プルンッ・・・!  
 
形がよく、それなりに大きく柔らかい胸が鏡の前に現れると、  
取り憑いた「霊」はその持ち主に嫉妬した。  
 
「正午・・・」  
「霊」は、生者の体を介してそれを触りながら生前、意中の人で  
あった男性の名前をつぶやく。  
(あの時はできなかったけど、この体を使って私のバージンも・・・)  
そう心に決めながらシャワーを浴び、適度に肉のついた裸身を  
洗っていく。  
(やっぱ、男の子ってこういう女の子の方が好きなんだろうな)  
生前の自分の体と比べたら、その無防備な霊媒の体は  
性的な魅力の根幹を成す部分が丸みを帯びていて、しかも蜂か  
蟻のようなラインを描いており、「霊」はそれをまじまじと見つめ  
ながら、これが自分の体でないことを再確認し多少憂鬱な気分になる。  
ここは、ホテルの一室。扉の向こうでは思いがけぬ状況に戸惑い  
つつも期待に胸を膨らましている「彼氏」がまっていた。  
 
 
本編に入る前にまず、ひとまず登場人物の名前と状況を、説明しよう。  
 
「霊」の名前は神崎すみれ。一年ほど前に片思いの正午と  
素直になれない関係のまま死んでしまった少女である。  
少女の名前は煌春蘭。超の字が三つついてもおかしくないほどの  
霊媒体質で、しかもその無防備さ故に親戚の少年とその隣に住んで  
いる道場主の娘にほぼ常時守られているという曰くつきの少女である。  
本来なら、別に彼氏がいる。  
そして、「彼氏」の名前は荻原正午。すみれの片思いの相手であり、  
今は春蘭の友達である乾アゲハの彼氏である。彼女については  
後述する。  
 
 
「正午、お待たせっ。」  
タオル一枚を巻いてシャワーからあがってきた彼女は、シャワーに  
入る前と少しイントネーションが違っていた。  
それは本来の春蘭が持っているつやのある口調とは違う、さっぱり  
したもので、彼が見知った人物・・・だがこの世にはいない・・・を  
思い浮かべさせるものだった。  
「春蘭ちゃん・・・『正午先輩』だろ?」  
「先輩」と言ってないと言っていない彼女に彼は違和感を覚えつつも  
その理由には考えを及ぼさず、目に見える人物の言動とみなして  
少したしなめた。  
「いいじゃない・・・こんなところで他人行儀にならなくても。」  
「それはそうだけど、それとこれでは、話が別で・・・」  
正午はそこにいる人物が、目の前の当人の意思で喋っているという  
前提で話を進めようとするが、その春蘭は取り憑いている霊の人格が  
先にあってなかなか話がかみ合わない。  
「そんな事言って、体は正直なんだからっ。こんなところまで来たのは  
、正午の説教を聞くためじゃないよ?」  
・・・が、彼女が目を細めながらそういって、しなを作るとそのはまりぶりに  
興奮してしまい後のせりふを正午は忘れてしまった。  
 
その頃・・・  
 
「あの美王(バカ)・・・またややっこしいことやりやがって・・・!」  
そうつぶやきながら、ポニーテールの少女と団子結びの少女を連れて  
街を走り行く少年がいた。  
「真王(まお)君、それって本当なの?正午先輩が心変わりしたわけじゃ  
ないんだよね?」  
団子結びの少女がそう尋ねた。  
「そうだよ。桃花先輩、美王(みお)の奴、よりにもよって運命を操る  
マニキュアを使って二人を結び付けたんだってさ。でもまさかこんな  
ことにまでなるなんて思ってもいなかったよ。」  
それに対してポニーテールの少女のほうはこういった。  
「突然そんなことを言われてもわからないわ。それになんで夜まで  
気づかなかったのよ?で、本当に二人の居場所わかってるの?」  
「い、一応・・・美王が教えてくれた場所は、たぶんあれだと思う。」  
嫉妬心に支配された彼女の恐ろしいまでの剣幕に一瞬彼はたじろぎ  
ながら、震えた手で美王が幻視した場所と同じであろうものを指差す。  
「待ってなさい正午!春蘭!二股かけてたなんて許さないからね!」  
「い、乾先輩、待ってください!まだ話には続きが・・・」  
「話しは最後まで聞いてよ、アゲハ〜!」  
ホテルのほうへ猛然と走り出したアゲハを追いかけても、真王と桃花に  
は彼女を視界に収めるのが精一杯だった。  
 
