『奇妙なファーストキス』 
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 3月、学校の桃林の中にある拳法部部室。今日もまた部員達のかけ声がこだまする。その時冬夜の後ろから 扉を開ける音と一緒に息を切らした声がしてみなが一様に驚く。  
「桃花〜〜〜〜〜〜〜っ!!」その声の主は乾揚羽。掃除当番を終えてあわてて部室に駆け込んできたのだ。  
皆がそれまで続けてきた動きをやめたところに続けて彼女はこういった。  
「竜牙くんと香港に行っちゃうってホント!?」  
「あ゛」後で言おうかと思っていた桃花は唐突なその問いに対して一瞬、声が止まった。  
「竜牙くんと婚約したのは知ってるけど、まだ1年あるじゃない。(卒業してからでもいーじゃん)」  
 揚羽のその言葉を受けて部員達がそーだそーだとはやし立てる中、桃花はこう言う。  
「じ 、実はいろいろあって・・・3年ほど、香港で呪術と拳法の修行をすることに・・・おやじの条件なんだ。  
あたし家の道場継ぐつもりだし、呪術のことも知っておきたいし・・・」  
「で?何月に行くの?」  
「ら、来週の頭。」  
 この言葉に対して、幽天玄女の一件以来煌家に居候していた冬夜は大して驚きはしなかった。もうあらかたのことは長や春蘭に聞いていたからだ。ゆらゆらとした細い声が彼の耳に入ってきた。  
「冬夜〜知ってたのか〜」  
「うん・・・」  
 尋ねてきた彼女の名前は御門秋良。陰陽師の家系の少女でこの場にいない渦中の人・・・竜牙にあこがれて拳法部に部員である。正直、冬夜も人のことは言えない。彼の動機もまた桃花に近づくためだったので或る意味似たもの同士だった。だが、今回の話を聞いて秋良の方は確実に動揺していたようだ。それは口調にも伺える。  
 
 もう3年は竜牙先輩に会えないかも知れない・・・  
 その翌日から、皆が桃花に対してよそよそしくなる中で、そう考えると彼女は居ても立っても居られなくなり、あることを思いついた。  
 秋良が拳法部に入るきっかけとなった因縁の神木・・・そこでポケットから呪符を取り出すと小槌で打ちながら祈り始めた。それを丑の刻参りと勘違いした桃花が止めにはいると、彼女は立ち去ってしまった。何故と桃花が問い返す中で理由を指摘する声がする。冬夜だ。  
「精霊を出せば、また竜牙先輩が来てくれると思って居るんじゃないですか・・・ったく、未練がましい奴。」  
 確かにこの言葉で説明は辛うじてつきそうな気はするが、今の桃花には何故か語尾と表情が気になる。  
(ふ〜ん、じゃぁ冬夜くんは?)  
と言う表情をしながらこういった。  
「冬夜くん、もう私には未練がないんだね?」  
その問いに  
「何言って・・・先輩は竜牙先輩と(まるで僕が秋良ちゃんに気があるみたいじゃないですか!)」  
 あわてて取り繕ったが、桃花は少しだけ寂しく感じた。彼女だって最近の彼が拳法部で秋良の隣を意識して取っていること位は知っている。それに気づかないほど鈍感ではない。だがまだ本人にそのことを伝えてすら居ず、なおかつその気持ちが本物かどうかも怪しい芽生えかけの恋をほじくり返されそうになるというのはとても恥ずかしいものだ。  
 
