天井から滴る水滴、怪しげに揺らめくオレンジ色のランプの炎。
そこは、薄暗い地下室だった。
どこからか奇妙な匂いが漂い、意識は朦朧としている。
私はその地下室の一角に全裸でつながれていた。
少しでも体を動かそうものなら激痛が手足に走る。
いや、手足はもうない。ここにつれてこられた時、
四肢の付け根の少し先をのこぎりで切られてしまった。
麻酔もなしにいきなりのこぎりの刃が手足に当てられ、鮮血が噴出し、
私は激痛で恐怖に悲鳴を上げる間もなく意識を失ったのだ。
再び意識を取り戻した時は既に手足は失われ、
その切断面からは血がこびりついた鎖がのびて私を束縛していた。
切断面から激痛が走る。私は痛みと絶望に悲鳴をあげる。
すると、突然何人かの男が部屋に入って来た。
全員目だけを覆う仮面をつけている。
彼らの口は笑いに歪み、仮面から覗く目は血走っていた。
その視線は私を舐めるように動く。
「ひっ・・・た、たすけて・・・・!」
無駄と分かりつつ私は助けを求める。
それを無視した彼らの視線は一点で止まる。私の股間の上で。
私は濡れていた。どうして、こんな状況で・・・?
四肢に激痛が走るたびに、男たちがそこを凝視するほど、愛液があふれ、
どんどん熱くなり、じんじんしてくる。
私はこの異常な状況に興奮していたのだ。
見られているにもかかわらず思わずそこに手を伸ばしたくなるが、
既に失われた手を伸ばす事など出来ない。
私はいつの間にか息を乱していた。
しばらく無言で凝視していた男たちが突然動き出し、
一人が私の足の付け根から撫で回す。
もう少しのところでじらされ、私は我慢できなくなる。
「いいたい事があるんだろ?はっきり言えよ。」
男の一人が初めて声を出す。
「はぁ、はぁ・・・わ、私の・・・」
「私の、なんだ?」
「私の・・・おま○こをいじってください・・・・。」
助けて欲しいはずなのに何故か出た言葉。
男たちは顔を見合わせにやりと顔をゆがめる。
その後男の指が私の無毛の敏感な部分を直に刺激しはじめる。
「んはぁっ・・・も・・・もっと・・・!」
恐怖も忘れ、私は更に求めていた。他の男たちが私の未熟な胸にしゃぶりつく。
私があまりの快感に身をよじらせると切断面から激痛が走る。
その激痛すら、すでに私には快感に感じられた。
「ひぁ・・・お、おかしくなるぅ・・・っ!」
あっさりと私は絶頂に達した。
頭が真っ白になり、もう何がなんだか分からなくなる。
「舐めろ。」
いつの間にか男たちは下半身をさらけ出し、
膨張させたものを私の顔に近づけている。私は何の抵抗もなく、それを舐め始めた。
もちろんそんな事したこともなければ、成長した男のモノを間近で見たこともない。
それでも私は一心不乱に舐め続けていた。
おぼつかない舌使いが更に男たちを興奮させ、口の中にまで突っ込んでくる。
他の男たちは自分のものをしごき始めている。
私の口でしごく男の間から、私の股間にモノを近づける男が見える。
それが擦り付けられ、私は再び快感に身をよじる。
男がゆっくりと私の中に入れてくると、男はにやりと笑う。
私はまだ処女だった。男が一気に押し込むと、
ブチッと股間に痛みが走った。
私は顔も名前もよく分からない男に処女を奪われた。
「んん〜っ!」
口は既に男のもので埋められていたので声に出す事が出来ない。
うめき声の振動で限界に達したのか、私の口の中に大量の液体が放出される。
「飲め。」
私は命令どおり美味しいとはお世辞にも言えないそれを飲み込む。
