「よぉ、お疲れ!」  
今日も今日とてアイテム界でイノセントとかアイテムとかあんなものやこんなものを集め、  
そんなお仕事を片付けていざ食事にいかん、としている侍にその戦士は声をかけていた。  
「あぁ、ロランか」  
ロランと呼ばれた戦士はそのまま話し続ける。  
「今日は調子よかったなぁ。連携もガンガン出たし。」  
「・・・・まぁ、二人とも剣を使っているからな。」  
話しかけられた侍・・・さくらの反応はそっけない。二人は仲も良く、戦闘でもコンビを組んでいるの 
だが、疲れと空腹からか、さくらは一刻も早く食堂へと向かいたかった。  
「あ、そうそう・・・・これやるよ」  
しつこく話しかけてくるロランにちょっと苛立ち始めていたさくらに、ロランがそれを差し出す。  
「これは・・・・ロイヤルリングか。それもレジェンド・・・・」  
「殿下からもらったんだけどさ、その後テスタメント見つけたから。売るのもなんかもったいないし。」  
「そうか・・・・フム、もらっておくよ、ありがとう。」  
そういいながらさくらは指輪をはめると、  
「急ぎの身でな。ここで失礼させてもらうぞ。」  
「急ぐって・・・・どこに?」  
「食堂だ」  
「・・・・・・食い意地張ってるなぁ」  
「斬るぞ」  
「・・・・・・ゴメンナサイ。もう言いません。」  
「わかればよい。」  
なんてやりとりをして二人は食堂前で別れた。ここまではいつもと変わらなかった。違うことといえ 
ば、彼女の指にはめられたロイヤルリングだけ・・・・  
 
食堂に入ったさくらが注文した「かにみそ定食(フロン考案・680HEL)」を食べていると、  
「さくらちゃん♪一緒に食べよ〜♪」  
見上げると、そこには魔女っ子3人娘(赤・青・緑)がいた。  
「(静かに食べたかったのだがな・・・・)ああ、いいぞ」  
というさくらの言葉を待たずに座り始める3人娘。  
「あ!かにみそ定食だぁ!コレ美味しいんだよね〜」  
「今日はもう材料切れだって言われたけど・・・・」  
「さくらちゃんのが最後だったんだネ!いいな〜」  
予想通り騒がしくなった事で不機嫌そうな顔をする(実際不機嫌)さくらの指にはめられた指輪に赤魔 
法使いが気付いた。  
「アレ?それってもしかしてロイヤルリング?」  
「それもレジェンド・・・・」  
「きれーい!コレどうしたノ?」  
「ん?あぁ、先程ロランからもらったのだが・・・・・」  
と、さくらが言ったとたん・・・・・・・・  
「「「ぇえええええええ〜〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!!!!???」」」  
と、予想外に驚く3人に思わず後退るさくら。  
「ど、どうしたのだ!?」  
「だ、だって、ロラン君からもらったんでしょう!?」  
「そ、それがどうかしたのか?」  
「男の人から指輪を贈られるっていうのは・・・・・」  
「そりゃモチロン愛の告白に決まってるじゃな〜イ?」  
愛の告白。その言葉を聞いたとたん、さくらは止まってしまった。表情も変えず、ピクリとも動かない。  
「アレ?さくらちゃん?」  
目の前で手を振ろうが、ほっぺたを引っ張ろうが、まったく動かない。 
・・・・・・1分位待ったのではないだろうか。  
さくらの顔がみるみる赤くなっていって・・・・・・  
「・・・・・あ・・・・・・ああ・・・・・ああああああああああああああああああああああああああ 
あああああああああああああああああああああああ愛の告白ぅ〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!!!??? 
??」  
耳まで真っ赤になったさくらは、3人娘以上の大声で叫んでいた。  
 
 
 
