霧のかかった朝早く、百鬼丸はどろろと砦の前に立ち尽くしていた。  
異常なまでに大きな砦に醍醐の姿を重ね合わされる。  
見上げた砦の醜さは醍醐の生き方そのもののようで憎しみよりも悲しさが先に立つ。  
「ひゃー、でっけえ砦だなあ」  
百鬼丸の心境も知らず真似をして顔を上に向けるとどろろは大げさに驚いてみせる。  
しかし、百鬼丸は何も答えずじっと砦を見上げるばかりだ。  
「どうしたんだい、あにき?」  
百鬼丸の脳裏には醍醐の姿が浮かんでいた。  
誰に教えてもらわなくてもこの砦の中に醍醐がいる事は明白だ。  
こんな馬鹿みたいに大きな砦を作れる侍は醍醐しかいないだろう。  
「どろろ、どうやらここでお前とは別れた方が良さそうだ」  
「別れるって!?  
 ふざんけんな、おいらと兄貴は一心同体じゃねえか!」  
掴みかかってきたどろろに百鬼丸は穏やかに微笑んだ。  
「どろろ、俺は醍醐に会う。  
 ことによると刺し違えて死ぬかもしれない。  
 お前を巻き添えにしたくないんだ。  
 どこかへ行って達者で暮らせよ」  
百鬼丸の言葉をどろろは大きな鼻息で吹き飛ばした。  
「たとえどんな事があってもあにきから離れないぜ!  
 もしどうしてもおいらが邪魔だってんなら・・・」  
どろろは百鬼丸の目の前にどっかりと胡座をかいた。  
「おう!すっぱりとやってくんな!  
 どうせ別れるんなら死んだって一緒だ!  
 おいらあにきに殺されてやらあ!」  
百鬼丸の顔が悲しそうに歪んだ事にも気付かずどろろは腕を組んですねきっている。  
「さあ斬れ!斬れよ!  
 どうしたんだ、斬れよあにき!  
 おいら死んだってうらまねえぞ」  
 
「俺は女は斬らん」  
「えっ!?」  
悪態をついていたどろろは目を丸くした。  
「女は斬らんと言ってるんだ」  
百鬼丸は同じ事を繰り返した。  
「どろろ、お前は女の子だ。  
 俺は初めて目が開いた時から気付いてたが黙ってたんだ」  
「お、おいらが女!?  
 よせやい、冗談じゃねえや!  
 うえっへへっへへへへ  
 あっはははは」  
どろろはしばらくきょとんとした後、馬鹿みたいに笑い出した。  
「どうしたんだ?  
 もしかして・・・自分で男か女かもわかってなかったのか?  
 ・・・そうか、お前の母親がわざと隠したのかのかもしれないな。  
 強くなってもらうために・・・・」  
どろろは百鬼丸をキッと睨みつけると掴みかかった。  
「じゃっかしい!  
 おいら女じゃねえぞ!  
 そんなくだらねえ嘘でおいらを置いてこうたってそうはいかねえ!」  
どろろが大きな声で反論すると石垣の上から音がする。  
「誰だっ!?」  
砦の前で騒いでいた二人に石垣の上から声が降ってきた。  
「しまった、見つかった!  
 逃げるぞ!」  
慌てて百鬼丸が駆け出す。  
「へっへえ、がってんだ!」  
今にも砦から矢が飛んできそうな状況にも関わらず  
どろろは百鬼丸の後を嬉しそうに走るのだった。  
 
「はあ・・・はあ・・・  
 まったく・・お前が大声で喚くからだぞ」  
追っ手を何人も倒し、二人は砦から少し離れた所にあった小屋の中に駆け込んだ。  
「ここなら大丈夫みたいだな・・・」  
扉を少し開けて外を窺うと百鬼丸はその場でしゃがみ込んだ。  
「なんだい!あにきが変な事言うからだろ!」  
「変な事?お前が女だって事か?」  
「おいら男だって!」  
狭い小屋ではあるが、わざわざ百鬼丸の隣に座りどろろは再び怒り出した。  
「ふう・・・本当に強情だな。  
 お前しょんべん座ってするだろ。  
 だから女だ」  
息が整ってきて余裕が戻ってきた百鬼丸は少しからかうように言葉を返した。  
「へん、自慢じゃねえがおいらしょんべんは寝てすらァ」  
「そりゃ、オモラシじゃないか。  
 きたねえなあ」  
百鬼丸が呆れた顔をするとどろろは何故か得意そうな顔になる。  
「そのうちお前も胸がふくらんでくる。  
 そしたら分かるさ」  
「へっ、そんな嘘でおいら置いてこうたってそうはいかねえ。  
 おいらを女って事にして足手まといだから置いてこうって魂胆だろ」  
どろろがにやりと笑う。  
「別にお前が女だから別れようといったわけじゃねえ。  
 女だから斬らないって言ったんだ」  
「ふーん・・・じゃあ」  
どろろは言葉を発したかと思うと突然百鬼丸に飛びついた。  
「何しやがる!」  
どろろは百鬼丸の首に手をまわして百鬼丸の胡座の上に座ってしまった。  
 
