月光が射すバルコニーで、二人は唇を重ねた。
優しいキスが徐々に、求めあい奪い尽くす炎に変わっていく。
「……ん……グラハム……」
「なんですか?グレース」
上着から背中に手を入れたグラハムは、ブラのホックを巧みに外し、上質の絹のよう
な肌触りを楽しんだ。
グレースの感じる所をあます所なく見つけようと、手が上半身を探索する。
「……ぁっ……こんな所で、誰かに見られたらっ……」
胸の頂を摘まれのけ反る。
グラハムの腿がグレースの膝を割り、腰を引き寄せられると、熱い高まりが下腹部に押し
つけられた。
「大丈夫、誰もいませんよ……もう少し、足を広げて……」
「ダメよ……月が見てる……」
次の瞬間、グレースは肩を掴まれ、まじまじと見つめられた。
「あなたは本気で言ってるんですか?!月が見てると!」
それから小一時間ほど、グレースはグラハムから天文学の蘊蓄を聞かされるハメになる
のであった。