皆さんこんにちは、中学二年にして天上天下で右に出る者どころか、背を見る者無しだと自信を持って宣言できる忍耐力と精神力の持ち主、草壁桜です。  
今日もいつも通りツンドラ顔負けの極寒な扱いを受け、僕のハートは傷だらけ。  
……ですが、それを背負う事などもう無いのです。  
何故なら僕には、それを癒してくれる天使が居るのですから。  
 
「ちゅぷっ……ぴちゃっ……んふっ……」  
「うっ……気持ちいい……そこ、もっと」  
「んっ……ふぁっ……」  
 
ここ数日ですっかり上手になったベノムちゃんが、僕の紳士を舐めあげ再度咥えます。  
舌使いも、ピンポイントから全体まですっかり僕の敏感地点を抑えてくれていて、一舐めで絶頂寸前までいく事も珍しくありません。  
しかし……咥えてる時のベノムちゃんの顔って煽情的で、それだけでも興奮させてくれるから、すごいですね……。  
 
「べっベノムちゃん、出る!」  
「んっ!」  
 
どくどくとベノムちゃんの口内に精を放出した後、射精後独特の快楽に身を委ねました。  
……心地良い疲労感と、白い涎を垂らすベノムちゃんを捕えた視覚……それらが、あらゆる事をどうでも良いと囁く様に、僕の頭を支配します。  
未来で僕が行う所業……クラスメートの最悪よりも最悪な評価……ルルティエの機能回復後の僕の判決……。  
 
『桜君』  
 
でも……ずっと一緒だった、僕の初恋の人である静希ちゃんの事だけが心残りです。  
 
「……桜殿……桜殿?」  
「……え? どっどうしたの?」  
「いえ、ボーっとしてましたゆえ、どうなさいました?」  
「……何でもないよ。それよりベノムちゃん、そろそろ良いかな?」  
「はい……」  
 
僕はもう、壊れてしまったのかもしれません。  
心の飢えと乾き……不明確な可能性に賭けて、それを満たせる天使を手放す事が怖い。  
 
僕はまだ中学二年生です……幾ら未来で外道な所業を犯したからとはいえ、今までの平穏をドクロちゃんに壊され、僕は人類最大の波乱万丈な人生を歩まされたのです。  
親友どころか両親にまで見放されたかの様に、毎日毎日撲殺のサンドバッグ兼精神的不衛生の捌け口にされて、今まで僕の心が保った方が不思議な位です  
……だからこそ、この行為と関係に依存しきっているのかもしれません  
 
「くっ! ううっ……やっぱり、ベノムちゃんの膣内は最高に気持ち良いよ」  
「あ……桜殿、今日は何時もより訳1mm大きいであります」  
 
僕とベノムちゃんが一つになり、快楽と一緒に安心感が湧き出てきます。  
ベノムちゃんの存在はちゃんとここに存在してるという感覚だけが、今の僕の生き甲斐です。  
それから僕は狂ったように腰を打ちつけ、欲望のままに彼女と快楽を貪ります。  
 
「うああっ! くっ! 気持ちいい、気持ち良いよベノムちゃん!!」  
「ああぅっ! くぅっ! あっ! いいっ! 気持ち良いであります!!」  
 
一つになった時独特の、五感すべてが性欲と快感とベノムちゃんに支配される感覚。  
それは如何なる甘味よりも甘く……欲しくてたまらなくなる物です。  
背徳……その言葉が、今の僕には一番似合う物だと思うには十分なほどに、僕はベノムちゃんとの性行為を欲しています。  
 
「桜殿っ! 好き……もっと!」  
「うん、ベノムちゃん! もっとやりたい! 好きだから、もっとやりたいよ!!」  
 
互いの体がぶつかり、紳士が膣内を出入りし、それが主に快感を齎す……そして、その快感に対する欲望が体を動かす。  
本能に出来る方程式と言う物があるとすれば、第一がこれですね。  
そして僕は、その方程式を何度もループしています。  
そして、たまりに溜まった快感が齎すもう一つの方程式……  
 
「べっベノムちゃん! 出すよ!!」  
「はいっ! 膣内にくださいっ!! 全部っ……桜殿のっ!!」  
「くっうくぅううああぁぅううぅうあああああああああっ!!!!」  
「いっいくっ……ふぁっ! くぅううああああああああああああ!!!!」  
 