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ここね・・・。」  
アゲハは息を切らしながらフロントの前に立っていた。一時の怒りに  
加速された彼女はもうすでに後ろにいた二人を振り切ってしまっていた。  
彼女にとっては桃花達の話す事情はどうでもよかった。ただせっかく  
手に入れたはずの彼氏をほかの女に取られるのが腹立たしいのだ。  
「正午・・・荻原正午さんは何号室でお泊りですか?」  
「301号室・・・ですがなにか?」  
「面会の約束があってきました」  
アゲハは襲撃者であることは伏せ、鍵を開けた後、ノブを静かに回したまま  
フロント係が視界から消えるのを待ち慎重に部屋に入った。  
 
バタン!  
用心に用心を重ねて開けたのとは対照的に、閉めるときは襲撃者の存在を  
誇示すべく盛大に音が立てられた。  
「誰だ!」  
愛撫のほうもたけなわといったところにやってきた音の出元へ向かって、  
正午が声を上げる。しかし、その襲撃者の姿を見ると驚きは戸惑いへと変わった。  
「ア・・・アゲハ・・・?」  
 
「春蘭ンンンンンンンンンッ!」  
恨みがましそうな目で、アゲハはひとまずの憎悪の対象を見つめる。  
「大人しそうな顔して、フタマタかけていたわけ!?アンタには悟朗ちゃんが  
いるでしょ!!」  
「ちょ、ちょっと待って、私、春蘭じゃないわ。」  
「何よとぼけちゃって!霊が取り憑いたとか言ってその体で正午先輩を  
たぶらかしたんでしょ!」  
ターゲットの反論が、怒りの炎に油を注ぎ、普段は出ないような過激な言葉が  
マグマのように噴出した。そして、続きの言葉が、それに止めを刺す。  
「ったく、生きてるからって正午と毎日楽しんじゃって!私だってバージン、  
正午にあげたかったのに。」  
この言葉にアゲハはある死者を思い出した。  
が、その事は言っても信じないであろうから伏せて、手際よく服を脱ぎ始めた。  
「あなたが、誰であろうと関係ないわ。どっちが女として魅力的かは、正午に  
決めてもらうんだから。」  
彼女はそういいながら正午のことを呼び止める。自身の女としての魅力に  
すべてを賭けたのだった。  
 
「いいでしょ?先輩。」  
アゲハは、ウインクしながら春蘭の横に座り正午に迫る。  
「そこまで言うんだったら、二人まとめて相手してやるよ。」  
先刻の騒動に少し気分が冷めてしまっていた彼も、セクシーな二人の  
裸を見て気が変わったのか、少しだけ大胆になっていた。  
 
その頃・・・  
ようやくホテルにたどり着いた桃花と真王は三人の部屋の隣を借りた後、  
運命の赤い糸が見えるというめがねをかけてアゲハと正午、そして春蘭の  
ものであろうかという糸を捜していた。  
「よかったよかった。これで元に戻せる。まだこんなに長いや。」  
あとはドアからもれている糸の結び目をほどけば、元に戻るはずである。  
「これをこうして・・・と・・・」  
「しっ・・・真王君何か聞こえるよ。」  
突然の呼びかけに、真王は完全に解き終わらないところで作業をやめて  
しまった。  
 
