「ふん、エロパロスレの日本一通と呼ばれる人間は、こっけいだね!!」
「一番うまいやっきぶたぁ・かにみそっを持ってきな! それより確実にうまいのりしおっを食わせてやるよ!」
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「と、いうわけなんだマローネ」
「え、唐突になに? 何のお話なの、アッシュ?」
「マローネが日本一系のヒロイン失格ってお話さ」
途端にマローネの表情が悲しみに歪む。
「う、うん、わかってる、わかってるよ、売れ行きもアレだったし…」
「過去作品は結構上がってるのに、マローネに関してはもう一年近くもSSが上がってないっていうのも人気の証拠だね」
どよどよーん。 地面に『の』の字を書き連ねるマローネの背後に悪霊の群れが。まさに悪霊憑き。
「ラストに上がったSSも相当アレだしね」
「それ、今まで読んだどのボトルメールよりキツいよぅアッシュぅ…」
べちゃり、と『あのディスガイアの続編!』の重みに潰れるマローネだった。
「まぁ、というわけでマローネ、のりしおが世界でもっとも素晴らしい食べ物だということを証明しよう!」
「全然話の流れがわかんないよアッシュ」
「つまり、だ。のりしおが食べ物と認知されていないからこそマローネは日本一ヒロインとして認知されず、作品中でも売れ行きでも不遇なのではないか!? ならば、のりしおを世間一般に素晴らしい食べ物だと認知させれば!」
「…さ、させれば?」
アッシュはビッと親指を立て、言い切る。
「ファントム・キングダムのヒロインは、マローネだ」
「ほ、本当!? 今更、納期的にも絶対ありえない気もするけど、蜘蛛の糸にすら縋りたい気分だから信じたいよアッシュぅ!」
「信じてくれマローネ… 僕が君をヒロインにしてあげるよ… だから」
キラキラキラ。潤んだ流し目も、白い歯茎も、優しい言葉すらも星のような輝きを放つアッシュ。
まるで少女マンガから抜け出してきた白馬の王子のようなアッシュに瞳奪われるマローネ。
だが。
「だから… 脱げ」
「え」
だが、最近の少女漫画は結構爛れているのだ。『処女をくれ』ってなんだよ『処女をくれ』って。
steal! システム上、仲間からの武器強奪を避けることは不可避。 あえなくパンツをスられるマローネ。
「ふぁっ!?」
あわててスカートを抑えるももう遅い。システム上、好む好まざるにかかわらず、アッシュの頭上に掲げられるパンツ。
「僕はこういうプレイ、好みで言うなら大好きだけどね」
「何の話だか全然わかんないよぅアッシュ! かえしてーっ! かえしてよぅ!」
とりかえそうとじたばたもがくマローネ。が、狼狽の隙をつかれ、アッシュに押し倒されてしまう。
「ねぇ、海苔ってさ、本当は黒じゃなくて、よく見ると緑色をしているんだよ」
「や、やめてアッシュぅ! スカートの前を捲りながら意味のわからないこと言わないでぇ!」
「意味はすぐにわかるよ… それにしても必死すぎるよマローネ。 そのスカートの中にそんなに隠したいものがあるのかな」
その言葉が図星であるのを証明するのかのように、びくんと反応するマローネ。その隙を見逃すアッシュではない。
一瞬緩んだマローネの手を振り解き、ついにスカートが剥かれる。その奥に隠されていたのは、うっすらと生え始めた緑色の恥毛。
まさか。そんな、まさか。そんなことありえない、ありえないよねアッシュ。そんなマローネの祈りも虚しく。
「こんにちは、マローネの、とても塩っ辛いのりしお」
「ありえちゃったーーーーーっ!!」
「やきぶた」、「かにみそ」、「のりしお」。
この3つは『普通の意味での食べ物』と捉えられている方も多かろう。
しかし、『裏の意味での食べ物』、つまり女を食い物にするといった、性的なスラングであると考えるとどうだろう。
蝋燭というSMではポピュラーな行為を『焼き』と、女性を性的に罵倒する際にポピュラーな呼称である『豚』の組み合わせ。
女性の排糞行為に性的欲求を覚える人間なら『味噌』に連想しえるし、希少性からそれを『蟹味噌』と呼称する可能性もある。
そして今回提示された塩辛い恥毛を『海苔塩』と呼称する可能性。
そう、この3つは変態的エロイズムという共通点で結ばれているという仮説が堅牢なものとして成されるのである。
ぴちゃりぴちゃりと淫蕩な音が響く。
「やめてアッシュ… ひぁっ! やだ、やだぁ、舐めないでぇ!」
「美味しいのりしおだよマローネ…」
茂みを貪るアッシュの舌が逸れ、敏感な部分に触れるたびにマローネの背筋がびくんびくんと反る。
アッシュの舌が触れている。ずっと憧れていたアッシュがわたしの恥ずかしいところへ触れる。
それだけで恥ずかしいところがきゅっと締まる感覚があるのに、アッシュの舌はねちっこく感じる場所を舐る。
我慢していても声が出てしまう。
「ひっ…! あん… あぅ… そ、そこはっ…だめっ、なのぉ… よわいの、わたしそこだけは…ぁひゃぁっ!」
駄目を繰り返すマローネに、駄々っ子を諭すような口調でアッシュは指摘する。
「じゃあ、なんで君はコンファインを解かないんだい?」
その言葉に身悶えしながらも俯いて目をそらすマローネ。そう、アッシュは霊。コンファインを解けば無力な存在のはずなのに何故それをしないのか。
…もしかしたら、心のどこかでこうなることを望んでいたのかもしれない。
年齢と発育がちょーっとネックではあるが、マローネも女の子。
女の子と一つ屋根の下に暮らしていても手の一つも出さなかったのがアッシュなのである。
どこにでも潜り込める霊の身体でも覗きの一つもしないのだ。本当に男性なのかと。称号に「インポテンツ」でもついているに違いない。
だがしかし、さすがは称号「エロ」。称号界のバイ○グラ! レビ○ラ! シア○ス!
やっと称号師を脅してまでしてこっそりアッシュにそれを付けた労力が報われたのだ。
まぁ、こんなマニアックなのは望んではいないが、それもやむなし。
…もしかせずとも心のどこかでこうなることを望んでいたに違いない。
「心のどこか」というか心全部じゃないのかとは思えるが、「全部」も「どこか」と称して矛盾はあるまい。
だから、マローネは全身の抜き、アッシュに全てを委ねたのだ。
のだが。
「ということで、いいよアッシュ…わたしアッシュなら…」
「なにが『というわけで』だかわかんないけどさ」
潤んだマローネの瞳に、爽やかな笑顔でアッシュは微笑んだ。
「ごちそうさま」
「え?」
すっかりできあがったマローネをそのままに、アッシュが立ち上がる。
「え、あれ、アッシュ? ほ、本番は?」
ちらちらとスカートの裾をちらつかせて誘うマローネに対し、アッシュは優しく語り掛ける。
「だって、僕モラリストだし、マローネみたいな年齢とじゃ法律も恐いしね」
爽やかな理論で立ち去っていくアッシュだった。
属性「エロ」でもこの始末。コンシューマー規制という絶対無敵な呪いのなんたる恐ろしきことよ。
ぽつーんと一人残されたマローネに残された道は、ただ感情の赴くまま叫ぶことだけだった。
「ぶ、ぶぁーか! ぶぁーか! アッシュのED! 不能! ホモー! インポファントムーっ!!」
そんなこんなできょうもおばけ島は平和である。
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ボチャーン ストーリーをうみにすてました
やまおかは とつぜん よのなかがいやになってしまったようです GAME OVER