紳士を通じて、紳士から熱い物が噴出しそれがベノムちゃんの膣内を満たしていくのを感じ、僕はベノムちゃんの上に出来る限りゆっくりと倒れました。  
朦朧とする意識の中で感じ取ったのは、ベノムちゃんの体温……そして、僕の口にベノムちゃんの可愛く勃った乳首が当たって居る事。  
……頭が完全に働かなくなった状態のまま、僕はそのまま口に含み吸い始めました。  
ちゅーちゅーと言う音とベノムちゃんの吐息……それが、僕が精を出し切った後の記憶に残る断片です。  
 
「では、本日の健康診断は完了であります。本日も桜殿は、健康そのものであります」  
「今日もありがとう」  
 
そして何時もの様に終了し、何時もの様に元の空間に戻ります。  
しかし、この空間から戻るのも鬱……というより、嫌になってきた今日この頃です。  
何せここには、撲殺する天使も、毒舌コンビも……変態ピンクモヒカンも居ないのですから。  
言うなれば、ここは僕とベノムちゃんだけの空間です。  
 
 
「きゃっ!」  
 
戻った途端、聞き覚えが無かったら困る声が聞こえました。  
 
「しっ静希ちゃん!?」  
「驚いちゃった、いきなり何もないところから出てくるから」  
「ごっごめん」  
「ううん、それより今のは?」  
 
僕はベノムちゃんに代わって、リフレクターの事を説明しました。  
 
「ベノムちゃんが今持ってる白い布、あれはスーヴェリージュに所属する天使のみが使えるアイテムの一つ、即席無菌治療空間作成布リフレクターっていうんだ」  
「即席無菌治療空間作成布?」  
「うん、最もリフレクターはこの作品オリジナルの魔法アイテムだから、公式には無いけどね」  
「何の話?」  
「ううん、こっちの話。それで、あの布で包んだ相手を即座にあらゆる毒を浄化できる空間に移動させれる道具なんだ」  
「そんな道具があるんだね……じゃあ、桜君はそこで」  
「うん、そこでベノムちゃんに健康診断をしてもらってるんだ。毎日あんなでちょっと精神的にもきついから」  
 
嘘ではない……ですよ。  
 
「そうなんだ……」  
「ベノムちゃんには感謝してもしきれないよ。本当に」  
「いえ、自分は職務でありますゆえ」  
 
いつもの様な遣り取りで、一応場を繕います。  
 
「ねえ、桜君」  
「何、静希ちゃん?」  
「私も、桜君の検診のお手伝いしても良いかな?」  
「え……?」  
「……ダメかな?」  
「でっでも……」  
 
参りました……どうしましょう。  
 
「自分は構いませんゆえ、どうぞ」  
「本当に? ありがとう」  
「え? ベっベノムちゃん?」  
「健康診断をやるだけでありますゆえ、特に問題は無いかと」  
 
そうですね、名目上は健康診断なのですから、通常の健康診断をすればいいのです。  
 
「……そうだね、じゃあ明日は静希ちゃん大丈夫?」  
「うん、暫く部活と委員会はお休みだよ」  
「じゃあ、明日放課後は一緒に帰る?」  
「うん、」  
「え! いいの?」  
「うん」  
 
明日は静希ちゃんの家に……できない不満なんか、吹っ飛びそうですね。  
他の女性……と言うより天使を抱いた人間のセリフじゃないですけど  
 
これは、少年との絆を欲する、少女と天使の物語。  
 
 
瞬く間に次の日の放課後になり、僕は静希ちゃんと一緒に帰ろうとします……が。  
 
「ねえ桜君、一緒に帰ろうよ」  
「静希ちゃんと3人でだけど、それでいい?」  
「うん」  
 
くりくりボイスと可愛らしい仕草で喜んでいるドクロちゃん。  
そして、いつも通り……にしては、ちょっと不安が混ざったような笑顔の静希ちゃんと一緒に帰路につきます。  
 
