「ねぇ、桜くぅん、しようよ〜」  
静希ちゃんが僕の腕にしがみ付いて駄々をこねています。  
 
あの日―僕の誕生日会が行われた日―以来、静希ちゃんは変わりました。  
学校では前となんら変わらず、いつも通りのユートーセーですが、僕と二人きりになると、僕を激しく求めてきます。  
「一緒に勉強しない?」と帰り道に誘われて勉強を始めますが、30分もすると静希ちゃんの方から僕に誘いをかけてきて、僕も本能に負けて「1回だけだからね…?」と言って、行くところまで行ってしまうというのが、3日も続いてしまいました。  
あのアホ天使―ドクロちゃん―が調合して作ったという惚れ薬の所為なんでしょうか…。  
ドクロちゃん曰く、「効き目は1日で切れる」とのことですが、あのアホ天使の言うことです。信憑性などどこにもありません。  
静希ちゃんとイチャつけるのは嬉しいのですが、このままでは僕の身体が持ちません。  
僕は怖いです。いつの日にか静希ちゃんの愛玩ミイラになっていそうで怖いです。  
それに静希ちゃんが僕の子を身篭ってしまったら、それこそ一大事です。  
中学生にして子供を身篭ってしまったら、静希ちゃんの将来にも重大な影響を与えかねません。  
僕には静希ちゃんとの接触を一切絶たれるという、極刑が待ち構えているとも考えられます。  
とかなんとか理由もあって、僕は静希ちゃんの誘いを断らねばならないのですが、僕だって思春期真っ只中の14歳です。頭の中で据え膳食わぬは…という言葉も駆け巡ります。  
 
「ねぇ、桜くん聞いてる?」  
「え…?あ、うん…。聞いてるよ」  
「ねぇ、いいでしょ?1回だけでいいから…」  
静希ちゃんが身体をくねらせて、明らかに僕を誘惑しているのが分かります。  
いつもの僕なら、ここでコロッと行ってしまうところですが、ここは男としてビシッとケジメをつけねばならぬときと悟りました。  
僕は静希ちゃんを諭すように尋ねます。  
「静希ちゃん、なんで人間はそういうことするか分かって言ってるの?」  
「え…、気持ちよくなるためじゃないの?」  
「違うってば、それもあるけど、子孫を残すためにすることだって授業で習ったでしょ!?」  
「そ…そうだっけ……?」  
「そうなの!僕たちが毎日してたら静希ちゃん妊娠しちゃうかもしれないんだよ…!」  
「でも…、わたしは…桜くんの子供なら……」  
「そーいう問題じゃ無くて」  
まるでドクロちゃんと話しているような、暖簾に腕押し状態が続きます…。  
そう、あの静希ちゃんの起死回生の一撃が飛び出すまでは…。  
 
