「歩くん、今日お休みでしょっ?うちにきてほしいんだけど・・・・」
あきらさんからの電話で僕は日向医院に向かった。
着いてみると「本日休診」の札がかかっておりカーテンも閉まっている。
「・・・忙しいからじゃなかったのかなあ?」
僕は首をひねりながら玄関の呼び鈴を押した。
「は〜い」
明るい声で返事しながら扉を開き、あきらさんが迎えてくれた。
「歩くん入って、今日は誰もいないから」
そういいながら身をひるがえして室内にもどる彼女の髪がやや艶だっており、そして、わずかな残り香が
彼女のお気に入りのシャンプーの匂いだということに気づいた僕は思わず立ち止まってしまった。
(・・・・・はっ!)
思わずあちらの世界に行きかけてしまったが、僕はギリギリの所で踏みとどまり戻ってきた。
「お邪魔します」
「こっちこっち」
僕を呼ぶ声する診察室に入ると、彼女が白衣を持って待っていた。
「これを着てここに座って」
「・・・・?」
僕が戸惑っていると彼女は白衣を僕に押し付け、普段彼女達の座っている診察用椅子の方に僕を押した。
「いいからこれ着て」
「はい」
彼女が渡した白衣を着て椅子に座ると、彼女は患者用の椅子に座った。
「あきらさん、どこか具合悪いんですか?」
「ううん、違うの・・・あのね・・・」
僕に診察してもらいたいから呼んだのかと思い聞いてみたが、彼女は答えにくそうにもじもじし始めた。
(・・・・・?)
しばらく黙って待っていると彼女の顔がどんどん赤くなっていくのがわかった。
「あきらさん?」
「あのね・・・実は・・・その・・、特訓しようかと思って・・・」
「特訓?」
「うん。あのね・・・わ・私とお医者さんごっこでもと・・・その・・・いつも途中までだから・・・し、しても大丈夫なように・・・
ゴニョゴニョなことを・・・」
途切れ途切れで最後は消え入るような声だったが、彼女の言葉は僕の頭を真っ白にした。
その後も彼女の説明は続いていたが僕の耳にはほとんど入ってこなかった。
・・・あとでわかった事だが、医者になって初めのころ、女性に弱かった僕を外科部長がなれさせるためにやったことを
妹の海尋さんに聞いて思いついたらしい。
「あのね・・ゴッコといっても触診・聴診・打診とかで変なことするわけじゃないのよ」
「・・・へ・変なことって?!」
「想像しなくていいっ!!」
思わずすごいことを考えそうになった僕を、彼女は首を絞めそうな勢いでつっこんだ。
「・・・それじゃちょっと待ってね」
そういいながら彼女は後ろを向くとブラウスのボタンを外していった。
「あの、まず背中からお願い・・」
彼女がそう言ったとたん、ブラウスがハラリとめくれ白い肌が僕の前に現れた。、
「○▲◇×●〜〜〜〜!」
慌てふためく僕の方に彼女は首だけ振向きポツリといった。
「ごっこといっても本当の医者なんだからキチンと診察してね」
「・・・はい」
僕は、なんとか落ち着くと恐る恐る彼女の背中に手を伸ばした。
ツツッ
「ンッ・・・」
触れた瞬間、彼女の背中がピクンと震えた。
僕は思わず手を離すと
「そんなふうに恐る恐る触られると逆にくすぐったいからダメ、ちゃんと触って」
と彼女に怒られた。
「は、はい」
僕は心の中で「診察だから、診察なんだ」と繰り返し唱えて彼女に触れた。
ツ、ツツ〜・・ス〜〜
「・・ッ・・・ン・・ハァ・・・」
彼女の柔らかな肌に指先、手のひらで触れていくと、時折彼女の体がピクピクと小さく反応する事に気付いた。
僕は無意識に彼女の何処を触ると反応するか探し始めていた。
「・・・ン・・・・ッ・・・・ハァ・・・・」
続けているうち、少しずつ彼女の反応が変わり、小さな声が聞こえてくるようになった。
(アレッ?もしかして・・・)
僕はそう思った瞬間心で思っていたことを思わずつぶやいてしまった。
「あきらさん・・感じてる?」
彼女の体がビクンと大きく反応すると、後ろからみてもわかるほど首まで真っ赤になり、少しして小さく首を横にふった。
「・・・ううん、ちがうの・・・つづけて」
そのかわいらしくも艶っぽい声に僕のなかで抑えていた理性がはじけ、男としての欲望があふれた。
僕は返事の変わりに彼女のうなじに軽くキスをした。
「あっ」
僕は驚いて振り返った彼女の肩に手を置き、顔を近づけた。
「あゆむくん・・ダメ・・・」
顔を少しうつむかせ、瞳が戸惑うように揺れていたが、まっすぐ彼女を見つめると瞼を閉じて僕を待つように顔を上げた。
「あきらさん」
僕は彼女の柔らかな唇に吸い寄せられるようにキスをした。
唇を離すと、僕は彼女を診察台に導いた。
「それじゃあ続きをするので服を脱いでこちらに横になってください」
「えっ」
「僕の特訓なんですよね」
「・・・う・うん」
いつもと少し違う僕に戸惑いながらも、彼女は小さくうなずきブラウスとスカートを脱ぎ仰向けに横たわった。
恥ずかしそうに下着の部分を隠す姿がとてもかわいらしかったが、僕のなかの何かが彼女を求め、突き進んでいった。
「診察しますから手をどけてください」
「あ・・は、はい・・」
僕の言葉に何か逆らえないものを感じたのか、彼女はおずおずながらも手を横に下ろし恥ずかしい気持ちに
耐えるように瞼をとじた。
僕は一気に胸を触りたい気持ちを押さえ、腹部から触診をはじめた。
僕の手はもう病気ではなく彼女の感じる所のみを探して彼女の全身を診ていった。
彼女の羞恥と快感に反応する姿に、僕の中の男の本能がもっとあきらさんが欲しいと止まらなくなっていった。
「あきらさん・・・僕、もう・・」
僕の言葉に彼女は瞼を開いたが、その瞳はなにかを求めるように潤んでいた。
「歩くん・・・いいよ・・」
「あきらさん」
彼女を覆っていた最後の2枚を脱がせると、彼女を抱きしめてキスをした。