カシー=アイルの路地で、ヴォルクスはひとり、ともすればこぼれ出てしまいそうな笑みを必死で堪えていた。
表通りを覗けば、水が戻ってきたことを喜ぶ人々がいる。しかし、その中にひとりだけ、不機嫌そうに歩く女性がいた。
「まさか、こんなところで会うことになろうとはな、メルフォンド」
ここカシー=アイルがつい先日まで水不足に喘いでいた中、なんとメルはその命の水を売ろうとした罪で、投獄されていた。なんとか解放はされたものの、それが理由で不機嫌なのは用意に想像がついた。
――では、なぜそのことをヴォルクスが知っているのか。
理由は簡単、ヴォルクスはメルを追っていたからだ。
「まったく、もう……」
悪態をつくメルが、ヴォルクスのいる路地の前を通る、その瞬間。
「動くな」
ひたり、とメルがその動きを止めた。
手に持ったナイフを、しかし道行く人々の目には触れないように、メルを盾に死角の位置で、彼女の腰のすぐそばに突きつける。
――この反応も、懐かしい。
ヴォルクスはとても気分よく、しかし決して油断もせず、メルに囁いた。
「さあ、俺についてこい」
ゆっくりと、メルの首がこちらを向く。
驚愕に歪む表情に、冷や汗が一筋、その焦った内心を表出させた。
「ヴォルクス……ハウンド……」
「ふん、そんな呼び方をされるとはな」
その言葉に、メルはびくりと肩をふるわせた。さらにおもしろくなり、ヴォルクスは言葉を付け足した。
「昔みたいに、こう言えばいい」
「や、やめて……」
「ご主人様、とな」
ヴォルクスがメルと出会ったのは、2年以上前のことだった。
エディルレイドハンターをしていたヴォルクスは、しかし情報収集という点に於いてはもう少し力をつける必要がある、と痛感していた。
ハンターにとって必要な情報とは、自分が今から狩ろうとしているエディルレイドの能力や、あるいはその名前などである。無論、それらがなくても狩れる自信はあったが、それでも情報があるに越したことはない。
自分のエディルレイド、チルルは、気配感知に関しては優れているが、その小さすぎる容姿から、人から話を聞きだす、ということに関してはあまり得意ではなかった。
ヴォルクスにしてもそうだ。彼の場合、人から話を聞く前に、相手がその鋭すぎる表情に恐れを為して逃げてしまうのである。
だから、それまでは情報屋を頼り、金を出して情報を買っていたのだが、その情報というのは、とにかく馬鹿高い。別に手段を考えなければいけない、と考えていた、その矢先に、その女性は現れたのだ。
「いらっしゃいませー!」
旅の商人だったメルからいくつかの品物を得たあとに会話をしたところ、彼女が世事に敏感で、調査能力にも長けているとヴォルクスは知った。
そして彼女を雇い入れようとしたが、そこで彼女はとんでもない報酬を要求したのである。
金を出さないために仲間に引き入れようとしたのだから、これでは本末転倒だ。
頭に来たヴォルクスは、彼女を犯した。それは感情的な行為と言うよりも、相手に後悔させるためのものだった。
だが、そのとき思いついたのだ。
彼女を、自分無しでは生きられなくしてしまえば良いのだ、と。そして逆らえなくしてしまい、手駒としてしまえば良い。
そして実際、それはうまくいった。
性的な奴隷としてメルを調教し、そして数ヶ月の間、彼女は表面上嫌がりながらも、しかし体が拒否できず、従っていた。
しかしあるとき、ヴォルクスは唐突にこの関係に飽きた。だから、捨てた。
それ以来彼女とは出会っていなかったのだが……。
「なにを、する気よ」
廃屋にメルを連れ込んだところで、彼女は気丈にも睨みつけてきた。