「じゃあ、桜くんは気持ちよくなりたくないの!?」  
静希ちゃんが頬を膨らませて、プンプン怒り出します。  
「それは…気持ちよくなりたくないとは思わないけど……。なんで静希ちゃんが怒ってるの!?」  
僕は突然の攻撃をまともに喰らってしまいますが、すぐに反撃の一発を放ちます、が、これも空砲に終わります。  
「じゃあ決まりだね!ほら桜くん、ズボン脱いで?」  
「な、な、なんでそうなるの!?ちょっと静希ちゃん…?わぁ!」  
僕は静希ちゃんに押し倒されると、その上に彼女が乗ってきました。  
すぐ目の前に現われる彼女の綺麗な顔。同時にシャンプーの甘い匂いがしてきたりして、僕はもうトリップしちゃいそうです。  
静希ちゃんは僕の耳元でささやくように言いました。  
「桜くんは『気持ちよくなりたい』んでしょ?わたしが気持ちよくしてあげるから…ね?いいでしょ……?」  
静希ちゃんは僕から降りると、ズボンに手をかけました。仰向けになっていて、視覚での確認は不能ですが、触覚がその感覚を捉えます。  
不意を突かれて、行動不能の僕をよそに静希ちゃんが僕のズボンをするすると下ろしていきます。  
静希ちゃんはパンツに手をかけると、一気に下ろしました。そこに現われた僕の分身はもう上を向いていました。ああ、情けない…。  
「だめだよ…、静希ちゃん……」  
僕は精一杯の抗議をしますが、静希ちゃんの方が1枚も2枚も上手でした。  
「『気持ちよくなりたい』って言ったのは桜くんでしょ?彼女のわたしが『気持ちよくしてあげたい』って想ってるのに、その想いをホゴにするの…?」  
静希ちゃんは潤んだ瞳で僕を見つめています。ああ、そんな目で僕を見ないで…!  
「…いや、そういう問題じゃ無くうくぅ…!」  
突然、静希ちゃんは僕の分身にキスをすると舐め始めました。ツツーっと先端から根元まで滑るように舐めていきます。  
静希ちゃんは僕の先端に息を吹きかけながら、先端に集中砲火を浴びせます。  
静希ちゃんの舌のあったかくて、ザラザラした感触に僕の性感は高まっていくばかりです。  
「ちゅ…ちゅるちゅる……うぅんん…」  
「あぁ、うぅぅ、…静希ちゃん……!」  
僕が情けない喘ぎ声を上げると、静希ちゃんがいたずらっぽく尋ねます。  
「どう、桜くん、気持ちよくなってきた?桜くんのすごく硬くなってきたよ…。気持ちいいんだよね…。先端からぬるぬるしたお汁が溢れてきてるよ、気持ちいいんでしょ?」  
どこでそんなことを憶えたんでしょうか。4日前まで処女だった女の子のセリフとは思えません。でも事実、僕は静希ちゃんの愛撫に身体が溶けそうなくらいに酔っていました。  
「そろそろ本気出すからね。えいっ…!」  
高らかに宣言すると、静希ちゃんは僕の愚息を呑みこみます。  
「ん、んんん。……んっんん、ちゅっちゅぅ、ん」  
静希ちゃんの頭が前後にリズミカルな運動を始めます。  
静希ちゃんの声と唾液がぶつかるえっちな音が部屋中にこだまします。  
僕はというと…静希ちゃんの攻撃に耐えるのが精一杯で理性も消えうせてしまっていました。  
静希ちゃんの口の中はお腹の中と違った気持ちよさがあって、僕は静希ちゃんの口の中の熱さにどうにかなってしまいそうです。  
 
「んぅん、ふふ、これでどうかなぁ?桜くん…。」  
静希ちゃんはいったん口を離すと、両手で愚息を包み込みます。細くて長くてそれでいて柔らかい指が僕の分身に射精を催促します。  
でも最初は速く指を動かしていたのに、だんだんと動かすスピードを緩めてきているのが分かりました。そして静希ちゃんのには動きは完全に止まってしまいます。  
僕の快感ゲージは9合目まで来ていました。頂上に到達しないで下山することはできません。思わず静希ちゃんに聞いてしまいます。  
「どうしてやめちゃうの…?」  
「ん〜、なにを…ですかぁ〜?」  
静希ちゃんは僕をからかうように言います。  
「どうしてほしいのか言わないと、続きはしてあげないよぉ?」  
静希ちゃんは小悪魔のような笑みを浮かべています。まるで僕が拷問を受けているかのようです。  
「その…静希ちゃんの…手と口で……気持ちよくなりたいって………」  
僕はとても恥ずかしかった。けれど、もう全てのことがどうでもよく感じられて、ただ目の前の女の子に気持ちよくしてもらいたい…そんな考えが身体を支配していました。  
「桜くんはえっちだね…。女の子にそんなこと要求するなんて、普通じゃないよ…」  
彼女は踵を返すように言います。「えっちなのはどっちなんだろう」とか思いましたが、口にするだけ無駄かもしれません。  
とりあえず、僕は上体を起こします。そこには僕の分身をしっかりと握る彼女の姿が見えました。  
「ふふ…62点♪あと18点足りないけど、特別に合格にするね……。うんしょっと…」  
静希ちゃんは手の動きを再開させるとともに、口で僕の分身の愛撫を再開させます。  
「んん…んふ……ぢゅる…んはぁ」  
たった1分前にそこにあった感触のはずなのに、とても懐かしく感じます。そして僕の大砲は溜まりに溜まった熱を放射できずに、まさに暴発する寸前です。  
射精感が急激に高まった僕になす術はありません。これからの成り行きを静希ちゃんに任せるしかありませんでした。  
「んんっ、静希ちゃん…!出ちゃう…出ちゃうから……口を離して……」  
「ん、しゃくらくぅん、口の中に…出してぇ、んんっふぅ…しゃくらくぅぅん…!」  
「し、静希ちゃん!」  
 
