「…以上より、プランAが依頼主の願望を叶えるのに最適であると思われます」  
「この場合、彼女がプランA通りの行動をとる確率は約99%です」  
「ふむ…ではこの計画をあの少年に授けるとするか」  
 
大会議場で使われるような広々とした机の上に並べられたおびただしい数の資料―。  
ここで議論を交わすのは名探偵王ムルとその部下2人であった。  
 
「この計画で唯一、心配なことは少年が計画通りに動けるかどうかのただ一点だな…」  
夕陽が映る窓辺で王ムルはパイプの煙を吸い込むと、フゥーッと白煙を吐き出した。  
「少年よ、この計画を君に授けよう。決行日は・・・今日だ」  
 
―僕はここで目を覚ましました。  
僕は変な夢だったと思いながらも、夢の中で言われたことをメモ帳2枚に克明に記しました。  
「桜さん、朝ですよ…」  
ちょうど、僕を起こしに来たザクロちゃんが現れました。  
「あ、ザクロちゃんおはよう。ちょっと頼みたいことがあるんだけど、いいかな?」  
「はい何でしょうか?」  
「実は…これを作ってほしいんだけどさ、いいかな」  
僕は妹天使に1枚の紙切れを渡します。  
「…はい、わかりました。すぐに用意できると思います」  
「ありがとう、ザクロちゃん」  
 
僕は朝食を食べ終えて、教科書類をカバンにしまいこみます。久しぶりの登校―。  
「あの、桜さん…できましたので、お持ちください」  
妹天使が僕に差し出したのは白い粉末の入った小瓶でした。  
一見すると、殺傷能力を持つ劇薬にも見えます。  
「ありがとう、このお礼はきっとするからね…」  
「はい、楽しみにお待ちしております…」  
 
僕は小瓶と「ある物」を金属製の箱に入れて、そこに南京錠で封をしました。  
「それじゃあ、行ってきます」  
「はい…お気をつけて」  
僕は病み上がりの身体とは思えないほど、快調なペースで目的地に歩いていきます。  
目的地に到達した僕は周りをキョロキョロと見回して、道行く人を確認します。  
 
「静希ちゃんは…まだ来てないか」  
僕が民家の塀にもたれかかって待つこと3分。ようやく静希ちゃんが現れました。  
静希ちゃんは僕の姿を確認すると、小走りで僕の方に走って来ました。  
「桜くん、久しぶりだね、もう身体の方は大丈夫なの…?」  
「うん、もう今の僕はどんなことだってできますから!」  
「そうなんだ…よかった。学校で桜くんが体調を崩したって聞いたときは本当に心配したんだからね…」  
 
「じゃあ、行こっか」  
僕が学校に向かって足を踏み出そうとすると、元いた場所に身体が戻されそうになりました。  
振り返ると、静希ちゃんが僕の制服の裾を引っ張っていました。  
「静希ちゃん…どしたの?」  
「桜くん、手ぇ…」  
静希ちゃんが潤んだ瞳で僕の目を見ています。  
「わかりました、静希お嬢様」  
静希ちゃんの前で一礼して見せると、彼女の手を取って、歩き始めます。  
「やっぱり、桜くんの手…あったかい」  
「静希ちゃんの手だって、ちっちゃいけど…すごくあったかいよ…」  
「ん〜?ひょっとして、今エッチなこと考えちゃった?」  
「そ、そんなことないって…!」  
「そうなんだ…、桜くんは朝から元気だね☆」  
彼女はそういうと僕の手をギュッと強く握り締めてきました。  
まあ、静希ちゃんの小さくて、あったかくて、柔らかい手を握って、発情しなかったというと嘘になるということは報告しておきます。  
 
そうこうするうちに、僕と静希ちゃんは学校に到着。  
そして病み上がりで連休明け僕がクラスメイトから盛大な祝福(しうち)を受けたことは言うまでもありません。  
授業中、いずこの同性から妖しい視線を感じたりしつつ、授業の全日程を終了させました。  
3日ほど学校を休み、暇を持て余していた僕には、久しぶりの授業は焼肉をたらふく食べたあとに出てきたお茶漬けみたいなものでしたよ。  
 
