「今日で一週間か…」  
―今日は日曜日だ  
わたしは1週間もの間、風邪をひいて寝込んでいる。たかが風邪で1週間も寝込むとは思いもしなかった。  
わたしは作中で「南さん」と書かれている女だ。下の名前すらまだ公表されていない。  
1週間前、わたしは草壁桜という少年の誕生日会に誘われて出席した。最初はあまり気乗りがしなかったが、少し張り切ってケーキを焼いて持っていこうと思った。わたしはその桜という少年の驚く顔を見たかったのかもしれない。  
ケーキは自分が思い描いた以上に上手くできていて、それを持っていった。  
桜くんの驚く顔が見られて、内心嬉しかったけど、ある天使によってそのケーキは台無しになってしまった。  
ドクロちゃんという天使だ。ポーカーフェイスの称号を得て久しいわたしも思わず、驚きを表情に出してしまった。  
本当はすごく哀しくてしょうがなかったけれど、だからといってどうしようもないことだったのかもしれない。  
わたしは家に帰ると、熱があることに気付いた。冬ももうとっくにおわったというのに風邪をひいてしまった。  
学校を1週間休むなんて初めてのことだ。まだ熱があるけれど気分が楽になってきた。  
 
1週間の間、ベッドに入って天井を見上げては、考え事ばかりしていた。勉強のこと、クラスメートのこと…列挙していけばきりが無い。  
1つだけ、ずっと考えても答えの出ないものがあった。どうしてわたしはあの時にケーキを持って行こうなんて思ったんだろう…。  
わたしは本当に桜くんの驚く顔が見たかっただけなのだろうか。それならば、もっと別なものでよかった筈だ。  
その時のわたしに尋ねてみるが、そこに答えなど見当たらなかった。  
わたしは桜くんのことを考えていると、胸が熱くて苦しくなってしまう。こんな感覚は初めてだ。  
考えを振り切るように目を閉じる。でもそんなことでは振り切れない。  
桜くんが呼んでいるような気がした。わたしは気がつくと、パジャマのままで外に出ていた。  
桜くんの家が何処にあるのかなんて、わからない。でもわたしは桜くんの声がする方に歩いていった。  
どれだけの距離を歩いたか、ここが何処なのかはわからない。わかっているのは桜くんの声が次第に大きくなっているような感覚があるということだけである。  
突然、景色がグニャリと曲がったかと思うと、景色がセピア色になっていった。  
だんだんと意識が遠のいていく、わたしは気を失った。  
 
 
―「桜さん、ただいま戻りました」  
下から妹天使の声がしました。僕は階段を駆け下りていきます。  
「あれ?未来の世界に行ってるものだと…」  
「すみません。おねえさまがどうしてもマヨネーズ・キングダム(3巻参照)に行きたいと仰るので…」  
「あ、いいんだよ、そんなこと…。ところでドクロちゃんは…?」  
「はい。おねえさまはキングダムの秘密を探るために閉館まで隠れている…と」  
「ああ、そうなんだ…。ザクロちゃん、大変だったね…」  
「いいえ、いつものことですから」  
ドクロちゃんは僕だけでなくザクロちゃんにも迷惑をかけていたんですね。でも、あの天使には「借り」があるので、まあなんといいますか…。  
 
 
僕は部屋に戻ると、1時間ほど眠ってしまったようです。時は夕方。  
身体を起こすと、目を外の世界にやります。鳥が元気に空を飛んでいて、道を犬コロが走っていて、その道の真ん中に人が倒れていて…。え?人!?よく見ると、髪の長い女の人が僕の家の前に倒れていました。  
僕は階段を駆け下り、玄関から飛び出すと、その女性のもとに駆けつけます。  
この女性、見覚えがあります。綺麗な黒い色をしたどこまでもまっすぐで長い髪。  
間違いない、僕のクラスメートの南さんです。しかも、…なんでパジャマのままなんでしょうか。  
「…み、南さん?南さん!?」  
僕は倒れている南さんの肩を揺すります。南さんが起きる気配はありません。額に手を当てると、すごい熱を感じます。これはただごとではありません。  
「ちょっと、ザクロちゃーん、手伝って!」  
僕は家で料理を作っていた妹天使に救援を要請します。妹天使の力を借りて、南さんを家に入れて、布団に寝かせることに成功します。  
 
