クラスの4人に1人が眠気と闘っている中、授業の終わりを告げる鐘が鳴りました。僕は眠い  
どころか、残り5分は緊張で一杯だったのですが。  
 その原因――そして目標は一人。黒髪を結んで両側に流しているのが何とも美麗な、幼馴染み  
で片思い中の水上静希ちゃんです。  
「静希ちゃん。ちょっといい?」  
「あ、うん。なに? 桜くん」  
「いや、昨日のことなんだけどさ――」  
 学生が日々の修練の合間を縫って解き放たれる休み時間。僕は通常の3倍ほど爽やかな笑み  
を浮かべると、残り5分のうちに心の中で何度も反唱した言葉を用いて、静希ちゃんと話を始めま  
した。なにがそんなに嬉しいかというと、いつも話しに割り込んでくるドクロちゃんは先程の授業から  
ずっと爆睡を続けているからです。  
「くぅ〜、くぅ〜」  
 無防備な寝姿でラブリーな雰囲気を振りまいてますが、騙されてはいけません。思えば僕は、  
この天使に静希ちゃんとの進展を何回も妨害されてきたような気がします。毎日毎日ツンデレの  
デレ期に入った女の子みたいに、僕の周りを引っ付き回るドクロちゃんが隙を見せた今だからこそ、  
僕と静希ちゃんが気兼ねなく会話を交わせるというものです。  
「うん、そうだね。桜くんもその番組見てたんだ」  
 睨んだ通りです。僕と一緒の番組を見ていることを女子達の会話から察知し、さり気なくその話題  
からはいると、静希ちゃんは笑顔で答えてくれました。  
 もっとも、いくら妄想力の優れた僕とはいえ、5分程度で完璧な計画が立てられるわけではあり  
ません。僕は、家でドクロちゃん達の目を盗みながらちゃんとシミュレートしていたのです。その通り  
に、出だしは完璧でした。これならば、指がふやけるまで風呂で一人芝居をしていた甲斐があったと  
いうもの。  
 昨夜の出来事から入り、今日の話題へと移らせて、これから――未来の話題へと発展させる。  
そして話が弾んだ暁には、放課後のスウィートタイムが僕達を待っているのです。  
 
「そういえば、次の授業ってなんだっけ?」  
 ここまでは問題なく予定通りです。先のことの手始めに、まずは次の授業の話題から……。  
あれ? でも様子がおかしいです。僕が次の時間のことを口にすると、静希ちゃんはどこか  
恥ずかしそうに頬を赤らめ、口元に手を当てて視線を横に逸らしてしまったではないですか。  
「あ、あれ? 一体どうし――」  
 予定が違うぞと思い、僕は途中まで尋ねたところでハッと気付きました。これはひょっとして  
僕との親密度ゆえに見せる乙女の恥じらい? いや、きっとそうです。乙女の純情とは関係の  
なさそうな授業の話題ですから、こんな風に可愛い仕草を見せる理由が他に考えられません。  
 そうです! こんな時はそんな初々しい仕草を尊重しながらも、優しい声を掛けてやるのが漢!  
今こそ即興で見せる時です。結構続けている一人妄想行為が鍛え抜いた、僕の創造の力を!  
「う、うん。そんなに想ってくれるのは嬉しい。けど……、もっと僕と一杯話して欲しいなって、  
……そう、思うんだ」  
 言えた……。ちょっと拙い感じだったけど、それがまた母性本能をくすぐったりするはず……!  
「うんうんっ。ボクも桜くんともっとお話しする――!」  
 ってオイ! 何か返ってきた答えが、可愛いらしいくりくりヴォイスなんですけど!?  
 確実に当たりそうな悪い予感がして、恐る恐る側面を見やります。すると、やはりというか、  
そこには寝ぼけ眼をゴシゴシと擦って欠伸をするドクロちゃんの姿が。どうしてこのアホ天使は  
空気というものが読めないのでしょうか?  
 