「へっへっへ、どうだ、あにき?  
 おいらもう一生離れねえぞ。  
 おいらが女なら斬れねえからどうしようもないだろ!」  
百鬼丸の耳のすぐ横でどろろの声が発せられる。  
「おいらが女ならあにきはおいらを斬れないからどかせないし  
 おいらをどかすなら殺すしかないぜ」  
どろろはそう言うと合わせた腹を益々締め付ける。  
百鬼丸は得意がっているどろろを引き剥がそうと右手を上げたが  
無理矢理に重ねられたぬくもりに思いとどまった。  
「どろろ・・・・お前あったかいなあ」  
「ふぇっ!?」  
百鬼丸の意外な言葉にどろろは素っ頓狂な声を上げた。  
「ふふ・・・俺はしばらくこのままでもいいぞ」  
百鬼丸が振り上げていた右手をどろろの背中に回すと抱き合う格好になる。  
「あ、あにき・・・」  
予想外の百鬼丸の行動にどろろはどうしていいかわからなくなり  
仕方なく抱きついたまま黙りこくる。  
汗を互いの肌に吸わせ頬をくっつけ合い熱を共有する。  
顔を赤くして鼓動を早めたり温もりに安らいで鼓動を遅めたりと  
黙っているのにどろろの体は静かに出来ない。  
「どろろ、俺はお前の事を女の子だと思ってるんだ。  
 こんな抱きついたって俺を喜ばせるだけだぞ」  
「じゃあ、喜べばいいだろ!」  
どろろが拗ねた怒鳴り声を出すと対照的に百鬼丸は忍び笑いを漏らした。  
「・・・そうだな・・・・・・どろろ、俺と一緒に来るか?」  
「あにき!」  
思わず腕を放し百鬼丸の顔を覗くどろろの瞳は不安と喜びが混ざり合っている。  
「お前が自分の事を女だって認めるんなら連れて行ってやる。  
 女の子を守るのは男の務めだからな」  
 
「・・・・・本当に?」  
「ああ」  
どろろはうつむいて黙ってしまった。  
チラチラと何度も百鬼丸の顔を窺う。  
「・・・あにきがそういうなら・・・・おいら女でいいよ・・・」  
どろろは独り言をつぶやくように言うと百鬼丸の着物のわき腹辺りをぎゅっと掴んだ。  
「あにき・・・」  
顔を真っ赤にしたどろろに百鬼丸は微笑む。  
「嘘は言わない。  
 ただし、ちゃんと女らしくしろよ」  
「う、うん・・・」  
どろろは顔を朱に染めたままうなずいた。  
しかし、まだどろろは百鬼丸からどこうとしない。  
「お前本当に自分が女だって気付いてなかったのか?」  
「ん・・なんか変だなーとは思った事あるけど  
 あにきみたいな人もいるしさ。  
 チンチンついてない男がいても不思議じゃないだろ」  
どろろはニシシと恥ずかしそうに笑うとおどけた顔を作る。  
「・・・おいらやっぱり女なの?」  
「どろろ・・・」  
「あ、女なのが嫌なんじゃないよ。  
 ただ、よくわかんないから・・・」  
言いよどむどろろを百鬼丸の視線が捕らえる。  
「でも、女かあ・・・・」  
どろろは自分に確認させるようにつぶやくと顔を見上げた。  
「・・・・・・・・」  
百鬼丸と目が合うと自然と顔が熱くなる。  
「う〜〜」  
結局どろろは顔を赤くしただけで何も言えず百鬼丸に倒れこんだ。  
熱く火照った顔を百鬼丸の肩にこすりつけ体を押し付ける。  
百鬼丸は何も言わずにどろろの背中に添えた手に力を込めた。  
 
(女・・・女かあ・・・)  
(でも、あにきと一緒にいられるなら・・・・女でも・・・)  
今までずっと男だと思って来たのだから  
突然女だといわれてもすんなり認められるわけない。  
どろろが自分を納得させようと考え事をしていると  
背中に添えられていた百鬼丸の手がどろろの頭に置かれた。  
「よくわかんないか?」  
「う、ううん!わかってるって!おいら・・・」  
慌ててどろろは否定する。  
『いや、いいんだ』  
「あっ!」  
しかし、百鬼丸が心の声で語りかけてくると  
どろろは百鬼丸が心を読める事を思い出し黙り込んだ。   
「・・・俺はお前が嫌いで別れようとしたんじゃねえんだ」  
百鬼丸はどろろを抱きしめたままゆっくりと語り始めた。  
「俺はこんな体だしいつも妖怪や死霊と戦っている。  
 親父の兵隊どもにも追われているし  
 俺を殺したい奴はうじゃうじゃいても生きてて欲しい奴なんてどこにもいねえ」  
「あにっ・・・」  
「まあ、黙って聞け。  
 だからな、お前が俺と一緒にいたっていい事なんか無いんだ。  
 俺はお前が好きだから不幸になって欲しくない。  
 だから俺はついてくるなって言ったんだ。  
 俺と一緒にいたって幸せにはなれないんじゃないかと思ってな。  
 ・・・どろろ、お前泣いてるのか?」  
百鬼丸の肩がじわ〜と温かく濡れる。  
どろろは顔を押し付けたまま返事をしない。  
百鬼丸はどろろの後頭部を撫でるとまた話をし始めた。  
「だけど、悔しくなってな。  
 俺は魔物に体を奪われた。  
 その上、お前と一緒にいる事まで奪われるのかと思うと腹が立ってきた」  
 
