…ー静かに流れ込む日の光とともにオトズれるであろう、冬の朝。  
その5、6時間前、つまりは夜もいよいよもって更けたる頃のおはなしです。  
僕、こと草壁桜の上に重なる分厚い布団の中。  
なんで居候の天使―ドクロちゃん―と抱き合うゴトキ恰好なのか。少しばかりこの胸の高鳴りを抑えつつ言い訳させて頂けませんかっ!?  
 
 
今は暦、及び気候的な面においても冬真っ只中なのです。今日もさっさとお布団に潜り込んだドクロちゃん。  
「おやすみなさーい桜くんっ」  
「おやすみ、ドクロちゃん」  
おやすみなさいを済ますやイナや押入れのトビラの奥地へ姿を消しました。  
僕自身も今日は体育のマラソン練習でへとへとなのです。ぱちりと電気を消し目を閉じました。  
 
…ー夢のような静希ちゃんとのデートを夢の中で愉しむ僕。を、無粋にも揺り起こす影―その正体はドクロちゃんでした。薄桃色な厚手のパジャマを纏う彼女は僕の耳の近くに顔を寄せていてっ…!?  
「ど…どうしたの?ドクロちゃん」  
「桜くん、あのね?おトイレに、付いて来て欲しいの」  
深夜であることをハバカってか、こしょこしょと鼓膜をくすぐるくりくりヴォイス。  
そういえばこの天使の少女、寝る前だというのにイチゴ牛乳を飲み干してました。僕の分まで。  
 
「もぅ…しょうがないなぁ」  
僕はむくりと身を起こしますが同時にブルリと震わせます…!  
ツンと冬の夜の寒さがカラダを刺したからです。  
「い、行くなら早く行こう?か、風邪ひいちゃうよ…!」  
<すたすたとてとて>と階段を降りる僕。トイレのトビラの外で突き刺さる寒さに身を携える僕。  
<じゃー>と聞くのも寒々しい水の流れる音がして天使の少女が出てきました。  
「は、早く戻ろう?もう僕、指先がかじかんでるし…」  
「うんっ。ありがとぅ、桜、くん…」  
だんだんとふやふやになっていく声。眠気が押し寄せているだろうことが容易に想像できます。  
僕はさっさとおねむな天使を引き連れ、二人で階段を上がり、二人で部屋への襖を開け、すっかり冷えた僕の布団に"二人で"潜り込みました。  
 
……っ!?  
 
ななななんでドクロちゃんまでが、ぼぼぼぼ僕の…僕の布団に!?  
 
「ちょっ…!ドクロちゃんのお布団様は押入れの中でございますよ!?」  
「ふたりのほぅが、あったかいよぅ…それとも、桜くんは、ボクとは寝たく、ないの?」  
この寒さの中ナゼか天使の少女の頬は赤らんでいてなおかつ、うっすらと開いたヒトミで見つめてくるのが"夜の中学二年生"にとってはタイヘン扇情的なのです…!さらについでにいうと今こそが冒頭の現状。あぁ神よ…!  
「そ…そんなことはないっ…っていうかそんな問題じゃないでしょ!?僕はいつまでこの紳士のままでいられるかわからないんだよっ!?深夜の男子中学生をアマく見たらダメなんだからっ!」  
僕は最大音量の小声でさらに精一杯の主張を続けます。  
「それにそれに、もしこのまま寝ちゃって、明日の朝お母さんに見つかったり、したら…僕は…僕はもうこの家に、はー…」  
視線を下ろせば、僕の熱弁のサナカ、いつのまにやら僕のパジャマのボタンは解除済、な上にドクロちゃんの…柔かなぷにぷにのほっぺが僕のすべすべとした胸板にぃいィイぃぁあぁァァー…!!  
「桜くん、あったかーい。」  
うぅぁあァアァアぁ…っ!!  
脳内ではこの現状を受け入れるべきかにおきまして、リセイ議長とホンノウ大臣が反駁しあっているのです…!  
 