そこは僕の部屋です。眠っている南さんの脇にザクロちゃんと僕。なんとも変な構図です。  
「桜さん」  
妹天使が僕に言います。  
「この方の病状を調べますので、少し外していただけませんか?」  
「え…あ、うん」  
僕は部屋の外に出ます。まるで手術室の前で待つ家族の心境です。ザクロちゃんは医者でもやっていたのでしょうか…。  
僕は下に下りると、タオルと水を張った洗面器を用意して、部屋の方に戻ります。  
「桜さん、もう入ってよろしいですよ」  
妹天使の声がしたのはちょうど戻った時でした。  
「ザクロちゃん、南さんはどうしたの?」  
「ただの風邪ですね。風邪ですけど、熱が高くて…。だいぶ無理をなさったのでしょう……」  
「どうして、僕の家の前で倒れていたんだろう…?あと、家の前に倒れてたのにザクロちゃんはどうして気がつかなかったの?」  
「それはわたくしにも分かりません。人というのはときに凄い力を発揮するというのを本で読んだことがありますけれど…。わたくしが帰ったときには、家の前に何もありませんでしたが…」  
 
「桜さん、この方の看病をお願いできますか?わたくしは料理を作っている途中ですので…」  
「あ、うん。ザクロちゃん、どうもありがとう」  
ザクロちゃんは階段を下りていきました。  
僕は水で濡らしたタオルを絞って、南さんの額に当てます。このくらいしか僕にできることは無いでしょう。  
南さんはうぅとうめき声のようなものをあげます。うなされているのでしょうか、でも僕には予測しかできません。  
僕は部屋に南さんと2人きりということに気付きました。思わず、1人で照れてしまいます。  
でもその南さんは僕の知っている南さんとは大きくかけ離れています。  
南さんは中学生なのに、大人の女性のような感じに見えたりしますが、今の南さんは触れるだけで崩れてしまいそうなガラス細工に見えます。  
ポーカーフェイスがトレードマークの彼女ですが、今日はそのトレードマークもありません。  
僕には南さんの回復を待つということしか残っていません。僕と寝込んでいる南さんの間に時間は静かに流れます。  
 
 
―ここはどこなんだろう…。わたしは暗闇の中にいる。どこに行けば出られるのか…。  
一筋の光が見えた。わたしはその方向に走ってみる。光の元へ行くと、光がパァっと開かれていったような気がした。  
 
 
「ん…ううん……」  
どうやら南さんが意識を取り戻したようです。南さんは目を覚ますと、周りをきょろきょろと確認します。そして僕の姿を発見して、かなり動揺しています。  
「な、なんで桜くんがいるの…?」  
南さんが身体を起こします。  
「それはこっちのセリフだよ。どうして南さんは僕の家の前で倒れてたの?」  
「そ、それは…」  
南さんは口篭ってしまいます。僕はこんな彼女を初めて見ます。  
「桜くん…うぅ……ぐすっ…」  
「み、南さん!?」  
南さんは突然泣き出してしまいました。ポーカーフェイスな彼女が見せる様々な行動に僕はどうすることもできません。  
「ぐすっ…ぅう…桜くん…」  
「え!?ちょっと…南さん!?」  
南さんは僕の胸で泣きはじめてしまいました。僕はどうすればいいのでしょうか…?  
 
