<まかぷり外伝 エトナの秘蜜>
「ぁ……は……っ!」
薄暗い部屋の中で、微かな明かりが悪魔の少女の濡れた肌を照らす。
『トイレ行ってきまーす』
そう言ってラハールと別れ、入った秘密の部屋。記憶を奪われても忘れなかった、彼女だけの隠し部屋。
いつまた記憶を奪われてもいいように、その日起こったことを日記に付けるための部屋。
今日も日記を書いたら、すぐに出るはずだった。
しかしエトナは今四つん這いで、かわいらしい八重歯を下唇に血が出そうなほど食い込ませながら、
グローブをしたままの細い右手指を深々とピンク色のヴァギナに差し込み、親指で陰核をくじり回している。
空いた左手は、ぺったんこの胸をいじっていたが、エトナはその手を鼻先に持って行き、
くんくんと犬のように嗅ぐ。
指先に残る、ラハールの腺液や肛門の、まだ子どもっぽい甘さすら感じる異臭。
「はっ、殿下の、んぅっ……魔王さまの、においぃ……!」
あらゆる生物の生命力を奪う魔界の過酷な環境は、雑菌の生存をほぼ許さなかった。
逆にその環境に負けずますます強靭となった悪魔たちは、不衛生にしていても健康を害することはない。
また、寿命も長く、新陳代謝も少ないために、老廃物も少ない。
だから魔界の住人はめったに風呂に入らない。せいぜい酔狂な貴族や王族の道楽だ。
まあ、ラハールのように手すら洗わない、拭かないという次元となると、ポリシーの域になってしまうが……
ともあれ、彼女の服にも、数日前ラハールを口でいじめた時の匂いがまだかすかに残っている。
それを嗅ぎ、行為の記憶を反芻しながら、もう何度イッたか分からないほど、
エトナは激しいオナニーを繰り返している。
「あたし……どうして……あんな……っ!」
お尻を一際持ちあげて、腿で右手を挟み込むようにしながら、指の方を固定してもじもじと腰を振る。
着衣のままの身体が快感にくねるたび、レザーのこすれあう「きゅちゅ☆」という音が静かな部屋に響く。
再び絶頂に達したらしく、量を増した透明な雫がつつうっと指を伝って、汚れた床に新たなシミを増やす。
性器は摩擦でかなり疲れていて、指にめくられて見え隠れする粘膜はすりむけたように赤くなっている。
しかしそれでも、エトナは満たされない。むしろ、苦痛に耐えるように、涙と涎をこぼしながら、
「魔王さまぁ……あたし……どうすれば……!!」
エトナは自分を罰するようにオナニーを続ける。
ラハールの妹すら知らない、秘密の場所で。