僕の子孫繁栄を命ぜられた使者たちは次々といとおしい女の子の口の中に旅立っていきます。  
予想を上回る量の精液に顔をしかめる静希ちゃん。口の外に溢れた精液が出て行きます。  
僕は分身を抜いて、ティッシュを何枚か取ると、静希ちゃんに差し出します。  
「静希ちゃん、吐き出していいから!」  
でも静希ちゃんは僕を制して、僕の種を次々に飲み込んでいきます。  
「んんん、濃くて飲みづらいね…。…桜くんの味だぁ……、んんっふぅ…おいしい…」  
口の周りの精液も指で拭ってその指をいとおしそうにちゅぱちゅぱと舐めていきます。その姿はなんとも妖艶です。  
「静希ちゃん…」  
「桜くん…」  
お互いがいとおしい人を見つめ、名前を呼びかけます。  
 
「静希ちゃん、もういいの?」  
「え…何が?」  
「だって、さっきはしたいしたいって喚いてたじゃん」  
「桜くんのえっちな汁が貰えれば、わたしは満足だよ!」  
静希ちゃんはさきほどまでのワガママぶり(さっきのでも十分ワガママですが)がウソのように言いました。僕には女の子の生態がさっぱり分かりません。  
 
「ねぇドクロちゃん。あのクスリの効果ってまだ切れないの?」  
家に戻った僕は、ドクロちゃんに事の真相を尋ねます。  
「ううん、学校でボクが見たとき、静希ちゃんのクスリの効果、もう切れてたよ」  
「え…?そうなの…」  
「うん。間違いないよ!」  
「はい。わたくしも確認させて頂きましたが、静希さんのクスリの効果はもう切れていました。」  
アホ天使の理論を後押しするようにザクロちゃんが補足説明してくれました。ひとまず、安心というところでしょうか。  
あのクスリの力で推進力を得た静希ちゃんはついに自分の足で歩き始めたということでしょうか。  
……つまりは、クスリの力ではなくて、自分の意思で迫ってきたってこと…………?  
 
「なんか、最近桜くん大人しくなったよね!」  
「え?」  
「だってボクがおフロ入ってても、覗きに来ないし、寝込みを襲おうとしたりしなくなったしね☆」  
「僕はそんなこと一度もしたことないけど…」  
「じゃあ問題です!ボクの背中に書かれた言葉は?@死ぬまで天使A死ぬまで天使B死ぬまで天使 さぁどれかな?」  
「…って、全部正解じゃん…」  
「ピンポーン、大当たりだよ!さっくっらっくん!!」  
「おのれ、嵌めおったな……!」  
バットが飛んでくる。回避不能…。もう僕は…僕は……。  
フッ…  
あれ?死んでない。生きてる。両手をみつめる…まだ付いてる。頭を振ってみる…、まだくっ付いてる。足も…まだ付いてる。  
「たまには覗きにきてほしいなぁ、そうじゃないと張り合い無いから…」  
少女の天使は切なげに言います。でも僕はすかさずカウンターを…!  
「でも、覗いたら撲殺するんでしょ?」  
「うん!もっちろん!」  
少女の天使はなぜか嬉しそうです。てーか、バットを振り回さないで…。  
 
―翌日の学校にて  
「そういえば、南さんどうしたの?(ドクロちゃん)」  
「そういえば…今日でお休み4日目ね、どうしたのかしら?(静希ちゃん)」  
「ま、まあたまにはいいんじゃない。僕にとっては平和だから…(僕)」  
噂のクールビューティーはどうしているのか、それはクールビューティー本人しか知らない。  
 

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