「・・・・・来てくれたか、さくら」  
ここは魔界にしては珍しく緑に恵まれた場所・・・・チュートリアルマップと呼ばれている。  
「ど、どうしたのだロラン?こんなところに呼び出して・・・・」  
「指輪の返事・・・・聞かせてもらえるか?」  
「え!?あ、あぁ、あれか・・・・その・・・・えと・・・・・」  
「さくら・・・・・」  
モジモジとして何も答えないさくらをロランはゆっくりと抱き寄せた。  
「ロ、ロラン!?」  
「もう我慢できないんだ・・・・」  
ロランはさくらの服を脱がし始める。  
「ちょっ・・・待っ・・・・ロ、ロロロロラン!だ、駄目だ、こんな所で・・・・あ・・・・・」  
口では止めようとしているさくらだが、体がまったく動かない。ロランのなすがままにされている。  
・・・・いや、させている、というべきかも知れない。  
「俺・・・・初めて見たときからお前の事が・・・・」  
「あ・・・・ロラン・・・・・」  
「さくら・・・・・」  
「ロラン・・・・」  
ロランとさくらはどちらからともなくゆっくりと唇を重ね・・・・・・・  
 
 
そこで目が覚めた。  
「な・・・・何て夢だ・・・・・」  
起き上がったさくらは心臓バクバク、汗ダクダクになっていた。 
ちなみに、体の一部が別な汁でダクダクになっているのは秘密である。  
あの後。食堂から部屋へと帰ってきたさくらは、魔女っ子3人組の言葉が気になり、ベッドの上で悶々 
としているうちに眠ってしまっていたらしい。ふと、指輪を見つめる。すると、さっきまで見ていた夢 
が再びさくらの脳裏によみがえる。  
「・・・・・私は・・・・あのような事を・・・・ロランを・・・・・求めているのか・・・・?」  
キュン、と胸を締め付けられるような感覚。この指輪は自分への愛の証なのか?そして自分はロランを  
愛しているのか?答えの返らない疑問を胸にさくらは眠れぬ夜を過ごし・・・・そして朝が来た。  
 
外が暗いままなので分かりにくいが、朝。さくらは食堂で朝食をとっていたが・・・  
「・・・・はぁ」  
まったく箸が動かない。寝不足で頭がグラグラする。いや、そんな事よりもあの疑問が  
いまだに晴れず、モヤモヤとしたままで、食欲なんてまったくわかなかった。  
「よっ、さくらオハヨー!」  
「ふぇ!?あ・・・ロラン・・・おはよう・・・・」  
事の元凶たるロランは、たいして変わった様子もなく、さくらの目の前の席に着く。  
「今日は20個攻略だってさ。気合入れないとな〜」  
「そ、そうか・・・」  
「・・・どうした?元気無いな」  
「え?そ、そんな事は無いぞ、ウン・・・・」  
照れくさくて目を合わせられないだけなのだが、ロランにはそう思われたらしい。  
「・・・ホントに大丈夫か?」  
ロランはさくらの顔を覗き込んだ。ロランの顔が目の前に近づいてくると、さくらは一気に緊張して  
動けなくなってしまった。まともに目を合わせられない。思わず目を下にそらすと、そこには・・・・  
ロランの唇があった。昨夜の夢を思い出してしまう。目の前に本物がいる。あと少し、あと少し近づけ 
ばあの夢のように・・・そう思うと、恥ずかしくなってしまいとても見ていられない。でも、目を閉じ 
ることもできない。何故なら恥ずかしいと思う以上に、目の前のソレをいとおしいと思ってしまってい 
るから。  
「・・・・くら・・・さくら・・・さくら!!」  
自分を呼ぶ声にハッと我に返る。そこには眉をひそめて自分を見つめるロランの姿があった。  
「どうしたんだよ、ボーッとして。ホントに大丈夫か?」  
「え?あ、あぁ、大丈夫だ、問題ない」  
慌てて答える。お前のせいだ、なんて言える筈が無い。  
「そっか。それならいいけど。でもメシはちゃんと食えよ。力出せなくなるぞ」  
「あ、あぁ、わかった。先に行っててくれ。私もすぐに行く」  
ロランが食堂から立ち去ると、さくらは大きくため息をついた。  
「はぁ〜・・・・アイツ、本当に私のことを好いているのか?」  
指輪を見つめながら呟く。・・・断っておくと、ロランに他意はない。指輪を渡したのも単純に信頼で 
きる仲間へのプレゼント、としか考えていない。だが今のさくらにそんなことが解るわけがなく、  
「・・・・・・バカ」  
そう呟くと、食事にほとんど手をつけないまま、食堂を去った。  
 
