「ホントにいいの?」  
 首下のつやつや肌を感じながら、僕は念を押すようにしてそう尋ねます。  
「うん……。エッチな桜くんがいやらしいことをして興奮してくれるなら、ボクがこの身を捧げて  
生け贄になるよ……」  
「なんだか、随分トゲのある言い方だね……」  
 ドクロちゃんはそう言い放った後は黙りこくってしまいます。逸らし気味に傾けていた瞳を動か  
すと、横目でチラチラと僕を窺ってきました。どうやら、僕の次の行動をジッと待っているようで  
す。  
 毒を吐かれた僕ですが、苺のように赤らんだ天使の可愛らしい顔と、ふわふわなマシュマロ  
のように美味しそうな胸二つを前にして、特に気を削がれることもありませんでした。  
「じゃ、じゃあ、触っちゃうよ?」  
「うん……」  
 コクリと頷くドクロちゃん。かぶりの動きに合わせて胸も一緒に揺れ動き、まるで頭とおっぱい  
が息を合わせてお辞儀をしているかのようです。僕の手は、その感触を味わおうと天使の胸元  
に引き寄せられているようでした。もしこのまま胸に触れなかったら、男としての苦悩と煩悩に  
今晩責められ続けるかもしれません。すでに、僕の我慢は限界に来ているのです。  
(軽く……、軽くなら大丈夫……)  
 色んな包囲から様子を探らせながら、危険物を扱うようにして手をゆっくりと胸の膨らみに近  
付けていきます。そして指先がブラウスの隆起へと僅かに触れました。さすがに、この程度で  
は刺激が足りないはずです。  
 
「んっ……。桜くん、まだ大丈夫だよ。もっと強くしても平気……」  
「う、うん。じゃあ、もっといくよ……」  
 僕は、先程と同じようにいきなり握り食い込ませるのは危険と判断しました。まずはほっぺた  
に触った時と同じように、丁寧に押したり横に少しスライドさせたりして様子を窺います。短気な  
人が見たらすぐに爆発してしまいそうな、弱々しい愛撫です。  
 ぷにぷに……、たぷ……んっ  
「はっ、んん……。桜くん、これ……段々……んッ! なにかが……湧き上がってくる感じ……  
だよぉっ……」  
 崩れてしまいそうな砂山を扱うようにデリケートな愛撫で、乳肉が僅かな変形を行っていきま  
す。衣服越しでもしっかりと感じ取れる幸せな感触をジックリとこね回すと、ドクロちゃんの大き  
なバストが妖しくたわみます。やがて、柔らかいそれを力の限り揉みしだきたいという欲望が湧  
いてきました。  
 僕は、少しずつだけ力を強めていくつもりでした。しかし、ドクロちゃんのエッチな胸が僕の本  
能に存在感を訴えかけてくると、無意識のうちに手の動きを早めてしまい、突発的に強い力が  
入ってしまうのです。  
「きゃ……んッ」  
 そうして僕がつい手に力を込めてしまうと、ドクロちゃんはその度その度、いやいやをするよう  
にして髪を揺り動かし、一緒になって乳房もザプンと波打つのが服の上からでもわかります。  
誘惑と制止の想いが両方こもったようなつぶらな瞳が、切ない涙をじわりと滲ませておずおずと  
見つめてくると、僕はどんどん劣情を煽られていきました。  
(いつもは撲殺されちゃうイメージばかりだったけど、ドクロちゃんてこんなに可愛かったんだ…  
…)  
 僕はそうときめくと、もっと強く、もっとしつこく、ドクロちゃんに触れたくなっていきます。  
 