「だから俺はお前を守って体も奪い返してやろうかと思い直した。  
 魔物を恐れてお前と別れるなんて負けたみたいだからな。  
 だから、納得してない内に無理から女だって思い込まなくてもいい。  
 女だと思ってないから置いていくなんて事しないから」  
どろろはびしょびしょに濡れた百鬼丸の肩でごしごしを顔をこすって体を少し離した。  
「おいらの事、好きって本当?」  
見上げるどろろの瞳があまりにキラキラと輝いていて百鬼丸は息を呑む。  
「あ、ああ、本当だ」  
「本当に?」  
「本当だって」  
「えへへ」  
どろろは百鬼丸の顔を正面にとらえるとにっこり笑った。  
思いを口の中に留めたままどろろは百鬼丸の口に唇をぶつけた。  
(おいらも大好きだよ)  
ごつんと音をたてて口付けをすると呆気にとられる百鬼丸に腕をまわし体ごと押し付ける。  
心を読まれるのを期待してどろろは心の中で叫び続ける。  
『ど、どろろ、痛い』  
期待外れな百鬼丸の返事にどろろは押し付ける力を弱めたが口付けは止めようとしない。  
やり方も力加減もわからないが本能に赴くまま百鬼丸の唇を唾液まみれにする。  
百鬼丸から「好きだ」と言われた事がどろろを暴走させていた。  
どろろにとって初めての言葉。  
誰からも言われなかった言葉が誰よりも言って欲しかった人から発せられた。  
どろろにはそれで十分だった。  
『どろろ、苦しい』  
唇をくっつけただけでなく体をぎゅうぎゅうに押し付けていたどろろに百鬼丸が抗議する。  
どろろはそれで仕方なく唇を離した。  
しかし、離したといってもほんの少し。  
腕はまだ百鬼丸の首を捕らえたまま、吐息を嗅ぎ合える距離を離さない。  
すると今度は百鬼丸がどろろの唇を奪った。  
唇を唇で甘噛みし柔らかさを愉しむ。  
口の周りにあふれた唾液を舐めとりそのまま唇を舐める。  
 
共有するぬくもりと唇の感触とどろろの匂いに百鬼丸の体の一部が変化した。  
それは勿論、密着しその上に乗っかっていたどろろも  
百鬼丸が自覚するのとほぼ同時に気が付いた。  
「どろろ、すまん。  
 ちょっと離れて・・・・」  
百鬼丸は慌てて口付けを止め、どろろを離した。  
どろろは百鬼丸に言われるまま体を離し立ち上がると自らの帯に手をかけた。  
「お、おい!」  
慌てて百鬼丸がどろろの手をつかむと、どろろはきょとんとした顔を向ける。  
「どうしたの?」  
「どうしたのってお前・・・」  
「へへっ、おいらだって男が女にする事ぐらい知ってらあ。  
 まさか、される方だったなんて思ってなかったけどさ」  
どろろは体をくねらせて恥ずかしそうに笑う。  
「女って・・・」  
百鬼丸の手がピクリと動く。  
止めさせようとした手が考え込む。  
「どろろ、お前は確かに女だし俺と一緒に来て欲しいけどそれとこれとは別だ。  
 ついて来たいならエッチな事させろってわけじゃないんだぞ」  
そう言っている間も百鬼丸の股間はギンギンに硬直している。  
「でも・・・」  
どろろの視線を股間に感じ百鬼丸がバツの悪い顔をする。  
「これは・・・」  
百鬼丸は口を閉ざして言い訳を考え始めた。  
どろろのぬくもりと肌の柔さに反応してしまったのは事実だ。  
それをどう、どろろを傷つけないように説明すればいいのか。  
「おいら、女としてあにきについていくって決めたんだから  
 あにきもおいらを女として扱ってくんない!」  
言ってる内容とは裏腹にどろろは男らしく啖呵をきった。  
 
「む・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・  
 よし!わかった!」  
さっきまでどろろの手を止めていた百鬼丸の手が代わりに帯びの結び目を解く。  
百鬼丸は心を読める。  
どろろが嫌がったらすぐに止めるという条件を自分につけて  
百鬼丸は己の欲望を解放する事にした。  
戸惑うどろろの帯びを床にほおるとボロ布のような着物をするっと脱がす。  
「あっ・・」  
百鬼丸はふんどし一丁になったどろろの腰と頭に手を回し抱き寄せながら押し倒した。  
されるがままのどろろの瞳に怯えの色が浮かび始める。  
「怖いか?」  
百鬼丸が聞くとどろろは小さくかぶりを振った。  
目が合うと百鬼丸は条件反射のようにどろろと唇を合わせる。  
「ん・・」  
そのままどろろの貧相な胸に手を伸ばす。  
「ゥっ・・・」  
びりっとした痛みにどろろの声が漏れる。  
「どろろ、ちょっと胸がふくらんできてるな」  
「えっ・・」  
どろろが驚いた顔で百鬼丸に撫でられている胸を見下ろした。  
そう言われればほんの少し、虫にさされた程度だがふくらんでいるようにも見えなくもない。  
「自分じゃ気付かなかったのか」  
「う、うん・・・。  
 最近ちょっと痛かったから変だと思ってたけど」  
体を撫でられながら百鬼丸に見つめられ、何度も口を吸われる内に  
どろろの体にじっとりと汗が浮かんでくる。  
「んっ・・あぅ」  
撫でる百鬼丸の手が乳首の上を通る度に痛みが走る。  
しかし何故かその痛みが不快には感じられず  
むしろ、その手の重みや暖かさが心地よく感じられるぐらいで  
どろろは百鬼丸が不思議な力を使っているのではないかと思いはじめていた。  
 
百鬼丸は大分辛抱してタイミングを計っていたが湧き上がる欲求に負け  
ついにどろろのふんどしに手をかけた。  
男として年長者として余裕を見せたい百鬼丸は自らの手で脱がせようとしたが  
ふんどしはどろろの顔を見ながら片手でほどけるようなものではない。  
しばらく結び目を探してどろろの下腹をさすっていた百鬼丸は仕方なく体を起こした。  
「どろろ、脱いでくれ」  
ちょっと格好悪かったな、と後悔しつつ百鬼丸は立ち上がって自分のふんどしをほどいた。  
「うおっ!・・・・あにき、もじゃもじゃだ!すげー!」  
全力を出した男とほとんど大人と変わらない茂みにどろろの目が丸くなる。  
「格好いいなあ・・・おいらもそれ欲しい!」  
「ばか、なんでも欲しがるな」  
百鬼丸は百鬼丸で露わになったどろろの下半身から目が離せない。  
互いに中腰のまま股間を見合う。  
先に動いたのは百鬼丸だった。  
ふんどしの跡がはっきりわかる真っ白な股にひかれた一本の縦すじに指を伸ばす。  
少し腰を引いたどろろを追ってふとももの間に手を差し入れる。  
「あ、あにき・・・」  
どろろが訴えるような視線をよこしても百鬼丸は気付きもせずに  
つるつるとした丘を撫で始めた。  
「ぁ・・」  
指の感触にどろろがぺたりと腰を下ろす。  
すじが視界から消えても百鬼丸の指はゆっくりとした動きを止めない。  
百鬼丸はこれ以上逃がさないようにどろろに口付けをしてふとももを掴んだ。  
そしてゆっくりと体重を預けて押し倒していく。  
どろろの頭の下に左手を置いて枕にさせ、子供を寝かしつけるような姿勢をとると  
百鬼丸は口付けをしたまま右手を無毛の丘に滑り込ませた。  
「あぅ・・・んん・・・」  
百鬼丸は本当はじっくりと凝視したいと思っていたが  
どろろにそこまでみっともない姿を晒すわけにはいかないとやせ我慢をする。  
指の腹で割れ目をなぞり、その柔さ熱さに驚き喜びながらもおくびにも出さない。  
 