―わたしは無意識のうちに桜くんの胸で泣いていた。なんでだろう、桜くんに触れていると、胸にあった痛みがすぅっと和らいでいくような気がする。これが「好き」っていう感情なのかもしれない…。  
わたしは桜くんのことが好き…なのかもしれない。桜くんの胸はあったかくて、心臓の鼓動が聞こえて、それだけでわたしはなんだか安心したような気分になっていく。  
 
3分。南さんが泣き止むと、ようやく顔を離してくれました。  
「み、南さん…?」  
「桜くん、ごめんなさい…。この際だから言うね……わたし、桜くんが…好き……」  
「え…?」  
クールビューティーの予期しない発言に僕は呆気に取られてしまいます。いつもはポーカーフェイスな南さんも顔を赤らめてしまいます。  
 
「いけないよ…僕には」  
「水上さんがいるんでしょ。風の噂で聞いたわ…。でも今日だけでいいから…桜くんの近くにいさせて……」  
僕は心臓バクバクモノです。いつもは僕をいぢめてばかりの南さんがちらっと見せた女性の色香に僕もドキリとしてしまいます。  
静希ちゃんにこの事実が知れたら、「独占欲の強い」彼女のことですから間違いなく僕はミイラでしょう。だからと言って、南さんを傷つけてしまうと後の「反撃」が恐ろしいです。  
選択肢は一つです。ここは穏便に済ませる戦法しかありません。  
「うん。わかったよ、南さん…。今日だけだからね…」  
「ありがとう…」  
 
「…桜くん……」  
南さんが僕の顔を見つめています。いつものような凛々しい表情でなくて、どこか脆くて儚いような表情に僕のピンク色の感情が沸々と煮えているのが分かります。  
頭からピンク色の液体が出てきているのが分かります。  
彼女は僕の手を力強く握っていました。僕の胸もドクンと一段と高く、跳ねます。  
「ねぇ、桜くん…。わたしの胸…ドキドキしてる……」  
そう言いながら、僕の手を自分の胸の方へ持って行きます。…って、あぁぁぁ、まずい、当たる当たる!面舵一杯!スクリュー逆回転!  
 
しかし、クルー達の必死の努力にもかかわらず、彼女の胸に僕の手は当たってしまいました。ドクロちゃんとも静希ちゃんのとも違う、感触に思わず酔ってしまいます。  
理性軍の士気が低下!まずいですってば!まずい!  
それに追い討ちをかけるように彼女はさらに酷な難題を提示してきます。  
 
「わたし…桜くんに抱きしめてもらいたいの……」  
「ええっ…?でもそれは…」  
「できないの…今日は僕の『1日彼女』って言ったじゃない…」  
「そこまでは言ってない!言ってないって!」  
「別にいいけど…明日学校で水上さんに今日あったことを話すわよ…。桜くんが無理矢理家に連れ込んで……病気で弱っているわたしを…」  
南さんの発言に一挙一動する僕。まずいです。いくらウソであっても、僕が弁明したところで、「じゃあ証明して見せて…」とか言われて、僕にはミイラになるコースが待っていることが確実です。やっぱり穏便に済ますほか無いようです。  
「わかったよ、南さん…」  
「桜くん…」  
 
僕と南さんの抱擁は長い間続きました。彼女の身体は僕が考えていたよりもずっと華奢で、守ってあげたくなるような存在でした。僕は思わず、長くて美しい髪を撫でてしまいます。  
「桜くん…!」  
僕は南さんに唇を奪われてしまいました。でも舌を絡めあうようなモノではなくて、恋人同士が愛情を確かめ合うように交わすようなキスです。  
南さんはようやく唇を離してくれました。  
「み、南さん!?」  
「わたしのファーストキスなのよ……」  
「ええっ…でも……」  
「わたし……桜くんに抱いてもらいたいの…」  
「それは…流石にまずいって……!」  
南さんは僕から少し距離を置きました。そして、僕に訴えかけます。  
「なんで…わたしじゃだめなの…?水上さんはよくて…わたしはだめなの……?」  
南さんは涙目で訴えています。これが演技なのか本心なのかは置いといて、やっぱり女の涙には弱いです。あぁぁぁっぁ、そんな瞳で見ないでぇぇ!  
ていうか、なんで静希ちゃんとの関係を知っているんでしょうか!?女の直感ですか!?  
 
