D・N・ANGEL  

その日は体育の授業があった。  
男子は外でサッカー、女子は体育館で跳び箱をすることになっていた。  

「――はい、次!」  
体育教師の掛け声とともに原田梨紗は駆け出した。  
梨紗は、もうすぐ初夏だというのに下にはジャージを穿いていた。  
そして、ロイター板に両足を着き踏み切ろうとした直前、そこで彼女は腰を落とした。  
「ふぅ・・・梨紗さん。いくら運動が苦手だからって、踏み切りもできないわけじゃないでしょ?」  
呆れたように告げた教師の言葉に何人かの女子生徒がくすくすと声を漏らす。  
「ん?梨紗さん、ちょっと顔色悪いわね」  
そこで、ようやく梨紗の状態に彼女は気づいた。  
うっすらと汗をかき、呼吸を少し乱している。  
「いえ・・・平気です・・・」  
応える声にも力がこもっていない。  
「そう言って無理してもらっちゃ困るの。向こうで梨紅さんと一緒に休んでなさい」  

その日、原田梨紅は生理のため運動を控えていた。  
体育は見学届を出した。体操服に着替えてはいるが体育館の隅に腰を下ろしていた。  
そして、その手の中に小型のリモコンが握られていた。  
梨紗が腰を落とす直前に梨紅はそのリモコンのスイッチを入れていた。  

梨紗が梨紅の方へ来た。  
「お願い、梨紅。もうこれとって・・・」  
哀願するように見つめてくる梨紗を梨紅は冷ややかに睨み返す。  
スイッチを『弱』と書かれた位置へ押す。  
「ひゃあ、あ・・・!」  
梨紗は腰を落とそうとするが、手を膝につき何とか耐える。  
よく耳を澄まさないと聞こえないが、梨紗のジャージの中からは、  
ヴゥゥーーーーッッ・・・、というモーター音が鳴っている。  
スイッチを『切』へと戻すとその音は止んだ。  
今、梨紗の膣の入り口に近い部分にはローターが挿入されていた。  
「梨紗ー、あんた跳び箱できないんだー?」  
「そ、そんな・・・!こんなの入れられて――!」  
三度梨紅はそのスイッチを入れた。  
「んあぁ・・・!」  
「口ごたえはしないの」  
「・・・は、はい」  
「あ、いいこと思いついた。私が跳び箱の指導したげるよ」  
「え・・・」  
梨紅は教師のほうへゆっくりと駆けて行き、数度言葉を交わすと戻ってきた。  
「私が教えても構わないって。一番端の跳び箱使わせてもらえるから、こっちまで持ってこよ」  

「さ、まずはジャージ脱いで」  
「だ、ダメだよ!脱いだらばれちゃう・・・」  
「こーんなに離れてるんだから大丈夫だって」  
事実、原田姉妹と他生徒の距離は20メートル近く離れていた。  
「ほら、さっさと脱いだ脱いだ」  
梨紅が急かすと梨紗は素直に脱いだ。拒めば後でさらにひどい仕打ちをされるのがわかっていたからだ。  
梨紗のハーフパンツ、そして内腿はぐっしょりと濡れている。  
「うっわー、やっぱ梨紗って淫乱ー」  
「う、うぅ・・・」  
下唇を噛み締め、目に涙をため辱めの言葉を受ける。  
「じゃあまず飛ぶときのフォーム見るから、跳び箱の上に乗って」  
言われるまま、梨紗は跳び箱の上にまたがった。  
梨紅はその格好を嘗め回すように眺め、  
「んー、手はもうちょっと前。それから腰は――」  
梨紗の手を跳び箱の前方に置かせ、そして左手で腰の辺りをさすり、そして  
「――ッッ!?ちょ、梨紅!」  
左手の中指で、梨紅は梨紗のアナルを愛撫しだした。  
「声出すとまずいのはあんたよ」  
突き放したような言い方に梨紗は畏怖の念を抱き閉口した。  
それを確認した梨紅は右手で梨紗の太腿をさすりだした。  
「んん・・・」  
そのまま右手をショートパンツの中へ滑らせる。  
梨紗のパンツはぐしょぐしょに濡れたただの布切れである。  