唾液を舐める音にもう一つ湿った音がかすかに混じり出す。  
どろろは恥ずかしくなって百鬼丸の手を止めようとするが  
肉付きの薄い痩せ細ったふとももでは百鬼丸の動きを止める事が出来ない。  
逆に太ももの感触をも味あわせて百鬼丸を喜ばせてしまう。  
百鬼丸は擦るたびに染み出てくる粘液を練り込むようにまた割れ目にこすりつける。  
『いいか?』  
吸われすぎてぽってりとふくれたどろろの唇を舐めながら百鬼丸が問い掛ける。  
所在なく放り出されていたどろろの手がぎゅっと空をつかむ。  
(・・・・うん)  
承諾したどろろの心に怯えと恐れが大きくなったのを百鬼丸は感じていた。  
しかし、かまわずに体をどろろの足の間にいれ枕にさせていた左手をそっと引き抜く。  
起こした体を近づけると百鬼丸は自身をどろろの秘裂にあてがった。  
顔をあげてこわごわと見るどろろと位置を確める百鬼丸の目が合う。  
絡み合う視線に互いの顔に笑みが浮かぶ。  
「じゃ・・」  
「ん・・・」  
短い言葉を交わし百鬼丸はどろろの秘裂に自身を突き入れた。  
「いぁっ!っ・・・!」  
華奢な腰骨を掴み百鬼丸は力任せにどろろの中に押し入ろうとする。  
亀頭がどろろの恥丘をおしつぶし形を変形させる。  
じわじわとしか入っていかない事に我慢できず百鬼丸はもう一度思いっきり突き入れた。  
「ぅあああっっ!!」  
どろろの上半身が跳ね絶叫すると背を逸らして体をよじる。  
「くぅぅ・・・」  
ぴーんと体を伸ばして突っぱねたままどろろの口からうめき声が漏れる。  
百鬼丸は左手でどろろの腰骨をつかんだまま、右手でどろろのお腹を撫で始めた。  
「はぁぅっ・・・くふっ・・・ふぅっ・・・」  
どろろは大きな息を吐き出すと激しく胸を上下させ息を整えようとしている。  
心を読めても感覚まで共有できるわけではない。  
百鬼丸は波打つどろろのお腹を撫でながら  
どろろの苦しむ表情を見逃すまいと見つめていた。  
 
「はー・・・はー・・・」  
ようやく息が整いだしたどろろが目に涙を溜めて小さくうなずいた。  
幼い蜜壷は悲鳴をあげ自覚の無い女陰は侵入した異物を追い出そうと締め付ける。  
しかし、百鬼丸はまだ固すぎる柔肉をこじ開け腰を動かし始めた。  
「ぅあっ・・・あぅぅ・・・」  
狭すぎる秘穴は力づくで押し広げられ百鬼丸を擦り上げさせられる。  
擦り付けられ叩きつけられる度にどろろの口から悲鳴が上がる。  
思考を奪われる痛みの中、どろろの頭には百鬼丸の姿だけが浮かんでいた。  
「どろろっ・・」  
百鬼丸が名前を呼ぶとそれだけで救われる。  
体を裂かれる痛みにも耐えられる。  
「どろろォ!」  
百鬼丸は体中を走る快楽から意識を守ろうと名を叫ぶ。  
百鬼丸はどろろの膝裏をつかんで前に倒し  
どろろに体を抱えさせるような姿勢にする。  
「んぐぅっ・・・」  
抵抗できない姿勢にされたどろろはさらに激しく責め立てられ頭をよじる。  
突かれる度に床とこすれていた髪紐がついに切れ、どろろの髪が散らばってしまう。  
「っ・・・っ・・・〜〜」  
どろろが声にならない声をあげる。  
百鬼丸の動きが益々加速する。  
どろろの髪が百鬼丸の動きにあわせて舞い踊る。  
「どろろっ・・!『どろろォっ!」』  
快楽の波にさらわれた時、百鬼丸の声と心の声が重なった。  
欲望を注ぎ込まれるとまるで同調するかのように言葉にならない思いも伝わってくる。  
百鬼丸が自分の身体にどんな感想を持ったのか教えられ  
どろろは与えられた痛み以上の喜びを受け取っていた。  
いまだに硬直したままのモノを百鬼丸はゆっくりとどろろから引き抜く。  
どろろの陰唇はぽっかりと開いたまま閉じる事も出来ずに  
赤いものをまじえた精液を吐き出した。  
 
