その子はあまりにも静希ちゃんに似ていて。正確には静希ちゃんの小さい頃に。  
 
「―だから、今度僕と静希ちゃんが二人っきりで来る時のために、おすすめスポットをいっぱい見つけ―」  
 その子と初めて会ったのは、僕が一人交換日記を書いている時でした。  
 
 南は沖縄、イリオモテ島まで旅行にやって来た、中学二年生、草壁桜他一行。  
 けれど僕の想い人にして幼なじみ、水上静希ちゃんは風邪で不参加となってしましました。  
 そりゃないぜカミさまあんたはひどいヒトだよ。静希ちゃんをノケモノにして、  
別のイベントを進めるおつもりですか。  
 けど、代わりにあの子が僕の前に現われました。  
 そう、唐突に現われた、という表現がピッタリです。  
 
 イリオモテ島に到着してからすぐ、休憩所でお迎えが来るまで、一人交換日記をノリノリで書いている僕は、気付きました。  
 隣で、小学二年生くらいの見知らぬ少女が一人、僕のノートをじっと覗き込んでいるのです。  
 慌ててノートを閉じる僕ですよ!? あの時は本当にビックリしました。  
 小さな女の子はベンチの背もたれに深く腰かけ、カラダをひねるようにコチラを向いていました。  
着ているものはぶかぶかの白いTシャツ。たぶん大人用なのでしょう。ワンピースのように腰まで届いています。  
そこからのぞく手足、首筋はきれいな小麦色で―  
<にゃーあ>  
その鳴き声と共にTシャツの裾からでてきたのは、一匹の黒っぽい茶色の仔猫。  
彼女のむきだしの腿の上で丸くなり、猫は興味深げに僕を見つめています。  
 
「こ、こんにちは」  
「……うむ」  
「地元の子?」  
「……、応」  
 風に揺れる若葉の音色みたいな澄んだ声。だけど男の子みたいな言葉遣いです。  
「え、えっと。お名前は? 僕は草壁桜」  
 なんとなく、尋ねてみます。  
「ふむ、私の名なら、世界報」  
 けれど、言葉ははあまりにも不思議な響きをもっていたので、  
「え、あ、ごめん、もう一回いい?」  
「世界報」  
「ゆがふ、ちゃん……?」  
 頷いて、少女はなんだか満足げにネコをくすぐり続けるのです。  
 
 そして僕は知りました。少女の名はゆがふちゃん。不思議な名前の不思議な女の子。  
 そして気付きます。  
 彼女が、僕から受け取った水筒のコップの中身を飲もうと、長めの髪をかき上げ、小さな顔をあらわにしたその時、  
「―!?」  
 僕は、固まります。  
「どうした?」  
 尋ねるゆがふちゃんの凛とした瞳、涼しい口元。重なる姿は―  
「あ、い、いや、ごめん。ゆがふちゃんが」  
 ―静希ちゃん。  
 
「僕の友達に、すごく似てて―」  
 ゆがふちゃんは、ぜったいにここにいるはずのない、僕の片思い相手に、正確には、幼い頃の静希ちゃんに、あまりに瓜二つで……  
「ぅむ、友達とは?」  
「ええと、僕の幼なじみで」  
「桜くーん!」  
 あ、ドクロちゃんが呼んでいます。お迎えが来たのでしょうか。  
 僕はゆがふちゃんに振り向き、  
「そうだ、僕達これから―」  
 しかし、  
「あれ……?」  
「もう、なにやってるの?」  
 飛びつくようにやって来て、僕の腕を取る天使の少女。  
「いなく、なってる」  
 さっきまで確かにここにいた奇妙な少女は仔猫ごと、カゲもカタチも、僕の水筒ごと、いなくなってて―  
「桜くん? どうしたの?」  
心配そうに天使の少女が尋ねてきたから、  
「えっと、いまココに、このくらいの小さな女の子が―」  
 
 ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー♪  
 
「桜くんはこんなトコロに来てまで小さな女の子の話なの!? 時と場所を考えて!」  
 
 それが僕とゆがふちゃんとの出会いでした。  
 僕は静希ちゃんのいない南の島で、静希ちゃんそっくりの小さな女の子に出会ってしまいました。  
 
 ゆがふちゃん―  
 
 これは、中学二年生の僕、草壁桜とゆがふちゃんのちょっと不思議な物語。  
 
 話は一気にワープ!  
 