「桜くん……。ボク、ブラ外した方がいいかな?」  
 僕はどんな顔をしていたのでしょうか。ドクロちゃんは今、僕の表情を見て初めて気付いたと  
いうようにしてそう言ったのです。なかば強制的に始まったことではありますが、僕はいつしか  
自分の意志で行為を進めていたのかもしれません。  
「えへへ、普段は着けてないこと多いけどね。窮屈だから……」  
 僕の顔に出た動揺を感じ取ったのか、ドクロちゃんは僕の答えを待つことなく、もそもそとブラ  
に手を掛けていきました。フロントホックに触れてそれを外そうとすると、今までブラウスの影に  
隠れるようにしていた黒下着が強く意識されます。ドクロちゃんにしては大人すぎるという第一  
印象でしたが、この我が儘に成長した胸ならなにも責める点はないでしょう。  
「んしょ……っと、外れたッ」  
「う……わっ!?」  
 拘束をされていた胸が解き放たれると喜ぶようにしてプルンと揺れ動き、僕は思わず驚嘆の  
声を発しました。そして、発育良好な膨らみをしっかりと包んでいたブラが、ゆっくりとずらされ  
ていきます。  
「どう……かな?」  
 最早、胸と外界を遮るものはブラウスの薄い生地のみです。注視すれば、先端のわずかな  
突出も確認できます。僕はゴクリと喉を鳴らしてからこう言いました。  
「すごく……、エッチだよ」  
 上半身裸ブラウスという萌えスタイルに、僕の理性はなし崩しに瓦解していきます。もう、なに  
が酷いとか女の子に失礼だとかを考える余裕もなく、気付いた時にはドクロちゃんの胸ぐらを  
掴むようにして、ブラウスのすでに開かれた上ボタンの辺りを左右から握っていました。  
 
「あっ!? ……桜くん、目がおかしくなってるよ?」  
「ごめん。僕、ドクロちゃんに酷いことしちゃいそうだ……」  
 そのまま腕に力を込めて胸元をググッと開いていきます。ドクロちゃんは、見ていられないと  
いった感じで、顔を恥ずかしげに横へ逸らしました。  
 やがて真っ白な柔丘の上にそびえ立つ、薄紅色の尖塔が顔を覗かせます。苺粒のようなそ  
れはとっても綺麗で美味しそうで……、こんな乳首を間近で見られる僕は、きっと特別な存在  
なのだろうと思いました。  
 僕は心の中で手を合わせて「いただきます」と神妙に呟き、口を開いてその尖塔器を目指し  
ていきます。ドクロちゃんは僕から目を逸らしていたので、気付くのが遅れました。  
 パクッ  
「ううぅんッッ!?」  
 不意をつかれる格好になったドクロちゃんは、目を丸くして驚いているようでした。まだ小さい  
蕾のようなそれを唇で挟むと、コリコリと心地よい感触が伝わってきます。  
「はむっ……、ホントに食べちゃいたくなりそうだ……」  
「やっ、ふぁぁ……ん。桜くぅん……、そこ……敏感だから、優しくッ……!」  
「ごめん。僕、我慢できないよ……」  
 僕は、口の中に含んだそれに舌を伸ばして、先端を絡め取るように舐め上げます。そこから  
強い快感が伝わっているのか、ドクロちゃんが僕の頭に当てた手はゾクゾクと震えていました。  
 
「桜くん、ダメだよぉ……。そんなにされたらボク……、おかしくなっちゃうぅッ……!」  
 ドクロちゃんが戸惑いの声でそう告げると共に、柔らかい胸に埋まっている僕の頭をグイグイ  
と押してくるのがわかりました。天使の少女がそんな困った様子を見せても、僕は欲望のおも  
むくままに先端をしゃぶり続けていきます。  
「んむっ、ちゅぱ……ちゅううっ! は……むぅ……ちゅぷぅ」  
「はぁ……はぁ……あっ!? ふぅぅんっ……!」  
 僕が赤ん坊の如く吸引を続けていると、乳首が段々と硬さを増してきた気がします。やがて  
ドクロちゃんの僕の頭を押す力も弱まってきて、抵抗の意思は感じられなくなってきました。  
 興奮した僕は益々いきり立って、綺麗な色をした無垢蕾を存分に味わっていきます。  
「ちゅう、ちゅっぷ、ふ……むぅ……、んん、ちゅぱちゅぱ……」  
「あッうぅ……。ボク……これ以上されたら、ホントに変になりそう……」  
 ゾクリ……  
「!?」  
 気持ちが盛り上がってきた所で、突然背筋にゾワゾワと悪寒が走り出します。嫌な予感が  
行為を止めようという意思を生んだのですが、僕の中の男が乳首から口を離すことを許して  
くれません。  
 
