめた。
結界を失って、行き場をなくした魔力が、彼女の体の中で逃げ場を求めている。
既に体は完全に発情しきっている。一度イかされた性器は、見ることこそ出来なくてもべたべたに
濡れそぼっていることが感触だけではっきりと分かるし、再び刺激を失った陰核は、いじってくれる
指を求めて痛い程に疼ききっている。
しかし、この乱れきった快楽すらほんの触りに過ぎないことを、楊雲は知っていた。
「や・・・め・・て・・っ!はな・・・して・・・っ!」
止めようのない体の感覚が、楊雲を完全に動揺させた。初めてはっきりと言葉を話して、手を
もがかせる。しかし、既に全身を絡めとった怨霊の触手は、勿論戒めを解くことはない。両手を
あわせてせめて魔力を放出しようとするのも、無駄な試みだった。
始まりは、熱だった。下腹部を中心に、何か熱いものを押し付けられたかの様な感覚が足先までを
多いつくし、
そして、ピンク色の地獄が襲ってきた。
「や・・・嫌っ・・・あッ!ああッ!あぅああッ!」
快感の奔流。他に表現のしようがない。刺激を受けてすらいないのに、頭から足の先まで、全身が
快楽に晒される。自分の体ががくがくと震える際の、服の衣擦れすら秘所をこすり上げられる様な
快感だった。
楊雲の秘所から、ぶしゅっと液が噴き出した。
しかし、絶頂に達することはない。少女は、知っていた。一度この状態になってしまえば、自分の
体を慰め尽くすまで、決して快楽が鎮まることはないのだ。
そして、怨霊がこの状態を待っていたことも、楊雲には分かっていた。・・・分かっていても、
どうすることも出来なかったが。
じゅぶっ。
犬の様な四つんばいの姿勢のまま、背後から触手が押し入ってきた。
「うっ!あっ!あふっ!」
じゅっ、ぷちゅっ、じゃぶっ。淫らな音を立てながら、人外の指が前後運動を始める。楊雲の
体は、それに合わせるかの様なリズムで激しく揺れ始めた。
上半身の着衣も無残に破り捨てられ、ところどころに絹の布切れが残るまま、楊雲は白い裸体を
後ろから犯され続ける。
闇一色のその空間は、淫靡な地獄絵図の額縁と化していった。
黒と、白。周囲の闇一色の中、その空間の只中に、ぬめぬめと蠕動する白い海と、その中に
捕らわれた黒髪の少女が映し出されていた。
「・・・・・っ!・・・・・・・っ!!!」
少女は両足を触手に拘束され、四つんばいの格好をとらされていた。両手は縛められては
いないのだが、腰が僅かに持ち上げられている為、地面につかざるを得ない。
下半身の衣服は完全に剥ぎ取られ、真っ白な臀部が、まだ発達しきってはいない丸みを周囲に
晒している。
半ばは自由意志の、屈辱的なドッグスタイル。しかし今は、楊雲の秘所は嬲りを受けていなかった。
太ももに、足首に、触手は絡みついて動きを拘束してはいたが、つい先ほどまで自分を犯し抜いて
いた触手は、一向に動きを再開する気配を見せない。
「・・うっ!・・・・ぁふっ・・・!」
顔が跳ね上がる。長い黒髪が流れる。必死に声を抑え様とする度に、形の良い眉がきゅっと
しかめられる。
上半身の着衣もそこかしこが破り捨てられ、残っている布地の方が少ない有様だったが、
胸を覆う下着はほぼそのままに残されていた。
その下着の布地の上から、強くもなく弱くもなく、触手はゆっくりと小振りの乳房をくつろげて
いた。触手がもみしだく度に、柔らかな乳房が形を変える。充血しきった乳首がある筈の部分を、
時折布越しの刺激が通り過ぎる。その瞬間、楊雲の口から耐え切れない喘ぎ声があふれ出る。
先ほどから、ずっとその繰り返し。背中や尻の丸みなど、僅かに性感帯から外れた部分に触手が
這いずり、淫らなバイブレーションを送り込まれる。その度に、微かな快感にしがみ付いた感覚が、
全身をぶるっとびくつかせる。
この姿勢になってから、まだ一度もイかされていない。それがここまでの拷問になるとは思わなかった。
中途半端に押し入られた刺激の記憶が、秘所を痛い程に疼かせている。触られてもいないのに、後から後から液が湧き出してくるのが分かる。体中を走る快感の解け残りが、発情しきったお尻をびくつかせる度に、
ぼたぼたと地面に愛液が滴る。
「いやっ…あっ…」
拒絶の声は、与えられることに対してか、それとも与えられないことに対してか。
楊雲の体は、自らが解き放てなかった魔力のせいで既に発情しきっていた。乳首も淫核も、刺激を
求めて既に膨らみきっている。軽くなでられるだけの刺激にも、胸を押し付けたくなってたまらない。
強い理性で自分の性欲を押さえつけてきた少女は、ついに限界がきたことを悟った。
もうこれ以上、我慢出来ない。
羞恥に顔を真っ赤にしながらも、楊雲の体は快感の予感に震える。
右手が、地面を外れた。上半身が触手に委ねられることになったのだが、気にしている余裕もない。
くちゅ。
「んんぁっ!!」
中指が、自らの肉の裂け目を捕らえた時、抑えきれない切なげなうめき声が楊雲の口から漏れた。
くちゅ、ぴちゃ、にちゃ。指が、自らの谷間をまさぐる。薬指と中指が、ぱっくりと濡れた唇を