その間にもドクロちゃんは僕の腰に回した手に力を込め、オノレの爆弾ぼでぃーに僕の中学生ボディーを密着させて…ぉわぁ!?ホンノウ大臣が過半数の票の獲得を果たしてしまい!哀しいかな、リセイの議長は小さくなって僕脳みその片隅で泣いています。  
カッ…!と眼を見開き覚醒を遂げる僕、草壁桜。  
抱かれるままになっていたカラダに力をミナギラせ、ドクロちゃんの腰に手を回しました。  
「ひゃっ!?さ、桜君!?」  
いつにない僕のチカラに怯えたような声を上げるドクロちゃん。  
…ー言っただろう?深夜の男子は、アブナイ、とね。はっはっは。  
 
ぶかぶかな大きめパジャマの上着の裾より僕ハンドが侵入開始。天使の滑らかな腹部の肌を指先がなぞります。  
「さ…桜くん…!」  
天使が涙の溜まったヒトミで僕を見上げます。その眼が、僕の欲情を煽っていることも知らずに。  
下方から持ち上げるようなカタチでドクロちゃんのふくらみに到達。途端、彼女のカラダがびくりと震えます。  
いきなり激しく揉みしだくのはいかがなものかと告げるホンノウ大臣。紳士だぜ、ホンノウ大臣。  
僕は大臣の方針に従い、<やわやわ>と指を動かします。その間にドクロちゃんのパジャマのボタンをフルオープン。  
やや乱れたパジャマ姿の天使に興奮が隠せない僕は新しい大臣の指示を待つのです。そのとき僕に降りかかるのは聞き慣れた声。  
「待つんだ、草壁桜君」  
名探偵王ムル!?僕を…僕を正義の道に引き戻そうと!?  
「私がアドバイスしよう」  
……。エロ探偵王ムルのチカラを借りることとなった僕。そんな僕内部の事情を知らない天使の少女は意外なホド従順に胸を弄ばれています。それどころか眼をとろんとさせた表情で…。  
 
「さて、桜君。まずは胸だけを集中的に愛撫するんだ。ただし。しばらくはその先端に触れないようにだぞ」  
早速、王ムルからの指示が飛びます。エロ探偵め。  
言われた通り僕は胸を攻め始めました。もちろん先端の突起に触れないように。  
強弱をつけつつ揉みしだくと、それに呼応するようにドクロちゃんが<びくびく>と震えます。  
先端ギリギリまで指先を這わせ、また胸の付け根まで撫で戻します。幾度か繰り返すうちにセツナげな息遣いを始める天使の少女。焦らされるのが苦しいのでしょうか。  
そんな彼女の様子に思わず歪んだ笑みがコボレます。  
「さく、桜くん…お、お願いだから…さき…先っぽも…」  
「まだダメだよ、ドクロちゃん。それともドクロちゃんはそれすら待てないようなはしたない子だったかな?」  
「…ーっ!!」  
首筋まで紅く染め俯いてしまう天使の少女。  
いつまで続くのか解らぬ胸への刺激に馴れてきたのか、先ほどのような鋭敏な反応を見せなくなったドクロちゃん。  
なんとなくつまらなくなってしまった僕は、今まで一度も触れず、焦らしに焦らした桃色の先端部分を口に含むやいなや強烈にバキューム。  
「ひぁあッ!!?」  
大きくハネ上がる天使のカラダ。  
 
部屋に響いてしまったくりくりヴォイスを遮断すべく覆った手は少女の吐息が結露して湿りました。  
そのままオサエた左手で天使の唇や舌を弄びます。  
「ふゃあぁぅうぅー…」  
シビれるように温かく柔らかい舌を指で絡めると、侵入者を拒もうともしない口の端から一筋の唾液が零れ落ちました。  
僕は胸に吸い付いたまま。なおかつ、口内の舌を急遽フル活動。先端を刺激します。  
「んゃあぁアァー…!!?さ、さくりゃくぅん…!ボク、お…おかひくなっひゃうよぅっ…!!」  
予期せぬ性感帯へのさらなる攻撃に、口への侵入者もそのままに訴えます。  
それにも関わらず愛撫を続ける僕。  
すると王ムルの声が、  
「もう充分ではないかな、桜君。余りにしつこい愛撫は女性にキラわれてしまいかねないぞ?」  
自我に染み渡ります。  
「ドクロちゃん。」  
「…はぁっ…はぁ…?」  
「声は、出さないで。」  
僕は<ひくひく>と悶える天使の少女に念を押すと、腰に回していた右手を、するりするりと下へ移動させます。  
アザやかな手並みでパジャマのズボンを足首辺りまで引き下げるコトに成功。  
 