「桜くん、ホントにやめ……くぁっ!? でないとボクッ……、ボク――!」  
(マ、マズイ……。なんなんだこの悪寒は!?)  
 そんな心の声も空しく、相変わらずやめられない止まらないといった感じで、思っていること  
とやっていることは真逆でした。ぷっくりと美味しそうに実った粒をもっと味わおうと、僕は本能  
に命じられるままにそこへ歯を立ててしまいます。  
 コリコリ……  
「きゃううぅぅんッッ!!」  
 ムクムクと屹立してきた敏感な突起を前歯で挟んで転がし、感極まったドクロちゃんが部屋  
中に響く声で喘いだその時です。僕の予感は、的中をしてしまいました。  
 ブシャアアアアアッッ!!  
「ぐおほはああああぁぁッッ!!」  
 ドクロちゃんの可愛い嬌声に遅れて被せるように、僕の叫びが響き渡ります。ドクロちゃんは、  
胸の中に埋まっていた貪欲なオオカミの頭を一閃して吹き飛ばし、首からスポーンと外れた僕  
の頭部はほとばしる鮮血に彩られながら壁に激突して、部屋をコロコロと徘徊していました。  
「ふッ……は……ぁぁん」  
 鮮やかに撲殺を終えたクロちゃんは、僕の首から下の部分がある布団で、一緒に『くてん』と  
横たわってしまいます。  
 
「おねえさまっ、大丈夫ですか!?」  
 首がもげてしまった僕は置いといて、ずっと側で二人を窺っていたザクロちゃんが、倒れて  
息を荒げているドクロちゃんに駆け寄りました。  
「はぁはぁッ……う……。ザクロちゃん……、ボク、ダメって言ってるのに……、く……ぁ……、  
無理矢理、おっぱいいじられて……」  
「ちょっと待ってよ! なんかそれだと大分印象が違ってくると思うよ!? そりゃ、先っちょに  
いきなりあんなことをしたのはマズかったかもしれないけどッ!」  
 興奮で脈々と流れていた血の気が、サーッと引いていきました。泣きそうな瞳でザクロちゃ  
んの介抱を受けるドクロちゃんの姿を見ていると、なんだか僕が悪いことをしたような気にさせ  
られてしまいます。  
「でも……んッ! 桜くんは悪くないよね……。どうせ、はぁぅ……、男の子はみんな……そう  
なんだから」  
「なんかフォローというよりは、むしろ批判の気の方が感じ取れるんだけど……」  
 とはいえ、ドクロちゃんもそんなに怒ってはいない様子で、まだ震える手で一生懸命にエス  
カリボルグをかざしてくれました。  
 
 ぴぴるぴる――ん……あぁっ……ダメェ……言えないよぉ……  
 
 ドクロちゃんはまだ快感の波に襲われているのか、呪文の途中で力尽きてとげとげバットを  
離してしまい、ボスンという重そうな音が畳から聞こえてきました。  
「おねえさま……」  
「ご……めん……。誰かさんが敏感な所に乱暴したせいで、最後まで言えなさそう……。あッ  
……はあぁん……。ごめん……ごめん……ね……」  
「うわあああッッ! わかったよ、謝るのは僕の方だッッ! だから、そんな風に皮肉たっぷり  
の言葉で僕をなじるのはやめてくれえッッ!!」  
 