男が口から引き抜くとむせる間もなく他の男が口に入れてくる。
股間に走る痛みは四肢の痛みと比べればたいしたものには感じられず、
ピストンの快感と痛みが入り混じって更に快感に感じられる。
私は初めてなのにどうしてこんなに感じているのだろう。
そんな考えが一瞬浮かぶが、その後はもう何も考えられなかった。
周りで扱いていた男たちが私に向かって射精する。
体中精液まみれになり、傷口にワザとかけるものも居た。
「ひぐぅ・・・もう、らめぇ・・・!」
私は2度目の絶頂に達した。膣が激しく収縮しているのが自分でも分かる。
それと同時に男が膣内に精液を放出する。
熱いものがいきわたり、私は意識を失った。
それから何度も何度も色々な男たちに犯された。
地下では時間の感覚がなく、何日たったのかも分からない。
放置されている間は忘れていた恐怖が蘇る。
私はもう助からない。そう諦めていた。
鍵とドアが開く音が聞こえ、また犯されるのかと思う。
「原田さんっ!!」
「丹羽・・・くん?」
一瞬どういうことか分からなかった。
一度は振ってしまったけど、心のどこかで気になっていた少年が、
助けに来てくれた?彼は、私を見て目をそらす。
そうか。私、こんなになっちゃったんだ。
手足を切断され、彼の前に全裸を晒している。
助かった。でも、もう普通の生活には絶対戻れない。
私は涙を流しながら気を失った。
真っ白な部屋。窓からはやわらかい光が注ぎ、カーテンが揺れている。
「ここは・・・?」
「梨紗っ!」
「梨紅・・・?」
「心配したんだから・・・丹羽君が梨紗を見つけてきてくれたの。」
梨紅が私に抱きついてくる。私は梨紅を抱きとめた。
「え・・・?」
手がついている。起き上がり、足を見る。
「どうして・・・?夢だったの・・・?」
「え・・・なにが?」
私は不思議そうに病院の一室で手足を眺めていた。
「まったく、危ないところだったぜ。」
「今回ばかりはダークが居てよかったかもね。」
「今回ばかりはだとぉ?」
「じょ、冗談だってば・・・ウィズ、帰るよ。」
「キュッ!」
青空に、黒い羽が舞っていた。
病院から帰ってきて、私は見慣れた自分の部屋のベッドに座っていた。
その隣では梨紅が看病している。
「ねえ梨紅・・・わたし、手術とかした?」
「そんなわけないじゃない。なんで?」
「ううん、いいの。」
私が病院で目を覚ましてから、梨紅から4日間行方不明になっていたこと、
丹羽君に頼んで見つけてくれたことを聞いた。
行方不明になっている間何があったのか聞かれたが、
思い出してみてもあの恐ろしい出来事以外思い出せない。
そのことを話すわけにも行かず、適当に言葉を濁してごまかしたのだった。
「とにかく、今日はゆっくり休んで。」
「・・・うん。」
医師の話によると、軽い栄養失調と貧血を引き起こしているだけで、
今日しっかり栄養を取って休めば明日には元気になるらしい。
私はベッドに横になると、疲労のせいかすぐに眠ってしまった。
ジリリリリリリリリリリッ!カチャ。
「ん・・・ふあ・・・」
うるさく鳴る目覚まし時計の音で私は目を覚ます。
いつもと何も変わらない朝。起き上がって欠伸をしながら伸びをする。
どうやらゆっくり休めて体調も良くなったようで、眠いが特に目眩や気だるさはない。
下に降りると母が朝食の支度を整えていて、いつものように挨拶する。
「じゃ、いってきまーす!」
先に準備が整った梨紅が私を待たずに行こうとする。
「ちょっと、梨紅病み上がりの私をほっといて先行くの?」
