午前0時過ぎ、誰もが寝静まった・・・はずの夜。火神邸。  
 ドアから誰かが叩く声がする。  
麗士「よぉ、火神(ひかみ)!」  
真王「おいおい、麗士(れいじ)・・・こんな真夜中にでけぇ声、しかも呼び捨て、それも名字で言うなよ。大体、俺には真王(まお)って名前があるんだからな。いくら親同士が知り合いだからってこんな遅ぇ時間に来んなよな。大体、ご機嫌な顔して何の用なんだよ。」  
 迎えた客が主人なのか、迎えた主人が客なのかよく解らないような来客の物言いに腹を立てながらも、迎えた側の少年−火神真王(ひかみ まお)−は真夜中の珍客を扉の向こうに迎え入れる。  
 真王は客の麗士を屋敷の中の誰にも気付かれないように自分の部屋に入れると、椅子に座らせた・・・が、麗士の側はその自意識を反映したような派手な上着を脱ぐなり再び立ち上がって今日の来訪理由を告げる。  
麗士「面白い技を編み出したんでな・・・それを自慢しにやってきた。何も言わずに俺の手を見てみろ。」  
真王「おいおい、何にもねぇじゃねぇかよ。そもそもお前がそう言うことを言うときに限って正直、ろくな事が無ぇ。」  
 主人の側はあっけにとられた顔で自慢話をいきなり始めた自信過剰男を見ている。だが、客の方も客の方でそれくらいのことは承知していたのか観察すべき対象を限定させるべくこう切り返す。  
麗士「手のひらとかを見るんじゃないよ。指先だよ。指先。そこに言いたいことがある。」  
 
真王「ち、小っせぇー!、指先にちょびっとだけなんてよくやれたなぁ。お前のことだからもっと派手派手な事だと思っていたのに。」  
 氷の魔術師である麗士は、真王達緋の一族が炎を操れるように氷を操る事が出来る。だが、これまで真王が見てきた麗士の力の使い方は机に積まれたチョコの山を机ごと氷柱にして見せたりだとか大きな物ばかりである。そのような使い方は細かい制御の必要などが無く見た目には強力だがレベルの低い物であると言ってもいい。しかし今、ここで見せられているのは麗士の長い爪の先と指先の間を詰め物をするように張られた氷である。彼のような強大な力の持ち主であるなら、よほどの技量が無ければ出来ない事と言える。  
麗士「やっと気付いたか真王。だが、これだけではないぞ。」  
 やっと驚いてくれたことに気をよくしてかさらなる技を彼は披露する。  
麗士「どうだい?ちょっとだけ大きくしてみた。ここまでコントロールするのって難しいんだからな。その上既にある氷の上からの微妙な上塗りだ。だから二重に難しい。そして、表面をさわって見な。それで完璧さ。」  
 更に麗士はそう言いながら爪の先にある氷を製氷皿の氷大に大きくして見せた。その光景を見て聞いている側は素直に驚いてみせる。  
真王「お、おい・・・この氷出来たてなのに濡れているじゃねーか!」  
麗士「表面になる部分だけ温度をちょっとだけ上げるのさ。そうすれば出来たてでも乾かず、つるつるというわけだ。」  
 だが聞き手の方は技のすごさ自体は認めた物の、ふとある疑問を口にした。  
真王「お前の技が凄ぇのはわかったけどよ、一体それを何に使うつもりなんだ?」  
 