 
話は少し前にさかのぼる。  
 
その人物は、自らの師・・・ロランに恋をしていた。  
弟子となったばかりで力もなく、何度も窮地に立たされる度ロランに救い出されていた。力の無い事を  
不甲斐なく思う自分に対しロランは、最初は誰だってそうだ、気にせずがんばれ、と優しく接してくれた。  
その者のロランに対する強い憧れは・・・次第に愛情へと変わっていった。  
しかしそれは許されぬ想い。自分が学んできた教義に反する事に悩まされた。何度も悩み、苦しんだ結果・・・  
その者はある決意を胸に姿を消した。自分を変える為、そして愛する者の為に・・・  
 
 
場面は再び魔王城に戻る。アイテム界前に集まっているラハール及びその家臣たち。そんな中、  
ロランはキョロキョロと辺りを見回し・・・そしてため息をついていた。  
「今日も居ないか・・・」  
「何だロラン?便秘か?」  
隣にいたレンジャーがロランに話しかけた。  
「違うっての!・・・実は俺の弟子が一人行方不明なんだ・・・」  
「行方不明?いつから?」  
「もう1ヶ月になるよ・・・」  
「そりゃまた随分と・・・もう死んでるんじゃねーの?」  
「縁起でもない事言うなよ・・・でもアイツまだ力不足だったもんなぁ〜・・・」  
などと話していると・・・後ろからこちらに向かって何かが走ってくるような音が聞こえた。それはだ 
んだんと近づいてきて・・・  
「ししょーーーーーーーーーーーっっっ!!!」  
ガバッ!  
「どわっ!?」  
バターーーーン!!  
何かに飛びつかれたロランはその場に倒れてしまった。それがちょうどさくらの前なのだから大変。  
「ロ・・・ロラン?こ、これは・・・?」  
引きつった笑顔のさくら。やっぱりお怒りの様子。  
「お、俺が聞きたいよ!!」  
周囲の視線がロランとその者に集まる。ロランに飛びついた者・・・それは、美しい金髪、ピクピクと 
動く赤い猫耳、ふさふさとした大きな尻尾。そしてムニムニと押し付けられた二つのご立派な乳房・・・  
そう、猫娘族最強の魔物・・・バステトだった。  
 
「ししょ〜お久しぶりだニャ〜♪」  
と言いつつスリスリしてくるバステトをロランは慌てて引き剥がした。  
「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺はバステトを弟子にした覚えは無いぞ!!」  
「む〜、わかんないかニャ〜?そりゃ見た目は少し変わったけど〜」  
「ゴメン、本っ当に知らないんだ」  
と言うロランに対し、そのバステトは不機嫌そうな顔をする。  
「もぉ〜!1ヶ月くらい会わなかっただけで弟子の事を忘れるなんてあんまりだニャ!」  
1ヶ月。その言葉にロランはハッとする。そして震える指でバステトを指差した。  
「ま・・・まま・・・まさかお前・・・イワンか!?」  
「そーだニャ!ンもぅ、ししょ〜ったら鈍いんだからぁ♪」  
とたんにご機嫌になり、イワンは再びロランに抱きついた。周りの者はそのやりとりにあっけにとられ 
ていた。  
行方不明になったロランの弟子、イワン。名前からわかると思うが、れっきとした”男”である。それ 
が今、女(しかも猫娘)になって現れたのだから無理も無い。  
「で、でも今まで何やってたんだ?」  
慌ててレンジャーが質問する。するとイワンはそれまでのテンションが嘘の様に静かになり、ゆっくり 
と口を開いた。  
「ボクは・・・師匠の弟子となって戦っていく内に・・・師匠を愛してしまったんだニャ」  
「なっ!?」  
その場にいた誰よりも驚くさくら。赤くなり慌てて口を押さえる。それを無視して話を続けるイワン。  
「でも、それは許されない想い。ボクは悩みに悩んで・・・そして悟ったんだニャ」  
カッと目を見開き、あさっての方向を見つめつつ拳を握るイワン。  
「女になればいいんだと!!」  
なんか間違ってないかソレ。  
「というワケで、二人を隔てるものはもう何も無いニャ!ししょ〜!”れっつふぉ〜りんらぶ”だニャ〜♪」  
と三度抱きつくイワン。元僧侶だった反動からか、かなりオープンになっているようだ。  
「なっ・・・ちょっ・・・ま、待てって!」  
「待たないニャ〜♪」  
呆然としていたさくらは、目の前でニャンニャンしている(一方的)二人にようやく我に返り、慌てて 
引き剥がそうとした。  
 