 僕は今、背中に南さんを背負って、無人島の原生林を歩いています。  
 僕も背中も水着のまま。僕は海パン一丁で、南さんは首の後ろで結んである赤いワンピースな水着。  
 ああ、背中に南さんの温もりが……!  
 その同級生の女の子はすやすやと眠っています。  
 
 どうしてこんなことになってるのでしょう?  
 
 ゆがふちゃんと会った翌日。すなわちイリオモテ島に到着した翌日。  
 イリオモテ島の西の離れ小島まで僕達は遊びに来ました。  
 南さんの操る水牛に乗ってやって来たこの島は、まさに南の楽園!  
 僕は水着のドクロちゃんやサバトちゃんとエッチしたり交尾したりして、青春を満喫しました。  
 宮元とちえりちゃんも『二人っきり結界』の中でハレンチなことを……!  
 けれど、そんな楽しい時間も帰ろうとした時までで―  
 僕達を無人島まで連れて来てくれた牛さんの縄が何故かほどけてて。牛さんは行方不明になってしまいましたよ。  
 唯一の交通手段を失った僕達は、南の島で夜を迎えてしまいます。  
 荷物も全て水牛車に乗せたままなので、服も水着のままです。  
 南さんの発案で、島の中央のログハウスに行き、無線機で宿と連絡を取る事にしましたが―  
 
 これがまた大冒険でした。  
 ジャングルを踏破し、ゴール直前で底なし沼のトラップに引っかかり(もちろん僕が)、  
スコールに降られ。  
 そうしてやってきたログハウスですが、通信機は充電中、発電機は故障中という、最強最悪コンボ!  
 とりあえず海岸に残った宮元とちえりちゃんを呼んでこようと、再びジャングルへ。  
 しかし今度は『増水した川』トラップに引っかかり、僕と南さんだけ流されてしまいました。  
 そこに水があれば落ちて流されるのは、何かのカルマでしょうか。  
 そして僕は足をくじいた南さんを背負って、夜の南の島を歩いています。  
 
 状況説明終わり!  
 
 眠ってしまった南さんを背負い、とぼとぼ歩く僕。  
 そこに思いもよらぬ強敵に遭遇してしまいました!  
 地面の上でウネウネと細長い細長い身をタマワセテいるのは、  
「ハブなのですか!?」  
 長さはおよそ一メートル前後。月影をぬめりと照り返す背中には、薄茶色の皮膚にまるで  
毒≠サのものを体現しているかのような黒の斑紋。  
そう、それは沖縄中最強最悪の毒蛇、サキシマハブ≠ノ違いないのです!!  
けれどなにゆえ!?  
 
 ジャングルの毒蛇に対して僕の装備は海パンのみ! 毒消し草もないのです!  
 背に南さんを背負ったままの僕は、まさしく蛇に睨まれたカエル。動くことが、できません。  
 張り詰める、一蹴即発の、空気。  
 
<どうっ>  
 
「え……」  
 閉じてしまった瞳。眼前で鋭い擦過音。ゆっくりと目蓋をあければ、  
 僕の目の前には、  
 
 跳びかかってきたはずのハブの首をくわえる、一匹の仔猫。  
 
 そして、  
「うむ、間に合った」  
 声に振り向けば、  
「ゆ―」  
 ワンピースに見えちゃうくらいぶかぶかな大きなTシャツを、小さなドクロちゃんよりもさらに小さいカラダに纏った女の子……!!  
「―ゆがふちゃん!?」  
 昨日、忽然と僕の前から消えてしまった少女なのです!  
「応」  
 小麦色に焼けた肌を持つ南国少女は<したり、したり>と裸足で僕の隣に並び、  
「捜したぞ、くさかべさくら」  
 声は若葉の囀りみたいに澄んでいるのに、男の子みたいな口調で僕の手首を掴むのです。  
「え、捜したって……」  
 けれど彼女はコチラには耳を貸さず、ハブをかみ砕き、すばやく戻って来た仔猫を受け止め、肩に乗せ、  
 
「では、ついてくるがいい」  
 濡れたようにウェーブがかかった髪、そこからのぞく黒い瞳。  
 例の、静希ちゃんそっくりな表情で八重歯を覗かせ、コチラにむかって得意そうに<にたり>と微笑むのです。  
「道を知りたいのだろう……?」  
  ★  
 