「大丈夫か」  
百鬼丸は苦しそうに息を整えるどろろを抱きしめるように覆い被さった。  
顔を近づけ間近で見つめるとどろろの目がうっすらと開く。  
どろろのか細い腕がふらふらと百鬼丸の首にまわされる。  
汗ばんだ体をくっつけ合うと体を許しあった喜びが二人を包む。  
百鬼丸に優しく髪を撫でられ、どろろの腕に力がこもる。  
行為そのものは痛く苦しいものであったがどろろは幸せを感じていた。  
「髪ほどけちゃった」  
「ふふ、こっちの方が可愛いぞ」  
「そお?」  
どろろは恥ずかしそうに肩にかかった髪を見る。  
「気持ち良かった?」  
行為の終わりに聞こえてきた心の声で  
百鬼丸が自分の体にどんな感想を持ったのか、どろろは知っている。  
それでも百鬼丸の口から聞きたくて瞳を覗き込んだ。  
「ああ・・・」  
「ニヒヒ」  
今度は百鬼丸が恥ずかしそうにするとどろろが嬉しそうに笑う。  
その笑顔に口付けをしようとして百鬼丸はどろろに顔を近づけた。  
しかし、どろろに触れる寸前、百鬼丸の表情が変わる。  
「あ、あにき?」  
突然険しい顔になった百鬼丸にどろろが戸惑いの声をあげる。  
「静かに・・・」  
百鬼丸はまわされていたどろろの腕を外すと素早く立ち上がって扉を開けた。  
「煙・・・!」  
扉を開けるとどろろの耳にも小さな喧騒の音が聞こえてくる。  
遠くに見える醍醐の砦からは煙があがっている。  
「っ!」  
立ち上がろうとしたどろろの顔が歪む。  
「・・・大丈夫か?」  
ふんどしを付け直した百鬼丸はどろろの苦しそうな顔を覗き込んだ。  
 
「どろろ、待っててくれるか?」  
「あにき、ずるいよ!一緒に連れて行ってくれるって言ったのに!」  
どろろは一人で行かせないように慌てて百鬼丸に抱きついた。  
「どろ―」  
それでも、説得しようとする百鬼丸の口をどろろは口で塞ぐ。  
『どろろ、すまない・・・醍醐とはケリをつけなくちゃなんねえんだ』  
口を塞さがれた百鬼丸が心の声で語りかけてくる。  
(ずるいよ・・・一緒にいてくれるって言ったのに・・・)  
どうしても黙らせる事が出来ないと知りどろろの瞳から涙が零れ出す。  
『どろろ、待っててくれないか。  
 絶対に帰ってくるから』  
百鬼丸は汗でぬるついたどろろの体を強く抱きしめた。  
(帰ってくる・・・?)  
『そうだ、醍醐とのケリをつけたら帰ってくる。  
 だから、待っててくれ』  
初めて聞く言葉の甘い響きがどろろの心に染みとおっていく。  
常に忌み子として嫌われてきた自分の所へ、帰ってくる。  
それはどろろにとってこの上なく甘美な言葉だった。  
(ぜったい・・・帰ってきてくれる・・・・?)  
『ああ、俺の帰ってくる場所は一つだ』  
唇を離したどろろの腕がだらりと下がる。  
「どろろ・・・」  
百鬼丸はどろろの頬を伝わる涙を人差し指で拭った。  
瞳を閉じたどろろがコクンとうなずく。  
「待ってる」  
百鬼丸は立ち上がって背を向けた。  
「行ってくる」  
沈み始めた太陽を浴びて小さくなっていく百鬼丸の背中を見届けると  
どろろは扉を閉めて体を丸め縮こまった。  
体に残るぬくもりを消さないように。  
 
 
砦に近づいて見ると石垣の周りを多くの人間が取り囲んで見上げている。  
兵士も農民も同じく呆然としており  
農民の反乱と当たりをつけていた百鬼丸は混乱した。  
「おい!何があった!?」  
百鬼丸が声を出すと周りの人間が戸惑い気味に振り向いた。  
「え・・あ、その・・」  
「何があったんだ!?」  
百鬼丸は声を荒げて再度尋ねる。  
「お、オラたちは一揆を起こしたんだ。  
 このままじゃ全員殺されると思って。  
 最初はオラたちが強かったんだけど、でも、突然化けモンが出てきて  
 オラたちを焼き殺そうとして・・」  
「逃げてきたのか」  
百鬼丸がつなぐと農民達は激しく首を縦に振った。  
「それだけじゃねえ!  
 あ、あの化け物は俺たちも殺そうとしたんだ!」  
醍醐の兵士らしき者も怯えた様子で声を出す。  
「醍醐は?中にいるのか?」  
「わ、わからねえ」  
簡単な相槌をうって百鬼丸は砦を見上げる。  
「お前たちはここで何してるんだ?」  
「な、中にまだ仲間がいるだ!」  
「そうか、化け物がいるから助けられないんだな。  
 わかった、俺が化け物を倒してくるから  
 お前ら火を消して仲間を助けろ」  
百鬼丸はそういうと農民達の返事も聞かずに一足飛びで砦の石垣を飛び越えた。  
農民達が驚きの声をあげるが百鬼丸は全く気にせず  
煙の立ち込める砦の中を駈けはじめた。  
心の目で見ることのできる百鬼丸に視界の有無は関係ない。  
砦の中に幾重も重なる塀を次々と飛び越えていく。  
 