放課後、静希ちゃんは図書委員の仕事に行ってしまいました。  
そして僕は王ムルより授かりし作戦を静かに開始させました。  
 
僕は無人の教室に入ると、机の上に巻物を転がします。  
その巻物の「画面」には作戦地域の設計図、現在の室温、部屋の湿度、風速、人数、おまけに人物が点で表示されており、その点を指でタ  
ッチするとその人物のステータスが全て表示されるというプライバシーゼロのスグレモノです。  
これは、ただの巻物にザクロちゃんの魔法をかけて、作られた次世代スパイグッズ!…みたいです。  
 
そろそろこの作戦の目的を明かさねばなるまい…。  
不肖、草壁桜は水上静希と肉体関係を持って以来、いつも彼女に主導権を取られ、僕は快感と恥辱にまみれた恋人関係を続けてきました。  
しかし!しかし!!しかし!!!ついに今日、そんな日々に終止符が打たれます。  
僕は天才軍師王ムルの力を借りて、この一世一代の対戦に挑むのであります。  
 
次にこの作戦で用いるアイテムを机の上に広げてます。  
ザクロちゃんから貰った粉末の入った小瓶、そして南京錠でロックされた箱のロックを解除し、「ある物」を取り出しました。  
 
―時はさかのぼり…  
ここは、某月某日夕方の聖ゲルニカ学園の男子トイレ。僕が用を足していると、先にいた宮本に声をかけられました。  
「なぁ、桜。ちょっと時間いいか?」  
「ん?いいけど…なんだよ」  
「お前にこれ…やるわ」  
そういうと宮本は小さい紙袋を僕に差し出しました。  
僕は紙袋を受け取ると反射的に、袋の封を切って中のものを取り出しました。  
そこから出てきたのは、明らかに男性器を模したアダルティーなおもちゃでした。  
「…なんでお前がこんなの持ってるんだ?」  
「あれ?思ったよりリアクション薄いな…。まあいいや、オレもいらなくなったからな、やるよそれ」  
「いらなくなったって…まさか、ちえりちゃん相手に使ったのか?」  
「まあな、ちえりちゃんもこれに飽きたっぽいから、もっとハードなやつ買おうと思って」  
まったく、中2の男子らしからぬ言動です。  
「お前、いつからちえりちゃんと付き合ってんの?」  
「いつかやったお前の誕生日会のあとぐらいだったかな…?あのパーティの後どうしてもちえりちゃんに想いを伝えたくなってな。それで  
告白したらOKだったってだけだ」  
ここにも例の薬の効果(最初のSS参照)を受けた者がいたとは…。  
あれって、効果の範囲は女の子だけじゃなかったのか。  
「お前、じゃあまさかあの清楚なちえりちゃんを手にかけたのか?」  
「ロリコンで通してるのに、同級生を手にかけたやつの言う台詞じゃねえぞ、それ」  
僕の顔から血の気が引いていくのがわかりました。  
「な、な、な、なんのことだか……」  
「パーティの日から、静希ちゃんのお前への接し方が明らかに変わった。お前以外のクラスの連中は少なくともお前と静希ちゃんが付き合  
ってるの知ってたみたいだがな…」  
「マジで…?」  
「あぁ、まあオレから言わせれば、むしろ遅すぎたぐらいだけどな。まあどうせお前のことだから、静希ちゃんに主導権取られっ放しなん  
だろ?」  
「ぅぅぅぅぅ…」  
「やっぱりな…。とりあえず、それで静希ちゃんを慰めてあげな…向こうだって、お前から迫ってくるのを望んでると思うぞ…」  
「あぁ、そうかい…」  
そして、某月某日に僕が召抱えた超特殊マッサージ機器は今日、僕の爪牙となって活躍してくれると信じています。  
さらに、僕は小瓶を持って、手洗い場へ。  
小瓶に水を入れると、小瓶の中の白い粉末は透き通った桃色の液体に変貌を遂げました。  
少しばかりドロッとしてるところなんかすごくヤバそうです!  
「天使の力って偉大だな…」  
 
 
「伝令!作成遂行に必要な物品、全て揃ったとのことです!」  
「うむ、作戦開始はこれより26分後…17時だ。17時に図書館の前だ」  
「はっ!ただちに!」  
側近が司令室に走っていくのを見届けると、パイプに火を点けて口に挟む王ムル。  
深く煙を吸い込むと、フーッと勢いよく吐き出す王ムル。  
少々寝不足なのか、あくびが出る王ムル。  
「少年よ、策とは成ることが分かっていて初めて策と呼べるのだ…」  
 