未だに僕は少女の胸元に食らいついているので視認は出来ませんが、しましまかドクロプリントかも解らぬ下着越し、<じっとり>と天使のソコが湿っているのがわかります。  
「わ、ドクロちゃん、もうこんななんだ?」  
<ぐにゅぐにゅ>と弄びながらソンナコト聞いちゃう僕。  
顔を真っ赤に上気させた天使の少女は身をヨジッて精一杯の否定を表現しました。  
ドクロちゃんが僕の布団に潜り込んできてから感じる甘いシャンプーのような匂いの中に、また違う"女のコの匂い"が混じります。  
左手と口は胸を。  
右手は下半身を。  
やや耳年増な中学二年生の知識をフル稼動させ天使を精一杯弄ぶ僕。そんな自分を、喘ぐ少女をヨソにふと客観視してしまい、さらなる興奮を煽ります。  
 
いつの間にやら下着を乗り越えた、右手のイキオイも高まりまして、  
「ひんっ…はぁっぁァアぁっ…!!」  
ドクロちゃんの声のトーンも右肩上がり。  
「ぼ…ボク、桜くんが…ほ、欲しいよぅ…」  
…よもや天使からこのようなオコトバを頂けるとは思いませんでしたが、このチャンスを活用しないワケにはいきません…!  
「じゃあドクロちゃん?」  
「なぁに、桜くん?」  
「僕のを、嘗めてくれないかな…?」  
「…ーッ!!?」  
暗闇の中、薄紅色に高揚していた頬が、さらに真っ赤になるドクロちゃん。もちろん僕だって例外じゃありません…!!  
ココまで彼女を弄んでおきながらも心底ハズカシイものです。  
それでも、夜の男子中学生に歯止めは利きませんでした。  
「イヤならいいんだ。ココで、終わりにしよう?」  
「……わかったよ。ボク、やるよ?桜くんのなら、へ、平気だもんっ」  
少女はうわずり震えた声とともに、もぞもぞと僕の下半身へと頭を移動させます。  
天使のわっかに、ご注意下さい。  
 
<ズルズル>とヒザ下まで下ろされたズボン。  
布団の中で少しばかりとはいえ、敏感な僕の"僕"はヒヤリとした外気を感じます。  
「ど…どうすれば、いいの?」  
「そ、そうだなぁ…とりあえず、まんべんなく嘗めてみてくれないかな?」  
うん…とドコとなく上の空な生返事をしつつ、中学二年生にしてはナカナカな"僕"にドクロちゃんは釘付け。見直したかい?  
やたら誇らしくなっていた僕を、不意にオトズれた<つつー…>っと温か、かつ柔らかな感触が、支配します。  
「ぅうっ…!?」  
早くも声を上げてしまう、僕。  
な…ナンデスカコレハー!!  
<ふにゅふにゅ>とした湿り気のある舌が"僕"のあらゆるトコロを這いずりまわっているのです!  
いくらお願いしたとはいえ、まさかここまでとは思わなかった僕なのですよ!!?  
「ちょっ…!ド、ドクロちゃん!?コレはやり過ぎで…ぅくゥッ!!?」  
僕の声が聞こえているのかいないのか。ドクロちゃんは一心不乱に特別サービス。  
追いツメられゆく"僕"に、やがては天使の小さな口が<ちゅぅー>っと吸い付いてきてしまいまぁアァアあぁァアーッ…!!?  
 