と言い終わる前に梨紅はさっさと行ってしまった。
「もう!」
退院早々不機嫌になって家を出て学校に向かう。
「あ、梨紗、おはよー!風邪治ったんだ?」
「う、うん、おはよ。」
どうやら、風邪を引いてこじらせた事になっているらしい。
「そういうことは先教えといてよね・・・。」
思わず不満をもらしてしまう。
「なにが?」
「な、なんでもない。」
席に座り、辺りを見回すと、先に出て行ったはずの梨紅がいないことに気付く。
梨紅の席にも荷物がないのでまだ来ていないようだった。
朝練にしては梨紅が出たのは遅すぎだし、何かあったのかと不安になり
私がしばらく教室の入り口を見つめていると、
何人かのクラスメイトがそこを出入りした後、彼はやってきた。
小柄で、顔は意外に整っているがかっこいいと言うのではなく、可愛いと言う感じだ。
いつもちょっと情けない表情をしている彼は楽しそうに微笑みながら入ってくる。
「丹羽君・・・。」
これまではそんなことがなかったのに、どきりと胸が高鳴る。
(あ、あいさつあいさつ)
そう思って立ち上がろうとしたとき、私の動きが止まる。
後ろから続いて入ってきたのは、梨紅だった。
まさか、一緒に来たなんてことは・・・。
「あ、原田さん、おはよう。」
「お、おはよ。」
彼の微笑が胸に突き刺さる。
「梨紗、元気ないけどやっぱまだ休んでた方がよかったんじゃない?」
「もう大丈夫よ。ねえ梨紅、先に出たくせに随分遅かったわね?」
「ん、まあ、ちょっとね。」
「丹羽君と一緒に来たみたいだったけど?」
「ぐ、偶然出会っただけだってば。」
そう言う梨紅の頬は赤くなっていた。
「・・・あっそ。」
私はまた不機嫌になって机に突っ伏した。
授業が始まると休んでいた分先に進んでいたのは当然で、
横で梨紅がちょくちょく教えてくれたりするが、分からないところが多々あった。
わいわいと雑談している教室の風景も何処か遠くから聞こえているような気がして、
いつもの風景なのになんだか違う、そんな気がする。
「梨紗、ほんとに大丈夫?」
梨紅が心配そうに声をかけてくる。
「うん・・・。」
「どうしかたの?」
「なんだか、置いてきぼりになったような気がして・・・。」
「しばらく休んでたからそう思うだけよ。すぐ慣れるってば。」
「そうかな?」
「そうそう、ほら、いつものDQNな梨紗に戻って!」
「うん・・・ってなによそれっ!?」
意味の分からない単語を言われてムカッと来たが、
なんだか元気が出てきたような気がする。もう、大丈夫―――。
と思って楽しく学校に行ってから帰ってきたものの、
自分の部屋に一人ぽつんといると、やはりあのことを思い出してしまう。
4日間、自分は何をしていたのか。
たしか、友達と遊びに行って別れたところまで覚えている。
それからがはっきりと分からない。
手足が元に戻るなんて考えられないし、でも、覚えているのは・・・。
ぶんぶんと頭を振りその記憶を振り払うと、
ふと最後に現れた丹羽君の顔が頭によぎる。
いつもの情けない笑顔とは違う、真剣な眼差し。
その視線がつらそうに私からそらされる。
(いや・・・丹羽君、ちゃんとわたしをみて・・・!丹羽君になら・・・)
どきりと胸が高鳴る。。
(丹羽君になら・・・なに?)
胸の鼓動が激しくなり、体が熱くなる。この感覚ははっきりと覚えている。
男たちに囲まれ、じっと見られていたとき・・・。
近づいてくる男が、丹羽君と重なる。
(何この感じ・・・我慢、できない・・・!)