麗士「ふふふ・・・さぁな。」  
 聞かれた側はその質問に対しては答えをはぐらかした。だが、どうもほかの意図を持っているらしい次の言葉を言ったとき真王は呆れるほかはなかった。  
麗士「ところで、美王はどこかな?」  
(やれやれ・・・こんな事かよ。)  
 そう思いながらも、彼はただ淡々と事実を話す。  
真王「あいつならいねーよ。まだ帰ってきてない。・・・で、オレになんかしろって眼だな。美王に惚れ薬盛れだなんて話は兄貴として許さないからな。」  
麗士「そんな野暮なことをオレがすると思ったかい?ただ寝室に案内させて欲しい」  
 正直、真王は面食らった。何故居ないはずの寝室に用が有るのか理解は出来なかった。だが、家の中のことくらいは麗士だって知っている。もし行くなと行ったところで勝手に行くであろう。彼は、来客の希望に添い、美王の寝室へと入る。そうすると麗士はなにやら白い粒と青い粒が混ざった粉をまいて、何やらベッドの周囲に円を描いている。  
真王「そりゃ、魔方陣じゃないかよ。」  
麗士「あぁ。ベッドの周りにこの魔方陣を敷いて美王を待つ。後はお楽しみという寸法さ。」  
真王「麗士、この野郎・・・っ、お前は美王を生け贄にして堕天使でも呼ぼうって魂胆か?そんなことをしたら兄貴としてオレは承知しないからな。だいいち、その粉も気になるし。」  
麗士「( ´,_ゝ`)プッ、馬鹿だなぁ真王。淫魔召喚だなんて野暮なことを俺がすると思ったかい?どうしても美王を手に入れようと思ったらボクはね、自分の力だけでそれを成し遂げてやる。なんと言ったってボクと美王は運命の赤い意図で結ばれているのだから。」  
 相変わらず、自信に満ちた解答だ。しかし麗士は肝心なことを忘れている。彼は意中の人の兄へ質問の片方しか答えていない。  
真王「・・・で、その粉は何なんだよ。」  
 また、彼は問い返すと返事はその質問者の意図を意識しつつ、こう答えた。  
麗士「これは、どこででも手に入りやすい物何でね、教えてあげない。真似されると困るからな。」  
 質問者はその解答に少し不満げだったが、そうこうしているうちに妹が帰ってきた。  
 
美王「お兄ちゃん、ただいま〜。・・・麗士も来てるんだ。」  
真王「あぁ。あいつ、新しい技が自慢したいって言うから来たんだってよ。」  
美王「ふ〜ん・・・そうなんだ。またなんか考えて居るんじゃないかなって思ったけど。」  
 午前1時を回るか回らないかのところで帰ってきた妹は、こんな夜更けに来訪者がくる理由などは特段、詮索しなかったが、その意図はまた何かやらしいことを考えているのではないかと言った口調で兄の話を聞く。  
美王「じゃぁ、洗濯物は置いとくから。」  
真王「ああ、でも、美王、まさか今日は風呂、入らないのか?」  
美王「うん。今日は遅くなったし、そのまんま寝る〜」  
 そのように美王が言うと着ていた服などを洗濯籠(かご)へ直行させてパジャマに着替えてしまう。洗濯をするのは兄の役目だ。ふて腐れながら洗濯を初める。  
(・・・ったく、女って洗濯物多いよな・・・。)  
 彼はそう思った。だが、一度目の洗濯で洗剤が無くなってしまう。  
(あれれ?・・・昨日ってそんなに洗剤使ったっけ?)  
 そのような疑問が浮かび、理由について疑問を張り巡らせる。だが、考えれば考えるほど根が単純なせいかだんだんと目が虚ろになっていく。そしてもう何だか諦めがついてしまった時にはうとうとと眠ってしまっていた。  
 一方、美王の方は薄暗く明かりのついた自分の部屋に誰かの影があるのが解った。その指先はよく磨かれた水晶のように怪しく光る物をたたえていた。無論、その正体など兄の部屋にいなかった以上は誰というのは解っている。  
美王「麗士!許可無しで女の子の部屋に入ってこないでよ!!」  
 当然の台詞である。だが言われる側にとっては何度も言われたことなので何も応えては居ない。それどころか自信たっぷりの台詞で言い返される。  
麗士「ちょっと美王を驚かそうと思ってね。玄関に来ても良かったけど先回りしていたのさ。」  
 