 日増しによそよそしくなっていく拳法部の部室。本当のところは部で桃花と竜牙の模擬結婚式をするという計画を練っていたので意識して遠ざかっていたというのが正解なのだが、それ故に桃花の前では言えるわけがない。  
特に秋良は3月上旬という横浜ではまだ早い時期に桃の花を咲かせるために木の精に祈っていることを伏せたくて、何故竜牙が居ないのに部活を続けているのかと言うことに対して  
「もちろん〜ここにいれば竜牙サマがよく来るからですよ〜」  
と言い返した。まだ執着はあるのを匂わせるには絶好の台詞だ。冬夜の片思いの相手にはまだ竜牙を思う気持ちは残っていた。  
 そして、金曜日の夜・・・今日こそはと思い神木に向かって祈り始めると、いやらしい声がする  
「御門じゃないか。いつ見ても、かわいいのう。今度君の担任になりたいなぁ。おまじないかい?  
先生と相合い傘しようか?」  
 その声は入学したての頃にあったあのエロハゲ教師、そして神木に再び傷の付いた状況は・・・  
まるであの時の意趣返しではないか。その場は桃花が止めに入り事なきを得た物のかつて何があったかを  
以前に聞いた桃花は怒るよりほかはなかった。  
「あのねえ、何のために拳法やってんの、黙ってないで今のように追っ払うのよ。だいたい精霊なんて  
呼び出さなくても、竜牙ならどこにも行かないから」  
「違います。これは〜〜」  
 その言葉に、隠していた別の意図があった秋良はしどろもどろになって応えるほかはなくその後で事情を  
話そうとしたとき、また桃の木から声が聞こえてくる。  
 
「妾の眠りを妨げようとする者は誰じゃ?」  
 桃の木の精・・・彼女はこの過ちを犯した者の顔を確認するとこう続ける  
「ほう、また、そなたか...二度目は決して許さぬぞ。目覚めよ我が眷属達よ、その人間共を打ち滅ぼせ!!」  
 事情を説明するまもなく桃の精が襲いかかる。今回は問答無用だ。無敵のドラゴンガール、桃花でさえ自分への攻撃を遮るのに精一杯である。  
「逃げて、秋良ちゃん!」  
「先輩こそ〜」  
そして、首を狙われもはやこれまでと思った刹那、拳法部の部員の先頭に立って彼女たちを助けに来たのは  
竜牙ではなく、冬夜だった。そして、この乱闘の中呪術の力があるのも彼だけである。  
「冬夜〜力を貸してくれ〜」  
頼りなく秋良が言う。  
「桃の精よ静まれッ。我はこの呪符で桃の花の目覚めを祈ったのみ!」  
 初めて、彼女はその真意を公開した。だが、その思いは神木の精には通じず、煌家の呪符はいとも簡単に  
精の放った葉の前に打ち砕かれてしまった。呪符の次は秋良の頭を撃ち抜かんと放たれた葉を避けんと冬夜は彼女をかばい倒れる。一瞬、何が起こったのかは解らなかった。でも、その状況、その感触に不謹慎ながらもときめいてしまったのも事実かも知れない。  
 そして、一同の危機を救ったのは新たに聖龍「黄珠」を引き連れた竜牙で彼は神木の美姫を鎮め、一斉に  
桃の花を満開にさせる。そしてこのときを待っていたかのように部員、そしてロンロンまでもが動き出しかねてからの計画を実行する。そして、真紅の花嫁衣装に着替えた桃花は秋良の真意を改めて聞き彼女に感謝の言葉を投げかける。  
 
「ありがとう。花が見られて嬉しいよ。」  
 その時、いつも物憂げな表情を浮かべているように見える顔が笑顔になったのを見て冬夜は可愛いと思った。  
そして、花嫁と花婿が神父役のロンロンに誓いの言葉を言う中でこうささやいた。  
「あの、ゴメンな。さっき力になれなくて。」  
 期待していた働きが出来なかったと思っていた彼はお詫びのつもりでこういった。だがその返事は  
「別にいい。今度は絶対守ってもらうから。」  
という、これっきりの関係ではないと言うことを示すには充分な物だった。しかしそれを言葉にするにはよほど照れくさかったのか、なぜかとっさに桃まんじゅうを銜えてしまった。これ以上何かを言う行為に少し恥じらいを感じてそんな場違いな行動を取ってしまったのだろう。無論、注意されてしまったのは言うまでもないが、冬夜の側は目を輝かせながらその言葉を自分に振り向いてくれた物だと善意に解釈した。  
 