だから、ヴォルクスは答える。メルに再び出会うことになったそのきっかけを。
「お前と同行しているエディルレイドの情報を渡せ」
「……っ!?」
「チルルが探知した気配を追っていたら、その近くにお前がいた。お前は信頼に足る道具だからな、こうして話を聞きに来たわけだ」
「聞きに来たって……ちょっと無理やりすぎるんじゃないの?」
「相変わらずの減らず口だ」
ヴォルは思わず、く、と笑みをこぼした。昔となんら変わっていない。
そして、その商人としての気質も変わっていないはずだ。
ヴォルは確信を持って口を開く。
「情報を渡せば、もちろんそれに見合うだけの対価を払うさ」
メルの視線が厳しくなる。
彼女はきっと、ヴォルの言葉が嘘ではないことを理解できている。それがわかるだけの期間は、十分に共に過ごしていた仲だった。
でも、とメルは口をつぐむ。
いまや、ヴォルが情報を欲しているエディルレイドとそのプレジャーたちは、メルの仲間だった。きっと彼らは自分のことを完全に信頼してはいないだろうが、本当のところメルは、彼女たちが大好きだった。
だから、情報は渡せない。けれど、ここで断れば、自分の命が危ない。
それに、商人として考えれば、対価ももらえるというのだから、この話に乗らないなどという愚行はできようはずもなかった。
でも、教えればきっと、ヴォルクス=ハウンドというハンターが、アシェアとジィンに牙をむくだろう。
「……」
メルが答えられないでいると、ヴォルが嘲笑を浮かべて耳元に口を寄せてきた。
「死にたくはないだろう?」
ヴォルの言葉は確信を持っている。
それに対し、メルは。
「……あの女の、能力は……」
口を、割った。
すべてを話し終わり、ヴォルの恐ろしい視線から、メルはやっと解放された。
そしてその開放感と同時に、仲間を裏切ってしまったことに対する無力感が彼女を襲い、メルは力なく、膝を折って床に座り込んでしまった。
ほこりをかぶった廃屋の木製の床が、ぎしり、と音を立てる。
それを見て、しかしヴォルは思わずまたもや笑みを浮かべた。
「よくやった。では、対価を渡そう」
メルがのろのろと顔を上げる。その表情がヴォルの嗜虐心をそそる。
彼女はきっと、今から自分がやろうとしていることに気付いていない。
それがわかって、さらにヴォルは興奮してくるのが、自分でもわかった。
「ちょっとやそっとで足りるなんて思ってないでしょうね」
「もちろんだ」
力のない反抗に、ヴォルはその肩に両手を置いた。
真上から、メルの両目を見下ろす。
そして、言った。
「昔の褒美を覚えているか?」
「……え?」
一瞬浮かべた呆けた表情から、少しずつ、血の気が引いていく。
くく、とヴォルは笑みをこぼした。
「なんだ、本当に考えてなかったようだな。だが、思い出させてやろう。あの快楽を」
「……あ、い、いや……」
メルは恐慌状態に陥りかけていた。
忘れる?
そんなこと、できるはずがない。
毎晩のように何回も失神させられたほどの、あの強烈な刺激を。
別れた直後は、だからとても苦しかった。快楽を忘れる事ができなかったからだ。それでもなんとか、最近になってようやく我慢できるようになったというのに、また、感じることになるなんて。
「いや!」
逃げようとして、しかしできなかった。
肩に置かれた手が、完全にメルを押さえきっていた。
「逃げられるわけがないだろうが」
ついに、ヴォルの顔から笑みが消えた。
「さあ、始めようか」
「い……やあっ……!」
小さく悲鳴をあげるメルに、ヴォルの手が一瞬、メルの肩から離れた。
今だ、と思いメルは立ち上がろうとして、しかし次の瞬間。
びりっ!