「あのね、ドクロちゃん。僕達は、今とってもいい雰囲気になってた所なんだよ? 静希ちゃん  
だって迷惑して――」  
「桜……くん? 朝のHRで聞いてなかったの? 次の授業は……」  
「はいはい――っ!! ボクは知ってるよ! 次の時間は学年合同でせいきょういくっていう  
のをやるんだよ!!」  
「えっ……!?」  
 僕は一瞬で凍り付きました。朝のHR時に僕がどうしていたか思い起こします。そういえば  
昨日は、ドクロちゃんに7並べならぬ1並べ(配カード時に勝敗がほぼ決するクソゲーム)に  
付き合わされて、数時間も眠れませんでした。おそらく、学校では元気一杯なドクロちゃんが  
授業中に爆睡していたのもそのせいでしょう。  
 だけど問題は――、僕がその付き合いのお陰で眠っていたせいで、朝先生がした大事な  
話を聞き逃していたということです。気まずくなるのを避けて、みんながなるべく話題に出し  
たくないようなことを、よりにもよって最愛の人に面と向かって尋ねてしまうなんて……ッ!!  
これでは、僕が一番空気を読めてない人間じゃないですかッッ!!  
「ド、ドクロちゃん。声が大きいよ……」  
 ドクロちゃんがいつもの元気な声でそれを教室中に響き渡らせると、静希ちゃんはそう注意  
して益々赤くなってしまいました。  
 ドクロちゃんはそんな批判の声などどこ吹く風といった感じで、どこからか性教育入門書  
『男の子と女の子 からだのひみつ』を取り出します。  
「ボクはちゃんと予習してあるもんね! え〜と、この前読んだ所ではね、女の子の性徴は  
ー……」  
「言うなッ! 言わんでいい!! あ〜もうっ、時間無いからさっさと行くよ!!」  
 僕は気まずい空気になった教室にいるのが嫌になり、ドクロちゃんを引きずってさっさと  
視聴覚室へ移動することにします。  
「あぁん……桜くんったらぁ。ボク、無理矢理はやだよぉ……。でも……」  
「そうやって変なセリフを朗読し始めないッ!!」  
 僕はそう一喝して立ち上がります。静希ちゃんも気を取り直したのか、僕達と一緒に移動  
してくれました。  
 
「うわー、ここが視聴覚室!? 結構広いんだねっ!」  
 視聴覚室はちょっとした行事の集まりでも使われる教室で、1学年分ならそう詰めなくても  
座れるはず……なのですが、こういった所は学校気質なのか、前の方では隙間無くビッシリと、  
先に来ていた人達で列が形成されていました。  
「ボクは桜くんの隣がいいっ! 静希ちゃんも一緒がいいよね?」  
「うん。そうさせてもらう。ふふっ……」  
 静希ちゃん……、なんだか目の前ではしゃぐお子様に楽しそうな笑みを浮かべてらっしゃい  
ますが、この草壁桜、性教育という現場にこの天使と隣り合うことが不安でなりません。でも  
こうなった以上は仕方がないでしょう。静希ちゃんと近くにいられるなら一時の恥など忘れて  
って、えぇぇえエエぇっッッ!?  
 僕は重大なことに気付きました。通常こういった保健体育の集まりの時は男女別が基本です。  
それが性教育のビデオでも見ようかという非常時のものならば、その傾向はさらに強まること  
でしょう。しかし、ドクロちゃんに腕を引かれるままにして座らされたそこは、正面を向いて右側、  
女子達のテリトリーのど真ん中だったのです。  
「これはやばいって!! 早く脱しゅつぉぐぅぅぅっっ!?」  
 席順に指定がないとはいえ、これじゃ針のむしろです。通路近くの席が埋まってしまう前に  
脱出しようと立ち上がったのですが、右隣に座った怪力天使が腕を掴んだままでした。ドクロ  
ちゃんは、自分に与えられる作用に反して思いっ切り力を込めます。すると僕の肩がミシミシ  
と嫌な音をたてるのです。それはもう――今にももげそうなくらい痛くて……。  
「わかった、わかりましたっ! 一緒に見ますから、腕は一端離してくださいッ!!」  
「へへーん、約束だからね」  
 ドクロちゃんは、勝ち誇ったように満面の笑みを浮かべました。凄まじい力に引かれていた  
腕が解放され、フラッと力無く背もたれに当たります。ちくしょう、僕にもっと力があればッ!!  
 