「どうしたの静希ちゃん、なんだか今朝から様子がおかしいよ?」  
「え? そ……そうかな?」  
「うん、桜君の言う通り、静希ちゃんおかしいよ」  
「そっそんな事……ないよ」  
「え〜、絶対何かあるでしょ? 桜君にお風呂覗かれたとか」  
「ドクロちゃん、最近夕方以降はずっと遊びに付き合ってるでしょ?」  
「そうだったね、桜君は最近ちゃんと付き合ってくれるから、ボク満足だよ」  
「まあ、ゲームならね」  
 
寛大になった物ですね、僕も……  
大人の階段を昇ると人間寛大になると言う話を聞いた事がありますが、正にそうです。  
 
「なんか最近桜君、変わったよね」  
「え?」  
「だっておフロ覗きに来ないし、寝込みを襲おうとしなくなったし、撲殺しても怒鳴らなくなったし」  
「最後はともかく、それ以外は一度もしたことないけど……」  
 
……リスクを考えても、それ以上の価値はありますよ。  
でも流石に今は、そう言う事をする気など起きません。  
だってリスクなしでも見るどころか出来ますから、それに比べれば……。  
 
「……ドクロちゃん、一つ聞いていい?」  
「なあに? 桜君」  
「……どうして、エスカリボルグを構えてるの?」  
「なんだかわからないけど、悪口言われてるような気がして」  
「気のせいだよ気のせい、それより知ってる? 今度……」  
 
そうこうしてる間に、静希ちゃんとは一旦別れる地点です。  
 
「それじゃ静希ちゃん、また後で」  
「うん、バイバイ、桜君、ドクロちゃん」  
「うん、バイバイ」  
 
静希ちゃんと別れ家に帰ると、ザクロちゃんの出迎えの後、用意してくれてたおやつを食べます。  
……やっぱり考えてみれば、静希ちゃん今朝から変です。  
今日は珍しく、授業中ボーッとしてるのを先生に注意されてましたし、僕の顔を見ると赤くなったり……。  
一体どうしてでしょう?  
 
「……まさか、気付ちゃってたりしないよね?」  
「何に?」  
「ううん、何でもない……あ!」  
「もぐもぐ……じゃあボク、臓物丸の所に遊びに行くね」  
「遅くならないようにね。後、人のおやつを横取りはいい加減止めようよ。言えばあげるから」  
「うん。じゃあ桜君、貰うね」  
「食べた後のセリフじゃないけど、良いよ」  
 
……心にゆとりは持つ物ですね。  
 
静希ちゃんの家に着くと、2人ので迎えと同時に静希ちゃんの部屋に直行。  
宿題を一緒にやっていたと言うある程度体裁を繕ってから、ベノムちゃんのリフレクターを使います。  
 
「ここが……リフレクターの空間?」  
「うん……じゃあベノムちゃん、始めようよ」  
「はい……では、静希殿」  
「うん、ごめんね無理言って……」  
「それじゃ、今日はよろし……しっ静希ちゃん!?」  
 
僕が振り向くと、そこにはブラウスに手を掛け、顔を真っ赤にしながらボタンを一つずつ外している静希ちゃん  
ブラウスの開いた隙間から、天然真珠さえも安っぽく見える上質な肌と、ピンク色の下着が見え隠れしています。  
 
「桜君……ちょっと待ってて、今準備してるから」  
「じゅっ準備って何の!?」  
 
僕に構わず静希ちゃんはブラウスを、そしてスカートまで脱ぎ完全な下着姿になると、静希ちゃんは多少躊躇いつつ、僕に向き直りました。  
……中学生にしては大きめのサイズの膨らみに、安産型のバランスの取れたスタイル。  
 
「新しい下着なんだけど……どうかな?」  
「え? あっああ、にっ似合います……」  
「よかった……」  
 
顔を赤くしながらも、静希ちゃんは隠そうとしてるのを無理に抑えるかのように、僕に迫ってきます  
……体を隠そうとしてるのを無理矢理胸のあたりで押さえ込んでる腕が、胸を強調する姿になり、完全に僕の紳士は存在をアピールしています。  
 
『グルアアアアアアッ!!!!』  
 
……ですが、それが引き鉄となり僕の野獣が魔獣へと進化し、雄叫びを上げながら檻を粉々に砕き、枷までも一気に破壊しました。  
それどころか、僕の理性の砦を一撃でほぼ完全に近い位に破壊……精鋭部隊もほぼ全滅となりましたが、何とか一歩手前で押さえ込みました。  
スタイルでは天使達に劣る物の、僕に対しての破壊力と言う点ではやはりトップです。  
 