布が引き裂かれる音が、メルの耳に入り込んできた。
「え……?」
胸を覆っていた布が、剥ぎ取られていた。
あ、と思った次の瞬間には、ヴォルの腕がすさまじい速さでメルの衣服を全て剥ぎ取っていた。
「や、やあっ!」
思わずメルは両腕で胸を隠し、そして立ち上がろうとしていたのに、股間を隠すために両の太ももをぴっちりと閉じ、ぺたりと座り込んでしまった。
逃げるタイミングを失したとはわかっても、全裸で外を歩けるほど、メルに度胸はなかった。
衣服はもうすでに原型をとどめていない。つまりもう、ヴォルが押さえつけていなくても、メルは逃げられないということだ。
メルは、きっ、とヴォルをにらみつけた。
「ふん、まだ抵抗するとは……変わらんな」
ヴォルが嗜虐の笑みを浮かべる。
メルはぞっとした。それは、今から自分が昔のように犯されてしまう兆候だった。
「お願い……やめて……」
「頼み事をするのに、そんな適当な言葉遣いで受け入れられるとでも思ってるのか?」
「く……」
仕方なく、メルは嫌々口にする。
「お願い、します。やめてください……ご……ご主人……さ、ま……」
にやり、とヴォルの笑みがさらに大きくなった。屈辱に、メルの体が震えた。
だが。
「お前は俺の道具だということを忘れているようだな」
はっとメルは顔を上げる。だが、ヴォルは嫌な想像通り、今にも襲い掛かろうとしていた。
「道具に拒否権なんか存在しない」
「や、やあっ!」
ヴォルが、メルの上に覆いかぶさった。
形の良い胸を隠していた腕は、ヴォルにつかまれ、あっさりとガードを外されてしまった。それどころか、そのまま床に押さえつけられてしまう。
「成長は……していないな」
「う、うるさ……ひゃあっ!?」
ヴォルが胸にむしゃぶりついてくる。
右の乳房の先を口で覆い、その口の中で舌を這わされる。
乳首だけには触れてこない、それでいてざらざらとしたその感触に、メルは身を震わせた。
「ふぅんっ、や、やめてぇ……やめてってば……あんっ……」
悶えるメルに、ヴォルは肩をふるわせた。反応が昔と変わっていなかったのだ。
ヴォルは口を離すと、今度は左のふくらみを口に含んだ。そして唾液で濡れた右胸は、自分の左手でこねるようにもみしだく。
唾液でしめらす、ぴちゃぴちゃ、という音と、唾液まみれの胸をこね回す、ぐちゃぐちゃ、という音が廃屋に響き渡った。
「やあ、音させちゃ、だめ……」
潤む瞳で懇願するメル。だがきっとヴォルはやめないだろう、と彼女は思っていた。が。
「ならやめるか」
「え……?」
その答えに驚いていると、ヴォルは本当に胸をいじるのをやめた。
まさかの行動に、メルは多少息を荒げながら、眉をひそめた。
次の瞬間。
「じゃあ、お前が好きだったこっちだ」
「あっ……!」
ヴォルの手が下半身へと伸びていく。
咄嗟にぎゅっと締めた足も、その強力な筋力であっさりと広げられてしまう。
そして。
「さあ、イけ」
どこに何があるのか見なくてもわかる。そう思わせるほど滑らかなしぐさで、包皮に包まれていたはずの陰核をあっさりとむき出しにし――思い切りつねった。
「あ――」
電撃が体中を駆け巡る。
痛みを大きく越える快楽が身を震わせる。
腰が浮いた。
「あああああぁぁぁぁぁ!」
ぷしゃあ、と自分が小水を漏らし始めたことを、メルは意識のほんの端っこで気付いていた。
「くっくっ、ちょっとひねっただけでイくとはな、相変わらずの敏感さだ。それに、イって漏らすというのは、初めてヤった時以来だな」
「はあ、はあ……」
メルは息をするだけで、どうやらヴォルの話も耳に入らない様子だった。
メルから手を離す。彼女の浮いていた腰が床に落ち、彼女自身の漏らした水溜りの中へと、びしゃり、という音を立てて入った。
もう逃げられないだろう。
ヴォルは確信して悠々と自分の服を脱いだ。
「あ……」
メルが小さな声をあげる。なんとか意識は保っているようだった。
だがもう彼女が、この凌辱から回避する術はない。すでにヴォルの剛直はそそりたっており、臨戦態勢といっても過言ではないのだから。
黄金水に濡れるメルの腰を持ち上げる。メルが恐怖の感情を瞳に浮かべた。
ヴォルは酷薄な笑みを浮かべる。
「さあ、始めよう」
メルは肩をふるわせた。
忘れられようはずもない、あの衝撃をまた突き立てられるのだ。
処女膜も破られた、そのグロテスクで、そして子供の腕くらいはあるんじゃないかと錯覚させるほど巨大な男性器が、突き立てられようとしている。
