「あれ?これ、サバトちゃんのじゃない?」  
玄関に置いてあるバドミントンのラケット、その数本あるうちの、やたらボロボロな一本をつまみます。  
 
あ、こんばんわ。僕、草壁桜。げんきな中学二年生の男のコですよー。  
現在の時刻、夜8時。  
両親は居間に、天使の姉妹はお風呂にいますので、先ホドの僕セリフは独り言というワケですね。  
手に持つラケット、その擦り切れ黒ずんだグリップをよく見ますと『さばと』と、か細く刻んであるのが目に付きました。  
確か今日は学校から帰った夕方から、ドクロちゃんがザクロちゃんと連れだってバドミントンの練習に『アバランチ公園』に行っていたハズです。  
その時になんらかの経緯で持ってきてしまったのでしょう。  
「まだ…起きてるかな。」  
僕はちら、と時計を確認すると居間にいる両親へ、  
「ちょっと友達の忘れ物届けてくる!」  
声をかけると、サバトちゃんのお家(『アバランチ公園』)へ向かうため、冷たい玄関のドアノブに手をかけました。  
 
★  
 
真冬の夜の公園。  
今は無人のその場所に、サバトちゃんのダンボールハウスはありました。  
凍てつく風があちこちの隙間から入り込み、極貧天使サバトちゃんのカラダに突き刺さります。  
いつもなら今にも崩れそうな家の中、穴の開きかけた毛布にくるまり、寒さに必死に耐える夜なのです。  
が。  
その日は何かが違いました。  
まず、カラダが熱いのです。さらには、何やらむずむずとする"疼き"を覚えます。  
風邪ではない、とサバトちゃんは判断しました。  
天使なのに風邪を引いてしまう彼女は、その症状もある程度は認知しているのです。  
それだけに、今回の体調は不可解なものでした。  
「はぅぅぅぅ…な、なんなんですぅ?これぇ?」  
ほてったカラダは眠りに付くことが出来ず、ただダンボールハウスの中で身悶えするばかり。  
「(ドクロちゃんが珍しくおにぎりなんか作って持ってきてくれたのを、食べてからなんですぅぅ……ハッ!!?も、もしかして、サバトは何か毒を盛られたんですぅぅぅ!!!?)」  
ドクロちゃんが、奇病『エンジェル・パッション』のウイルス感染者であったとは知りようのないサバトちゃんは、疑心暗鬼に駆られつつ、自分の手が下腹部を撫でてしまっているのに気付きます。  
「(はぅぅ…こうしてれば、す、少しは落ち着くですけど、もっと…こぅ、カラダの奥の方が…っ!!?)ッはァアぅぅッ…!!?」  
さらに手は、無意識の内に撫でサスる場所を変え、遂には女のコの大事なトコロにまで下がってきていました。  
下着越し、その"女のコの大事なトコロ"に触れた瞬間、カラダは<びくん!>とすくみ上がりました。  
「ふぅアァぁァ…!…き…きもちいぃですぅ…!!?」  
"えっちなコト"というものを、まだ漠然としたカタチでしか捉らえられていないサバトちゃん。  
それでも彼女は、今の自分の行為がとても恥ずかしいものだと感じました。  
「(そ、そうですよぅ…サバトは…サバトは天使なんですよぅ!?……こ、こんなコトをしては…)ハ、はぅゥゥッ…!!」  
辛うじて保たれる自我とは裏腹、下着越しに指を擦りつける動きが止まることはありません。  
むしろ、刺激が足りないような気さえします。  
ふと、サバトちゃんの頭に破廉恥な考えが浮かびます。  
「(あ…あそこなら…)」  
欲に流される極貧天使は、アバランチ公園、その中に設けられた遊具の一つに向かいました。  
 
☆  
 
「さ…寒い…!!」  
<ひゅゥッ>とときたま吹く冷風が、肌にしみます。  
「(サバトちゃんも…凍えてるのかな…)」  
僕は"家なき子サバトちゃん"に、普段は湧きもしない同情の念を持ちました。  
家族が待ってるワケでもなく、暖も取れない、家とも言えない家。  
そんなトコロで冬を、そして年を越すのです。  
「(……………)」  
なんだか、とてもいたたまれない気持ちになってしまいます。  
思念の波から顔を上げると『アバランチ公園』はもう目の前。  
冷たい空気を吸い込み、 吐きます。  
「(僕は僕の出来る範囲でサバトちゃんを助けてあげよう…!)」  
そう思いながら公園入口を通った時でした。  
人影が見えます。  
サバトちゃんのダンボールハウスの定位置からやや離れた場所の鉄棒。  
その鉄棒に、ちょうど僕に背中を向けたカタチで誰かが跨がり、腰を前後に揺すっているように見えます。  
近づくため足を踏み出す度に、何故だか胸の鼓動が高まっていきます。  
やがて鼓膜を叩き始める、その人影から発せられている甘くセツナい声。  
それは、僕の下でナくドクロちゃんやザクロちゃんのものに似ているように思えます。  
冬の月明りの下。  
うっすらと月光を浴びて光るクリーム色の髪。  
それを掻き分け生えるくるりんツノ。  
すっかりカラダに馴染んで見える聖ゲルニカ学園の制服。  
 
