―――−大助と梨紅は、ひょんな事で付き合い出したものの、毎日忙しくて、ろくに話もでくず、日 
々が過ぎていく・・。 今日は、その一つの例を出してみよう。  
 近々、大助の通う学校では、学祭がありました。今日は、その出し物を決める日。  
大助は、体調が悪く午後から学校に出席しました。  
そして、教室のドアを開けた瞬間  
 「オメデトー大助!!!」  
「丹羽君グッドタイミング〜〜♪」  
 などと、口々にクラスの生徒達が大助に挨拶をかわす。  
「え・・何が・・オメデト・・・??」  
 「まぁまぁ、これを見たまえ!!!」  
 いきなりで何がオメデトウなのか分からない大助を、冴原は黒板の前まで連れてきた。  
「――と、まぁ、そーゆー事なんだ!」  
 「え・・。でも、フリーデルトって・・・。確か・・・。」  
「そう!!! ヒ・ロ・イ・ン!! 頑張れよな!! 主役だぜ?? ちなみに、相手役のエリオット 
は、ダントツの票で日渡だ!」  
 「そ・・そんな・・・;」  
「問答無用!!早速、準備に取りかかるからな!! しっかりやれよ〜〜〜。」  
 大助の反応を無視して、冴原はやる気満々で教室から出て職員室に行きました。  
「ハァ・・・;」  
 大変な役についてしまった大助は、大きなため息を一つ・・。  
 
大助がガク―ッとしていると、そこへ、梨紅がきました。  
「ゴメンね・・丹羽君。私も票入れちゃって・・vでも、頑張ってね!!丹羽君ならきっとできるよ 
!!!」  
 「梨紅さん・・・。うん・・頑張るよ・・・。」  
「私も、衣装作り頑張るからね!! 丹羽君に似合う可愛い〜衣装作るから!!!」  
 「梨紅ーー!! 布とりに来てってーーー。行こーよーーー」  
 と、梨紅の双子の妹、梨紗が言いました。  
「あ、うん。じゃぁね! 丹羽君。また後で!!!」  
 そう言って梨紅は教室から出て行きました。  
大助は、梨紅に手をヒラヒラと振って見送りました。  
 そこへ、日渡総司令登場・・・。  
「丹羽は、いつも面倒なことに巻き込まれるな・・・。」  
 「ウワァッ!!ひ・・日渡君・・・。(全く気配を感じなかった・・;)」  
「まぁ・・・学校の行事だから、それなりに頑張らないとな・・。」  
 「そ・・そうだね・・;でも、日渡君・・よく引きうけたね。忙しいのに。」  
「まぁ、俺がいなきゃ始まらないって感じで、俺も仕方なく――」  
 「あーそう。うん。じゃぁ、またあとでね。」  
と、日渡が最後までセリフを言う前に大助は無理やり、話を終わらせてスタスタと歩いていってしまい 
ました。  
―――――−そんな感じで、いつも大助は振りまわされっぱなしでした。 
いつになれば、梨紅と楽しい時間を過ごせるのか―――・・・。  
 学祭が終わるまで、ちょっと無理かな・・・?  
 
 
           ――――−終わり−――――  

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