「はぁはぁ……。でも、どうしよう……。ボク……これじゃ……、んぁぁ……、呪文唱えられない  
よう……」  
 いまだ快楽の奔流の中にいる天使の少女は、とても困ったという表情をして、寄り添うザクロ  
ちゃんにそう尋ねました。  
「おねえさま。ここであの本に書かれていた呼吸法を試してみるというのは?」  
「あっ、そうか……。ん……うッ……、ありがとうザクロちゃん、ボクやってみる……」  
 二人がそう会話を交わすと、ドクロちゃんは真剣な顔付きになって、息を短く吸い込みます。  
そして、落ち着きを取り戻すように呼吸で上下する胸へと手を当てながら、ゆっくりと息を吐き  
出していきました。  
「すぅぅっ、はあぁ――…………」  
 どこかで見たことがあるような気がします。もしかしたら性教育書に書かれていた妊娠した  
女性が行う呼吸法かもしれません。だとしたら使用目的は異なっているものの、落ち着きを  
取り戻すという意味では、呼吸を整えるというのは理にかなっているでしょう。  
 
 しばらくそれを首だけで見守っていると、ドクロちゃんが小さく笑みを浮かべてこう言いました。  
「うん……。もう大丈夫だよ」  
 そして畳に寝そべっていたエスカリボルグを拾い上げ、いつものあの呪文を唱えながら振り  
かざします。  
 
 ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪  
 
 すると、僕の首はドクロちゃんと床を共にしている胴体以下へと嬉しそうに向かっていきます。  
そして、めでたくドッキングした僕が真っ先に感じたものは、股間にそびえている息子の異変  
でした。  
「ぬあっ! いつの間にか僕のモノがこんなことに……」  
 乳首にむしゃぶりついている時は必死すぎて気付きませんでしたが、ドクロちゃんの柔らか  
いおっぱいを味わっているうちに精神的ショックも消えて、ジュニアが本来の機能を取り戻して  
いたようです。血が集まって膨張したそれは、先程までの淡い勃起と比べると存在感がまるで  
違います。  
「うわぁ……」  
「あぁ……」  
 ドクロちゃんとザクロちゃんは、初めて生で見るであろう男の勃起に驚嘆の声を漏らしながら、  
目を向けています。  
「こっ、これでさっきの疑いは晴れたでしょ!? じゃあ、無実を証明できたので僕はこれで…  
…」  
 そう言って颯爽と立ち去ろうとする僕ですが、ブレザーの裾をドクロちゃんに掴まれてしまい  
ました。  
 
「行っちゃダメだよ。ボクを傷モノにした責任を取ってもらわなくちゃならないから……」  
「もしかしてヤリ逃げですか? 桜さん……」  
「ドクロちゃん、僕を無理矢理引きずり込んでおいてそれはないでしょ!? ザクロちゃんも、そ  
んな言葉どこで覚えたのッ!?」  
 怪力天使が圧倒的な力で引っ張ってきますが、それでも僕はジタバタと逃走を試みます。そ  
んな僕に、ドクロちゃんはこう囁きました。  
「いいよ、明日学校で言っちゃうもん……。ボクをあられもない姿に貶めて、自分はなんのお咎  
めも受けないでボクの前からいなくなったって……。放送室のマイク音量をMAXにして言っち  
ゃうから……」  
「なあッ!? キミはなんて恐ろしすぎることを考えているんだッ!!」  
「桜くん、もっとエッチなこと教えてくれるよねっ?」  
 ドクロちゃんは、反抗を許さない凶悪な笑みを浮かべてそう尋ねてきました。  
「ううっ……、もしかして最初からそのつもりだったの?」  
 ドクロちゃんはその質問には笑顔のままで、なにも答えませんでした。ここからの退避が不可  
能であることを本能で感じ取ってしまった僕は、力無く引きずられて布団へと尻餅をついてしま  
います。  
「今度は、桜くんのここを勉強する番だよ」  
「桜さん。ふつつか者ですが、どうかよろしくお願いします」  
「僕に拒否権……は、ありませんかそうですか。シクシク……」  
 二人の視線は、僕の目ではなくジュニアの方へと向けられていました。天使の姉妹たちの好  
奇心によって僕の無垢な性器がいじられるのは、どうやら時間の問題のようです……。  
 

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