「うわぁぁ……」  
 ゆがふちゃんに案内されてやって来たのは、広い夜空の下、白く輝く砂浜。  
「ここは」  
 南さんを背負ったままの僕は、岩壁の裂け目より続く浜辺に立ちつくします。  
「ふむ、ここはさくら達が昼間いた浜とは反対側。ここより砂浜沿いに行けば、元の場所に戻れる」  
 月明かりは、腕の中に仔猫を抱いた南国少女を白く浮かび上がらせます。  
「……ゆがふちゃん、本当にありがとう」  
「なに、昨日の礼をしたまでのこと」  
 僕がお礼を言うと、ゆがふちゃんは昨日の水筒を出しました。  
 そして中身のスポ−ツドリンクを気に入ったらしいゆがふちゃんに、僕はまた持ってくる、と言いかけて気付きました。  
「ごめん。実は僕達、埼玉っていうトコロから来てて、明後日にはもう帰っちゃうんだ。  
今度はいつ来れるか―」  
「んぅ……」  
 背後から漏れる声。  
「み、南さん?」  
 僕が背負っているクラスメイトの女の子、南さんが目を覚まそうとしているのです。  
「その者が」  
 ゆがふちゃんは<たすたす>と砂浜を踏み、膝をついて南さんを浜辺へと降ろす僕の隣へとやってきて、  
「昨日言っていた『友達』というものか?」  
 尋ねるのです。  
「うん、大事な友達だよ」  
 そして僕は、しゃがんで膝の上の仔猫を撫でる少女に、  
「それからゆがふちゃんも」  
 僕はtっきり彼女はこちらの言葉に「応」と応えてくれるかと思ったのですが、  
「…………」  
なんだか、赤くなっています。  
「実はね、ゆがふちゃん」  
 僕は続けます。  
「初めて会ったとき、ゆがふちゃんが僕の友達に似てるって言ったでしょう?」  
「……応」  
「その友達っていうのは、僕の幼なじみで、一緒にここに来るはずの女の子だったんだ」  
 僕の隣にしゃがむ少女は、「ふむ……」と、自分の体を見回して、  
「くさかべさくらにはこれが、その『おさななじみ』に見えるのか」  
 指先まで、確かめるように眺めるのです。  
 そして、  
「ここはどうだ?」  
と、立ち上がってぶかぶかのTシャツをめくるのです!  
「ふ、ふわああぁっ!?」  
 僕は慌てました。  
 だってだって、ゆがふちゃんはTシャツ一枚しか着ていないのですよ!?  
 下着も、ぱ、パンツもはいていません!  
 月明かりの下、ゆがふちゃんはTシャツをするっと脱ぎました。  
 
「どうだ?」  
 小学二年生くらいの小さなゆがふちゃん。  
 もちろんそのカラダも子供で。  
 小麦色の平坦な胸は、そこだけは鮮やかに乳首は紅く―  
 手足は椰子の木のようにしなやかで、か細く―  
 小さな割れ目には、もちろん毛なんか生えていないのです。  
「はわっ。はわあああっ!?」  
 いけません。見てはいけません草壁桜中学二年生!  
 けれど、僕はゆがふちゃんの小さな裸身から目が離せなく―  
「どうした。さくら」  
 八重歯を見せ、ゆがふちゃんが<ニタリ>と笑います。  
 静希ちゃん、小さい頃の静希ちゃんそっくりの顔で。  
 静希ちゃんも、小さい頃はこんなカラダをしていたのでしょうか。  
 僕はふらふらと、誘われるようにゆがふちゃんに歩み寄り―  
 ゆがふちゃんは笑みのまま、僕に手を差し向けます。  
「よいのだぞ」  
 その言葉が、合図だったように。  
 僕はゆがふちゃんの小さな体を抱きしめていました―  
 
「はぁ……」  
 ちっちゃなゆがふちゃんのカラダは、けれどとっても柔らかくてスベスベで。  
 僕は包み込むようにゆがふちゃんの小さな体を抱きしめ、砂浜にそっと横にしました。  
 ゆがふちゃんは興味深そうな黒い瞳で見上げます。  
 僕はいてもたってもいられなくなり、海パンをさっと脱ぎ捨てました。  
「これが、くさかべさくらの」  
 外に出された僕の大事なムスコに、ゆがふちゃんが手を伸ばしてきます。  
 オー、ノー! そこはいけません!  
「だめだよ」  
 僕はゆがふちゃんの手を握って止めると、砂浜の上のゆがふちゃんに覆い被さりました。  
 ゆがふちゃんの小さな体を、体重をかけないように気を遣いながら、上から包みます。  
「大丈夫?」  
「応」  
 静希ちゃんと同じく二つ縛りにしたゆがふちゃんの髪をさすり、鼻を埋めます。  
 とっても甘い香り。まるで昼間食べたパイナップルのようです。  
 そして僕はすべすべのゆがふちゃんの肌をニギニギ抱きしめ、涼しい口元に口を重ねます。  
「ん……」  
 ゆがふちゃんのほっぺたが紅くなるのが見えました。僕もそうなってるのでしょう。  
 ゆがふちゃんの唇はとっても甘くてすべすべで。本当に果物のようです。  
「ふぅ」  
 一端口を離し、僕はまたキスします。だってゆがふちゃんの唇をとっても感じちゃって。  
キスする度に、僕はカラダが痺れるのを感じました。  
「はうぅ」  
 いつしかゆがふちゃんはとろんとした瞳でぼくを見上げ、二人の口を唾液が結んでいます。  
 僕のカラダの下でゆがふちゃんが身じろぎします。  
「もっと?」  
「……応」  
 いけない子です。  
 月明かりの下、僕はもっともっとゆがふちゃんのカラダを求ました。  
 
