番外…
仲間に会いに行く為に夜行列車に乗り換えるラサティとリィリア。
夜になって長旅で疲れているのかリィリアは列車の中で眠っていた。
「リィリア?…眠ってしまったのか…」
「クー…」
「はぁ…寝言とは言っても…クードの名前を出されるとな…」
「駄目〜、姉さんは…絶対にぃ〜」
「リィリア…クードからボクを守ってくれてるのか」
「姉さんはぁ〜駄目ぇ〜、わたひをぉ〜見てぇ〜クー…わたひぃならぁ〜なにひてもぉいいよぉ〜」
「な!?リィリア!姉さんはあんな傍若無人な輩は絶対に許さないぞ!」
響き渡るラサティの声…吃驚したのかリィリアが飛び起きてしまう。
「ね、姉さん!もう着いたの?」
「リィリア…何か夢でも見てなかった?」
図星を突かれたのだろう、リィリアはビクッ!と震え上がった。
「ど、どうしてそんな事聞くの?」
「寝言を言っていたから気になっただけだよ…」
またビクッ!として冷や汗ををダラダラかくリィリア。
「え、えーと、み、皆とまた旅をしている夢を見てたのよ!!レンに会えるから!」
「レンだけか…?」
「あ、あとシスカさんとか!キーアさんとか!」
「じろ〜…」
「クー…にも…」
顔を赤くさせ両手の人差し指を合わせてツンツンしているリィリア、ラサティは溜息をついた。
「リィリア…あんな奴のどこがいいんだ?」
「姉さんみたいに…優しくて…自分を犠牲にしてまでも守ってくれる所」
「バ、馬鹿!ボクとあんな奴一緒にするな!」
「どうして?クーは素敵よ!姉さんだって本当はそう思ってるでしょ?」
「あ、あんな奴の事はナントモ思ってない!そ、それはボク達の為に…一緒に戦ってくれたり…優しくしてくれたときもあった…」
「ほら、姉さんだってクーが気になってるじゃない」
クスクス笑いながら喋るリィリアを見てラサティは顔を真っ赤にして寝室のほうに向かった。
「だ、誰があいつのことなんか!ば、馬鹿馬鹿しい!ボクはもう寝る!」
「ふふふ、姉さんったら顔真っ赤にして、クー…待っててね」
月が明るく大地を照らしている…リィリアは笑みを浮かべながら皆とまた会えることを楽しみにしていた。