―はらり  
「え…?」  
南さんはパジャマのボタンを外すと、パジャマを脱いでいきます。次に…下のパジャマを…って時点で僕は腰を抜かしてしまいました。  
「桜くん…これでも……だめ…?」  
南さんの身体は静希ちゃんのものと負けず劣らず、美しいです。美しい曲線を描いていて、それでいてついているべき部分は(成長途中ですが)しっかりついています。やっぱり僕には見とれることしかできません。  
「そんな目で…みないで…」  
さすがの南さんも顔が真っ赤です。  
僕の理性軍は全滅です、それに加えて、彼女が「静希ちゃんカード」をちらつかせたという事実が大義名分となって、僕の背中を押しています。  
「今日だけだからね…」僕が念を押すと、南さんは小声で「うん…」と言いました。  
僕は南さんを布団の上に座らせます。  
 
 
早速と言ってはなんですが、南さんのブラのホックを外すと、腫れ物を触るように彼女の胸に指を当てていきます。  
―ぷにゅ  
柔らかい音が僕の手を通って、伝わってきました。  
さっきも触りましたが、女の子の胸の感触は一人一人全く違うようです。  
僕は頂きに触れないように周りからじっくりと責めていきます。  
「………」  
南さんに反応はありません。さすがはポーカーフェイスで知られた南さんです。  
でも僕にだって自信はあります。なんといっても「あの」静希ちゃんと「渡り合って」きたんですから。  
南さんの反応を確かめるように少しずつ指の力を強めます。南さんは声が出ないように歯を食いしばっているのが分かります。  
「南さん、気持ちいいの…?」  
「そんなこと…ない」  
僕はイタズラっぽく訊いてみます。南さんは否定しますが、額にはうっすら汗が浮かんでいます。  
僕は指の力に緩急をつけ始めます。  
「……んん…」  
南さんが声を上げました。  
「南さん感じてるんだね…?」  
僕が尋ねると、彼女は真っ赤な顔を左右に振って否定します。その仕草も可愛すぎです。  
僕は少しずつ尖ってきている突起に指の腹を当てていきます。  
「んんぁ…ん」  
南さんが感じているのが分かります。  
「やめないで、桜くん…もっと触ってほしい……」  
「うん…行くよ、南さん」  
僕は愛撫を再開します。緩急を付けて、突起を責めていきます。  
「ああぁん、さくらくん……、んんふぅ」  
クールな南さんが感じてくれているという事実は僕を勇気付けていきます。  
「んん!?…さくら…くん……ああぁぁぁ…んぅ…」  
僕は南さんの胸にしゃぶりついていました。  
南さんの胸は甘い匂いがして、甘い味が口の中に広がっていくようです。  
僕は舌の動きを早めていきます。  
「あぁぁぁ、さくらくん…もっと……もっと…」  
南さんの希望に応えるように、さらに激しくしていきます。  
「んんん…、さくら…くん…すごい…んあああぁぁ」  
僕は口を静かに離します。  
南さんも肩で息をしています。  
「南さん、気持ちよかった…かな…?」  
「うん…」  
今度は否定はしませんでした。普段の彼女が見せない女の表情に僕もどうにかなっていそうです。  
 