 小麦色の首筋に唇を付けて吸うと、  
「ふうぅん!?」  
 ゆがふちゃんは鼻にかかった甘い声を上げます。  
 僕はそのまま首を下げ、平坦な胸まで口で吸いました。  
「はっ……!」  
 ゆがふちゃんの紅く鮮やかに咲く乳首。それを指で摘んでクリクリと撫で回すと、  
「はあぁ、ああぁ……!」  
と熱い吐息を吐いて、身悶えます。  
 こんな小さな、セイリ前のカラダで感じているなんて、ちょっと不思議です。  
 指でこねながら、乳首の先端にキスすると、ビクッとカラダが跳びはねました。  
僕はもう片方の乳首を口に含み、ちゅと吸い立てます。  
「はああぁ……」  
 切なげなゆがふちゃんの声。  
 ゆがふちゃんはもちろんおっぱいはまだ出ませんけど、とっても甘い味がしました。  
まだ膨らんでもいないのに、女の子って凄い。  
 僕は女の子の神秘さを改めて知りました。  
 ちゅっちゅっと胸を吸って離すと、ゆがふちゃんは、「はあぁ……」と深く息を吐きます。熱く甘い吐息。  
安心したような、未練そうな声。  
「ここいい?」  
「……応」  
 ゆっくりと脚を広げさせると、その中心の、ぴったり閉じた割れ目が見えます。  
 指を一本伸ばすと、ビクッと腰が震えます。  
 ふふ。なんだかんだで怖がっているのでしょうか。  
 指先で触れたそこは、もうすっかり湿っていました。指先に触れた液を舐めると、とっても甘くてジューシー。  
 僕はたまらず、ゆがふちゃんの割れ目にしゃぶりつきました。  
「ああっ!」  
 若葉の囀りみたいな声が夜空に走ります。  
 僕はぺろぺろと、ゆがふちゃんの蜜を吸いました。  
「あ……吸っったら……さくら……あうぅ!」  
 ゆがふちゃんの腰がビクンビクンと脈動し、僕に緊張を伝えてきます。  
脚にもしっかり緊張が伝わり、力んでいました。  
 僕はちゅーとゆがふちゃんの股間を吸い、そして舌で突付きます。  
「はああぁっ!?」  
 まるでスイッチが入ったかのように、ゆがふちゃんは腰を上げ、ジャーと液を漏らしました。  
 パイナップルのように甘いゆがふちゃんジュース。僕はそれを残さず飲み干します。  
 
「はぁ、はぁ」  
 潤んだ瞳で、砂浜に横たわる小さなゆがふちゃん。その顔は本当に静希ちゃんそっくりで。  
 僕は小さい頃の静希ちゃんは抱いてるような錯覚に陥りそうです。  
「ゆがふちゃん……」  
 混同しないようにはっきり名前を呼び、僕は広げたゆがふちゃんの両脚に腰を割り込ませました。  
 もう僕のムスコはパンパンに直立しています。  
 ムスコの先端が、むにゅっとゆがふちゃんの亀裂に触れました。  
 それだけで、僕のカラダに電気が走ります。  
「く、うぅ……!」  
 ゆがふちゃんの顔が、初めて苦痛に歪みました。  
 
「ゆがふちゃん!」  
 それでも僕は止まりません。  
 腰にあらん限りの力を込めて、叩き付けます!  
「い……!」  
 ゆがふちゃんがぐっと悲鳴をこらえるのが見えました。  
 けれど僕は耐えられません。  
 ぐっと力を入れると、ムスコの先端をぐにゅっと暖かくてやわらかい肉がしめつけます。  
   
 ゆがふちゃんに入ったんだ…!  
 