 やるかたなくといった感じで、反対側に目をやります。左隣にはそう、僕の想い人の静希ちゃん  
がいるのです。彼女は僕達のいつものやり取りを楽しそうに眺めていました。僕にとっては笑い事  
じゃないので否定したい所ですが、太陽のように僕の心を照らす女神の微笑さえ見られれば本望  
です。ええ、負け惜しみじゃありません。本当ですよ?  
「ねーねー、桜くん。桜くんもこの本で予習しておいたら?」  
 ドクロちゃんは『男の子と女の子 からだのひみつ』を手に掴んで、ヒラヒラと僕に見せ付けます。  
「って、それ持ってきてたの!? ていうかこんな所で堂々と机に広げないでよッ!! ああっ、  
周りの女生徒達の視線が痛いッッ!!」  
 決めました。もうこの右隣のアホ天使は無視です。適当に相づちを打って一緒に座っていれば、  
そう危害を加えられることもないでしょう。僕は今から、ドクロちゃんとは関係ないただの他人に  
なるのです。  
「桜くん……? ねぇ桜くん、聞いてるのーっ?」  
「うんはいはいそうだね。恥じらいというものがない君にはガッカリだ」  
「ぶぅーっ、マジメに聞いてよぉーっ」  
 手短にあしらっていると、やがて僕には声を掛けてこなくなりました。ようやく静かになったなと  
思い、机に肘をついて軽く前屈みになります。そうしているとなんだか眠気がゆっくりと僕を包ん  
で――ああ、静希ちゃんの隣で眠るってのもまたいいかも……。  
 
 などと、心地よい感触に浸っていたのもつかの間、ドクロちゃんの居る方から困ったような  
女の子の声が聞こえてきました。また誰かに迷惑を掛けているのかな? と、気になったので  
耳を澄ましてみます。  
「ねえねえちえりちゃん、これはなんて読むの?」  
「えぇっ……!? そっ、それは……その……、いんのうって読むんです……。別の読み方も  
あって、ふぐりとも……」  
 ちょっと、なんてこと聞いてるのッ!? 熱心に予習しすぎだよ!!  
 チラッと目を向けると、静希ちゃんと一緒に図書委員をやっている、大人しい文学少女の小野  
ちえりちゃんが、ドクロちゃんに質問攻めにあっているようでした。困ったように眼鏡をいじったり  
する仕草が、ウブな魅力を衆人にアピールしているようなものです。  
 ハッ、危ないっ、無視だ無視。ちえりちゃんには悪いけど……、いや、本当に申し訳ないんだけ  
ど、僕が絡んでいってもさらに事態が悪転するような気がしてならないんだ。そうだ、これは決し  
て僕の現況を正当化するための詭弁じゃないぞ。うん。  
「それってどんな器官なの?」  
 なんてことだ! 天使の暴走は止まる所を知らなさそうだぞ! ていうか、さすがにそれはマズイ  
だろうっ!? これじゃあ僕も、羞恥に打ち震える内気な少女に目が釘付けですよ!!  
「ぁ……ぅぅ……。えっと、それは、それは……あの……、あ、赤ちゃんの元になる……い、遺伝子  
が溜められている……所……で……」  
 ええっ!? ちえりちゃんも消え入りそうな声で答えちゃダメでしょ!? 必死に遠回しな言葉で  
伝えようとしているのが不憫でならないッッ!! それを見殺しにするのか僕はッ!? 僕はっ、  
僕はああァァあぁぁっッッっ!!  
 