「ん・・・んっ・・・先輩の・・・舐めてあげる。」  
「正午、私のを舐めて。」  
アゲハが正午のモノを舐め、そして、霊の乗り移った春蘭が自分の秘部を  
舐めることを要求する。  
「ハァ・・・ハァ・・・二人ともとっても色っぽいよ・・・。」  
「ふぅ・・・ふぅ・・・本当・・・」  
「あぁん・・・えっち・・・。」  
彼は二人のあえぎ声をバックにしながら、夢中で二人をほめていた。  
本当は春蘭の下半身にさえぎられてアゲハの方は見えないが、手馴れた  
感じで正午のシャフトを愛撫する彼女の感触は確かにある。  
その感触は正午の感じるところを的確についており、その快感は春蘭の  
クリトリスを舐めている彼の怒張をさらに大きくこわばらせた。  
「先輩・・・いつもより大きい・・・」  
「あぁっ・・・もうだめ・・・」  
「もう、俺も我慢できないよ。」  
正午は愛液まみれになった顔でそういうと、アゲハの口から自分のアレを  
離そうとした。  
 
「三人ではじめちゃったね。」  
隣の部屋で桃花は真王にそうつぶやいた。  
「なぁ、俺たちも・・・。」  
そう耳元でささやく真王に対して、  
「真王君って積極的なのね。でも、私たちが来たのはそんなわけじゃないでしょ?  
望みだったら後でいっぱいしてあげるね。」  
桃花はそういってその場をはぐらかし、もう一度ホテルの廊下に出るように  
催促した。  
 
「さてと、これで・・・・」  
赤い糸を完全にほどき終わると満足げな顔をして、こういった。  
「じき元に戻るよ。でも、もう少し様子見ておこうか。」  
「そうね。今だけは竜牙のことは忘れて・・・」  
真王の得意そうな言葉に対して、桃花はあいまいなサインをとって部屋に戻る  
ことを指示した。  
 
「いくよ・・・」  
正午はアゲハの口から自分のモノを離すと、春蘭をベッドの上に仰向けにさせ  
てその秘部を開かせた。彼女は正午の呼びかけたいして、コクンと頷いて、  
開いた庭園の門に鋼鉄の来客を迎え入れさせた。  
「はぁん・・・っ・・・」  
春蘭の小さな庭に正午自身が入ると、絞るようなあえぎ声を出して歓迎の意を  
あらわした。そして、正午がゆっくりと春蘭の中を堪能するかのように動き始めると  
次第に大きな声へと変わり始めていた。  
「あっ・・・あっ・・・ああ・・・あんっ・・・・」  
「うっ・・・うっ・・・ううっ・・・。気持ちいいよ・・・」  
正午と春蘭のピストン運動は次第に速さを増していく。  
「先輩、私も混ぜて。って言うかイッったら替わってね。」  
そのさなかにアゲハがそのようなことを言う。春蘭の中国人特有の触って  
気持ちいい肌をもっと堪能したいところでもあるが、彼女がいるということも  
忘れてはいなかった。  
「・・・あぁ・・・。」  
承諾かあえぎ声かわからない声を出して、その言葉に彼は頷いた。  
 
「じゃ、早くしてあげる。そういえば、先輩、ここが感じるんだよね。」  
そういうとアゲハは、正午の肛門をなで始めた。  
「んぉ・・・あぁ・・・かぁ・・・っ」  
正午は思わず高い声を上げる。前のほうからは春蘭の秘部による締め付け、そして  
後ろからは、アゲハの愛撫。その快感の奔流に対して彼はもうすぐ我慢の限界に  
達しそうになった。そして、春蘭のあえぎ声も次第に大きく、そして中国語の  
大げさなものになっていく。  
「うぉ・・・うぉ・・・がぁあ・・・も・・・もうだめだ!」  
「哎呀!(アイヤー!)哎呀!哎呀!死!死!死!(あぁっ、あっ・・・あー!死ぬ!死ぬ!死ぬ!)」  
そう叫ぶと正午は一挙に達したのだった。  
「ふふっ、春蘭には悪いけど、約束よ。正午先輩。」  
そう言ったアゲハのほうを呼びかけられた側は振り向く。 ? 
適度に贅肉がつき、いかにも豊満という感じの春蘭と比べると拳法で鍛え上げられた  
アゲハの体は引き締まり、それでいてなだらかなラインを描いていた。試合では  
桃花に負け続けではあるものの、性的な魅力では負けてはいないと彼女は主張する。  
「先輩、胸・・・」  
正午の手をアゲハは自分の胸へと誘導する。春蘭ほどではないが、彼女もそれなりに  
形がよくて大きい。そこで彼は指をできる限り広げて、丁寧に揉みしだいていく。  
「・・・はぁんっ・・・あん・・・っ・・!」  
 