「南さん…続けるよ……?」  
「うん…桜くんに任せる……」  
南さんはこれから起きることへの恐怖からか目を閉じています。  
「うん。僕に任せて…」  
僕は南さんのショーツを少しずつ脱がせていきます。  
南さんを下着を取ると、彼女の身体を包み隠すものは何もありません。  
僕は彼女のお尻に手を回して、撫で回すように手を動かします。  
「…桜くん、くすぐったい……」  
僕は南さんの言葉を無視して、愛撫を続けます。  
「…んん、桜くん…」  
南さんは感じ始めているようです。僕は力を込めていきます。  
「んん…はぁはぁ、さくら…くん…」  
南さんは切なげに身をよじります。  
南さんがお尻で感じているようです。  
僕は愛撫をやめて、脚を開かせようとします。  
南さんは抵抗することなく、脚を開いていきます。  
南さんのそこはもう妖しい蜜が出ていて、まさに女の園です。  
「見ないでよ…桜くん」  
南さんの顔が真っ赤です。さすがの南さんもオトメノハジライを感じているようです。  
僕は首を横に振って言います。  
「南さんのここ、すごく綺麗だから…」  
僕は彼女の割れ目に指を当てていきます。柔らかい肉が僕の指を包んでいくような感覚に酔いしれます。  
「んんあぁ…さくらくん…」  
今度は南さんの割れ目に指を少しずつ入れていきます。第2関節くらいまで入れると、静かに指を動かします。  
「さくら…くん!?あぁぁぁんぅ…」  
僕はわざとくちゅくちゅという音を立てて、南さんの中をかき回します。  
「さくらくん…だめ…もうだめなの…んんんあぁぁぁ…!」  
「まだイッちゃうのは早いよ、南さん…」  
僕は南さんの割れ目に舌を入れていきます。  
「…んん、中に入ってくる…!やぁん、んんあぁぁ」  
南さんは身体をビクビクさせて、襲い掛かる快楽の波に耐え切れないようです。  
僕はもっと舌の動きを早くしていきます。  
「あああぁ、さくらくん!だめ…中で……暴れてる…!」  
南さんの中から分泌される愛液の量が増えているように感じます。僕はその妖しい蜜をすすりとっていきます。とても甘酸っぱい味がして、これも静希ちゃんのものと違う味がします。  
 
僕はプックリした突起を見つけると、それを舌先で転がします。  
「やあっ、やだ!…さくらくん……だめなの…」  
「南さんのここえっちな汁が溢れてるよ…『やだ』なんて言ってるけど、本当は気持ちよくて…もっとしてほしいんでしょ…?ここ…すごく熱くなってるよ?」  
僕はわざとらしく尋ねます。実際に南さんは腰を突き出して、僕の口と密着させようとしていました。  
僕は口を離して、彼女の反応を見ます。  
「さくらくん…もっと…もっとさくらくんが……ほしい…」  
「南さん、じゃあ行くよ」  
「うん…。きて…さくらくん」  
僕は分身を取り出すと、南さんの蜜を自分のものにまぶしていきます。  
 