 と思った瞬間に、僕の頭は真っ白になり、解放感が下半身から放たれます。  
 ドク、とゆがふちゃんの小さな割れ目に熱い僕液が注ぎ込まれ、そしてすぐにムズコが出てしまい、  
あとはゆがふちゃんのお腹を白く汚してしまいました。  
 
 はぁはぁ  
 
 二人で横になって砂浜の上で息を整えていると、ゆがふちゃんと目が合いました。  
 二人でフフと笑いあいます。  
「―今宵は楽しかった」  
「へっ?」  
 静希ちゃんに似た少女は、凛と微笑みを浮かべ、すっと立ち上がり、  
「また、お主のセイエキを注ぐのだぞ。約束だ」  
「ゆがふちゃん?」  
 その時に起こる、<ざぁあっ!>という強い風。  
「ゎぷ……っ!」  
 僕は思わず腕で顔を覆います。  
「大丈夫? ゆがふちゃ―」  
 けれど、砂浜の上には誰もいません。  
「あれ?」  
 僕は立ち上がり、妙な感覚にとらわれます。これと同じようなコトを、前にも経験したような……  
「―!!」  
 フラッシュバック。それは確か、春。グロテリアス川沿いの満開の桜の中で。  
僕は着物を着た小さな女の子ハルちゃんと―  
 そして、今日は―  
「この樹は、ガジュマル……!?」  
 見上げる大樹。その南洋樹は砂浜と密林の間に根を張り、頭上を覆うようにして海へとせり出しているのです。  
その周りにはたくさんのパイナップルがなっていて―  
「……桜、くん? ここは―」  
 見れば南さんが砂浜から体を起こし、周囲を見まわしています。  
 そして僕の下半身に目を留め、  
「小さい」  
 はっ!? そういえば、僕はすっパダカだったのです! 海パン海パン。  
 けれど、慌てる僕とは正反対に南さんはクールそのもの。  
首の後ろで結んである結び目を解いて、赤いワンピースをはだけて、  
「わたし、確か近所のお兄ちゃんにしてもらったのが、最後だった」  
「してもらったって、抱かれるのを?」  
 彼女が頷くのが解ります。  
「わたし、桜くんが―」  
 風に揺れる南さんの長い髪。胸も期待に膨らんでいました。  
 僕は誘われるまま、南さんへと抱きつきます。  
 その膨らんだ乳房に手を伸ばし―  
 
 
「……桜、くん? ここは―」  
 見れば南さんが砂浜から体を起こし、周囲を見まわしています。  
 そして僕の下半身に目を留め、  
「小さい」  
 はっ!? そういえば、僕はすっパダカだったのです! 海パン海パン。  
 けれど、慌てる僕とは正反対に南さんはクールそのもの。  
首の後ろの結び目を解いて、赤いワンピースの水着をはだけて、  
「わたし、確か近所のお兄ちゃんにしてもらったのが、最後だった」  
「してもらったって、抱かれるのを?」  
 彼女が頷くのが解ります。  
「わたし、桜くんが―」  
 風に揺れる南さんの長い髪。胸も期待に膨らんでいました。  
 僕は誘われるまま、南さんへと抱きつきます。  
 その膨らんだ乳房に手を伸ばし―  
 
 ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー♪  
 
「もう! 桜くん恋の火遊びはダメっ!」  
「ド、ドクロちゃん!?」  
「大丈夫、南さん?」  
「桜くんが、脚を挫いたわたしに襲いかかかってきて、『キミに興味があるから、お礼として水着をぬいで、  
自分を表現しろ』って……」  
「桜、くん……?」  
「ええぇぇぇぇ!? なにそれ!」  
「桜くんはボクだけじゃなく、南さんにもそんな自分勝手なお願いを……!!」  
 
 
 ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー♪  
 
 ドクロちゃんが見つけてくれた牛車に揺られ、僕達は一路南の島を後にします。  
ゆがふちゃんとの思い出の島を。  
「桜、くん」  
 脚が動かなくても操れるから、と操縦している南さんが小声で囁いてきます。  
「明日……またあの島に行かない? 二人っきりで」  
「え?」  
「怖いの?」  
「う、ううん」  
 僕は首を横に振ります。  
 そうです。沖縄旅行は三泊四日。まだ日数はあります。  
 ここには静希ちゃんはいないけど―  
「明日、またね」  
 クールビューティーなクラスメイトの南さんがー。  
 
(おしまい)  
 

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