化け物はすぐに見つかった。  
燃え盛る塀の門に巨大な体躯の人面白虎がにやにやと笑いながら座っている。  
どうやら逃げ道を封じられた人間の逃げ惑う様を見て笑っているらしい。  
(へっ!醍醐を操ってただけあって最低な魔物だ)  
百鬼丸が腰の太刀を抜き去ると魔物が振り向いた。  
濁った目に百鬼丸の姿を映すといびつな顔が笑みが消える。  
(来る・・・!そうらな!)  
動きを完全に読みきって百鬼丸は化け物の下に潜りこんだ。  
太刀を腹に突き刺し斬り裂く。  
化け物は地響きのような唸り声を上げて飛び上がる。  
宙から火を吐こうとする化け物の更に上に飛び背中を斬る。  
背中にいる百鬼丸に蛇の尻尾が襲い掛かる。  
百鬼丸はさらにその尻尾まで斬る。  
「ウガァーーー!!」  
化け物が一際おおきな悲鳴をあげて体を捩ると  
百鬼丸は足から焼水を出して化け物に浴びせ掛けた。  
化け物は抵抗する力を失い巨大な体は無残に溶けていく。  
「あ、あのお侍さん勝っちまったぞ!!」  
「ばんざーい!化け物が死んだぞ!」  
化け物の体が完全に消えてしまうと  
百鬼丸と化け物の勝負を呆気にとられて見ていた農民達が歓声を上げ始める。  
百鬼丸は太刀を収めると両手を広げて自らの体を見下ろした。  
後から後から力が湧いてくる感覚。  
(・・・きっと、どろろのおかげだな)  
理由など何もない。  
ただ百鬼丸はそう感じていた。  
「おい!醍醐はどこだ!」  
近くで農民と一緒になって歓声をあげていた兵士に尋ねる。  
「わ、わかりません。  
 化け物が出てくるまではそこにおられたんですが・・・」  
百鬼丸は辺りを見渡すと屋敷の中へと顔を向けた。  
 
 
『醍醐ーーー!醍醐、どこにいる!』  
屋敷の中も既に煙が充満している。  
心の声で叫びながら百鬼丸は屋敷の中を駆け回っていた。  
燃え移ってはいないはずだが一番近い塀が燃えていたのだ。  
農民達が火を消してくれなければそれも時間の問題だろう。  
煙のせいで視界も悪ければ声も出せない。  
百鬼丸だからこそ行動できているが  
それでも息をしなければならない以上そういつまでもというわけにはいかない。  
(ここにはもういないのか?)  
ふすまを蹴り倒しながら部屋を突き進んでいくと大きな部屋にぶつかった。  
砦の中の屋敷とは思えないほど煌びやかで  
今まで通った部屋とは明らかに作りが違う。  
一瞬、醍醐の部屋かとも思った百鬼丸だったがすぐに思い直した。  
豪勢な着物が衣桁にかけられ床には着物が散乱している。  
百鬼丸は床に散乱している小袖の一つを拾いあげた。  
(女物の着物ばかりだな。  
 もしかして、ここはあのおばさんの部屋・・・)  
百鬼丸の胸にただ一度、目にしただけの女の姿が浮かんでくる。  
(かあさん・・・)  
地味な小袖に母の幻影を重なる。  
「……おさむらいさーん……」  
それを打ち消すように小さな叫び声が聞こえてきた。  
『なんだ?』  
百鬼丸が心の声で答えると呼びかけてきた声の主が驚く様子が伝わってくる。  
『俺だ、何かあったのか?』  
いちいち自分の能力を説明している暇は無い。  
百鬼丸がせかすと声の主である農民は戸惑いながらうなずいた。  
「……醍醐はそこにいません……  
 ……東の方へ逃がしたって兵士がいました……」  
(東・・・・)  
 
 
百鬼丸は大丈夫だろうか。  
帰ってきてくれるのだろうか。  
考えれば考えるだけ不安になってきてどろろは膝を抱え込んだ。  
感覚の鈍くなった下半身に鋭い痛みが走る。  
まだ体はだるい。  
非常に狭いボロ小屋が広く感じられる。  
(あにき・・・)  
百鬼丸の顔を思い浮かべると心が暖かくなる感覚と同時に  
猛烈な寂しさを感じてしまう。  
それでも、どろろは百鬼丸の事を考えずにはいれなかった。  
百鬼丸の強さを疑った事は無い。  
百鬼丸より腕の立つ人間などどろろは見た事が無い。  
帰ってくると言った言葉も信じている。  
置いていこうとはしても嘘はつかない。  
百鬼丸なら正直に別れようと宣言するはずだ。  
だけど、怖くて仕方がない。  
無理してでもついていけば良かったという思いがどろろの胸に刺さり  
痛みを与えつづけていた。  
(おいらが女じゃなきゃついていけたのに・・・)  
何度考えたかわからない事をもう一度考える。  
(でも、女だったから・・・)  
どろろは百鬼丸とこの小屋で行った行為を思い出した。  
体を裂かれるような強烈な痛みを感じた行為。  
だけど、嬉しかった。  
ぬくもりを感じた事も自分が百鬼丸を喜ばせたという事も。  
百鬼丸の体温を思い出した事で今の寒さを余計に感じてしまい  
どろろは体をぶるっと奮わせた。  
すでに百鬼丸の欲望の証は体の中から流れ落ちてしまった。  
(あにき・・・)  
どろろは百鬼丸の姿を思い目を閉じた。  
 
痛む体と消えない寂しさにどろろが耐えていると微かな音が聞こえてきた。  
(もしかして・・・)  
どんどんと大きくなる音にどろろの胸が高鳴り始める。  
聞こえてくる音は足音にしか聞こえない。  
抱え込んだ膝に乗せられていたどろろの顔が上がる。  
百鬼丸の足音がどんな風だったか思い出そうとするがドキドキして思い出せない。  
そうこうしている間に足音はどんどんと近づいてくる。  
どろろの心の準備が整わないうちに小屋の扉が開かれた。  
「どろろ!」  
「あにき!」  
どろろの期待通りに開いた扉から現れたのは百鬼丸だった。  
「あにきぃ・・・」  
どろろは出迎えようとするのだが体に力が入らず立ち上がれない。  
「どろろ、ただいま」  
立てないどろろの前に百鬼丸はしゃがみ込んだ。  
「あにき・・・お帰りぃ」  
どろろはこぼれそうになる涙を見せまいと百鬼丸の肩に顔を埋めた。  
「遅くなって悪かった」  
百鬼丸が頭を撫でると、どろろは顔を押し付けたままぶんぶんと横に振った。  
「おかえり・・・」  
喉を歓喜の言葉が通る。  
言いたくて仕方の無かった言葉。  
「ああ、ただいま。  
 待たせてすまなかった」  
どろろはもう一度こすってから顔を上げると百鬼丸が持っている物に気が付いた。  
「あにき、手に持ってるの何?」  
「ああ、これか?  
 ・・・・これは土産だ」  
 
