「(18禁SSにつき検閲)歳の誕生日おめでとうマローネ」  
 アッシュからお祝いの言葉をかけられているのになんだかマローネは訝しげな表情をしています。  
「あ、ありがとう… でも、なんでアッシュは荷造りをしているの?」  
 笑顔のまま淡々とズタ袋に自分の遺品を詰めるアッシュにマローネは問い掛けました。  
 笑顔のままアッシュは答えます。  
「何故って、僕がロリコンだからに決まってるじゃないか」  
 
 マローネには、部屋の気温が軽く10度は下がったように感じられました。  
 
「ね、ねぇ、アッシュ、凄く待って欲しいな、いろんな意味で」  
「ごめんね、僕は(検閲)歳未満のお願いしか耳にしないことにしているんだ」  
 心の底から申し訳なさそうな顔で謝るアッシュ。  
 正気は疑わざるをえずともども本気は疑うべくも無い表情です。  
「(検閲)歳以上なんかとは一緒に住めるわけがないんだ、だから出て行くよ」  
「え、ええと、あ、あんまりそういう冗談好きじゃないよ…だから、や、やめてよ…」  
 必死にすがりつくマローネですが。  
「触るな(検閲)才」  
 アッシュは笑顔で拒絶します。  
 絶望がマローネを襲いました。  
「お、お願いアッシュぅ!! いなくならないでぇっ! なんでも、なんでもするからぁ!!」  
 血を吐くような必死な懇願が届いたのか。  
「…なんでも?」  
 アッシュは笑顔で振り向きました。  
 とてもとても、それはもうとても、嫌になるほどとても爽やかな笑顔でした。  
 
「じゃあ、これを履いて」  
「え」  
 差し出された物は、大人用おむつでした。  
 マローネは思いっきり引きました。  
 言葉もなく、ただ呆然としてアッシュを見るだけです。  
「なんでもするんじゃなかったのかい、マローネ」  
 優しく、それでいて威圧するような目でマローネを見つめます。  
「で、でも、アッシュ、それ、あの」  
「嫌ならさよならだね」  
 アッシュの微笑みに、マローネの目から涙が零れ落ちます。  
「アッシュ、やだよう、いなくならないでよう…」  
 マローネの涙にアッシュの魂の中のS成分が刺激されたのか鼻息が荒くなります。  
 もはやテンションが上がりすぎて意味不明なことを口走ります。  
「オムツだよ早く!!」  
「う…」  
「ダメだ!! だったらこのオムツくっつけて見られるようにしてくれよ!」  
「な、なに言ってるのかわかんないよアッシュ…!」  
「オ・ム・ツ!! オ・ム・ツ!!」  
 もう何を言っても無駄のようです。  
 
「履いたよ…」  
 あまりの羞恥に顔を真っ赤に染めるマローネ。  
 満面の笑顔でぐるぐる周りを回りながら舐めるように眺めるアッシュ。  
 カスティルから聞いた視姦という行為はこういうものを言うに間違いありません。  
 突き刺さる視線のたび、マローネの心臓は早鐘のような鼓動をとどろかせます。  
 一通り眺め終わったのちに、アッシュはとんでもないことを言い出しました。  
「じゃ、おしっこして」  
「え」  
 満面の笑顔。  
「ロリ属性とスカ属性の実に八割が重複しているというデータを知らないとは言わせないよマローネ」  
「そ、そんな… 無理だよ…」  
 羞恥を越え、声に怯えさえみせるマローネにもアッシュは容赦しません。  
「出せ」  
 笑顔が更に煌びやかに彩られます。  
「や…やだ」  
「嫌でも出せ」  
「出ない…そ、そう、出ないから無理だよ…」  
「出るまで待つよ」  
 キラキラした笑顔が眩しいです。  
「あ、小さいほうが出ないなら大きいほうが先でもいいよ、どうせどっちもしてもら」  
 アッシュが言い終わる前にマローネは叫んでしまいました。  
「やだ… それだけはやだよぉぉぅ!!」  
「マローネ!?」  
 思わず逃げ出してしまうマローネでした。  
 あてもなく走りつづけるマローネの。  
 明日はどっちだ。  
 