『踏ん張れ、踏ん張るんだ草壁桜!! ここで暴れては、今まで培ってきたベノムちゃんとの平穏は永遠に崩れるのだぞ!!』  
『野獣は僕達が抑える、だから今のうちに!!』  
『またあの日々に戻りたいのか!!?』  
『そうだ! 君はベノムちゃんを失って良いのか!!?』  
 
僕の心の傷を理解してる僕妖精達の激励で、何とか魔獣の鎮圧は成功しました。  
……ですが、魔獣が怪獣への進化の兆候を見せ始め、静希ちゃんを押し倒してしまいたいと言う衝動に駆られます。  
しかし、そんな事出切る筈も無く、僕妖精&おうムルの連合で取り押さえます。  
 
「ちょっちょっと待って! いきなり何を!?」  
「何って……健康診断の準備だよ」  
 
……やっぱり、気付いちゃってたりしたりするのでございますでしょうか?  
いや、この領域は議長クラスの天使も破れないものらしいのに、静希ちゃんがここの事を知ってる訳が……。  
 
「桜君、まさか私が気付いてないと思ってたの?」  
「え……?」  
 
……静希ちゃんの言った事に理解が追いつかず、混乱します。  
そんな僕にお構い無しに、静希ちゃんは言葉を紡ぎます。  
 
「桜君、ベノムちゃんとここで……やってるんでしょ?」  
「! なっ何言ってるの!? そっそんなわけ……」  
「じゃあここで問題、ベノムちゃんが生活してるのは、誰の家でしょうか?」  
「誰って……あっ!」  
 
そうでした……一緒に住んでいれば、気付いてもおかしくありません。  
増してやベノムちゃんは露出の多い格好をしているのですから、キスマークが残ってたかもしれませんし……。  
それによくよく考えれば、静希ちゃんと一緒にお風呂に入る可能性も無い訳ではありません……迂闊でした。  
 
「さっ……最初から……気付いてたの?」  
「うん……最近桜君が変わったのも、ベノムちゃんが来てからだから……」  
「……それと服脱いだ事に何の関係が?」  
 
これが答えだといわんばかりに、静希ちゃんは思い切り僕に抱きついてきました。  
想い人のいきなりの行動に、僕は動揺を隠せません  
増してや、服越しに感じる静希ちゃんの体温と柔らかさが、今にも僕の理性を壊してしまいかねないのです。  
 
「しっしし静希ちゃん!?」  
「桜君……」  
「え……?」  
 
……現実をこんなに疑うのは、サバトちゃんにより僕が未来ロリコンの世界の創造主になると知らされた時以来かもしれません。  
清純で優しくて可愛くて……言い出したらキリが無い為、ここまでにしておきましょう。  
とにかく、そんな静希ちゃんがこんな事を言い出すなんて、とても信じられませんでした。  
 
「すごく恥かしいんだからね……でも、桜君だからいいって思うんだよ」  
「え……?」  
「私は桜君の事が好き……幼馴染としてじゃなくて、1人の男性として」  
 
静希ちゃんの告白なのに、素直に喜べないのが悔しいと思えます。  
……何しろ僕は、あたたかさが欲しい余りに、ベノムちゃんを抱いたのです。  
断じていい加減な気持ちではなかったのですが、ベノムちゃんの純潔を受け取ってしまったのは事実。  
……ですから、そう簡単に心変わりをする訳にも行きません。  
 
「でっでも、僕は」  
「……私の事、抱けない?」  
「そっそうじゃないよ、僕は……っ!」  
 
その先を聞きたくないとばかりに、静希ちゃんは僕の口を口で塞ぎました。  
僕が見開いた目に飛び込んできたのは、真っ赤になった静希ちゃんの顔。  
そして、僕を抱き締める震えた腕。  
……本能的に、静希ちゃんが勢いだけで行動してるんだと感じ取りました。  
 
