苔が蒸し生えた、所で
俺は今釣りをしている、かれこれ2 3時間が過ぎ様としていた。
「遅い遅すぎる」フェルト帽を被り直して待つ、何時もなら引き上げるが、
今日は人を待っているのである。
俺が一目ぼれした相手を釣堀で待っていた、生来の上がり性で告白など到底出来ない、
ならば「これで」俺は釣竿を見やる、「スカートめくってやる!!」小せえ、小せえぞ・・・・俺
ストーカーをしてまで家を突き止め、行動半径を確かめ、
普段どういった行動をしているか調べ上げた・・・なのに、小さい。
そして彼女が週一で図書館へと行くときこの場所を通る事がわかった。
「来た!」俺は釣り人を装う、UFOを使ってお持ち帰りをするという手もあるのだが・・・・
WMが4のため建物の中から夜中に引き摺りだして、
連れて行くといったことも出来ず、(実際やってみたが失敗し逃げるのが大変だった)
真面目に上げとくんだった。感傷に耽っていても仕方ない、
「何をしているんですか」「ぬわああ」俺は不意打ちに驚く、
「サカナヲツッテイルンデス」平常を装う、
これはチャンスではこのまま連れ帰って、右ポケットの眠り薬を意識する。
「へ〜釣れますか」眩しい、微笑みかけてくる
「あんまり」耳まで赤くしてうつむきかげんに答える。
俺はモジモジしながらポケットへと手を入れる、彼女が水面へと顔を向けた
時を見計らい、容器の蓋を開け布地へと染込ませる。「あとは・・」
「糸引いてますよ」竿を見やる、クイクイと引いていた、
こんな時に魚に邪魔されるとは、ついてねえ・・・内心そう呟き、
竿を引っ張る「・・・・・ ? ・ ・ ・!!」あまりの重さに竿がしなり
釣り糸が張る、勝負は一瞬だった、唐突にプツンと切れ後ろへと転がる。
「のあ〜」俺は頭の周りを猫人が飛んでいる中、
状態を起こす「キュゥ・・・」おかしな鳴声がする方を見やると
標的が気絶していた。「チャンス棚から闇黒饅頭」
即座に猿轡(ぐつわ)を掛け、ロープで縛り棺桶に入れる
(何所にこんな物を入れていたのかは秘密だ)
と足早にその場を離れた、魔界で棺桶といえば寝袋やベットと同じ
まず、怪しまれない。
このまま棺を引き摺り家の地下へと連れ帰る事にした。
「ハァハァぜーゼ・・・ガハゲヘ グホ・」失敗した、
あそこからここまで、ゲヘナノ海を通り、地獄の裂け目に落ち
、まあ色々あって此処まで来るのに体力を使い果たしたのだ、
(よく生きていたな)
こんな事なら背負ってくるんだった。
気が付いたら5時間も両掌を付いて咽ていた、
辺りは日もくれ、暗い取り合えず火を灯し、
棺桶を背負ってのたのたと地下へと歩いていった。
(この間15回壁にぶつかる内一回は階段・・・
ローゼンカルデンで運ぶんだった)
地下は灯りを灯すも暗く闇の灯火といった所だろうか、
そげん事はどうでもいい、棺桶の蓋を空ける事にしよう。
ははは、何所に行ったのかな、血相がとたんに青ざめる、マサカ落とした。
だが棺桶は損傷は目に付けど穴は無い、中をのぞくと猿轡と紐が見て取れる。
その直後背中に違和感を感じた刹那、「ノワ!!」
押し倒される。コソドロの顔脇に両手を付かれる形となる。
ピキ!・・ピシシ、つかれた両掌から否、地面から聞こえる、割れる音が。
「待った甲斐がありました、彼方の事付回していたんですよ」