「やぁん・・・っ!先輩・・・の・・・」  
中指と薬指の付け根で、乳首をはさみながらもむ正午の愛撫にアゲハの乳首は  
次第に硬くなってきた。  
「えっちぃ・・・。」  
そういいながら、アゲハはジワリと濡れ始めて来た秘所を彼の顔へと押し付け始めた。  
彼の視界に見慣れたはずのあそこが広がる。蝶のような形の陰唇をかき分け、  
正午は愛撫を始める。  
「はぁん・・・やぁ・・・はんっ・・・」  
切なげな声を出してアゲハの下腹部にある蝶の羽が開き始めたとき、春蘭の目が  
さめた。  
「あれ?私・・・・?」  
その声と、口調は霊が取れて元に戻ったかのように見えた。が、次の一言は違った。  
「まだ私、イッてないのに・・・。」  
意識は再びすみれの霊が乗り移り、彼の体を求めてきた。  
 
またもや隣の部屋・・・  
「あれ?おかしいなぁ・・・。」  
「どうしたの真王君?」  
「一向に戻る気配がないんだ。普通だったら戻るはずなのになぁ・・・」  
改めて確かめてみると、確かに赤い糸は戻っていた。しかし、桃花はある可能性を  
口にした。それは、  
「もしかして、春蘭のことだから・・・」  
 
そして、場所を戻すと、正午がアゲハの中に入れ始めようとしたときに、霊の乗り移った  
春蘭が割り込んできた。  
「正午、もう一度、お願い・・・。」  
彼女はそういって、上に乗りかかろうとしたアゲハをどかそうとした。  
「もう一度正午がイくまで待ってなさいよ!」  
「そっちこそ毎日楽しんでるくせに。いつも見せ付けちゃって!」  
「まさかアンタ・・・神埼すみれ?」  
アゲハは伏せに伏せていた名前を出してみた。そうすると、彼女は申し訳なさそうに  
取り憑いた春蘭の肉体を借りて小さく頷いた。  
「ったく、人騒がせねぇ。何も人の体つかってバージンあげようだなんて・・・」  
「ふと思い出しちゃって・・・遣り残したことってそれくらいしか思いつかないから。」  
 
そういわれると、アゲハはなんだか自分のほうが悪いことをしているような気分にさえ  
なってしまった。  
「でもご存知のとおり、春蘭はバージンじゃないわよ。」  
「・・・」  
彼女は一瞬、声が出なかった。しかし、何か思うところがあったのかこう続けた。  
「それでいいの。思い出を頂戴・・・。」  
(桃花:!)  
そうすみれが言った矢先、正午は彼女の霊が乗り移った春蘭を四つんばいにさせた。  
そして、その下にはアゲハがもぐりこむようにして二人が重なる。  
正午「そんなことなら・・・」  
アゲハ「三人で楽しみましょう。」  
そういうと、正午は後ろからすみれの霊が乗り移った春蘭を本当のすみれだと思って  
後ろから愛し始めた。  
「おぉぁ・・・おぉ・・・っ、あぁあ・・・っ・・・神崎・・・気持ちいいぞ。」  
「やぁん・・・やはぁ・・・あんっ・・・」  
「あぁん・・・・あん・・・んあぁ・・・!」  
そして、三人のあえぎ声と嬌声が部屋中に充満し始めた。  
 