パンツをずらすと、一本のコードが梨紗の膣内へと続いている。  
そのコードを引くとすぐにピンク色のローターが顔を出した。  
そのまま梨紅は梨紗のクリトリスを摘み上げた。  
「――――!!!」  
敏感な部分を刺激された梨紗は涎を口から垂れ流しながら叫びたい衝動に耐えていた。  
クリトリスを親指と人差し指で擦っていると、ローターの周りから梨紗の体液が染み出してきた。  
跳び箱は、梨紗の座っている場所を中心にして大きな一つのシミを形成している。  
アナルを愛撫していた左手を離すと、ポケットに入れておいたリモコンを取り出した。  
「梨紗、どのくらいでいこうか?」  
いやいや、と梨紗は首を振った。  
「そ。じゃ『中』ね」  
梨紅はローターを一気に膣深部へと押し込みスイッチを入れた。  
「ひぎいぃぃ!!!」  
我慢していた声がとうとう漏れた。誰かに聞かれたかもしれない。  
しかし今は膣を、いや子宮を破壊してしまうのではないかという刺激のことしか頭にない。  
「痛っ、奥は・・・奥は痛いよ梨紅」  
「そういえば梨紗って入り口のあたり攻められるのが好きだったんだよね」  
そう言って梨紅はコードを少し引っ張り、そしてまた奥へと押し込んでいった。  

「ねえ梨紗、お願いしてみなよー」  
引っ張り、そして押し込む動作を繰り返しながら梨紅は告げた。  
「『私は入り口攻められるのが好きなマゾ雌犬です』って言ってみなよー」  
その意地悪い笑顔は梨紗を虐めていることを本気で楽しんでいるようだ。  
「あ・・・、ああ、あ・・・」  
「そしたら入り口でいかせてあげるからさー」  
「わ・・・たし、は」  
「もっとしっかり」  
奥に突き当たっているローターをさらに強く押し付ける。それは子宮口へ更なる刺激を与えた。  
「あああああたしぃはぁ、いじめられるのがぁぁ、――ひゃぁぁあ!!」  
もう、これ以上はまともに声は出せないと梨紅は判断した。  
「うんうん、もういいよ。それじゃいかせてあげる」  
ローターを一気に引っ張った。再び膣口にピンクの物体が顔を出す。  
さっきと違うのはそれが小刻みに振動しているだけだ。  
梨紅はその震える物体を摘むと、ぐりぐりと動かした。  
梨紗は口を開き更に涎を垂らし、しかしその口からはもう声は聞き取れない。  
「ほら、もういっちゃいな――」  
梨紅は左手にしたスイッチの目盛を『強』へと押し込んだ。  
「!!がっ――――」  
ローターが激しさを増した瞬間、その挿入部から透明の液体がぷっ、ぷっ、と噴き出し梨紅の手にかかった。  
その液体の噴出はなかなか収まらず、跳び箱の上にいくつものシミを作り上げた。  
梨紗の状態が跳び箱に倒れこむと、その衝撃でローターがぽろっと抜け落ちた。  
ローターが抜け落ちたその穴からはさっきとはちがう白濁の液がつぅっと一筋伝い落ちた。  

 
 

「梨紅さんもいきなりやりすぎだよ」  
「ははっ、・・・ごめん」  
放課後、大助と梨紅は一緒に下校していた。  
「だって、あの娘思ったよりすごい反応するんだもん。つい虐めすぎちゃって・・・」  
「でも梨紅さんがそう思うのもしょうがないよ。だって原田さん、本当に変態なんだもん」  
「丹羽君もよくあそこまで調教したよねー。感心しちゃうよ」  
「すっごく苦労したよ。最初の頃はよく暴れてさ――梨紅さん?」  
彼女は顔を下に向けている。その目は何かを訴えたいようにも見えた。  
「・・・丹羽君はさ、いつも梨紗にあんなことしてるの?」  
あんなこと、とは今日梨紅がしたような行為である。  
「うん、そうだけど・・・」  
「それってさ、私には向けててない感情を梨紗に向けてるってことでしょ?」  
「うーん、そうなるかなぁ・・・」  
「・・・あの娘が、丹羽君の中で特別な存在ってこと?」  
「そう、だね。うん、特別かな」  
そこで梨紅は大助の正面に回りこんだ。  
「私じゃ、私じゃあ・・・丹羽君の特別になれないの?!」  
悲壮な表情で大助に訴える梨紅。うっすらと涙も浮かんでいる。  
大助はそんな梨紅に近づき、肩を抱きそっと口づけた。  
悲壮だった表情は一瞬驚きに染まり、そして安堵の表情へと変わった。  
口を離し、彼は告げた。  
「違うよ、梨紅さん。だって――」  
そしてとびきりの笑顔で続ける。  
「あんな傷つけるようなまね、梨紅さんにはできないよ」  

 

                              終  

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