 結局――  
「あっ、桜くん、そろそろ始まるみたいだよ!」  
 罠にハメられた臭いがプンプンしますが、僕の右腕はドクロちゃんの腕と組まされました。  
落ち着きのないドクロちゃんがモゾモゾ動くと、その言動らしからぬ発育した胸がポニョンと  
腕をくすぐります。これがラブストーリー上映中の映画館なら絵になるのですが、性教育の  
ビデオを見る前ではあまりにふさわしくありません。ていうか、男子達のいる左舷の方から  
殺意めいた視線を感じるんですけど……。  
「ドクロちゃん、こういう勉強は熱心ね。……桜くんの影響?」  
 はあうぅぅっ!? なんかさり気なく酷いこと言われたような……って、南さんいつから僕の  
後ろの席にいたんですかっっ!?  
 ドクロちゃんはそう褒め称えてくれた相手の方に振り向きます。  
「うん……。僕ね、桜くんが求めてきた時にきちんと対応しなきゃならないから……。ほら、男  
の子の方が色々進んでるでしょ? 桜くんも、夜になると僕を見る目が変わるんだもん……」  
「切なげに目を潤ませて紛らわしいセリフを言うのはやめてよ! 君の対応って、いっつも早  
とちりして僕を撲殺することでしょ!? 夜に不安なのは、寝てる時にまたなんかイタズラされ  
るんじゃないかって思うからッッ!!」  
「ウソ……桜くんってやっぱり……」「ああ、桜の奴があんな可愛い子と一緒に暮らして何も  
ないわけがないと思ってたんだ」「一見人畜無害そうな顔して、小さい子には酷い事してたの  
ね……」「ウソだ、みんなまた誤解してる! 僕の話を聞いてくれえぇぇッッ!!」「最低……  
最低だな」「もうこの授業に出る必要なんてないんじゃない?」  
 ヒソヒソなようで、僕にギリギリ聞こえるレベルで浴びせられる話し声。さらに、純朴な中学生  
にしては鋭すぎる眼光を放つ眼、眼、眼。女子の方からは軽蔑の白い視線が、男子の方から  
は嫉妬のどす黒い視線が胸に突き刺さるようです。  
 ほら、現に僕の胸部からは血が滴り落ちて――って、血いいいいぃぃぃっっ!?  
 
 本人は、恥ずかしがって男の子の胸を指でぐりぐりする可愛らしい女の子のつもりなので  
しょうか。なにを間違えたのか、ドクロちゃんは、トゲトゲのバット『エスカリボルグ』で、僕の  
胸をグリグリ突いていたのです。  
「おかしいっ! おかしいですよドクロちゃごぼあぁぁっっ!?」  
 程なくしてそれは貫通し、ぶちまけられた僕の色々な物が、背もたれにブシャアアアッッと  
シャワーのように降り掛かります。白い椅子の中にあって、ただ一つだけ血化粧を施された  
僕の座席は、さながらVIP席のような輝きを放っていました。  
 どこか楽しそう……って、まさかワザとやってるんじゃないでしょうね!? あっ、こらっ!  
僕の血肉が染み込んだ椅子までグリグリするのはやめてぇっ!! こんな所に青春の血潮  
を染み込ませたくありませんから――ッッ!!  
   
 ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪  
   
 ソースのようにベットリとなっていた色々な物が、僕の方へと集約してきます。貫通された  
箇所から中へと舞い戻って、ついには草壁桜が完全復活しました。  
「それではビデオが始まります」  
 安堵の溜め息をつくと、聞こえてくるのは無感情なアナウンスの声。てゆーか少しは反応  
してくださいよ。僕の所だけ異常なのに、シクシク……。  
 でも、ビデオが始まるとドクロちゃんは思ったより静かで、僕の腕をちょっと痛いぐらいに  
キュッと握り締めてきます。すると、プニプニと犯罪的に発育の良い柔胸の感触が先程以上  
に当たるんです。しかし、それとはアンバランスなロリロリフェイスは、どこか未知のものを  
見せられて怖がっているような……そんな気がしました。  
 
