柾樹が加賀美屋に戻ってきてから、
伸一の立場はどんどん弱いものになっていった。
そして、ついには女将である母、環も「夏美を若女将にする」
と決断してしまった。
夏美が若女将になれば、その婚約者である柾樹の実権は益々強くなり、
最終的には夏美と柾樹が加賀美屋を継ぐ事になってしまう。
顔を合わせる度に「お前が女将にならないからだ」
と伸一に、責められ続けた伸一の妻、恵美子も、
ついには子供を連れて家を出ていってしまった。
精神的に追い込まれて酒に溺れる伸一は、
ある晩、心配して訪ねてきた夏美を無理やり犯してしまう。
翌日「加賀美屋のためにも自分も忘れる、だから無かった事にして欲しい」
と、涙目で懇願する夏美。
だが、既に自暴自棄となっている伸一は
「黙っていてやる代わりに、言う事を聞け」と強要し、
再び夏美を犯してしまう。
加賀美屋のため、柾樹との結婚のため、
そして伸一夫婦の離婚の原因となった罪悪感から、
誰にも相談できず、また伸一の要求に抗う事もできない夏美は、
毎晩の様に、伸一に呼び出されては、人目を忍んで伸一の部屋に通い、
その肉体を差し出し、嬲られ、犯され続けていく。