その人影は、サバトちゃんでした。  
 
僕が視認出来る距離まで近付いても、彼女が気付く気配はありません。  
一心不乱に、腰を鉄棒に擦りつけています。  
だいぶ前からやっているのでしょうか。  
幼稚園児でも届くぐらいの高さの鉄棒。彼女の跨がっているその鉄棒の下には、小さな水たまりが出来ています。  
それがサバトちゃんのえっちなジュースによって出来ているコトぐらいは、この僕、草壁桜にだって、理解出来るのです。  
天使の姉妹を発病以来看病し続けた僕は、この眼前の光景に、驚き胸は高鳴っても、動揺はしませんでした。  
「ひぁッ…はァぅぅ…ぅアァぅッ…!!」  
その、"自分で自分を慰める行為"を目撃したという背徳感が、ひたすらに僕の鼓動を速めます。  
「サバトちゃん」  
「ひぅッッ!?」  
<ビクンっ>とこちらを振り向くサバトちゃん。  
有角天使の、突如アラワれた僕を映す瞳はやがて涙で揺れ、唇から絶望に震えた声が流れます。  
「ど、どうしてココに…さ…桜くんが…!?」  
「ドクロちゃんが持って来ちゃったサバトちゃんのラケットを返しに来たんだけど…」  
「こ、これは違うんですぅ!!ドクロちゃんに…ど、毒を盛られたおにぎりを…サバトは食べてしまったんですよぅ!!!」  
その台詞を聞き、僕はサバトちゃんまでもが病に感染したのだと、確信しました。  
「…ぅうっ…サバトは…サバトはどうしたらぁ……!!」  
鉄棒に跨がったまま。鉄棒を両手で握り締めたサバトちゃんは、涙を<ボロボロ>、泣き出してしまいました。  
そんな彼女を前にして。  
僕に出来ることは一つ!  
スナワチ、サバトちゃんを"慰めて"あげることです!!  
 
僕は、あのドクロちゃんやザクロちゃんを相手にしてきたのです。ならばサバトちゃんの一人や二人!!  
その不可解な自信(及び黒く渦巻く欲望)に後押しされて、僕は行動に移りました。  
 
★  
 
未だに鉄棒へ跨がっているサバトちゃんの前側へと歩いていきます。  
「ねぇ、サバトちゃん?」  
「な、何ですぅ?サバトのことを…"えっちなオンナ"って、罵るですかぁ…?」  
「そんなことはしないよ!?っていうか。実はそれ、病気なんだよ、天使が罹っちゃう。だから恥ずかしがることはないと思うんだ。それに、少しでも良くなるように僕だって手伝うからさ」  
「さ、桜くんが…治してくれるんですかぁ…?」  
答える代わりに、僕はサバトちゃんの腰を掴みました。  
そのまま下へと力を込め、天使の"大事なトコロ"を<ずりゅずりゅ>鉄の棒へ押し付けます。  
「はぅッ!?な、何するんですぅ桜くん!!?…ッゃぁあ!ぅアっアッ!!?さ…サバトっ!!オ、おかしくなっちゃうッ、ですぅぅぅッ、ァアアぁぅぅ!!!」  
サバトちゃんは、体重だけでなく、僕の力も加わって"芽"を摺り潰される凄まじい刺激にあっという間に昇りツめ、さらには失禁までしてしまいました。  
しかしその光景を目の当たりにしても、「やり過ぎた」なんて思わない僕の心。  
はァ、はァ…、と肩で息をするサバトちゃんは、真っ赤に上気した顔を、恍惚とした表情に染めていたからです。  
その表情を見た途端。  
僕は自分自身で戦慄するような、今までとは"質"の違う黒い黒い欲望が、心に生まれるのを感じました。  
 
"もっとこの顔を歪ませてやりたい"  
 
<ドクドク>と頭に黒き血が流れ込み、僕の思考を狂わせます。  
それでいて僕は、あくまで冷静でした。  
鉄棒から降ろしたサバトちゃんは、草むらにへたり込んでいます。  
僕はそこらに放りっぱなしだったバドミントンのラケットを拾い上げ、サバトちゃんに歩み寄りました。  
「サバトちゃんに、ラケット返さなきゃね」  
「あ、ありがとうですぅ…」「じゃあ、返す場所はココでいいかな…?」  
「!!!?」  
もはや<ぐちょぐちょ>に濡れた下着を手早く引き摺り下ろすと、ラケットの柄を天使のソコに押し入れます。  
さらには激しく出し入れ開始!  
「ァアアアあぁー…!!?だ、ダメですぅぅぅ!!さッ桜くん…!!激し…くぁアッ!…過ぎでァッ、アァっああアアアァー!!!」  
<びくッびくッ>とウチ震えるサバトちゃん。  
先ホドの絶頂の余韻から抜け切れていない超・感度良好ぼでぃは、突然の激しいイタブりに驚異の速度で果ててしまいました。  
 