……僕の力が抜けると、静希ちゃんはゆっくりと顔を離しました。  
まるで、歯止めを壊してしまった様に振舞います  
 
「桜君が、私の事をどう思ってても構わないよ……でも、このまま終わるのは嫌だから……だから、して欲しいの」  
「静希ちゃん……でも、震えてるよ? 無理してるんじゃ……」  
「大丈夫……気にしないで」  
「気にしないでって、そんな事……」  
「お願い……」  
 
静希ちゃんの綺麗な瞳からポロポロと涙が流れ、それが僕の服を濡らしていきます。  
罪悪感が湧き上がります……でもやはり、僕はベノムちゃんの事が……  
 
「桜殿……自分の事は、気にしないで頂きたい」  
 
戸惑っている所に、意外な人から意外な言葉が出ました。  
 
「……自分は、桜殿が望むのならそれを受け入れるであります」  
「ベノムちゃん……でも」  
「静希殿なら許せますゆえ、桜殿はご自分の望まれるままにしていただきたい」  
 
ベノムちゃんは、屈託のない笑顔でそう言ってくれました。  
 
「さあ、桜殿」  
 
……許されてもいいのでしょうか?  
でも……無下に断りたくないですし、ベノムちゃんにああまで言わせて断れる訳がありません。  
……自虐気味に呟きます。  
 
「……最低だね、僕って……静希ちゃんもベノムちゃんも2人とも欲しくてたまらない」  
「最低なのは私の方……だって」  
「その先は言わなくて良い……もう、考えるのヤメにしようよ。ベノムちゃんも了承してるんだし」  
「……うん」  
 
僕はゆっくりと静希ちゃんを寝かせ、優しく口付けをします。  
 
「んっ……ふぅっ……ぴちゅっ……」  
「はふっ……ん……ぺちゃっ……」  
 
最初はただ当てるだけ……そして、ちょっとして軽く静希ちゃんの唇を舐めました。  
静希ちゃんも戸惑いましたが、僕の唇を軽く舌でなぞり、舌と舌がぶつかるとそのまま絡ませます。  
そんな時間が続くにつれ、静希ちゃんも興に乗ったかのように積極的になり、唾液を僕の口内に送ります。  
 
「じゅるっ……ちゅっ……」  
 
唾液交換が終わった後、一旦顔を離します。  
緊張が解れた様で、静希ちゃんはうっとりとした顔になってます。  
 
「静希ちゃん……一応聞くけど、ある程度までは自制できるよ……でも」  
「……桜君、判ってるくせに」  
「嫌になったかもしれないから」  
「……続けて……私の体、桜君の好きにして良いよ」  
 
その言葉を受け、首筋を軽く舐めつつ、膨らみを包む下着を脱がせます。  
 
「あ……!」  
 
これが静希ちゃんの……  
余りにも理想的な形すぎて、僕の目が言う事を聞いてくれなくなります。  
意識が完全に捕われ、涎が垂らしてしまいそうになります。  
 
「桜君……私、ドクロちゃんやベノムちゃんみたいに大きくないから、つまらないかもしれないけど」  
「そっそんな事無いよ。静希ちゃんは十分大きいし、僕は満足してるよ」  
「……そうかな? でも、桜君がそう言うなら」  
「それじゃ、触っていい?」  
「うっ……うん」  
 
静希ちゃんの了承を得た僕は、ゆっくりと静希ちゃんの胸に手をあて、撫で回します。  
静希ちゃんの顔がさらに赤くなるのを見ながらゆっくりと指を埋め、静希ちゃんの胸を堪能します。  
 
「やっぱり柔らかいな」  
「ん……そっそう?」  
「うん、もっとやっていい?」  
「……い……いいよ」  
 
了承の言葉と同時に、静希ちゃんは顔を隠そうとしました。  
僕はそれを制し、静希ちゃんの真っ赤な顔を露にします  
 
「……怖いのはわかるけど、静希ちゃんの顔が見えた方が良いよ」  
「こっ怖くないよ、ただ恥かしいから……でも私も、桜君の顔が見えた方が良い」  
「じゃあ、落ち着くまで……」  
 
その先をいい終える事無く、静希ちゃんは可愛く勃った乳首が僕の口に当たるように、僕の頭を抱え込みました。  
 
「……桜君、吸ってくれるかな?」  
「え? でっでも……」  
「ちょっと落ち着いたから……それに、嫌じゃないよ。これは本当」  
「うっうん、じゃあ……いただきます」  
 