慣れることのできなかった、股を引き裂かれるような思いを、また、するのだ。
「あ、ああ……」
だが、一度絶頂を与えられた体は言うことを聞かず、緩慢な動きしかできない。逃げられないのだ。
そして、それ以上に彼女が逃げられない理由がもうひとつあった。
「くっくっ、期待しているのか、淫乱」
そう――失神するほどの、刺激。
思い出すだけで――イけそうだ。
痛覚を上回るだけの快楽が、ほしい。
メルは、自分が壊れ――いや、昔に戻っていくのを感じながら、だらしない笑みを浮かべた。
「お願いします、ご主人様。この牝に慈悲をください」
それは教え込まれた言葉だった。ヴォルが笑う。
「いいだろう」
そして、肉棒が突き刺さる。
「う……うあああああぁぁぁぁぁ!」
メルは悲鳴をあげた。
めきめきと音がしているように感じるほど、メルの性器には大きすぎるその肉棒が、無理やり内部へと侵入してくる。もっとも、小水と、絶頂で噴出した愛液のおかげで、挿入はスムーズだった。
だがそれでも、ヴォルは顔をしかめた。
「……硬いな。ほぐれてないということは、ここ2年間、一度もヤってなかったようだな」
「あっ……当たり前、です……くはっ……ご主人様、以外のオチ○ポなんて……くわえられないひぎぅっ!」
「当然だ。お前は俺の道具だからな」
女性器を馴らすようにゆっくりと男性器を沈めていくヴォル。多少肉の動きの柔らかさがなくなってはいるが、しかし根本的なところは変わっていないと、ヴォルは感じていた。
「あうぁ、もうちょっとで、奥までぇっ……」
ぐちゅ、と接合している部分から、メルの愛液が噴出した。
この淫らな部分も、変わってはいない。
だから、というわけでもないが、ヴォルは最後の最後で、それまでゆっくり差し込んでいたところを、思い切り奥まで差し込んだ。
「きゃあああぁぁぁっ!」
突然のことにメルが悲鳴をあげる。軽く絶頂に達したらしい。
開きっぱなしの口からよだれが垂れていた。
「うぁ……大ひい、ほんなのぉ……ふあぁ……」
夢心地だった。
なんとか忘れようとしてことだったが、実際は心の奥には、ヴォルとの交わりの思い出はずっと残っていたのだ。
腹が少し膨らんでいるのがわかるほど巨大な彼の剛直。視線を股に向ければ、その全てが入っているわけではないこともわかる。つまり、簡単にメルの最奥まで届いてしまうのだ。
子宮口に感じる熱い感触もまた、思い出すたびに濡れてしまうほど忘れられないもののひとつだった。
鍛え上げられた肉体に、鋭い瞳をしたヴォルが今、自分を犯している。
これほど期待したことは、他にはない。
だから、メルはろれつの回らない口調で、懇願する。
「お、お願いしますぅ……」
「何をだ?」
いやらしい笑みを浮かべるヴォルに、淫らなことを言わされていることすら、快楽になる。
「あたしのぉ……オマ○コ……ぐちゃぐちゃにかきまわひてくらさい……」
「それだけでいいのか?」
ううん、と首を振る。
「だめです、それだけひゃ……子宮も思いっきりたたいてぇ……失神する、んくっ、くらい、突き上げてぇ……精液を、子宮の中に、ください、ご主人さまぁ」
「もちろんだ。期待していろ」
大きくヴォルが腰を引く。もうちょっとで肉棒が全て外に出てしまう、というところで動きを止める。
そして、一気に腰をたたきつけた。
「んひいいいいいぃぃぃぃぃ!」
意識が飛びそうな一撃に、メルは悲鳴を漏らす。
それを皮切りに、ヴォルはピストン激しい運動を開始した。
肉棒についた愛液が、出し入れされるたびに卑猥な音を立てる。そしてそれを大きく上回る音量で、ヴォルの腰がメルの尻に当たる音がリズム良く響いていた。
「んああぁっ、あぁんっ、くひいぃっ、りゅうぅああぁっ!」
本来、ヴォルの肉棒は大きすぎて、メルの膣内にすべては入りきらない。だがしかし腰を打ち付ける音が聞こえる、ということは、つまり子宮口を押し上げてまで、根元まで無理やり挿入しているということだった。
その子宮を突き上げられるのが、快感だった。
「あああぁぁぁっ、ごりごりって、あたっひぇるよおおおぉぉぉっ!」
叫びながらまた軽く達する。
そのたびに意識が飛びそうになるのを、ヴォルの肉棒が無理やりこちら側に引き戻させる。
快楽の地獄だ。
ヴォルが笑う。
「はっ、相変わらずの乱れぶりだな。普段から露出が多いのも、その気があるからなんだろう、ああ?」
