今日は、草壁家にはお父さんとお母さんが不在です。  
二人が帰ってくるのは明日の朝、お昼ごはんの前には帰ってくるのです。  
こういう日は大抵ドクロちゃんに振り回されて一日を過ごすのですが、  
(別にこういう日でなくても振り回されてる気がしないことはないのだけれども)  
幸い今日はドクロちゃんは朝早くからボンドを買いに出かけてしまいました。  
そう、何を隠そう今僕はザクロちゃんとふたりきりなのです!  
 
 時刻は既に午後12時過ぎ。  
僕はザクロちゃんが作ってくれたお昼ごはんを食べ終わり、  
居間でゴロゴロと寝転がりながらテレビを見ています。  
そのザクロちゃんはというと、ドクロちゃんがいない今こそがチャンスと、僕たちの部屋を掃除してくれています。  
相変わらずザクロちゃんはとても気の聞くやさしい女の子です。  
この子があのアホ天使の妹で、まだ9歳だなんて今でも時々信じられません。  
そんなことを僕が考えているときに事件は起こったのです。  
 
 
僕が、タモ○さんの番組を見てい大笑いしているところに、ザクロちゃんがやってきました。  
「桜さん、テレビを見ているところ、よろしいでしょうか?」  
いつも通りに話しかけてくるザクロちゃんですが、どこか雰囲気がいつもと違います。  
おまけに、手を後ろに隠しているところを見ると、掃除中に何かを発見したようです。  
僕の灰色の脳細胞は一瞬でフル稼働します。  
果たして、ザクロちゃんは何を見つけてしまったのでしょうか?  
まさか、僕と静希ちゃんの揺れ動く感情を赤裸々に綴った一人交換日記を!?  
それとも宮元が誕生日プレゼントにくれた、幼女もののエロ漫画!?  
そんなものがザクロちゃんに見つかってしまったら大変です。  
ザクロちゃんに「お兄様(ハート)」と言ってもらうという僕のささやかな夢も一巻の終わりです。  
いや、でもその二つは僕の引き出しの鍵のかかったところに入れてあるのはずでわ?  
じゃあ、一体何をザクロちゃんは見つけたんだ?   
あれ、もしかして僕は全然関係ないもの?  
ええーい、もういい。なんとでもなれ!  
 ここまでの思考を1秒で終えた僕は、平静を装ってザクロちゃんに答えます。  
「うん、全然構わないよ。どうしたの、ザクロちゃん?」  
「いえ、あの大したことではないのですが、お掃除中に気になるものを見つけてしまって。  
 桜さんはこれがなんだかご存知ですか?」  
「…………なっ、それは…。」  
ザクロちゃんが手に持っているものを見て僕は絶句してしまいます。  
何ということでしょうか。  
一人交換日記よりも、エロ漫画よりももっとやばいものをザクロちゃんは見つけてしまったのです。  
 
それは、ピンクのモヒカン天使がドクロちゃんに使わせようとして、見事玉砕したもの。  
破廉恥極まりないものです。  
あの変態、どさくさにまぎれてうちにあれを置いていくだなんて、なんてことをしてくれたのでしょうか。  
そう、ザクロちゃんが今もっているものは、9歳児には縁遠い、大人のおもちゃ。  
棒状で先が丸くて、ウィンウィン動くものだったのです!!  
 
「桜さん、どうしたのですか?もしかして、これは見つけてはいけないものだったのですか?」  
女神のような顔を少し曇らせたザクロちゃん。このあどけない女の子に真実を教えるわけには行きません。  
僕はどうにかしてこの場をしのがなければならないのです。  
「えっとね、ザクロちゃん。それはザンスさんがうちに忘れたまま帰っちゃったものなんだ。  
大人のおもちゃだし、ザクロちゃんは何か知らなくていいんだよ?  
さ、それを僕に渡して。ドクロちゃんに言って、ザンスさんに取りに来てもらうからさ。」  
我ながら完璧なフォローです。一部の隙もありません。  
とっさにこれだけのことが言えるだなんて、やはり僕は天才?  
ザクロちゃんを汚すことなく、自体を回収できそうで僕は一安心。  
しかし、そんな僕をあざ笑うかのように、事態は予想外の方向に展開してしまうのです。  
 
