――前回の続き―――
学祭も間近なため、みんな大忙しでした。
もちろん、大助のクラス2−Bも劇の取り組みで大忙し。
ヒロイン・フリーデルトを演じることになった大助は、セリフも覚えないといけないし、女を演じな
くてはいけなく、大変でした。
「う〜ん…やっぱ、女を演じるのって……難しいなぁ………;」
大助は、かなり悪戦苦闘の様子でした。
そこへ、冴原がやってきました。
「大助ーー。どうだ、調子は?」
「……全然進まない………。」
「まぁ、女ってモンは、大変だからな。…そうそう、用事で来たのに忘れるところだった……。フリ
ーデルトとエリオットの衣装が決まったんだ。日渡は、もぅ着替えに行ってるぜ。お前も、女子に服借
りて試着してみろ。」
「えぇーー……。どうせ、スカートとかでしょ?」
「あったりめーだろ!?ヒ・ロ・イ・ンなんだからな!」
嫌がる大助に無理やり服を渡し、着替えに行かせました。
大助は、嫌ながらもちゃんと着替えて教室に戻りました。
大助は、教室のドアを開けて驚きました。
そこには、居るはずのないダークの姿が………。
驚きのあまり、ボーゼンとしてると、梨紅が大助の言いました。
「あ、やっぱり丹羽君も驚いた?あれ、日渡君だよ。衣装係の女子が、『やっぱカッコイイ衣装が良
い!!』って騒いでさ・・結局、何かダークの格好。」
「へぇーー。そうなんだ……。一瞬、本物かと思った……アハハ。」
と、大助は引き笑い状態でした。
「それにしても……女のあたしより、可愛いね。丹羽君…。」
「え……。あ、そう…かな?でも、やっぱり梨紅さんの方がずっと可愛いよ。」
あっさりと、大助が言った言葉に梨紅は顔を真っ赤にしました。
すると、クラスの女子が大助の元へ集まってきました。
「キャー!!丹羽君もピッタリね!!可愛い〜〜〜!」
「うーん。やぱり、私達の目に狂いはなかったわ!ほぼ、すそ直しもなしね!」
キャーキャーと騒がれっぱなしで、大助は疲れて思わず大きなため息をついてしまいました。
「ハァ……。本当、面倒な事になっちゃったな…。」
「丹羽は、ため息をつくのが好きだな。」
「ウワッ!!日渡君……いつの間に……;」
「失礼だな…。それにしても……」
「何?」
大助が日渡に尋ね返すと、日渡は鼻を高くして言いました。
「やはり、俺は何を着ても似合うな。ハッハッハッハッ。そこいらの人間とは」
「あー、はいはい。そうですか。それは、良かったですねーー」
そう言って、大助はその場を流しセリフの練習をしました。
「えーと…。あ…あな……?た…。え……?は?何なんだ、このセリフは……」
セリフを覚えるのに一生懸命な大助の姿を梨紅は、ただただ見つめていました。
「丹羽君……。忙しそうだな…。あたしも、何か協力してあげられれば良いんだけど………」
―――――第二部終了―――