ハァ・・・ハァ・・・はぁ・・・  
 
「やっぱり!!」  
一様に虚脱感に満ちた顔をした裸の三人を見て、部屋に入ってきた桃花は自分の  
予感が的中したことを確かめた。  
「春蘭、しゅんら〜ん、起きて。」  
「あれ!?桃花?どうしてここに居るの?それに正午先輩もアゲハも裸だし。」  
桃花がきたときにはもう行為の後で、三人が達した後だった。  
「悟朗ちゃんには秘密にしてあげるから、帰るわよ。春蘭、早く服着て。」  
「え?私そんなことをしてたの?恥ずかしい。」  
本当に何も覚えていない様子で、春蘭がとぼけていると、桃花は軽く服を着た  
程度の彼女を背負って走り去ってしまった。  
「恥ずかしいどころじゃないわよ。竜牙、たぶんカンカンに怒っているよ。」  
春蘭は竜牙が誰に対して起こるかを予想して、声が出なかった。  
「でも、結局、すみれさんは今度こそ成仏したのかな?」  
 
「先輩・・・正午先輩・・・っ。」  
二人の関係への、そして物理的な闖入者たちが去った後で、アゲハは  
こうつぶやき、その続きを耳元でささやいた。  
「一緒にシャワー浴びよっ。今度は二人っきりで・・・ね。」  
「そうだね、アゲハ。やっぱり君が一番だよ。」  
彼女の言葉に正午はそう切り返すと、彼女の肩を抱いてシャワー室へ  
連れて行った。  
「やぁん・・・先輩のかけ方、エッチ・・・」  
「どんな風にだい?」  
逆さにしたときに垂れない程度に強められたシャワーの水流を使って、泡だらけに  
なった彼女の体を洗い流し始める。その感触がぱらぱらと撫でられる様で気持ちいい。  
それと同時にアゲハのほうも彼女にかかって落ちてゆくしずくを使いながら、正午を  
愛撫し始める。  
「気持ちいいよ・・・アゲハ・・・」  
「あっ・・・正午先輩、下から・・・。」  
アゲハは正午のペニスをしごき始め、正午はアゲハの秘部にクリトリスを中心にして  
円を描くように当て始めた。  
 
「やんぁん・・・あぁん・・・今度は・・・本当に・・・」  
アゲハは正午の注入棒にシャワーを向けて、彼についた最後の石鹸を洗い流すと  
自分の股間に入れずにあてがいながら、寄りかかっておねだりしていた。  
「あぁ・・・アゲハ・・・俺も、我慢できないよ。」  
クリトリスとペニスの擦れ合う快感に正午も我を忘れる。  
「でもね、ベッドの上・・・でね。」  
アゲハがそう要求すると正午は股間をすり合わせたままアゲハと自分の体を拭き、  
彼女を抱え込むとそのまま、ベッドへ倒れこんだ。  
「今日は、俺が上でするよ。」  
「先輩・・・ひゃんっ・・・!」  
正午がアゲハの下腹にある蝶を男性自身で押し広げて、固く抱きしめる。彼女の  
鍛えられた下半身は、まるで天国のような気持ちよさである。  
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・アゲハ・・・気持ちいいよ・・・もう・・・うっ・・・」  
「やっ・・・やっ、ゃあん・・・っ!好きよ先輩!!やっ、ぃやっ、やああぁぁぁん!」  
二人の動きは次第に加速していき、正午のスピードが遅くなった刹那、アゲハの  
方から爪を立てて固く抱きしめ、二人は絶頂に達した。  
 
その後、桃花達から事情を聞いて春蘭に対する誤解は解けたものの、この出来事  
の顛末を春蘭の彼氏の悟朗ちゃんに言おうかどうか、アゲハは少し迷っている。  
そして、この悪戯で事態をややこしくした美王が真王に怒られたのは、言うまでもない。  
 
 

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