「…………。ぐすっ。そんな桜さんまで、、」  
なんとザクロちゃんは泣いてしまいました。僕はいけないことをしてしまったのでしょうか?  
もうなにがなんだかさっぱりわかりません。  
「ザクロちゃん、どうしたの?僕、何か悪いこといったのかな。  
ごめん、誤るから教えて。何をザクロちゃんは泣いてるの?」  
 
ザクロちゃんは目を赤く晴らしながらも答えてくれます。  
「わたくし、向こうの世界にいたときによくいじめられていたんです。  
発育もよくて、いろんなことを知ってるのに、肝心なとこはお子様のままだって。」  
「でも、こっちに来てからは、桜さんも、皆さんも優しくしてくださって。  
それで、こちらでいろいろと勉強して、向こうの皆を見返してやろうって思ったんです。」  
「それなのに、桜さんに子供扱いされたので、遂泣いてしまって…。  
ごめんなさい、桜さん。私が悪かったんです。いきなり泣いたりしてしまって、すいません。  
こんなんじゃ、わたし天使失格ですね。」  
 ザクロちゃんの意外な過去を聞いた僕は唖然としてしまいます。  
知らず知らずのうちにザクロちゃんの過去の傷に触れていただなんて…  
僕はいけない子です。取り返しのつかないことをしてしまいました。  
どうすればザクロちゃんを慰めてあげることができるでしょうか?  
 
―簡単だよ、桜君。落ち着いて考えてみたまえ。答えは君のすぐ目の前にあるじゃないか。  
あっ、名探偵オウムル。助けに来てくれたんだね。でも、答えは僕の目の前にってどういうことだい?よくわからないよ?  
―初歩的なことだよ、桜君。君は、ザクロちゃんを子供扱いして、大人のおもちゃの何とかを教えてがなかった。  
なら今からでも、遅くはない。使い方を教えてがればいいのさ!  
でも、使い方を教えちゃっていいの?だって、ザクロちゃんはまだ9歳なんだし。  
それにもし途中でドクロちゃんが帰ってきたら…  
―またザクロちゃんを子ども扱いしてるじゃないか、桜君!それがダメだというんだよ。  
 ドクロちゃんが帰ってきたって構わないじゃないか。君はザクロちゃんに聞かれて教えてあげるんだ。  
 誰も君を攻めることはできない!  
そうか、そうだね!ありがとう、オウムル!  
 
オウムルの助言を受けた僕は早速行動を開始します。  
「さっきはごめんね、ザクロちゃん。僕何も知らずに、子ども扱いしちゃって。  
お詫びにこれの使い方教えてあげるね。」  
「本当ですか、桜さん!?ありがとうございます!」  
ザクロちゃんは女神のような笑顔で僕に抱きついてきます。  
ザクロちゃんの豊かな双丘に僕の顔が埋もれ、フニフニした感触が、僕の理性を溶かして生きます。  
「はっ、桜さん、しっかりしてください。桜さん頭から黄色い汁が!」  
「ううっ、ありがとうザクロちゃん。大丈夫だよ。  
 さぁ、気をとりなおして、今からこれの使い方を教えてあげるね。」  
「はい、よろしくお願いします。」  
ザクロちゃんは満面の笑みを浮かべながら、元気よく返事をしてくれました。  
いよいよ、僕のザクロちゃんへの授業の始まりです!  
 
「じゃあ、まずはズボンとパンツを脱いでもらおうかな。」  
「えっ、脱がないといけないのですか?その、それを使うには…  
 脱がなくても使える方法はないのでしょうか?その、やっぱり恥ずかしいです。。」  
僕の発言を聞いたザクロちゃんは顔を赤らめ、もじもじしながら僕に質問をしてきます。  
「うう〜ん、そりゃあ脱がなくてもできないことはないんだけどね、ザクロちゃん。  
大体の人は脱いでから、これを使うモンなんだよ。ザクロちゃんは初めてなんだし、基本どおりいっとこうよ。」  
「そうですか、わかりました。でわ、早速。」  
 
 

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