一瞬感じた浮遊感。  
その直後に予期せぬ放出。  
 
出す本人が意図してすらいないのですから、天使の少女はさらに慌てふためいて、ただひたすらに、<びゅくびゅく>口内に流れ込む粘液を飲みクダします。  
しかし、今までに貯まりに貯まった我が欲望は、その度々の原因である少女、ドクロちゃんへと、限界を知らぬがゴトく吐き出され、飲み干すコトもままナラズにシタタり落ちました。  
<んぐんぐ>と苦々しげな表情、そして涙を浮かべながら、口に残留する欲の権化を喉の奥へ、押し込む天使の少女。  
「ん…はぁっ…はぁっ…桜くん…ボク、じょうずに出来た?」  
「う、ん…」  
あれだけ吐き出して、なお<どくどく>と怒張する"僕"。  
興奮の高まった僕は、もう我慢出来そうにありませんでした。  
ぐっ、とヒザを掴んで、口中のベトつきを気にする彼女の両脚をいざ開くとアラワるは、  
「ど、ドクロちゃん…ッ!」  
「ひ、ひゃぁあんっ!!?」  
まろやかなふとももの、その、奥。  
アマい蜜に潤された天使の秘所は、何を期待してか、<ひくんひくん>。  
綺麗なワレ目にアテガうやいなや、<ぐぐっ>と腰を沈めると、上がるのは天使のろりろりシャウト。  
「ぅやぁァア…むぐゅぅウゥー…!!」  
「!!?」  
アワテて天使の口元を手で覆います!今のは、マズかった…!!  
 
それにしても、天使のそれは、凄いものがありました。  
ある種のアツさが"僕"に絡み付き、<ぎゅうっ>と締め付けられるような感覚。  
入れるのも困難なのは、ドクロちゃんもハジメテなユエンでしょうか?  
「い…痛いよぅ、桜くぅん…!!もう、少し…優しく、優しくして…?」  
僕に柔らかな手でしがみつく少女は、息も絶え絶えに、僕の耳元でササヤきます。  
刺すような寒さが嘘のようにカラダはホテり、汗が顎を伝います。  
ハジメテな僕はまだまだぎこちない腰の動き。けれども、同じくハジメテであろう天使の少女をナカせるには、充分過ぎるホドでした。  
「ゃあっ…はぁんっ…あァっ…!!」  
僕が奥へ入り込もうとするたびに、<がくがく>と、痛みからなのか気持ちよさからなのか解らないぐらいに、カラダをのけ反らせ痙攣するドクロちゃん。  
大きめのふくらみがその動きに合わせ<ふゆふゆ>と震えます。  
ホンノウ大臣やエロ探偵おうムルと会話する間もないくらいに激しい突きに<びくんびくん>と跳ねる天使の振動が僕のカラダにフィードバック。  
繋がった二人を、窓から差し込むオボロゲな外灯が照らしていました。  
 
ただ加速する動き。  
狭い一枚の布団の中で。  
二人が一ツになって。  
「「…ーッっ!!!!」」  
絶叫を押し殺し、二人同時に果てたとき。  
僕は、ドクロちゃんの故郷を、<ぎゅっ>と閉じた瞼の裏に、見たような気がしました。  
<どくん、どくん>と僕は、その細い腰に手を巻きつけ抱き締めている天使に、白い欲望を注ぎます。  
「はっ…はっ…」  
お互いに交わすコトバもなく、抱き合ったまま荒い呼吸だけが…やがてそれすら落ち着き、朝へのカウントダウンを刻む秒針だけが部屋に響くようになりました。  
 
 
何分ぐらいそのままだったのでしょう。1分だったのか、10分だったのか。  
<ごろりん、くたり>と、寝床へ横たわる僕。  
今まで腕の中に抱いていた、天使のぬくもりが感じられなくなると、急に胸が、寂しくなりました。  
僕は思わず、謝罪の辞を述べてしまい、  
「ドクロちゃん?その…ゴメンね?…こんなコト、しちゃって」  
「……………」  
「?」  
返事がないコトに違和感をオボえ、顔をノゾき込めば、既に<すーすー>、穏やかな天使の寝顔。  
「ふー…」っと、何となく安堵のタメ息をついた僕は、凄まじい疲労感とネムケに襲われー…  
 
気がつけば、天使の布団をかけ直すのもソコソコに、深い深い眠りについていたのでした。  
 
…―ひんやりとした朝の冷気が顔を叩き、僕はうっすらと目を開けます。  
目の前には、半裸状態の、昨夜交わった天使の少女ドクロちゃん。  
さらに、ふと視界に刺さるのは、枕元にある、黒く冷たく光る鋼鉄のモンスター『エスカリボルグ』。  
その冷酷無慈悲な凶器(正確にはこの凶器の使用者が冷酷無慈悲なのですが)を目にした途端、起きぬけのアタマが考え出したコト。  
ソレは、そのトキには特別、疑問視したワケでもないコト。  
そう。どうして、"僕は昨日、あんなマネをしても撲殺されなかった"のか!!  
今さらの恐怖。  
その、ナンニモもなかったという事実が、かえって半裸パジャマの少女に対しての恐怖をヒき立てます…!!  
しかし、<ぶるぶる>と濡れた子犬のようにオビえる僕に、その答えを提示したのは。  
 