美王「何もそこまで凝らなくてもいいでしょ。一言言ってくれれば良かったのに。」  
 毎度の事ながらデリカシーのない麗士の行動に思わず手が出そうになる。だが叩こうとした瞬間に彼はサッと美王の手をひねると二人でベッドに飛び込む。  
麗士「悪かったよ。でも今日はもう一人の自分を知る特別な夜になるよ。」  
美王「え・・・?」  
 ここで突然取られた行動に対し、強引さと甘い言葉のギャップに美王は呆れ顔になる。だが麗士の息がかかると、次第に心臓の高鳴りは緊張と警戒のパターンから興奮と羞恥のそれへと次第に代わっていく。  
美王「・・・っ・・・。れ・・・麗士・・・。」  
 そしてパジャマ越しで胸への愛撫が始まる。それにつれて肌の感触が刻一刻と近づいて行くのを感じた。脱いだ物が美王のベッドの周りに散乱していく。  
美王「せめて・・・」  
麗士「なんだい?」  
 次第に興奮してきて麗士の服を美王が脱がせながら言う。だが、男の側はとぼけた顔して何も気付かないふりをする。  
美王「だか・・・ら・・・っ・・・っ・・・」  
 ほぼ同時に全部が脱げるペースで二人は裸になっていく。ちょうど美王の上半身が脱げた時点で、麗士は自慢の氷を初めて使用する。  
美王「ひゃっ・・・っ!」  
 突然、火照りの中に入ってきた氷に美王は脳幹を刺激される。そして麗士が氷をその肌に這わせていくと、今度は帯状に軽い凍傷を起こしてその後でその部分が逆に熱を持ってきた。  
美王「ひゃ・・・ひゃずゅかしいから・・・っ・・・せめて・・・」  
 温度差と愛撫から来る快楽に彼女は理性を失っていくのを感じる。ただ愛撫されるよりも早く、そして広く火照りが増してくるらしい。体のうちに炎を宿したような感覚に我を失いつつも、最後の理性を振り絞ってわがままを言う。  
美王「電気だけは消して・・・」  
 
麗士「じゃぁ、パンツを脱いでからね。」  
 麗士の方は意地悪そうな顔をしながら非情な返事をして、パンツ越しに秘部を撫で始める。初めはただ指だけで、そして、爪に氷を付けて頂点を円でも描くようにさわる。  
美王「んぁぁ・・・っ・・・んっ・・・」  
 麗士が爪についた氷で秘所の門柱を撫で始めると、門柱が基部からせり上がり形を為して行く。そして、溶け始めた氷と湧き始めてきた淫液が中と外から美王のパンツを濡らし始める。  
美王「だから・・・はずゅか・・・あっ・・・し・・・て・・っ、ひぃ・・・っってっ・・・」  
麗士「フフッ、もっと面白くしてやるよ。」  
 懇願もむなしく麗士は氷を消して次のシークエンスに移る。  
 
ズチッ、ズチッ、パチュッ…  
 
 麗士が美王の若草を隠している三角旗の中に指を入れると、下半身の方からそんなくぐもった厭らしい下の口のさえずりが聞こえてくる。そして今度は自分の肉壁と男の指がその中で暴れていくのを感じた。そんな中、愛撫に夢中な方も若い体に不相応な快楽に翻弄されている方も次第に何を言いたいのか解らなくなっていく。  
美王「いや・・・あっ・・・ぁ・・・ゃだっ・・・」  
麗士「はぁ・・はぁ・・・やらしい・・・よっ・・・」  
 パンツが厭らしい音に対する防音壁の意味をなさなくなった頃を見計らって麗士は、濡れたそれを愛撫していた手の甲を使って脱がせた。そして、片足から離れるのを確認すると今度は指にこの時のために磨いてきた技を以て付けた氷を纏わせ再び暗闇の中へ戻ってきた。  
美王「ひゃ・・・っ・・・!!」  
 美王の体に激しい冷気が走る。また禁断の園への侵入者が氷であることを認識すると緋の一族の力を以て内なる炎を下半身へ集中させてそれを溶かす。だがそうすると麗士は膣が凍らない程度に魔力を制御して愛液で氷を再び作る。  
 
