ラスコリーニコフ「・・・くっ!」
スヴィドリガイロフ「どうした?こんなことも耐えられないか?」
スヴィドリガイロフはうす笑い浮かべてラスコリーニコフを見下ろす。
自身はゆったりと豪奢なチェアに腰かけ、乗馬用の鞭をもてあそぶ。
その下には後ろ手に縛られ、裸にされたドストエフスキーが座らされている。
「あっ!」
ヒュン、という音とともに資本家は何度目かの鞭を振り下ろした。
赤い傷がラスコリーニコフの白い身体を走る。思わずスヴィドリガイロフを睨み上げた。
「なんだその眼は。いいのかな?私が資金を引き上げたら君の
妹と母親どうなるか・・・なんでも君はこの間の事件で
予審判事にマークされてるそうじゃないか?困るんじゃないかね?ん?」
ポルフィーリィのことを暗に言われてラスコリーニコフは眼を伏せる。
(くそっ!豚め!今に、今に見てろ!)
しかしそんな彼の表情も、スヴィドリガイロフにとっては劣情を誘う恥らう仕草でしかない。
そしてスヴィドリガイロフは仕立ての良いスーツをくつろげ始めた。
「君は私に抱かれるわけか。病みつきになりそうだな・・・」
そうしてスヴィドリガイロフは怯えるラスコリーニコフに覆いかぶさった。