 というか、そもそも過激すぎないですか!? この性教育ビデオ!!  
 普通は模型とかを使って、思春期の僕達にあまり刺激を与えないよう配慮されてたりする  
ものなのに、え? 何でそんなことを知ってるのかって? ゲフンゲフン! まあ、そんなこと  
はどうでもいいんです。  
 それなのにこのビデオは……その……さすがに実物こそ使ってないものの、チャチな模型  
じゃないし、本当に違う目的で使えそうな代物がバンバン登場してきてますよ!?  
 しかも、出てくる男や女がみんなやらしすぎるんですよ! なんですかこの女性は、舌なん  
か出しちゃって! 喜んでるのは左舷の男連中だけですよ。まあ、僕も嬉しいですけど。でも  
女の子達はさすがにそうはいかないようです。  
「桜……くん。桜くんは、ボクがあんなエッチなことされてるのを、夜な夜な妄想してるんだね  
……」  
 ドクロちゃんは相変わらず僕の腕を人形のように抱き締めて、とても恥ずかしそうに目を伏せ  
ながら、そんなことを言います。って、女子生徒群の中心で、とんでもない憶測をサラッと言わ  
ないでくれよ!  
「ぁ……ぁ……、私、こんな……、こんなの見せられたら……」  
「ひゃおぅぅっっ!?」  
 思わず奇声を上げてしまいました。だって左隣の静希ちゃんが、肘掛けに置いた僕の手の  
甲に、柔らかくて守ってあげたくなるように小さく震えている――てっ、手のひらをフワリと乗せ  
てきたんですからっっ!!  
 大好きな娘の大胆な行為に、僕の思考回路はショート寸前です。ああっ、僕の頭は幸福感  
で一杯に……ってあれ? なんか頭が痛っ? いたああぁぁ――ッッ!?  
 
 突然、幸福感が激痛感に凌駕されたので、僕は恐る恐る後ろを見やりました。すると震える  
南さんが、なにやら危ない表情になりながら身体を前に乗り出して、前にいる僕の頭を両手で  
クシャクシャといじっているのです。  
「ぁ……あぁっ……、すごい……すごいの……ッ」  
「うわっ! ちょ……髪、髪がああぁぁっっ!! はにかみながら僕の頭を掻きむしるのはやめ  
てぇぇッ!! 冷静な南さんがこんなに動揺しているのはヤバイッ、このビデオはヤバイという  
のが科学的に立証されたよっ!!」  
「きゃあっ!? あっ、あんなに大きいの……?」  
 過激なシーンになると、僕の頭を遮蔽にして、画面を見ないように試みています。クールビュ  
ーティな魅力とは違った可愛らしい一面です。その時、南さんの吐息が感じられるほどに接近  
するので、彼女が興奮の熱を持っているのがハッキリとわかりました。  
 完全に違う性格になった南さんに、僕の首は車のハンドルみたいにグギグギ動かされて、か  
なり痛いです。僕は、女の子の部屋に転がっているピンク色のクッションじゃないんで、速やか  
にやめてもらいたいのですが。  
 最近、少年少女達の性のモラルが欠如している。はい、テレビでもよくやってますよ。だから、  
時代に合わせて性教育も変わっていかなくてはならないのでしょうか?  
 ですけどね――、痛いものは痛いんですよぉっ!! てゆーか誰だよ、こんなビデオチョイス  
したのぉぉッッ!?  
「ああっ、ドクロちゃん僕の腕骨が軋んでるよっ……。静希ちゃん爪立てないでぇぇッッ!! お  
わあぁぁっっ! 南さんは髪を抜かないでぇっ、首を曲げないでぇぇ――――ッッ!!」  
 女人達の中心にて、苦痛と快楽の狭間で僕の喘ぎは、教育ビデオが終わるまで延々と続いた  
のでした……。  
 
 ――これは、思春期の少年少女達が織りなす、ちょっとエッチな成長の物語。  
 

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