 
16時59分、僕は図書館の前にいます。  
閉館時間間近ということで、中には人の気配を感じません。  
僕は巻物の一部を出して、中の様子を調べます。  
「中の人間は…一人か」  
一応、その人間を表す点に指先でタッチすると、静希ちゃんのデータが事細かに表示されました。  
そして、巻物の時計には「17:00」の文字が表示されました。  
僕は図書館のドアを開けました。  
 
「あ、桜くん!」  
「や、やぁ…」  
静希ちゃんがカウンターで仕事をしていました。  
「どうしたの…?先に帰っててよかったのに…」  
「5時とはいえ、外はもう真っ暗だからね。こうしてお迎えに上がったのですよ、静希お嬢様☆」  
僕はそう言って、英国紳士風の礼をして見せます。  
「ふふ…そうなんだ、ありがとう桜くん。もう少しで仕事終わるから…待ってて」  
僕はカバンを床に下ろすと、静希ちゃんの仕事ぶりを観察していました。  
返却された本を元あった位置に戻していく静希ちゃんに照準を定め、ゆっくりと近づいていきます。  
「どうしたの、桜くん。読みたい本でもあったの?」  
静希ちゃんは僕の存在に気付きながらも、本を棚に戻していきます。  
そして彼女が僕に背を向けて背伸びをして、本棚に本を入れようとしたとき、僕は後ろから静希ちゃんに抱きついていました。  
 
「桜くん…?」  
「ごめん、静希ちゃん…もう我慢できない」  
さっきよりも身体を彼女に近づけて、僕は静希ちゃんの首筋に口で愛撫をしていました。  
「…どうしたの、桜くん……」  
彼女の言葉に構わず、僕は愛撫を続けています。首筋からうなじにかけて舌を滑らせるように舐め回し、時々静希ちゃんの髪を丹念に撫で  
 
上げます。  
「あっ…さくらくん…んん…」  
静希ちゃんの息が少しずつ荒くなってきているのが分かりました。  
僕は左手を静希ちゃんの胸の辺りに移動させると、静希ちゃんのバストを制服越しに揉みしだいていきます。  
「んん…だめ、だよ…さくらくん…まだだめ…なの」  
「でも静希ちゃんの身体、すごく熱くなってるよ…静希ちゃんも本当は我慢できないんでしょ?」  
今度は服越しでも分かってしまった、静希ちゃんの胸の硬くなっている突起を服越しで摘んであげます。  
「あぁぁっ…それは、そうだけど……」  
静希ちゃんは身体に力が入らないようで、本棚に前の本棚につかまるような形で立っていました。  
すると、今度は静希ちゃんのスカートの中から彼女のパンティが顔を覗かせました。  
「ほら…ここだって、すこし濡れてるみたいだよ」  
僕は右手で静希ちゃんのショーツに指を当ててみます。  
「あぁんっ…や、やだぁ…さくらくぅん……わかってるくせにぃ…」  
僕が指を少しだけ中に入れるだけで、静希ちゃんの下着から妖しい汁が止め処と無く滴ってきました。  
「静希ちゃん、溜まってたんだね…、すごくかわいいよ、静希ちゃん」  
「さくらくんが…わるいんだよ、ずっと……あえなかったんだもん…」  
「ずっとって…たった3日だよ」  
「わたしには…さくらくんしかいないんだから…桜くん、とめちゃやだぁ……もっと…」  
 
僕はバイブを取り出すと、その先端を液体の入った小瓶に入れて、液体に浸します。  
静希ちゃんのショーツを少しだけ下ろすと、バイブをゆっくりと押し込みました。  
「あっぁぁぁ…さくらくん、なにか…はいってくるぅ」  
最初に若干の抵抗はあったものの、先端の膨らみが入ると静希ちゃんがみずからバイブを飲み込むようにバイブが吸い込まれていきそうに  
なります。  
僕はバイブのスイッチを入れました。  
「んぁああ…これ、うごいてるの…?あぁぁん、すごいよぉ…」  
スイッチを入れた瞬間、静希ちゃんの膝がガクッと曲がりました。  
どうやら立ってることもままならないみたいです。  
「静希ちゃん、まだまだこれからだよ」  
僕は第2の息子のレベルをMAXにして、すこしずつ動かします。  
「あぁぁ、すごい…すごいの…さくらくぅん、あぁぁ…イキそう」  
僕がバイブを動かさずとも静希ちゃんが腰を前後に動かして、快感を貪り取ろうとしています。  
「さくらくぅん…んんっ、ぁぁああ…イクよぉ、イッちゃう!」  
「ぁぁあ…イッちゃいそう…さくらくぅん!」  
「あぁぁあ…だめなのぉ…イクぅぅ…!」  
 