「おはようザンス。桜君」  
「!!?」  
 
一瞬の硬直。が解けると同時にパジャマを整え、布団の中から緊急エスケープ。いつからいたのかも判らぬ変態モヒカンの視線から、半裸の天使を覆い隠します!!  
「? 何を慌ててるザンスか?」  
「ザ、ザンスさんには関係のないコトです…!!それよりナゼ、こんな時間にこんなトコに!?」  
「イヤザンスねー。こんな時間もなにも、もう10時ザンスよ?お寝坊サンな桜君がいけないザンス」  
 
じ、10時…?な…ナニー!!!!?  
と…と、いうコトは…少なくともお母さんは、いつまでも起きてこない僕を起こしに、あるいは叱りに一度は部屋に入ってきてたハズー…!!  
「(い、いや!ドクロちゃんは布団の中にスッポリと埋もれてたから分からなかったかも…で、でも、だとしたら、なんでお母さんは僕に…僕に声をかけてくれてないのー!!?)」  
「さ、桜君!?だいじょぶザンスか桜君!!」  
ぐるぐると自問自答を繰り返す挙動フシンな僕に、平和な冬の朝が似合わない変態天使が声をかけます。  
「ま、まだ、大丈夫ですが…いつまで、この家にいられるか…。いや、そんなコトより。何故ザンスさんはここに?」  
「良く聞いてくれたザンス桜君!実はザンスね。天使のあいだで、また奇病がハヤりだしたんザンスよ。だから、ドクロちゃんたちにも気をつけてもらおうと連絡しに来たんザンスよ?」  
「それはわざわざありがとうございます。あとで僕が、しっかり、伝えておきますので。とにかく今は!さっさとお帰り下さい…!!」  
「そんなヒドイザンス桜君ー!!どんな症状か知りたくないんザンスか?」  
「し、しつこいなー…!じゃあどんな症状なんです!?」  
 
「よく聞くザンス!ソレは、夜になると、誰しもが持っている性欲本能が活性化され、カラダが疼き、堅く純潔を護る天使でスラ、誰も拒めなくなるという、エロパロにありがちな、恐ろしい病気なんザンス…!!」  
ココで何故かザンスは一拍開け、  
「その名も、"エンジェル・パッション"!!」  
叫びました。  
ザンスのしゃがれたシャウトが部屋に響いた直後。  
僕のカラダを強い衝撃がハシり抜けました。  
……!!これだったんだ…!!昨日ドクロちゃんがあんなにすんなりぬるねると!僕を受け入れたワケは!!  
ふと病気だったコトにつけこんでしまったような罪悪感が僕の中にわだかまりましたが、まずは、その奇病をなんとかしなくてはっ!!  
「ザンスさん。それ、万が一、カカってしまったらどうすればいいんです?」  
「今のトコロ、打つ手立てはないんザンスよ…だからこそ、恐ろしい天使の病の一つとして伝えられているんザンス…」  
なるべく、平静を装い聞いた僕へと冷たく告げられる、絶望的なザンスの回答。  
そんな……!!学校にいる間はともかくとしておいて!天使と同じ屋根の下である僕は、コレカラ…毎夜毎夜どうすればぁアァァアあぁ……!!  
 
「そりゃマズいですよ!!マズすぎます!!か、仮にですよ!?仮に、カカっちゃったりしたらどうするんです!?」  
「桜君の代わりにミィがドクロちゃんと一緒に住むザンス」  
「絶対、ダメです…!!」  
 
 
セリフを読めば、いつもと変わらぬ日常。  
しかし、ザンスさんは気付きませんでした。  
悲鳴を上げる僕。  
その態度とウラハラ。  
ココロの中、布団の中の天使を見やり、これからの夜を待ちわびる僕がいたコトに。  
 
 
End...?  
 

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