自制強化につき、僕はゆっくりと弱めに吸い付き、静希ちゃんの甘さを軽く堪能します。  
甘さが口内に広がると、ベノムちゃんのをやる時の様に、安心感が湧き上がります、  
でも、あまり強くしてはいけない……初めての時の必須条件です。  
 
「んっ! ああっ……」  
「ちゅぷっ……ぴちゅ……静希ちゃん、大丈夫?」  
「うん……あっ! 気持ちいいよ……」  
「……それなら良かった」  
 
ベノムちゃんとの経験を生かし、静希ちゃんの乳首に軽く刺激を与え続けます。  
魔獣に進化したままなので、抑えるのがかなり大変です。  
……ですが、条件が違うのは理性も同じです。  
静希ちゃんが無理してまで、僕に身体を委ねている……だから、傷付けたくないと言う気持ちが理性精鋭部隊を進化させてるのです。  
 
「あっ……はぁっ……桜君……おいしい?」  
「うん、美味しい……もっとやるよ」  
「うん……」  
 
吸い上げる音と舐る音……そして、静希ちゃんの吐息だけが、暫くこの空間に響きます。  
そして、僕の舌がほんのりとした甘さを感じ取ってます。  
 
最後に一舐めして口を離すと、僕は静希ちゃんの頬に口付けをします。  
『安心させる事を第一に』ですから、常にケアを忘れてはいけません。  
 
「美味しかったよ、ご馳走様」  
「うん……桜君、次は?」  
「次はね、こうやるよ」  
 
ピンク色の下着越しに秘所に指を当てます。  
 
「きゃっ!」  
 
静希ちゃんは、とっさに僕の腕を制します。  
僕はそれを制する事を、あえてしませんでした。  
 
「……ごめん」  
「ううん、嫌だったら抵抗して良いんだよ」  
「いっ嫌じゃないよ……私……ただ、急だったから……」  
 
静希ちゃんは震える手で僕の腕を掴み、そのまま秘所にあてました  
僕はゆっくりと指を動かし、刺激を与えます。  
 
「んっ……あっ!」  
 
初めての感覚に戸惑う顔……そう言えば、ベノムちゃんの時は特殊な体位でしちゃったから、見れてないんですよね。  
と言う事は、これがはじめてって事ですね。  
そんな事を考えてると、指先が湿気を感じ取りました。  
……どうやら、体がその気になってきたようです。  
 
「……大分慣れてきたかな?」  
「うん……桜君が上手だから」  
「そっそう? じゃあ……そろそろ脱がせるよ」  
「うん……」  
 
今度は抵抗する素振りも無く、下着を手にかけ脱がせるまではスムーズに行きました。  
一糸纏わぬ静希ちゃんの姿……やりたい放題に妄想してた自分が、とても恥かしくなってきます。  
……まるで、この如何なる美術でも表現できない唯一無二の美  
それを汚し続けて来たかのように。  
 
「私……桜君が喜んでもらえてるのかな?」  
「そっそんな事無いよ……ただ、綺麗過ぎて言葉が出なかっただけで……」  
「……嬉しい」  
 
静希ちゃんは頬を染めて、安心したかのように微笑んでくれました。  
 
「それじゃ静希ちゃん、直にやるからね」  
「うん……」  
 
静希ちゃんの秘所に指を当て、筋をなぞる様に下から軽く這わせていき、無論突起を弾く様にそのまま何度も指を這わせます。  
一定のリズムで官能的な声を上げ、体を跳ね上がらせる静希ちゃんがとても可愛くてつい抱き締めてしまいます。  
 
「静希ちゃん……可愛いよ」  
「桜君……」  
 
抱き合った状態で、舌を舐め合いながら指はそのまま膣内へ入り込ませます。  
口の中は、指を動かすごとにこちらに多目の空気が送り込まれ、肺まで静希ちゃんに染まっていきそうです。  
顔を離し、唾液の糸がプツンと切れると、僕はさっきまで静希ちゃんの中に入っていた指を見せます。  
 