とらえる。入り口の辺りから、ずぶずぶと沈みこむ様に二本の指が押し入っていく。とろけきっている
自らの感じる部分に、楊雲自身の指が淫靡な波動を送り込む。待ちきれなかった戦慄にも似た快感が、
楊雲の背筋を通り抜ける。
「くっ・・・あっ・・・」
四足の動物がスープを啜る様な音にあわせて、甘い吐息が少女の口から零れる。下の割れ目からは
とめどなく透明な液が零れ落ちる。下級霊の目の前で快感を貪ってしまう。普段の物静かで、羞恥心の
強さ故に自分の強い性欲を隠している少女にとってみれば、死にたくなる様な屈辱と羞恥。二つの感情に
苛まれながらも、楊雲の体は、強烈な快美感を全身で歓迎していた。
「あっ、うっ、んぁっ・・・あっ・・・!!」
指の動きは、手馴れていた。自分の一番感じるところ、一番感じる責め方を指が覚えている。もう何度
自らを犯したかすら思い出せない中指が、巧みに濡れた谷間の間を這い回り、楊雲自身を追い詰めていく。
びく、びくっ。尻が震え始める。思うままに感じる個所を蹂躙する中指が、陰唇の中深くに押し込まれ、
親指が淫核をこねくりまわす。殆ど瞬間的に、全身が絶頂に向かって駆け上がり始め、
触手が、すくいあげるように少女の白い尻を舐めあげた。
「ああぅっ!?」
ただそれだけの刺激が、引き金となった。今まで全く動く気配を見せなかった下級霊の淫腕が、
突然楊雲の全身をくまなく舐めまわし始める。あっという間に白い肌が白濁した粘液で染め上げられて
いく。
「んんっ……あんっ……あはあぁぁっ!」
楊雲の中指を追い抜く様に、楊雲の淫壁の間に、数本の触手が割り込んでいく。淫核をしこられる。
谷間の間に、ざらざらとした冷たい快感が走る。
くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ……。
殆ど瞬間的に、性欲に溺れきった音が少女の股間から響き始めた。
羞恥にまみれながらも、自分の手で絶頂を迎えるのであれば、まだ楊雲のプライドは守られたかも
知れない。だが、始まってしまった絶頂のプロセスは、明らかに穢れた怨霊に与えられたものだった。
……くちゅ……くちゅ……くちゅ……ぬぷっ!
誰よりもそれを理解しつつ、焦らされきってしまった楊雲の体は、与えられる喜悦を歓迎するばかり
だった。全身が反る。足指の先がぎゅっとすぼめられる。とてつもない嫌悪感と、それを遥かに越える
自虐的な快感が、楊雲の下腹部を埋め尽くし、意識を押し流そうとしていた。
(だ、ダメ・・・も・・・う・・・我慢・・・出来・・・)
「あ、ぅぁ・・・やめ、て、それ以上・・・しないで・・・イ、イカせないでっ・・・」
切羽詰った声。いくら抵抗しても無駄だと思いつつ、完全に追い詰められた少女の性感は、楊雲にすがる
様な台詞さえ口走らせていた。下腹部を中心に、不吉な気配が蠢き始めている。何度となく、自らの手で
体に迎え入れたことのある生理現象。しかし、他人の手で無理やりに迎えさせられたことは一度もなかった。
まして、普段なら体に触れさせもせず葬っている筈の、こんな低級霊の手でなど。
最後に残った理性が、必死に抵抗をした。しかし、どんなに下半身を暴れさせても、僅かに尻を振る程度の
動きしか出来ない。
情けも容赦もなく、最後の一撃が濡れきった淫裂を貫いた。びく、びくっと体中が強烈な痙攣にさらされる。
「あっ、あっ、で、出るっ、ああぁぁぁっ!」
ぶしゃぁぁぁぁっ。潮吹きという表現そのままに、四つんばいのままの楊雲の股から愛液が噴出した。
二度、三度、勢いを変えずに白い筋が橋を作る度に、楊雲の背中はくいっくいっとのけぞり、ようやく
与えられた快感の頂きを全身で味わった。
「あ・・・はぁっ・・・うっ・・・あ、あぁっ・・・!?」
脱力していたかに見えた楊雲の声が、動揺した。快感がおさまらない。絶頂を貪り尽くし、快楽に
満足した筈の性感が、全身を嘗め尽くす触手からの刺激に反応を始めていた。固くしこった乳首が、
舐め上げに反応してぴくんと震える。小振りな胸が、遠慮なくこねくりまわされて粘土の様に
荒っぽく形を変える。
「う、うぁっ、あふぁっ・・・!」
そしてその度に、完全に陥落しきった楊雲の性感が、彼女の全身を無遠慮に揺らす。悔しげな、
しかし快楽に蕩けきった表情が、少女の眉目を彩っていた。
残っていた僅かな衣服が剥ぎ取られる。リズミカルな喘ぎ声を漏らす楊雲の中では、既に数本の
触手が荒っぽく暴れ狂っていた。
ずちゅ、ずちゅ、ずちゅ、ずちゅ・・・
完全に淫靡な男女の交わりの声と化した陵辱の効果音が、楊雲の股間から淫らに響く。四つんばいの
状態から無造作にひっくり返され、尻を地面につけたあお向けの体勢を取らされると、楊雲は自分から
両足を開いた。快感を貪ることだけが、秀麗だった少女の脳裏を埋め尽くしている。
口元に擦り寄ってきた細い触手に自ら舌を絡め、尻元をまさぐってきた触手を迎え入れる様に淫肛の
力を緩める。
「あ、あぁぁっ、ふぁぅ・・・ひっ・・・んくううううっ!っ!!」
快楽へと堕ちきった楊雲は、女という生き物そのものの様にイき続けていた。