 そして、桃花と竜牙の模擬結婚式が終わった後で帰宅して夜、  
 何故か秋良は寝付けなかった。乳首や股間にかゆみとは似て非なる感触があるのが気になって眠れない。  
 自分を押し倒したときの冬夜の腕や胸の感触を反芻しながら、もしあの時同じ事を別のところで冬夜がしていたらどうだったんだろう?もし、あの時の相手が他の人だったら...などと、あり得ない訳じゃないが、人に言うにははしたない仮定で思考がいっぱいになってしまい、初めに何を考えていたかという事をすっかり忘れて仮定自身を次第に一人歩きさせていく。  
(例えば、こんな風に・・・)ふくらみかけの白くて小さな乳房を手のひらで揉みながら指でつまむように  
乳首を触ると乳首が更に固くなり、股間が熱を帯びてくるのが解る。  
(そして、これが私の手なんかじゃなくて・・・)すっと、股間の熱を帯びた部分に持って行き  
(舌だとか・・・)一際固い一部分に指を当て丸く撫で、門の入り口も触り始めると濡れた感触もつく。  
(そして・・・)処女だったので多少怖く、奥の方には入れられなかったが、門の内側へと軽く指を入れかき回し始めると自分の上に乗っかかるであろう意中の人を妄想した。  
 
「んっ・・・ハァ・・・ァ・・・ァ・・・ぁ・・・」  
 いつもの自慰とは違う快楽の波が押し寄せる。いつもなら朧気な物でしかない対象が妙に具体的に映るのだ。  
「ハァ・・・ぅ・・・」  
興奮が最高潮に達してトランス状態に入る。そして絶頂の瞬間、脳裏に映った名前が出る  
「・・・冬夜・・・」  
意中の人の名を口にしながら彼女は果てる。その声があまりに大きかったのか親を起こしてしまった。  
「冬夜って誰なんだ!?」  
「拳法部の同級生の名前〜」  
親が駆けつけてくると自慰をしていたなどとは言えず濡れた下半身をみてパジャマとパンツを着替えさせられる羽目となった。  
 何とかその夜は寝付けたがよく見ると時計は午前二時を回っていた。  
(アイツって、軽い奴だけど何か憎めないんだよね。)  
 
 
 翌日、寝不足だった秋良は放課後部室で倒れてこんでしまう。急いでかつぎ上げようとする部員に対してか無意識にかは解らないが、冬夜の名前を口にする。  
「ヒューヒュー、冬夜君ご指名だよ。秋良ちゃんを保健室に連れて行ってあげてね。」  
 女子部長の揚羽がはやし立てる中、彼は一人でかつぎ上げていく。  
「乾先輩、ふざけないで下さい。」  
「ご・・・ゴメン。」  
 ついムキになって睨みつけてしまう。これが乾先輩なりの空元気なのも何とはなしに知っていたが、状況  
からしてこう言わずには居られなかった。正直、気分が悪くなるのは当然だ。無論、後には引き下がれないので、冬夜一人で保健室へ向かう。  
 彼が保健室に秋良を担いでいくと彼女をベッドへ横たわらせシーツを被せようとする。すると、膝あたりにシーツの感触がしたのか目を覚ましてしまった。事情をその場で聞こうとすると、「大きな声じゃ言えない事なんだけど〜」と言う切り出しから、昨晩、自分が本当に好きなのは誰なんだろうかと悩んで眠れなかったこと、冬夜の事を思いながら自慰をしていたこと、そして今日はそのせいで寝不足だということを明かしたのだった。  
 
