「エトナさん、あけましておめでとうございます。」
「ん?」
「あれ? エトナさん知らないんですか?
今私が言ったのは新年の挨拶なんですよ。」
「そうなの? じゃあ・・・・フロンちゃん、あけおめ。」
ずるっ
「エトナさん、あけましておめでとうを知らないでなんで最近の略語を知ってるんですか!?」
「あれ、そうなの? フロンちゃんの挨拶を聞いて適当に言ったんだけど。」
「あっ、エトナちゃん、フロンちゃん、あけおめことよろ〜。」
「あけましておめでとうございます。」
「あっ、アリサさん、エイミーさん、おめでとうございます。」
「ねえエイミー、アリサが言った言葉ってどういう意味?」
「『あけましておめでとう、今年もよろしく』って意味なんです。」
「何でアンタたちそういうの知ってるの? アタシはフロンちゃんに聞くまで知らなかったわよ。」
「日本好きのあの人から聞いたんです。」
「ああ、あの人ね。」
(この人については後日書きます。)
「ところでエトナさん、ラハールさんからお年玉をもらいましたか?」
「お年玉って?」
「年玉は“年の賜物”って意味なんです。
昔は餅を配っていましたけど、今では餅ではなく現金を配るんですよ。」
「現金!!」
エトナの目がキラキラ輝いた。
「でもフロンさん、魔界にはお年玉の習慣はありませんよ。
あの人からは1000ヘル(≒1万円)頂きましたけど。」
「あっ、それなら・・・・。」
―数時間後
「お年玉?」
「はい。新年には親は子供に、主人は使用人に現金を送る習慣があるんです。
魔界憲法第247条にもそう書かれています。」
「・・・・・・。」
「さあ殿下、お年玉下さい。」
「・・・・両手を出せ。」
「はい。」
ちゃり〜ん
「・・・・って殿下、1ヘルじゃないですか!!」
「確かに渡したぞ。では、俺様は他の者たちにお年玉を渡しに行くぞ。」
ラハールは外に出て行ってしまった。
「・・・・あ〜あ、明日知りませんよ。」