ゆっくりと、私の右手が股に伸びる。
「んっ・・・はぁっ!」
突然襲い掛かる快楽に思わず声を漏らす。
(だめ、隣の部屋には梨紅が・・・)
私は声を堪えつつ、自分の豆をこね、
左手は自然と胸をまさぐり、自らを愛撫する。
「んん、に、丹羽君・・・。」
今まで気になっていた少年への思いがあふれ出す。
あの時されたように膣口を指でなぞると私はビクンとのけぞり、
指がぬらぬらとした液体に濡れた。
「ふあ、い、入れ・・・。」
私は自らの指を彼のものに見立てて膣に入れ、
中でくちゅくちゅと指を動かすと今にもおかしくなりそうになる。
「梨紗・・・なに、やってんの?」
限界になりそうなとき、突然声をかけられ私はハッと我に返った。
そこには呆然と私を見ている梨紅がいて、私は恥ずかしさで顔が真っ赤になる。
心臓がばくばくと今にも飛び出しそうで、そこにいられなくなって部屋を飛び出した。
「梨紗、何やってたんだろ?」
何をしていたのか素で分かっていない梨紅だった。
「梨紗ー?こんな時間にどこ行くつもり!?」
母の声も無視してそのまま当てもなく家を飛び出し、ひたすら走った。
どれくらい走っただろう。息を切らして座ったそこは、
家から100m程しかない公園のベンチだった。
「はぁ、はぁ、こんなに走ったのに何でこんなに近くなのよ・・・。」
単純に運動不足なだけだったのだが。
とりあえず手がまだべとべとだったことに気が付いて、
公園の水道で洗い流した。
「梨紅ったら、ノックくらいしたら良いのに・・・。」
一息ついたものの、これからどうするか困る。
あんなところを梨紅に見られて恥ずかしくて帰れないし、
辺りはすっかり暗くなってしまっている。
さらに、途中でやめてしまったせいか、ずっと変な気分だ。
「もう・・・最悪。」
つぶやいた瞬間、ガサっと木の葉が揺れる音がして、
私はびっくりして上を見ると闇に紛れてバサバサと黒い鳥が飛んでいくのが見えた。
「なーんだ・・・鳥か。」
はらりと手に落ちた羽を見てふと思う。
怪盗ダーク。少し前40年ぶりに姿を現した怪盗は、
黒い翼を持った美青年だった。
私は一目惚れして美術館に忍び込んで待ち伏せたり、追っかけたりしたが、
そんな簡単に出会えるはずもなく住む世界が違うと諦めたのだった。
「ったく、母さんもひどいよ、毎度のことだけど息子にこんなことさせるなんてさ。」
ぼおっと考えていると、再び突然茂みがガサガサとなって彼は出てきた。
表情はいつものままだが、着ている服がいつもとは違う雰囲気を漂わせる。
少々大きめで、真っ黒な衣装。まるでダークのような・・・。
「って、丹羽君!?」
「え?あっ、は、原田さん!?こ、こんな時間に何してるの?」
「丹羽君こそなにしてるの?」
「うっ、いや、その・・・ちょっと散歩、なんて・・・」
黒ずくめで夜中に散歩なんて、かなり苦しい言い訳に思える。
じーっと怪しそうに見つめると、困った顔で彼があははと笑う。
「そうだ、今日丹羽君の家に泊めてくれない?」
「ええっ!?ぼ、僕の家っ!?」
我ながらナイスなアイディアだ。
丹羽君の家に泊まれば今日は梨紅と顔をあわせずに済むし、
私が目を潤ませて頼めば断れないはずだ。
それに、丹羽君とふたりきりになれ・・・どきりと再び胸が高鳴る。
忘れかけていた気持ちが再び湧き上がる。
「えっと、でも、家の人とか心配しない・・・?」
丹羽君に言われて気がつく。そういえば、当然彼の家にも家族がいるわけで、
そんなところで二人きりになったりは出来ない。
「やっぱりいい。それより、丹羽君に話があるの。」
「な、なに?」
「ここじゃ誰かに聞かれるかもしれないから、場所を移しましょう。」