美王「あっ・・・あっ・・・はっ・・・ぁ・・・っ・・・」  
ズチュッ…ズチュッ…ズチュッ…  
 氷→炎→氷→炎→氷!→炎!・・・お互いの魔力によって交互に繰り返される肉壁の膨張と収縮は美王にこれまで体験したことのない濃厚な快楽の波動をもたらしていく。  
美王「ひぃぃあっ・・・あっぁ・・・あっ・・・」  
グチッ…ズチャッ…ズチッ…グチャ…  
美王「あっっ・・あっ・・ああ・っ・・」  
 内部の中でも最も感じる部分に氷があてがわれると膣全体が波打ち、さらなる刺激を与えようと蠕動運動を始め、愛液を溜始めた。そして、体全体の緊張が限界に達すると美王は絶頂を迎え、それと同時に秘苑の泉は噴水となった。  
美王「あぁ・・・っんっ・・・あぁん!・・・あぁぁぁぁぁぁぁっ!!」  
プシャァァァァァァァァァァァァァァァァ…。  
 俗に言う「潮吹き」である。この年齢でここまで達するのはまず居なかろう。その証拠に彼女は口を半開きにしたまま、「何があったの?」といった風情で麗士を見つめている。  
美王「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・気持ちよすぎるよぉ・・・」  
 そんな彼女を見届けると麗士はペンダントスイッチを使って電気を全部消す。そして、やっと安心したのかパンパンに張った麗士のペニスを取り出す。  
美王「んんっ・・・ん・・・(パッ)・・・麗士のこれ・・・やらしいって言うよりも綺麗・・・。」  
 男女の淫臭に満ちた部屋の中で愛撫しながら見る麗士の性器は彼女にとってはとても優美な物に見える。抜き身の刀身のように反り返り、なめらかな表面を持つそれはいやらしい事をする物というバイアス無しに見れば彼のような美貌の持ち主に相応しい芸術品のように思えた。  
美王「もう・・・我慢できないよぉ・・・麗士ぃ・・・」  
 見とれていくうちに我慢できなくなったのか上になって美王が自分から挿入し、動き始めた。  
 
美王「あんっ・・・これ・・・なに・・・?ぁ・・・ま・・・さ・・・か・・・??」  
麗士「魔方陣だよ…。」  
 電気を消した後の部屋が青白く光る。それはベッドの周りに描かれた魔方陣で、高等魔術を知った美王でもこれまで見たことのない文様をしていた。ここまで計算のうちだったのかは解らない。ただ言えることは二人は騎乗位で挿入しており美王だけにそれが見える事位である。無論、ピストン運動をしているので細かい部分はわからない。しかし本能的に何やら彼女はしおらしくなったようだ。動きの止まった彼女が倒れ込むと麗士はそのまま上になろうとする。が美王の喘ぎ声が何やら呪文めいて来ると様相は変わってきた。  
麗士「ぉうあ・・・ぐぉあ・・・うぉぉっ・・・ぐはぁっ・・・おあぁ・・っ」  
美王「おぉおっ・・・ぉあぁ・・・おあっ・・・あぁっ・・・」  
 呪文めいた喘ぎ声が止まり普通のそれに戻ったかのように見えたときふと美王の顔を見ると据えた眼と半開きの口をしており、その様はまるで快楽を貪る・・・  
麗士「ぐぉぉ・・・うおぉっ・・・おぉぁっ・・・!」  
 ・・・魔物の雌だった。  
美王「オォンッ・・・オォンッ・・・まだよ・・・まだいっちゃ・・・」  
 声も何だか地声っぽく聞こえる。この時ほど女の地声と言う物を怖く感じたことはない。しかしその恐怖が逆にペニスをより一層強張らせていく。  
美王「ぉお・・・おぉ・・・オォ・・・ッ・・・固い・・・これを・・・」  
麗士「うぅ・・・うぅ・・・ゥウッ・・・ウヮァ・・・」  
美王「待ってた・・・の・・・」  
 歳不相応なレベルの快楽が理性を吹き飛ばしたのか、それとも魔方陣自体が予想外のトラブルを起こしたせいなのかは解らない。目に見えて解ることだけを強いて言えばまるで人間「火神美王」としての理性を失い快楽を貪る魔物の雌が麗士の上で腰を動かして居るという事実がそこにある。  
 