「ちひ、ちがいますうぅぅっ、んあああぁぁぁっ!」
「まあ、構わないがな」
言って、ヴォルは今までで一番強烈に肉棒を押し込んだ。
「あああぁぁぁっ! し、子宮がああぁぁ、子宮に入っちゃうううぅぅぅっ!」
「入ってはいない……少しうるさいぞ、メルフォンド」
「でもぉ……れもおぉ……」
「仕方ない、さっさと済ますか。背中を向けろ」
「え……?」
意味がわからなさそうなメルに、深く挿入したままヴォルはぐるりとメルの体を反転させ、後背位にした。
「ああんっ!」
メルの悲鳴も構わない。
メルは膝立ちで、両腕を前に突っ張ってバランスを取っていた。
そのメルに覆いかぶさり、おもむろにその両腕をつかんだ。
「え、な、なにを……んあああぁぁぁっ!」
腕を持ったヴォルは、一気にこちら側にその両腕を引いた。
これでメルの体重を支えるのは、力が入らないであろう両膝と、そして、ここに一番体重が掛かるであろう接合部だけになった。
メルがぱくぱくと口を開閉する。
「ぁ……かはっ……」
深く突き刺さりすぎたようだ。もしかしたら本当に子宮口をぶち破り、中にまで入ってしまうかもしれない。
――だが、それも良い。
ヴォルは興奮して、腰の動きを再開した。
しかも、ラストスパートだ。
「あああぁぁぁっ、はげひぃいいぃぃぃっ、はげひすぎれふううぅぅぅっ!」
ばしんばしん、という音に、ごつっごつっという音が加わったような気がする。
メルはもう正常な意識ではなかった。
子宮口にヴォルの肉棒が当たるたびに、絶頂に達してしまう。
「ひゃあああぁぁぁっ、らめ、イってるんれ、くゅあああぁぁぁっ!」
お構いなしにヴォルはメルを犯し続ける。
やがて、ヴォルにも限界が近付いてきた。
「そろそろ射精すぞ」
「はああぁぁぁっ、おねがっ、膣内に、射精してくらさいいいいぃぃぃっ!」
「当然だ」
ガンガンと頭の奥で音が鳴る。メルはもう、今死んでも良いとさえ思えた。
「んはあああぁぁぁっ、もうっ、も駄目ええええぇぇぇっ!」
悲鳴をあげた直後、ただでさえ大きかったヴォルの肉棒が、さらに大きくなったのを感じた。
「くっ、受け取れ!」
ばしん、と一番強烈な押し込みが、メルを襲う。
ばぐん、とメルの中で音がした。
子宮口が、突破された。
瞬間、メルは最大の絶頂に襲われた。
「ひ、イくううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
子宮の中に直接精液をぶちまけられ、メルはそれが腹の中を叩くたびに、絶頂に達していた。
「んはあっ、熱い、せい、えきっ……ごひゅりんはまの、精液ぃ……」
びくびくと体を痙攣させるメルに、しかしヴォルは非情にも子宮口から肉棒を無理やり取り出した。
「んあああああぁぁぁぁぁっ!」
そのまま膣からも男性器を抜ききり、メルを解放する。
メルはあっさりと床に倒れた。その股間からは、白濁液はほとんど出てこず、愛液だけがまるで放水しているかのようにすごい勢いで流れていた。イきながら、潮を吹いているのだ。
だが、まだだ。
「起きろ、メルフォンド」
「んああぁ……はい、ご主人様……」
「最低でもあと3回は付き合ってもらうぞ」
メルの顔が恍惚でとろけた。
ヴォルの男性器は、まだまだ硬いままだった。
数日後。
崖の上で、ヴォルは事態を見守っていた。
情報を得たこともあり、今が好機と七煌宝珠を捕らえるために来たのに、なぜかそれが別の黒服集団に襲われている。
目的のエディルレイドとそのプレジャーが戦っていた。そしてメルも必死の形相で戦車の中へと入っていく。
「チルル」
「どうしたのヴォルくん?」
「敵は、あの黒い奴らだ」
「まかせてなのヨ!」
メルはヴォルの道具だった。
だが、道具は常に磨いておかねばならない。そうでなければ、いざというときに使えないからだ。
そしてメルという道具が輝いているためには、あの彼女の仲間たちを救わねばならないようだということは、容易に知れた。
――あのアークエイルの奴の影響か?
どうも最近、自分が丸くなっている気がする。
まあ、それも良い。
「さあ、いくぞチルル」
「うん!」
どうせメルは、自分との関係を仲間たちに知られたくないために、始めてあったかのように自分と接するのだろう。
それに乗ってやるのも、一興だと思えた。
そしてヴォルは、チルルを伴って崖を飛んだ。