「ふふ、似合うじゃないか」  
百鬼丸はどろろに着物を着せると嬉しそうに微笑んだ。  
「そお?おっきすぎない?」  
どろろは照れた様子で指先まで完全に隠して  
だらしなく垂れ下がった袖を持ち上げる。  
「明日にでも誰か村の娘にでもそろえて貰えばいい」  
そういうとどろろは少しむっとした顔をする。  
「これでどっからみても可愛い女の子だ」  
百鬼丸の言葉が嬉しい自分にどろろは戸惑い何もいえなかった。  
可愛いなんて馬鹿にした言葉だと思っていたのに今は何故か嬉しい。  
「よっと」  
百鬼丸はどろろの脇の下に手を差し入れると赤子をあやすように高く持ち上げた。  
「わ、わ!」  
急に視点が高くなりどろろが軽く悲鳴をあげる。  
百鬼丸はまるでそれが聞こえなかったようにどろろの薄い胸板に顔を押し付けた。  
「あにき?」  
どろろが怪訝な声をあげる。  
百鬼丸は構わずに大きく息を吸い込んだ。  
そしてまた黙り込む。  
「何があったの?」  
「んー、何でもない。  
 帰ってくる場所があるって嬉しい事なんだなと思ったのさ」  
そう言った百鬼丸がとても寂しそうでどろろは両腕で百鬼丸の頭を包み込んだ。  
自分がお帰りを言えた事が嬉しかったように  
百鬼丸もただいまが言えて嬉しかったのだ。  
その事に気付きどろろは益々嬉しくなった。  
 
しばらくどろろを抱きしめた後、百鬼丸はそのまま腰を下ろした。  
自然、抱き合う格好になる。  
そして有無を言わさず口を吸いどろろの帯に手を伸ばした。  
はらりと前がはだけるとすかさず百鬼丸の手がどろろの胸に伸びてくる。  
「んぁっ!」  
胸の皮膚を鷲掴みにされどろろの体が痛みで跳ねる。  
「あ、すまん」  
百鬼丸は手を離すと  
どろろの未成熟な胸をいたわるように桃色の突起にそっと口づけする。  
「ぁん・・・」  
どろろの口から可愛らしい悲鳴が漏れ百鬼丸の耳を喜ばせる。  
「そのうちおっきくなるかなあ?」  
『なるさ、期待してる』  
百鬼丸は会話する時も乳首にしゃぶりついたまま離さない。  
(あにき・・可愛い)  
「んぁう!」  
どろろの心を読んだのか百鬼丸の歯が乳頭に当たりさらに強い刺激を与えてくる。  
どろろの体がよじれ息が乱れはじめるとその反応に百鬼丸の口は激しさを増し  
ツンと尖った乳首を唇でしごき固い贅肉に唾液をすりこむ。  
右手はどろろのあばらを一段一段なぞっていき  
ぽこぽこと音を鳴らして遊んでいる。  
さらに右手は下がりわき腹をさすると微妙に胃袋の形のわかるお腹を撫でていく。  
唇の方は活動範囲を広げ鎖骨に首筋と舐めまわしどろろの体を唾液で汚していく。  
そしてどろろの身体で遊んでいた百鬼丸の右手はわき腹の横を通って後ろに回り  
肉付きの薄いお尻を撫でまわし始める。  
汗でぺとついた尻を揉み解しながら右手を滑らせると  
どろろの吐息の乱れが大きくなる。  
「ハァ・・あ・・あにき・・・・ハァ・・・待って・・・」  
「ん?どうした」  
 
「する・・・んだよね?」  
「嫌か?」  
どろろは首を横に振った。  
「そうじゃなくて・・・着物脱ぐから待ってて」  
初めて百鬼丸から貰ったもの。  
初めて着た女の子の着物。  
どろろにとってこの着物は特別な宝物になっていたのだった。  
「どろろ、待て」  
どろろが着物を脱ごうと立ち上がると百鬼丸も一緒に立ち上がった。  
「この上に置くといい」  
百鬼丸は先に着物を脱ぎ床に広げた。  
「ちょっと向こう向いてて」  
はだけた着物の前を合わせてどろろが上目で見つめる。  
「何今さら恥ずかしがってんだ?」  
「いいから!向こう向いて!」  
百鬼丸が仕方なさそうに後ろを向くとどろろは急いで着物を脱いだ。  
脱いだ着物を百鬼丸の着物の上に置くと  
百鬼丸が後ろを向いている事を確認しふんどしを解いた。  
血と精液のこびりついた股の部分がパリパリと嫌な音を立てる。  
脱ぎ去ったふんどしを百鬼丸の着物と自分の着物の間に隠す。  
「いいよ」  
どろろの声が聞こえると百鬼丸は振り向いて  
どろろの身体に上から下まで見渡した。  
「あんまし見んなよお」  
股間を手で隠してどろろが文句をつけると百鬼丸はにやっと笑った。  
「いいじゃないか」  
百鬼丸は少しひいたどろろの腰を捕まえると  
足を折り曲げてどろろの肩にキスをした。  
噛み砕けそうに貧弱な鎖骨を舐め  
まだおっぱいと呼ぶには憚られる胸のふくらみに舌を這わせる。  
 