「何だ。オナニーのことか・・・。僕も昨日は同じような感じだったよ。今日なんて言えばいいのかずっと  
考えていたら、秋良ちゃんの背中の感触を思い出して勃(た)ってきちゃってさ・・・」  
 そう言いながら正直なところを、打ち明けた。  
(何だ、考えることは一緒か)  
と思い、秋良がクスッと笑う。  
 お互い赤裸々な告白をしたのが効いたのか、警戒心も薄れ和やかに話し出す。そして少し淫猥な雰囲気に  
なってくると、冬夜の側からキスのサインを送ってくる。  
「キスだけはいや〜」  
 そう言って、顔を手前で止めてしまった秋良に冬夜は怪訝な顔をする。しかしこの時点での彼女にとって  
心の整理はまだ付いては居なかった。それにまだ心を許したわけではない。  
「そうか・・・上が駄目だったら、下でいいや。」  
 顔を止めた手を受け流し、金縛りを秋良にかけパンツをずらすと、小さな陰門(ほと)の門番に唇で挨拶した。  
 
「けど、今日はここでおしまい。」  
 その後の行動についてもそれなりに想像していた筈の彼女だったがまさかここで、中止するというのはこれまでの彼からすれば想定外であった。  
「ほら、魔女とか巫女とか女道士って処女じゃないと駄目だろ?それに御門さんって確か一人っ子って聞いていたし陰陽師だから、きっときっとそうなんじゃないかなって思うから、『好き』だからと言って軽率なことは出来ないよ。」  
(本当は違うのに〜でも・・・)  
とはその当人は思いつつもそこまで自分のことを想ってくれる彼に対しては、少しだけ前進したのだった。  
「そこまで気遣ってくれて、ありがとう。」  
 秋良がその言葉を言おうとしたとき、ほぼ同時に冬夜はこういった。  
「・・・つきあってもいいかな?」  
「いいの〜」  
この言葉には彼女は頷いた。  
 
 そして、二人がつきあい始めて数ヶ月、合宿所に現れた怨霊が夏の終わりに成仏した。夜空に立ち昇る一筋の光・・・同じ部に入った真王、美王の兄妹達と一緒に湖で溺れた少女の幽霊と遊んだ日々の思い出を振り返りながらそれに見入る二人。  
「やっと成仏したの〜」  
「うん・・・やっと僕も・・・」  
みんなが聞いて無さげな頃合いを見計らって背中から手を回し鎖骨を指で触りながら言う。  
「君の役に立てたよ。」  
「何で冬夜、今の今まで我慢していたのよ。陰陽師は処女じゃなくてもいいって言ったのに〜」  
 桃花先輩に何をしていたか知っている秋良は彼がしていた不自然な忍耐に対して、少しだけ不満だったのでそれをなじって見せた。相手は幽天玄女だったときに黒龍召喚という本来の目的を逸脱して「黒龍よりも、君が欲しい。」とまで仙道先輩に言い切った男だ。そう言う過去を知っていればいるほど今の態度が不自然だと想っても無理はない。  
「何度もしようと思ったことはあるよ。でもそのたびにあの時のことを思い出して『やっぱ出来ないや』って思っちゃうんだ。だから秋良ちゃんのことを本当に守ってやれそうだと思う時まで・・・」  
そうゆっくりと言いながらひとけの無いところに連れて行き、服越しに秋良を愛撫する。  
 
「・・・待ってたんだ。もう心配はかけないよ。」  
 その言葉を言い終わったとき、辺りを見回すと知っている人は誰もいなかった。どうやら真王辺りが気を利かせてみんな遠くに行ったらしい。乾先輩達の後ろ姿も見えるか見えないか程度の距離だ。  
「ここなら大丈夫よね〜」  
 秋良が更に人が居ないことを確認して冬夜に息を吹きかけるように囁くと、シャツの下から彼の乳首を愛撫していく。  
「あ・・きら・・・ちゃ・はぁ・・・はぁ・・ん・き・・・気持ちいいよ・・・」  
「・・・あぁ・・・んぁあ・・・冬夜も男なのに乳首立ってる〜・・・」  
 頼りないあえぎ声を出している冬夜の方も秋良が下半身に乳首を愛撫していた方と逆の手を回したときに  
ブラジャーとブラウスを手際よく脱がしながら膨らみかけの乳房や最近、とみに女性らしい丸みを帯びてきた腰回りを撫でていく。  
「はぁ・・・はぁん・・・んあぁ・・・」  
「あぁん・・んふぁ・・・あああ・・・」  
 