そうだ、私は丹羽君に聞いておかなければならないことがある。
それと、このもう抑えようのない気持ちも―――。
「あ、あの、場所移すって、なにもこんなところじゃなくても・・・。」
私が戸惑う丹羽君を連れ込んだのは、真ん中に大きなベッドがあり、
他には色々な調度品や道具が置かれている部屋だった。まあ、いわゆるあれだ。
止められそうなものだが、無人だったので難なく入ることが出来た。
とはいえさすがに入るときはこの年だし目立っていただろう。
とりあえず2人はソファーに座って小さくなっていた。
「そっ、それで、話って?」
「うん・・・丹羽君が私を見つけてくれたとき、どんな状態だったの?」
うっ、と丹羽君は詰まる。
その一瞬の彼の戸惑いが私を見つけたところが普通でなかったことを物語る。
「もしかして、原田さん覚えてないの?」
「そうじゃないけど。」
私が思い出せるのは、薄暗くて変わった匂いのする地下室のような場所で、
自分の手足を失ったことだけだった。
思い出すたび、吐き気とは別に抑えようのない気持ちが湧き上がってくる。
「原田さんごめん、ちょっとトイレ!」
私の気持ちを知らずに、彼はトイレへと駆け込んだ。
「ちょっとダーク、記憶書き換えてなかったの!?」
(あー、わりぃ、忘れてた。)
「わ、忘れてたって、まずいじゃないかっ」
(どーせ手足つなげたんだから、覚えてても信じられてねーよ。
聞かれてもシラきりゃダイジョーブだって。)
「ダーク、わざと忘れたでしょ。」
(さーな。んなことより、せっかくのチャンスなんだから、やっちまえよ。)
「やっちまえって、な、何言ってるんだよっ!?」
(フラれても好きなんだろ?それに向こうからこんなとこ連れ込んできたんだぜ、
その気あるとしか思えねーだろ。ま、俺は中古品なんざ御免だがな。
俺はしばらく寝ててやるからよ。)
少しの間私は一人取り残され、落ち着きなくうろうろしたりする。
梨紅の前で片付けるわけにも行かず、そのまま出て来てしまったので
下着の中はべとべとだった。
結構時間が経ったが、それでも私の股はじんじんしている。
今は彼と二人きり。見つけてくれたときのことを聞いて気を逸らそうとしたが、
もう、そんなことはどうでもいい、我慢できない。
(丹羽君に、私の気持ちを伝えて、それで―――。)
私はそのことで頭がいっぱいになっていた。
変態と思われるかもしれない。こんな私を知ったら嫌いになるかもしれない。
それでも、もうこの気持ちは抑えられない。
がちゃっとドアが開き、彼が出てくる。
「え、えっと、それで・・・・。」
「さっきのことは、もういいの。」
「え?じゃ、じゃあかえろっか。送ってくから。」
「まって。」
部屋を出ようとする丹羽君に私は抱きついた。
そのとき初めて思ったよりも彼が背が伸びている事、
意外にも無駄のないしっかりとした体つきなのに気が付いた。
私の体は更に熱くなり、丹羽君の体がひんやりしているとすら思える。
「な、なに?」
「この前、丹羽君私に告白したでしょ? 今も私のこと好き?」
いきなり聞かれて驚いたのか、しばらくして返事があった。
「う、うん。」
「私、あの時断ったの後悔してた。でも、はっきり分かったの。
私も、丹羽君が好き・・・!」
散々我慢してきたが、ようやくここまで来た。
あとは、丹羽君をその気にさせるだけ。
ゆっくり抱きついた腕を放し、丹羽君が振り向くのを待つ。
少し悲しそうな顔をして、彼を見つめれば完璧だ。
「原田さん・・・。」
真剣な目をする丹羽君は、いつもと違って大人っぽく見えた。
もしかして、後2、3年すればかなりカッコよくなるかも。
すかさずキスをする。我慢できず、彼の口に舌をねじ込む。