「たくさん感じてくれたんだね、静希ちゃん。こんなに濡らしてる」  
「そっそんな……」  
「嬉しいよ……」  
「桜君……あの、そろそろ……」  
 
……ベノムちゃんの時も感じた、独特の空気が流れます。  
 
「静希ちゃん……静希ちゃんは、僕でいいの?」  
「……いいよ、私桜君の事好きだから……だから、私の初めてを貰って」  
「静希ちゃん……うん、ありがとう」  
 
すっかり身支度を整えた僕の紳士を静希ちゃんの秘所にあてがい、腰を掴み何時でも挿入OKの体勢です。  
 
「……じゃあ、挿れるよ」  
「うん……」  
 
静希ちゃんはゆっくりと目を瞑り、未知の領域へと踏み込む準備を整えます。  
そして僕は、ずぶずぶと静希ちゃんの秘所に入っていく紳士から齎される快感に酔い始めています。  
 
「んっ……んあっ!!」  
 
初めての感覚に戸惑ってる様で、体温が上昇し始めてます。  
ゆっくりと推し進めていく内に、静希ちゃんの純潔の証に当たりました。  
そこで一旦止めて、静希ちゃんの頬を撫でます。  
 
「静希ちゃん……ベノムちゃんと一緒にだけど、ずっと好きだよ。今までも……そしてこれからもずっとね」  
「私も……ずっと桜君の事、好きだよ。今までは一人の男の子として……でもこれからは、特別な人としてね。勿論ベノムちゃんも一緒だけど」  
「自分も、ずっと桜殿の事が好きであります。勿論静希殿も一緒に……」  
 
今まで静かに見守っててくれたベノムちゃんが僕達の近くに来て、そのまま僕にキスをしてくれました。  
名残惜しそうに口を離すと、今度は静希ちゃんとやり始めます。  
 
「ぴちゅっ……ちゅぷっ……静希殿、一緒に桜殿と……」  
「うん……ベノムちゃん、桜君、二人とも大好きだよ」  
 
煽情的な光景に、僕の紳士は礼儀作法を始めます。  
ちょっとだけ狭くなったように感じる膣内……は、まあ後でいいでしょう。  
そうこう考えてる間に、ぴちゃっと音がして二人の口が糸を引いてます。  
 
「では、静希殿。痛いのは初めだけでありますが、桜殿と繋がっていると考えれば楽であります」  
「うん、ありがとう。怖くなくなったよ」  
「そう言って貰えて嬉しいな……静希ちゃん」  
「え?」  
「大好きだよ」  
 
今まで言えなかった言葉を言い終わってすぐ、僕は思い切り力を入れ始めます。  
メリメリと言う擬音が合う感触が紳士に伝わり、静希ちゃんも女性の痛みに耐えてます。  
 
「静希殿、頑張ってください」  
 
ベノムちゃんの声援もあり、僕は出来る限り痛みを和らげられるように腰を押し進めていきます。  
やがて……  
 
「んっ! ふぅっ! ああっ!! うくうんんああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!」  
 
やがて、静希ちゃんの処女幕が破れる感触が伝わり、勢いも手伝って一気に僕の紳士の頭が最深部に入り込みます。  
……まさか、このぷちんと肉列が弾ける感触と、それにより齎された女性の痛みによる悲鳴を、再度この五感で感じることになるとは思いませんでした。  
静希ちゃんは喉の奥どころか、まるで肺から出すような悲鳴をあげた時、即座に僕は静希ちゃんを抱きかかえ、そのまま抱き締めます。  
 
「はぁっ……はぁっ……」  
「……ご苦労様……静希ちゃん」  
「はぁっ……うん……桜君と……一つだね」  
 
静希ちゃんは僕の背中に手を廻し、抱き締めます。  
ずっと一緒に育ってきて、ドクロちゃんが来てからも変わらず優しかった静希ちゃん  
……その静希ちゃんと一つになったのです。  
 
「うん……小さい頃からずっと一緒だったけど、これからもずっと一緒だね」  
「嬉しい……嬉しいよ桜君」  
「ありがとう……痛む?」  
「うん、ちょっとね……でも、桜君だから大丈夫」  
 