 二人は互いの愛撫だけでも、かなり昂まり有っていた。そして、お互いの喘ぎ声の奏でる艶めかしいハーモニーがそれを加速させる。  
「あぁ・・・はぁあ・・・んぁん・・・上だけじゃ・・・ここも・・・」  
「ふゎ・・・ふゎぅ・・・ぉああ・・・張って・・・苦しい。・・。」  
 冬夜は秋良のパンツを、秋良は冬夜のズボンのジッパーを降ろす。そこには門番が出かけて半開きの陰門(ほと)と雄々しく屹立した沼矛(ぬぼこ)が現れた。初めてというわけではないがこうして近づいて見るという事はこれまでない。だが何とはなしにお互いになすべき事は解るような気がした。そこで何かを洞の主が矛の主に言おうとした矢先、彼の方は門番にお伺いを立て唇で門を開け始めた。  
「んんんッ・・・んんっ・・・んくぅん・・・っ」  
 次第に陰門が洪水を出して紅梅色に変わっていく。彼女の方もゆっくりと梅色の矛を濡らし始めた。  
「あぁ・・・秋良ちゃん・・・もう我慢できないよ・・・」  
「冬夜君、私も〜・・・」  
 
 その返答で冬夜は女性の「奥の院」から口を離すとすっくと立ち上がって反転、矛を横たえておもむろに  
秋良の中へ入っていった。途中ミリッっと言う感触が有ったような無かったような気がしたが特に彼女は痛がっている様子が有ったりだとか、血が出たりというのは無いような気はした。  
「はぁん・・・あっ・・・はぁんっ・・・あんっ・・・」  
「あぁ・・・あ・・・あぁ・・・あぁっ・・・」  
 沼矛がリズミカルに陰門へ打ち込まれ始めると秋良はいやらしい声を立て始め、それに呼応して出す冬夜の喘ぎ声がその高鳴りを加速し始める。お互いのいやらしい声がさらなる声を呼び、その声がさらに興奮を呼び声に還る。  
「もっと・・・感じたい・・・っ!」初めは顔が見えるように交わい始めた冬夜は次第に体を近づけ初め 
しまいにはピッタリと肌を重ね合わせて腰だけを動かし始める。  
「あぁ・・・あぁ・・・もう私・・・うぅ・・・っ!」秋良の方も冬夜を背骨が折れんがばかりの勢いで抱きしめ、背中に爪を立てる。  
 
「そんな・・・そんな・・・あぁぁぁっ!」  
「もう駄目・・・んもぅっ・・ん・・・んっ・・・んぁあぁん!」  
 冬夜が思いの丈をぶちまけると同時に自慰以上の濃厚な感覚で秋良も果てていった。薄れゆく意識の中で  
頑なな自分の心の堤防が、愛し合うことで突き崩され、心の中が冬夜という水で満たされていくような感じを覚えた。  
「冬夜・・・好きだよ。」  
 秘所が、名残惜しげに名前を呼んだ側の「男」を銜え込む中、彼女は、自分からキスをした。  
 無論、上の口で。  
「キスは駄目・・・何じゃなかったのかい?」  
 この問いに対して、彼女はこう答えた。  
「いいの。本当に好きな人にファーストキスはあげたかったから。」  
 
その後、彼女はちょっとだけ明るくなったような気がする。その暗い性格故に独占できたようなものだった  
冬夜にとっては気が気ではならないが、もしかしたらそれはそれでいいのかも知れない。  
 
おしまい。  
 

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