「んっ!?」
「こんな私は、やっぱりイヤ?」
「え、ええと、その、そんなことはないけど・・・。」
計算通りだ。後は一気に行くのみ。
私の息は少し乱れ、だんだんと分からなくなっていく。
「って、ちょ、原田さん!?」
私が服を脱ぐと、慌てて丹羽君が後ろを向く。
「お願い、我慢、出来ないの。」
これでこなけりゃ男じゃない、はず。
ごくりとつばを飲む彼をベッドの方に引っ張っていく。
ベッドに倒れこむと、丹羽君が私に覆いかぶさる形になり、
その状態に私は興奮を覚える。
顔を真っ赤にしてぼけっとしている丹羽君に手を伸ばし引き寄せると、
再びキスをした。彼も理性の箍が外れたのか、私が舌を絡めると彼も絡めてくる。
「んんっ、はあンっ」
突然胸を揉まれ、思わず声をあげる。
乳首が硬くなって、敏感になっているのが分かる。
「ひああッ!」
乳首を弄られ、自分でした時とは比べ物にならない快感が襲ってくる。
彼は体を下にずらして私の股が見える位置に着ていた。
息を乱しながら、私はほとんど無毛に近い股を開く。
「はぁ、はぁ、丹羽君、見て。」
「原田さん・・・。」
彼に見られていると思うと、とめどなく花弁から愛液が滴る。
ゆっくりと顔が近づけられるにつれ、私はいやらしい顔になっていく。
「ふあああっ!私のが、に、丹羽君にっ!」
ピチャピチャと音を立てて私の未熟な性器を舐められる。
舐めても舐めてもそこからはとめどなく愛液が溢れ、ヒクヒクと痙攣する。
「原田さん、気持ちいいの?」
「ひはぁっ、そ、そんなところで声出さないでぇっ!」
言うまもなく、クリトリスを吸われて更に快感の渦にのまれる。
「い、いっちゃううううっ!」
頭が真っ白になり、私は絶頂に達した。
何も分からなくなり、私は更に快感を求める。
「は、原田さん、僕・・・。」
「い、いいよ、いれて、かき回してぇ!」
丹羽君がズボンを脱いで大きくなったモノを出して
私のヒクついている入り口にあてがう。
「い、いくよ。」
「ふぁ、来てっ。」
じゅ、ずずずずず・・・。
ゆっくりと入ってくるそれは、多少の抵抗があったが奥まで入った。
「ひあ、は、入ってる、丹羽君のがはいってるよぉ!」
「原田さんッ、う、動かすよ。」
わざわざ断ってから彼は腰を振り始める。
さっき一人でしていた時想像していたことが現実になり、
それが言い知れぬ興奮を呼び、快感を増幅させる。
ぱんぱんと打ち据えられるたびに私は嬌声をあげた。
「はあんっ、おっきいの、すごいっ、腰が勝手にうごいちゃうううっ!」
しばらくそれを繰り返していると、丹羽君が思い立ったかのように
突然私の胸をむにむにと揉み始め、乳首をつまんでグリグリと弄る。
私は再び頭が真っ白になり、言いようのない快感がこみ上げてくる。
「だ、だめぇ、また、おかしくなるうっ!」
「原田さんっ、も、もう出るッ!」
「んくっ、ひああああああっ!!」
ぐっと奥まで貫かれ私はビクンとふるえ、膣がきゅうっとなり
それに耐えかねたのか一気に丹羽君が射精する。
どくどくと二人の性器は震え、私の中に熱いものが広がる。
「はあッ、はあッ、丹羽君のが、いっぱい・・・。」
しばらく快感の余韻に浸った後、ゆっくりと引き抜かれる。
「あん、丹羽君のが垂れてきちゃう。」
収まりきらなかった精液があふれ、愛液と混ざって股を伝っていき、
ベッドを汚す。とはいえ、既にだいぶ汚していたが。
それを見て二人は顔を見合わせ、困ったように笑い合う。
とりあえず適当に後始末を終えると、重大なことを思い出す。
「ねえ、丹羽君。」
「な、なに?」
「お金、持ってる?」
「え゛?」
二人はしばらくそこで固まっていた。