美王「ぉぁぁっ・・・おわぁ・・・んあぁ・・・っぬぉお・・・っ・・・」  
麗士「うわっ・・・うぉわっ・・・んぐゎっ・・・っ・・・や・・・め・・・」  
 心まで蕩けるような快楽で満足させてやればきっと美王も落ちるだろう・・・そうとだけ思った彼は浅はかだった。若い体と精神に濃厚なオーガズムという重い負荷をかけて魔物の血を目覚めさせてしまった事を麗士は正直、後悔していた。しかし、もう後悔しても遅い。今の彼にはただ快楽に任せて彼女を下から突き上げることしかできなかった。  
麗士「うぉぉ・・・うがぁっ・・・うがぁ・・・っ・・・いっ・・・いっ・・・」  
美王「だめ・・・まだ・・・もうちょっと・・・で・・・」  
 ピストン運動に加えて卑猥な曲線を帯びた腰が円運動を初め三次元的に麗士のペニスに刺激を与え始める。この間彼はずっと淫魔の如き形相の美王になったコントロールで睾丸がキュッと締まってせり上がるような射精前のあの感覚が永遠に続くような疼きだけを感じている。  
美王「わたし・・・の・・・方も・・・もんで・・・もう・・・もう・・・ゎたし・・・」  
 次第に激しくなっていく腰の動き、それに伴って肉壁の方も波打つ。そろそろ絶頂を迎えるのか美王は麗士の手を自分の胸にあてがい乳首が隠れるように膨らみかけの胸をゆっくりと揉ませる。  
美王「あん・・・あんっ・・・ああんっ・・・あぁぁぁーんっ!」  
麗士「あぁ・・・あっ・・・美王ーッ!!」  
 波打っていた膣が入り口だけが締まるような感覚を覚えると再び絶頂を迎え、麗士の側もまた女の秘園による甘美な拷問から解放された。  
美王・麗士「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」  
美王「はぁ・・・はぁ・・・・・・ZZZzzzz…」  
 重なり合った二人が絶頂を迎えてからしばらくすると女の側の荒々しい息づかいが、次第に寝息に変わり眠っているのに麗士が気付いた。絶頂の失神で意識を失ったのであろう。そこで結合の余韻を感じたままの肌を少し撫でてやると彼女はまた起きてきた。  
 
美王「ねぇ・・・麗士・・・」  
 美王が起きた後の第一声に何故か麗士の方ははっとしてしまった。その口から発せられた声が、いつもの裏声だったからだ。まだあの絶頂からそんなにも時間は経っていない。まだ相手もこの余韻は覚えているのだろう。後戯なのか彼の乳首に口づけをする。  
しかし続きの台詞は意外な物だった。  
美王「もう一度・・・して・・・」  
 今度は、快楽と精気を貪る魔物としてではなく人間、火神美王として麗士を求めて来た。  
麗士「本当にいいのかい?」  
 後悔と疑念から一度問い返してみる。自分のやった行いで二人とも朽ち果てるかも知れなかったからだ。そうなった場合であれ、そうでなかろうと美王に手を出してしまった以上廃人にでもしてしまったら彼女の兄に合わせる顔がない。  
美王「いいの。麗士が欲しい…。」  
 そう言うと口づけしていた乳首を吸い彼女は男への愛撫を続行した。  
麗士「あぁ・・・はぁっ・・・あぁっ・・・っ・・・気持ちいいよ。美王・・・」  
 絶頂を迎えた後で重ね塗りのようにされる愛撫は快感が高まり合っていく前のそれとはまた違った趣がある。美王が胸の方から股間へと舌を這わせ睾丸や淫槍をなめると次第に麗士のペニスは復活する。  
美王「あぁん・・・あぁ・・・はぁあんっ・・・」  
 今度は麗士が、美王の乳首に口づけして乳房を揉み始める。乳首を中心に乳輪を撫でると更に切なげな声を出す。  
美王「はぁ・・・はぁん・・・いやっ・・・っ・・・。」  
 乳首を愛撫しながら秘所の周りを撫で始めると噂には聞いていたが、予想以上の反応をする。そして男なら誰でも憧れる秘苑の門が開く頃には美王の肌は桃色に染まり、体も再点火した。  
 