……いい場面なのに、紳士は本能と言う礼儀作法に従えと抗議をしてます。  
 
「静希ちゃん、そろそろ動くよ。痛まない様にゆっくりやるから」  
「ゆっくりじゃなくても良いよ……桜君のやりたい様にやって」  
「ダメダメ、僕は一緒に気持ち良くなりたいんだから、一方的は却下」  
「うん……桜君、大好き」  
 
ゆっくりと腰に力をいれ、ピストン運動を始めます。  
紳士が秘所から出たり入ったりを、ベノムちゃんとの通常時(3回目以降)の平均スピードの0.1%程度で行っています。  
 
「静希殿、落ち着いてゆっくりと息を吸っていただきたい」  
「んっ! うん……あぅっ!」  
 
ベノムちゃんは、静希ちゃんに呼吸法の伝授に周っています。  
この呼吸方は確か、初めての時のベノムちゃんの呼吸のリズムに似てる気がします。  
 
 
そろそろゆっくりとは言え、締め付けが激しい為に達しそうになると、静希ちゃんから快感の色が混じった吐息が聞こえ始めます。  
 
「んっ! ふうぅっ……! ふぁっ! はあぁっ……! 桜君、そろそろ早くして」  
「気持ち良くなってきた?」  
「うん……」  
 
静希ちゃんの言葉を皮切りに、徐々にスピードを上げていきます。  
接続部からは、スピードが上がるに比例して、水音が可聴レベルになっていきます。  
 
「んっ! あっ! ああっ! はぁん!」  
「ううっく! くうっ! んっ! 静希ちゃん、気持ちいい?」  
「うん! 桜君! 気持ち良いよ!」  
 
ジュプジュプと言う音、静希ちゃんの声……妄想とは比べ物にならない位に、鮮明にかつ強力なまでに僕の脳を支配します。  
勿論それだけじゃなくて、静希ちゃんの汗だくの裸体、静希ちゃんの匂い、静希ちゃんのあたたかさ。  
そして……  
 
「んっ……ちゅくっ……ちゅぷっ……ぴちゃっ……」  
「んっ! ふぅっ! ちゅっ……んっ!」  
 
静希ちゃんの唇と唾液の味……頭の中で描いた物など、木星と原子の差に感じられます。  
 
「くうぅっ! 静希ちゃん! 静希ちゃん!!」  
「ああっ! 桜君! 桜君!!」  
 
うなされる様に僕の名を呼んで、僕のやる事になすがまま。  
今の煽情的な静希ちゃんの前に、理性などもうないに等しいです。  
 
「しっ静希ちゃんっ!! いくよ、出る!!」  
「うんっ! 桜君の! 桜君ので、私をっ! 私を一杯にしてえっ!!」  
「くっ! うあぁあくぁあぁああ!!!!」  
「桜っ! く……んっぁああああああぁ!!!!」  
 
ドプッ! ビュクッ!!  
 
うわ言の様に僕の名を呼ぶ静希ちゃんの締め付けが最高点に達し、僕はそのまま静希ちゃんの中に出してしまいました。  
快感の余韻とどっと来る疲労で多少気が抜けますが、今はとにかく静希ちゃんです。  
 
「はぁっ……はぁっ……さく……ら……くん」  
 
果ててもなお、僕の名前を呼んでくれる静希ちゃん……  
 
「僕はここだよ、静希ちゃん」  
「さく……ら…………」  
 
程無くして、寝息が聞こえてきました。  
僕は静希ちゃんの秘所から紳士を抜き、静希ちゃんに片腕で腕枕を。  
もう片方の腕で、静希ちゃんを抱き締めてあげます。  
僕には、ベノムちゃんが膝枕をしてくれてます  
 
「桜殿、お疲れ様であります」  
「うん……ベノムちゃん、ごめんね」  
「気にしないで頂きたい。桜殿が望んだ事でありますゆえ、自分はそれに従いたいであります」  
「ありがとう……明日から、静希ちゃんも一緒に健康診断かな?」  
「自分は、静希殿なら喜んで一緒にやるであります」  
 
ベノムちゃんの屈託のない笑顔には、本当に救われますね。  
 
「桜君……大……好き……」  
 
これからの時間……満たされない時など、一秒どころか一瞬もないでしょう。  
この2人が居る限りは  
 
 ――完――  
 

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