刻はすっかり宵の口。人も家も車もなく、ただ延々と続く道路を眠たいのを我慢しつつ紅は運転していた。
助手席には蒼がいる。完璧に近い美貌、艶のある黒髪、引き締まった肉体、長い長い足。それが巽蒼乃丞だ。
「ねえ、紅君」
「なんです?」
「フェラ……好き?」
「うわっ」
車を急停止させた。
この展開どこかであったような気が…などと異常に回転率が悪い脳で考える紅。
「いきなりなに言うんですか」
「17歳ぐらいだったら、興味ある年頃じゃないの?」
「な、ないと言ったら嘘になりますが…」
車を発進させる。
「じゃあ、どんな感じのがいいの?」
「…どんな感じって言われても…よくわかりませんよ」
「他にどんなのが好きなの?」
「あんまり、経験がないのでよくわかんないですよ」
「ほら、ベンツとかランボルギーニとか」
「車よりバイクのほうが好きですね。ハーレーあたりが」
車は東京に向かっていく。
どんどん眠気も強くなってゆく。
任務が終わって、紅の体力はほとんどなくAAも打ち止めだ。
蒼は暇そうにして真っ暗な風景を眺めていた。
「あっ」
蒼が言った。
「今度はなんです」
「フェラーり」
「ハ?」
「紅君、フェラーリとフェラを聞き間違えたのね」
「………」
「集中力が足りないわ」
「わかりましたよ、もう」
「ところで、紅君」
「フェラってしたことある」
「だから、バイクのほうが好きですよ」
「したことがないのね。わたしもないわ」
「………」
紅は自分の頭が混乱していた。それに疲れと眠気も絶え間なく襲ってくる。
「だから、今からやってみましょう」
「えっ」
そう言うとすぐ紅のズボンのボタンとチャックをはずし、トランクスが露わになる。
「なっ、なにしてるんですか」
紅の抗議は無視され、トランクスのボタンに手をかけ…外れる。
トランクスの中の紅のベレッタが月明かりの下に晒される。
「あら、紅君家政なのね」
そんな感想を聞く余裕がない紅。なんで蒼さんが?なぜそんなに手際がいい?
止めさせよう。いや、いま運転中だからどうする?そんな考えが、一瞬のうちに頭を駆け巡る。
蒼の長く細い指先が紅の急所に触れる。
ひんやりとして、やさしく触られる。それだけで紅の急所にどんどん血が流れていく。
ゆっくり、やさしく根元から先端まで揉まれて擦られるうちに紅のベレッタがMAXに。
「やめてくださいよ」
またも無視され、片方の手で裏筋をもう一方で先端をもてあそばれ、言いがたい快感が紅を襲う。
突然暖かくぬるりとした感触に包まれる。
紅はおそるおそる下を見ると、蒼の頭が股間部分の所に…
「はぁ…」
自然と喘ぎがでてくる。歯を立てずゆっくり丁寧にかんでくる。
この新鮮な感触に何も考えらない。
次にカリの部分を重点的に舐めてくる。車内に淫猥な音が響き渡る。
緩急もつけ始め、もう紅のベレッタは限界ギリギリになったとき、いきなり暖かさと快感がなくなった。
「紅君」
蒼が頭をいきなり上げ、紅を睨む。
「…なんですか」
頭の中は快感と混乱の渦中で何も考えられない。
「わたしをおかずに使ったことがある?」
「…はい」
「悪い子ね。そんな子にはおしおきしなくちゃ」
蒼の手が強くそれを握りしごる。さっきとはまったく違う快感に紅は襲われる。
「ちゃんと前見て運転してね」
極上の微笑みを浮かべ、ペースを上げていく。少しずつ息が荒くなっていく紅。
片方の手がシャツの中に滑り込み、紅の乳首に直に到達する。
「乳首もたってる。むっつりスケベなんだ」
そう言うと胸への愛撫を開始する。円状に撫でたり摘まんでこりこりもしてくる。
二点同時攻撃。いや、いま目の前にいるこの綺麗な顔に見られていることも含めると、3点同時攻撃か。
「反省した?」
「…はい」
「素直でよろしい。ご褒美をあげるわ」
手を止め再度フェラに切り替えた。激しく情熱的で濃厚なものだ。
裏筋を中心に、まるで掃除機のように激しく吸う。なおかつ両手で弾倉を愛撫されたら、童貞野郎は白旗を振るしかない。
「あっ蒼さん」
弾が出てくる瞬間、蒼の口が紅の銃身をつつみこみ…
どくっどくどく…
口の中で爆発した。過去最高の量を発射の余韻にひたる紅。
次の瞬間、蒼の唇がせまってきて…キスをした。口の中に弾がたっぷりと状態で。
紅の口に入る弾。青臭い。
「半分こよ」
飲み込んだ味は…苦かった。
紅はそう思うと目の前が真っ白になっていった…………
「うおっ!!」
紅は目を覚ました。
ここはどこだ。
俺の家だ。
昨日の途中から記憶がない
いや、正確には今日の途中からだ
…まあ、いいか
こうして乾紅太郎一日が始まる