美王「あぁ・・・はぁんっ・・・は・・・や・・・く・・・来てっ・・・。」  
麗士「いくよ・・・。」  
美王「あぁっ!!」  
 魔物の雌としてではなく人間として股を開いた美王に麗士はゆっくりと腰を降ろして挿入する。時間をそんなに置いていないせいかお互いが敏感に感じているようだ。  
美王「ゆっくり・・・動いて・・・」  
麗士「あぁ・・・このままでも充分気持ちいいよ・・・。」  
 わがままな彼女の要望に応え、変にガッつかず足がからみついてくるのを待ち、内部の感触を勃起で味わいながら緩やかに腰を動かす。  
美王「はぁん・・・はぁん・・・あぁ・・・ぁ・・・あん・・・」  
麗士「あぁ・・・あぁ・・・んはぁ・・・。」  
 しっかりと絡みついた足で固定できたことを確認すると美王の方からも腰を動かし始める。それを感じると手を伸ばして支えていた麗士が彼女にピッタリとくっつくように重なっていく。  
麗士「ンハァ・・・んはぁ・・・ぉぉ・・・はぁ・・・はっぁ・・・・っ」  
美王「はぁん・・・はぁん・・・はぁ・・・あ・ぁ・・・」  
 次第に二人の動きはピチャピチャと厭らしい音を立てながら激しくなってくる。そして激しい息はその場の汗と淫臭にまみれた匂いを否応なしに嗅がせ、更に興奮を呼んできた。しかし お互いが肌を重ね合わせ、快感を高め合っていく…。その事に表面的な快感などでは計り知れない幸せな物を感じてきた。  
美王「はぁ・・・あぁあ・・・ぁ・ああぁ・・・もう駄目ェッ!」  
麗士「あぁ・・・ボクも・・・ボクも!」  
 麗士が二度目の精を放つと美王もその感覚がだめ押しとなって失神し、二人は幸せな絶頂を迎えた。そして、余韻のさめやらぬ中、下に組み敷かれた側が思わずこぼす。  
美王「麗士の…馬鹿…こんな事しなくても好きなのに…」  
 彼女の目から一筋の涙が流れる。ただ一方的な行為の不毛さを二人とも思い知った夜だった…  
 
 
 次の日の朝  
真王「お〜い、美王・・・って、居ないや・・・」(さしずめ麗士が気を利かせて自分の部屋に瞬間移動でもさせたのかな?)  
 掃除機を持って当事者の片方…の兄が美王の部屋にやってきた。今日は休日なので彼は遅く起きてもあまり不思議ではない。そこで何とか親を騙し騙し美王をかばって居たのだが掃除機を持って出て行ったために結局彼女の部屋を掃除をして起こす羽目になったのだ。  
ブィ〜ン・・・(チリチリチリチリ・・・)  
真王「何だろこのつぶつぶ・・・昨日から気になっていたけど、何処かで見たような気がするなぁ・・・。匂いは消してあるけどこいつってまさか…」  
 真王が昨日の残り香のする部屋に掃除機をかけると証拠隠滅のために念入りにベッド周りにある粒を吸い取り、徹底的に換気した。その時換気のために開けた窓から瞬間移動の音がする。麗士と美王が戻ってきたのだ。  
麗士「そろそろいいかな?真王、証拠隠滅ご苦労さん。」  
真王「麗士・・・この野郎、結局あのつぶつぶ洗剤だろ?それに昨日の魔方陣も正体教えろよな。」  
 部屋を散らかした本人が戻ってくると真王は昨日の行動の一部を問いただした。  
麗士「昨日の魔方陣は蛍光剤入りの洗濯用洗剤で作った、麗士様オリジナルの避妊の魔方陣さ。昨日はちょっと暴走したのかと思ったけど今度合ったら教えてやるよ。」  
 この呆れた応えに聞いている側は堪えようが無くなってくる。  
真王「この野郎!心配して損したぜ!オレはなぁ・・・美王をマジで生け贄にするかと思ってなぁ・・・」  
麗士「昨日もいったろう?淫魔召喚なんて野暮な事しないってね。」  
真王「て前ぇのやることは、いちいち大袈裟なんだよ!」  
 そう言うと麗士は窓から蹴飛ばされた。だが、明日は元気に登校して来るであろう。彼はそう言う男である。  
 
おしまい。  
 

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