最初から分かってたよ。分かってたのに、馬鹿だアタシ。
いくら出会ったばっかつったて、ホントに四六時中手繋いでりゃ、そりゃ仲良くなっちゃうよね。
アイツ、良い奴だし。
「キ…リさ…ん…っあ!」
隣の部屋から漏れる声に、アタシは信じられないくらい苛立っている。面と向かってあの娘に言えないのに。
アンタは知らないだろうけど、三回付きあったのなんて他にいないんだぜ?
「…ふん!」
チェリーも食べたくない。
「…ホント馬鹿だ、アタシ」
もうアイツはシスターの娘しか見てない。
一人火照る体を慰めようと、私は今日も手を伸ばした。隣の部屋のアイツを考えて。
ホントに馬鹿だ、アタシ。