「ぅ・・・」  
どろろの口からか細いうめき声が流れ出す。  
なだらかな丘の頂を口に入れてしまうと同時に  
腰を捕まえていた手はどろろの肉付きの薄いお尻を揉み始める。  
どろろは手を百鬼丸の頭に置いたがどうするべきかも分からずただ身をよじる。  
あばらの一段づつにキスをしてどろろの身体に自らの匂いを付けていく。  
つるんとした子供っぽいお腹に頬擦りをすると一気に下腹部に顔を潜らせた。  
「だ、駄目っ!あにき、汚いよ!」  
どろろが身体全体をピンクに染めて百鬼丸の頭を引き剥がそうとする。  
しかし、百鬼丸はどろろの尻をがっちりと掴んで  
離れるどころか益々下へと顔を潜らせていく。  
「あっ!」  
百鬼丸はどろろの足を力づくで開かせるとふとももの間に顔をもぐりこませた。  
無毛の丘に唇をつけるとどろろの身体がくの字に折れる。  
「ぅぅ・・だめだよォ・・ばっちいのにぃ・・」  
どろろの真っ白だった恥丘は血や精液なんかの体液で汚れてしまっている。  
『ばっちくない』  
「くぅぅ・・ん・・」  
様々な体液にまみれた恥丘を舐めて綺麗にする。  
恥ずかしさのあまり動かなくなったどろろの片足を肩にのせ  
百鬼丸は股の下から顔で支え割れ目にキスを繰り返す。  
「あぅっ・・あっ・・・あっ・・」  
ちゅばちゅばと吸い付く音とどろろのうめき声がリズムを刻む。  
血と精液と汗と小便とどろろの中の匂いが混ざり合った強い香りが  
百鬼丸には媚薬にしかならない。  
「ふぁぁっ・・・」  
くにくにと固い肉の割れ目に舌が入り込むと  
ため息と悲鳴の間のような声を出してどろろの身体が痙攣し  
百鬼丸の顔をふとももでぎゅっと挟み込んだ。  
 
ぐったりとしたどろろが一歩踏み出してゆっくりと前に倒れる。  
百鬼丸は素早く振り返ると四つん這いになって息を整えるどろろを見た。  
剥き出しの尻がかすかに上下する扇情的な光景に  
襲い掛かろうとしていた手を止め息を呑んだ。  
尻たぶの谷間にたたずむ可憐な菊が震え  
磨き上げられた女陰はつやつやと光っている。  
無防備な姿をさらけ出したどろろの尻に百鬼丸は赤く硬直した仕込み刀をあてがった。  
その熱い感触にどろろの身体が強張る。  
百鬼丸はどろろが嫌がっていない事を確認するとゆっくりと腰を入れた。  
「っ!」  
地図の描かれた背中がうねる。  
熱く湿ったどろろの中は狭く、滲み出す粘液の力を借りても中々受け入れることが出来ない。  
百鬼丸はそれを強引に押し入れていく。  
はっきりと形のわかる肩甲骨を撫で未発達な身体に自身を呑みこませていく。  
「くぅぅっ・・・」  
自らの腕ほどのモノに侵入されどろろは苦しそうに息を荒げる。  
百鬼丸は半分ほどめり込ませるとゆっくりと腰を引いた。  
どろろの短めの髪が揺れる。  
百鬼丸はどろろのわき腹をつかむと徐々に出し入れする速度をあげていった。  
「ぐっ・・・ぐっ・・・ぐっ・・・」  
食いしばった歯の間からくぐもった吐息が漏れる。  
その音がさらに百鬼丸を元気付け、ますます激しくどろろの秘穴にしごかせる。  
ぎゅうぎゅうに押し付けられながらも肉璧は蠢き肉棒を包み込む。  
「くあっ!」  
短い雄叫びをあげ百期丸はどろろの中に精液を叩きつけた。  
「ハァ・・・ハァ・・・はぁー・・」  
(終わった・・・)  
百鬼丸の動きが止まった事に気付きどろろはぐったりと顔を床に降ろした。  
しかし、百鬼丸のものは射精してもほとんど硬度を緩めていなかった。  
百鬼丸は崩れ落ちたどろろで更なる快感を得ようと腰を動かし始めた。  
どろろの中から溢れ出す精液をさらに中に押し込めようとする音が小屋の中に響き始めた。  
 
 
すっかり日も暮れた頃、二人はまだ小屋の中で抱き合っていた。  
床に寝そべった百鬼丸の上にどろろが重なって寝そべっている。  
「どろろ、すまん」  
「・・・・何が?」  
半ば強制的に声をださせられどろろの声はかすれている。  
「調子にのりすぎた。  
 あんまりどろろが気持ち良かったから・・・」  
「いいよ・・・。  
 おいらも・・・痛いけど嫌いじゃないし・・・・。」  
「どろろ・・・」  
百鬼丸のどろろを包んだ両腕に力が入る。  
「おいら・・・女で良かったって思った・・・。  
 あにきが嬉しそうだから・・・  
 へへっ・・おいらも役に立つだろ」  
百鬼丸の胸の上でどろろがかすかに微笑む。  
「どろろ・・・ありがとう」  
百鬼丸は胸いっぱいに広がる感情を味わっていた。  
追い求めて止まなかった幸せというのはこういう事だったのだ。  
絶対に幸せになってみせると誓ったのは  
自分を捨てた親と身体を奪った魔物への復讐だった。  
復讐とは醍醐を斬る事でも魔物を倒して体を取り戻す事でもなかったのだ。  
待ってていてくれる者が、愛すべき者がいる事が心をあたたかくする。  
「どろろ、絶対に離さない。  
 絶対に別れないからな。  
 覚悟しろよ」  
いつもとはあべこべなセリフを吐いて百鬼丸はどろろの髪を撫でた。  
復讐の旅は始まったばかりなのだ。  
 

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