早速イッてしまった彼女ですが、まだまだ止める気なぞありません。  
「一回」  
「ふぇ!?…ぁアァッ!!!?ゃ、やめてですぅぅ…!!も…もぅサバトはッ!はァんッんんぅゥゥ…ッぃやァアアあああぁ!!!」  
絶叫と共に<ぷしゅッぷシュしゅッ>とサバトちゃんの吹いた潮が、僕の手をアツく濡らします。  
「…二回」  
「ぁアァああアアァッッ!!イっ、いやですぅぅッ!!これ以上はっ!これ以上は、サバトが壊れちゃうですぅうううッッ…!!!」  
そこで僕は<ずちゅずちゅ>と出し入れするラケットの動きを止め、  
「サバトちゃんはどこが一番きもちいいの?」  
聞きます。  
とは言え、彼女の眼は虚ろで、口からはアツい吐息と共に唾液までもが零れる有様。  
これじゃあ僕の声が届いてるかも、怪しいものです。  
やれやれ、と肩をすくめて見せると、僕はぐったりしたサバトちゃんの両脚をムリヤリ開きました。  
ハッキリ視界に捉らえられるようになったラケットをくわえたソコは、凄まじく淫らなモノに見えて、気分はさらに高揚します。  
改めてラケットをゆっくり挿し込んでいくと、ある一点を通ったトコロで、天使が一際大きく震えるのが分かりました。  
「へぇ。サバトちゃんはココがいいの?」  
大体の見当をつけた位置を執拗に<ぐりゅぐにゅ>、弄ります。  
サスレバ、その度に面白いようにハネるサバトちゃん。  
「ひゃぁアァぅ!!?そ、ソコだめですぅぅぅ!!ぅあアアッ…いッ、ぁアっアあああぁぁ!!!?<ビクっビクんッ!>」  
「三回目、と」  
「も…もう止めて下さいですぅぅぅ…!!おッお願いですよぅぅ…!!  
「ダメ。まだ、ね」  
「ッ!!?ァアぅっ!そッそん、なァっ!?…だ、ダメですぅぅ、ゥあアァあ……ーッ!!!」  
 
★  
 
それから。  
サバトちゃんが大きくカラダをのけ反らせ、六度目の昇天を迎えたトコロで、僕は手を止めました。  
幾度も昇りツめたせいか、またもや失禁してしまっています。  
視線は冬の虚空をサマヨうバカリ。  
されど、そこには喜悦の情が浮かんでいます。  
僕は、愛液と潮と尿にまみれたラケットを<ぐちゅ…ずちゅッちゅぅ…>と勿体ぶって引き抜くと、それだけで腰を浮つかせすすり泣くサバトちゃんを見て、改めて黒い欲に駆られるのを覚えました。  
もっとしたい。  
もっとやりたい。  
しかし、ここに至ってだいぶ時間が経ってしまっていることにも気がつきます。  
これ以上時間を掛ければ、家族及び天使の姉妹に怪しまれてしまうのは確実でした。  
諦めざるを得ない僕は、サバトちゃんに言い聞かせます。  
「サバトちゃん。"僕の"は、また今度来たときに、あげる。だからそれまでは、ちゃんと一人でさっきみたいにするんだよ?」  
「…は、はいぃぃ…」  
「じゃあまたね。おやすみ、サバトちゃん」  
それだけ言うと、下半身のみを執拗に責めた天使をそのままに、僕自身のカラダのほてりを冷ます為、冷たい空気を裂くように走り家に急ぎました。  
それでも、消え去ることのない心にトモる真っ黒な欲。  
またこの公園を訪れる日への汚れた考えバカリが、僕の頭をぐるぐると巡るのでした。  
 
☆  
 
ー…絶頂に絶頂を重ね、眼に映るのはぼんやりと霞む世界。  
涙が幾筋も流れていることに、気付きます。  
散々に玩ばれ取り残されたサバトちゃんは、複雑なキモチでした。  
自分の恋慕う人にあんな扱いを受けたことは、悲しかったのです。  
自分の恋慕う人にあんなことをされたのは、嬉しかったのです。  
 
そして桜くんは、次に来たときに"何か"をくれると言いました。  
 
「(…何をくれるかは知らないですけど…やっぱり、桜くんは優しいんですぅ…)」  
自分の中に、小さく幸せな答えを見つけたサバトちゃんは、冷たい箱の家の中へ。  
温かい心とカラダで眠りに就きました。  
またいつか。桜くんが来てくれる日を想いながら。  
 
End...?  
 

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