僕は南さんの秘所に分身をあてがいます。  
「本当にいいの?南さん」  
「うん…」  
最後に確認をすると、分身を入れようとしますが、とても強い抵抗に押し戻されてしまいます。僕は意を決して一気に押し入れます。メリメリと僕のモノが入っていきます。ブツブツと何かが切れる音がしました。  
南さんの初めてを僕が奪ってしまいました。南さんの中も熱くて狭かったですが、静希ちゃんのものとはだいぶ違った感触がします。  
「んっ、ああああああぁっ!」  
「南さん、全部入ったよ…。」  
南さんは目に涙を浮かべています。  
「ごめん南さん、痛かった?」  
「うんちょっとだけ…、でも……もう…平気よ」  
南さんは歯を食いしばって、痛みに堪えているのが分かります。  
「桜くんの…こんなに……大きいなんて…知らなかった…桜くんがいっぱい…」  
僕は腰を動かさずにじっくりと「そのとき」を待ちます。  
「桜くん……動いて…」  
僕は南さんの身体を気遣いながら、ゆっくりと腰を動かしていきます。  
「んんっ、……あぁ…さくら……っくん!」  
南さんは苦しそうな声で身悶えます。  
「南さん、大丈夫…?」  
「わたしは……平気…だよ。…桜くんの……だから…もっと動いて……」  
「涙出てるよ?」  
「これは…嬉し涙だよ…さくらくん…とひとつに…なれたから…お願いもっと……動いて…」  
「うん…、じゃあ行くよ…」  
僕は再びゆっくりと腰を動かしていきます。  
「あっ!んんっ!…ぁあん…やぁん…さくら…くん!」  
南さんの辛そうで切なそうな声が漏れてきます。  
「んんっ…すごい…さくらくんの……すごい…気持ちいいの……さくらくぅん…気持ちいいの…」  
「僕だって気持ちいいよ…。南さんの中、熱くて、狭くて、ぬるぬるしてるから…」  
南さんが僕の分身で感じているのがはっきりと分かります。  
「ああぁん、さくらくん…もっとうごいて……さくらくんの……ぜんぶ…ほしい……お腹の奥が…熱いのぉ」  
「それじゃあ、行くよ、南さん…」  
僕は腰の動きを少しずつ早めていきます。  
「ああっ、んんっ…!桜くん!…桜くん……!」  
一瞬だけ南さんの中が動いたように感じました。そして南さんが僕のモノをギュッと締め付けているのが分かります。  
「すごい、南さんの中が動いてる…それにすごく締まってきたよ…」  
どんどんきつくなる締め付けに僕もたまらず腰を早く動かしてしまいます。  
「んんっ!さくらくん…きて…もっと…もっときて…」  
「南さんそろそろイクよ」  
「うん…きて……。桜くん、んんぁ…あぁん…わたしも…わたしもイクの…!」  
腰の動きを早くしていきます。僕の射精感もいつしか絶頂まで達していました。  
「あぁぁぁ、南さん…南さん、もうダメ…」  
「桜くん…桜くん…わたしも……ああぁぁぁああ…!」  
 
―ドクッドクッ  
僕は白くて熱い欲望を南さんの中に出していました。  
 
「南さん、その…気持ちよかったかな…?」  
「うん…桜くんってすごいね…」  
「ひょっとして…水上さんにも……こんなことしてるの?」  
「…そんなことないよ、静希ちゃんの方から迫ってくるんだから…ってなんで静希ちゃんとのことを知ってるの?」  
僕は顔を赤く染めて否定します。南さんもそんな僕を見てクスクスと笑っています。  
笑う彼女を見たのは初めてです。  
「ふふ…、女の直感…かな」  
「南さんが笑うの、初めて見たよ…」  
「桜くんが悪いのよ…」  
いつもは決して見せない彼女の笑顔は彼女が14歳であることを再認識させるような無邪気な笑顔でした。  
 
 
―「ザクロちゃん、ただいま…」  
マヨネーズ・キングダムからつまみ出されたドクロちゃんが妹天使に事の次第(愚痴)を告げます。  
「桜くんはいるの?」  
「はい。でも桜さんは学校のお友達の方と大切なお話をなさっているので、お姉さまは上の部屋には近付かないでください…」  
ザクロちゃんはそう言うと、コロッケを差し出します。  
「うん。わかった!」  
ドクロちゃんは嬉しそうに了解しました。  
 
「南さん、風邪はもう大丈夫なの?」  
「うん、桜くんがやさしくしてくれたから…」  
すっかりポーカーフェイスに戻った南さんはいつも通りの口調で答えます。  
「そ、そんな語弊のあるようないい方は…」  
「ありがとう、桜くん…」  
南さんが少し顔を赤らめて言います。こういう彼女の可愛さに惹かれてしまいそうです。  
 
「送ってくよ、南さん」  
「ありがと…桜くん」  
南さんの家への道を一緒に歩いていきます。  
南さんは僕の腕をギュッと組んで、一緒に歩いていきます。  
満月の光が僕達の行くべき道を照らしていました。  
 

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