 
「アッシュ… どうしちゃったの… ひっく…」  
 家の裏で膝を抱えて泣くマローネ。  
 オムツ姿で。  
 一体どうしてこんなことになってしまったのでしょう。  
 理不尽な現実に泣きじゃくるマローネに声をかける人物が居ました。  
 称号師でした。  
「どうじゃなマローネ殿、称号『ロリ』の効果は」  
 ぴたりとマローネの動きが止まります。  
「いや、奥手で不器用な二人はこの爺も見かねてな、二人の関係にちょいとしたカンフル剤を加えてやろうかとな」  
 称号師は饒舌に語り始めます。  
「まぁ、酒の席の目薬みたいなもんじゃ これで奥手な二人も結ばれることじゃろうて」  
 好好爺然とした笑いをマローネに向けます。  
 
 全部この称号師のせい。  
 それをニヤニヤしながら誇り。  
 あまつさえ人をロリの性欲対象呼ばわり。  
 
 ぶちり。  
 
 なにかが切れる音が聞こえました。  
 称号師には聞こえなくても、確かにマローネには聞こえたのです。  
 自分の脳で血管とともに堪忍袋の緒が切れる音を。  
「元の称号に戻して」  
「ぬ?」  
 マローネの背後にサルファーの如き禍禍しい闘気が浮かびます。  
「戻さないとゾンビに合成するわ」  
「!?」  
「戻したとしてもゾンビを合成だけど」  
「!?」  
 
 
そして。  
 後ろの方で腐臭を漂わせ、うつろな目で彷徨っている老人は放置するとして。  
「ごめんマローネ、僕は、僕はなんてことを…」  
 称号も戻り落ち込むアッシュ。  
 そんなアッシュに優しくマローネは語り掛けます。   
「いいよ、わたし気にしてないもの」  
 気丈に虚勢を張るマローネにアッシュの罪悪感は一層引き立てられます。  
「それよりもお仕事お仕事、ほら、行こうよアッシュ」  
 そう言ってボトルメールのチェックへと向かうマローネ。  
 オムツ姿で。  
 その背中をアッシュは抱きしめます。   
「あ、あ、あ、アッシュ!?」  
 真っ赤になってマローネはうろたえます。  
「信じて欲しい、僕には幼女を愛好する趣味なんてない、それに」  
 恥ずかしさのあまり、じたばたとあばれてしまうマローネでしたが、アッシュの真摯な次の言葉にその動きを止めます。  
「それに、君を小さな女の子扱いする気もないから…」  
「アッシュ…」  
 アッシュの言葉に、抱きしめられた背中のぬくもりに、恥辱の記憶もなんのその、再びその恋心を再燃させるマローネでした。  
 オムツ姿で。   
 
 
 一方そのころ、カスティル宅。  
 例の本で、来るべきマローネとの再戦に向け復習を行っていたカスティルですが。  
 やはり、この本ではあまりマローネとのナニには役立たないと悟り、本を置きます。   
 だって、この本の内容は。  
 
 
「く、クロワ(仮名)さん、なにするんですか!?」  
「キュロット(仮名)くんが可愛いのがいけないのさ…」  
「そ、そんなッ!? おちんちんのさきっぽ同士を擦り付けて!?」  
「女の子同士でやる『貝合わせ』みたいなもんさ…」  
「ひゃぁうっ! 擦れてッ! こ、これだけででちゃうよぉっ! クロワ(仮名)さぁん!」  
「女の子みたいな声を出すんだな… チンポクリ(造語)がそんなに気持ちイイかいキュロット(仮名)ちゃん…」  
 
 
 はじめは女の子と思っていた表紙の子が男の子だったのも今ではいい思い出です。  
 
 
 
 爽やかにショタファントムは告げました。  
「そもそも、僕はショタにしか興味ないしね」  
「え」  
「マローネの未発達な身体は少年のようで最高」  
「え」  
「つーか、ケツマンコ最高」  
「え」  
 
 
 
 
<完>  

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