そしてとうとう静希ちゃんは気づいたみたいです。  
「あぁぁ、なんでぇ…?んんっぁ、イキた…いのに……」  
「バイブの先っぽに変わった薬を塗っておいたんだ…」  
「くすり…?」  
「少しの間、効果が切れるまで絶頂寸前で性感が止まっちゃうんだって…」  
「そんなの…ずるいよぉ」  
「今度は僕のを入れてあげるから、たっぷり味わってね、静希ちゃん…」  
僕はズボンを下ろして、息子を取り出すと先端に天使の秘薬を塗します。  
なんかローションとかいうやつの数百倍気持ちいいんですけど…。  
「静希ちゃん、入れるよ…」  
「う、うん…はやく、入れて」  
静希ちゃんは腰をくねらせて、僕を挑発していました。  
「うぅ…やっぱりすごく気持ちいい、静希ちゃんの中」  
「さくらくぅん…これが……ああっ、ほしかったの」  
静希ちゃんは絶頂の直前で止められているということもあってか、いつもよりも強い力で息子が締め上げられています。  
僕が腰を静希ちゃんのお尻にぶつけるたびにパンパンと激しい音がします。  
「さくらくぅん、さくらくぅん…」  
「静希ちゃん…すごくいい、すぐにでもイッちゃいそう」  
 
「さくらくぅん、ああっ…くすりのききめ、はぁぁ…きれたみたいだから…はげしくしてぇ」  
「うん…、静希ちゃん最高に気持ちよくしてあげるから…」  
静希ちゃんの腰に手を当てると、僕は静希ちゃんを貫くように身体を前後に激しく動かします。  
「あぁぁ、イクぅぅ…さくらくぅん、んんあぁぁ、だいすきだよぉ」  
「すごい締め付けてくるね…静希ちゃん、あぁすごいよぉ…エッチな静希ちゃんを見せて…」  
「あぁぁぁ、イク…イクよぉ、さくらくぅぅん、ぁぁぁあああ!」  
静希ちゃんは絶頂に達したのか、僕の息子を強く締め付けたかと思うと、今度は全身から力が抜けてしまったようです。  
「静希ちゃん、もうちょっとだけ頑張って…」  
「え…?さくらくん」  
僕の方はというと、静希ちゃんが絶頂に行ったとき、薬の影響で絶頂に達し得なかったのです。  
僕は絶頂寸前の欲望に任せて、腰を前後に動かします。  
「あぁぁ、だめぇ…さくらくん」  
静希ちゃんの崩れかかった身体を両腕で支えると、ラストスパートを息子に促します。  
「さくらくぅん…そんなにされたら、わたしも、あぁあ」  
「静希ちゃん、薬の効き目が切れたみたい…。いくよぉ」  
檻から放たれた欲望に満ちた獣は縦横無尽に暴れまわります。  
「さくらくぅん、きてぇ…はあぁあああぁっ、わたしのなかにっ」  
「あぁぁぁ、いくぅ…しずきちゃん…いくよぉ」  
「さくらくん、あっぁぁぁああ」  
「静希ちゃん…あぁぁあっ」  
僕の息子は煮えたぎる欲望の白濁液を幼馴染のお腹の中に注ぎ込んでいきました。  
「あぁぁぁ、すごい疲れたかも…」  
「さくらくん、お腹の中すごく熱い…」  
 
僕たちは性行為のあとの片づけを済ませると、そそくさと図書室をあとにしました。  
僕と静希ちゃんの淫液で汚れちゃった本も約1冊あったけど…。  
2人は朝来た道を帰ります、その時静希ちゃんが立ち止まりました。  
「静希ちゃんどうしたの…?」  
「桜くん、あのね…手、出して」  
「え?…う、うん」  
僕は刑事ドラマの犯人のように両手を出します。  
すると、彼女は僕の左手の薬指に金属の輪を通しました。  
「よかった!ぴったりだ…」  
「静希ちゃん…これって……?」  
「メリークリスマス!」  
「め、メリークリスマス…」  
「さ、帰ろっ!」  
「うん…」  
やっぱり僕は静希ちゃんには勝てないのかと思いました。  
でもやっぱりそれでもいいと思いました。  
空から舞い落ちる粉雪が僕たちを祝福しているようでした。  
 
つづく???  
 

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