「や、やめ・・・」  
「やめんか、馬鹿者が!!」  
さくらよりも先に引き剥がしにかかったのは、意外にもラハールだった。  
「何だキサマは!無断で1ヶ月もいなくなった上に、勝手にムチムチなんぞに転生しおって!!」  
どうやらかなりご立腹の様子だ(主にムチムチ転生に)  
「殿下は黙ってるニャ」パフン  
イワンは極めて冷静にラハールの顔を自分の胸の谷間に挟み込んだ。5秒もすると、あわれ殿下はふに 
ゃふにゃのプーになって昇天してしまった。  
「ラ、ラハールさん!!」  
慌ててフロンが駆け寄るも、ラハールはピクリとも動かなかった。もう一人のラハールが物凄い勢いで 
赤い月へとのぼってゆく。  
「おぉ、猫娘族の特性をしっかりと生かした凄まじい攻撃ね〜」  
エトナが冷静に分析する。それどころじゃないと思うが。  
「さぁ、邪魔者もいなくなった所で・・・」ニヤリ  
「!!」  
思わず後ずさるロラン。  
「んもぉ、そんなに緊張しなくたって大丈夫ニャ♪師匠は必殺の”ネコネコあるかでぃあ”でタップリ 
ご奉仕するニャン♪」  
どこかで聞いたようなセリフを言うイワン。つーか”ネコネコあるかでぃあ”って何だ。  
「ま、待て!」  
不甲斐ない殿下を置いといて(ヒドイ)慌てて二人の間に割って入るさくら。  
「ロランが困っているだろう!とにかく下がれ!!」  
「む〜・・・さくらさんも邪魔するのかニャ〜?」  
ジロリ、とさくらを睨み付けるイワン。その視線にさくらは思わず怯んだ。その反応は間違ってはいな 
かった。人型悪魔が魔物型へと転生するには、一度プリニーになる必要がある。イワンはそれを乗り越 
えてバステトとなっているのだ。それも並みの物では無い。イワンから感じられる力は1回や2回の転 
生で得られるソレとは明らかに違うものだった。  
睨み合う二人。長い沈黙の中、ロランが慌てて止めに入った。  
「ま、待てって二人とも!こんな所で戦うなって!今はアイテム界に行く事が先決だろ!な!?」  
「む・・・そ、それもそうだな・・・」  
「師匠がそういうんだったらボクは問題ないニャ♪」  
こうして何とか味方同士の争いを避けたロラン達は、アイテム界へと向かうのだった。  
 
ラハールは欠席。  
 
 
「ふぅ・・・」  
ここは魔王城付近にある首斬り横丁の酒場『泥酔』。  
さくらはカウンターで酒を飲んでいた。  
「まったく・・・あの猫娘(元男)は・・・」  
あの後。アイテム界で戦っていたさくら達だったが・・・例の猫娘、イワンときたら何かにつけて  
ロランにくっつこうとする。移動してべたべた。連携してべたべた。エクストラゲインの為の魔法発動 
の時に関してはべたべたどころかすりすりむにむに。  
「なぁにが『もっと近付かないと覚えられないニャ♪ハァハァ』だ!!」  
と、酒を飲み干してコップをカウンターにコン!と強く叩きつける様に置く。  
「大体ロランのやつもデレデレして(←そう見えたらしい)!・・・あ、あれくらい・・・ 
私にだって・・・」  
 
『さぁロラン♪エクストラゲインの時間だぞ♪』(弟子じゃないけど)  
『おぉ、さくら!』ドン!(イワンを突き飛ばす)  
『ぶぎゃ!?』(出番終了)  
『やっぱり俺のパートナーはお前しかいないな、さくら』(服を脱がし始める。妄想につき急展開)  
『あぁ、駄目vv 皆が見てるのにそんなvv あぁっvv』  
『構わないさ。さぁ、俺の仔猫ちゃん、二人で愛の連携を(意味不明)』  
『あぁロラン・・・vv』  
 
「い、いかん!いかんぞーーー!!!白昼堂々夕焼けニャンニャンなどとーーーーー!!!」  
とか言いながら頬に手を添えて、真っ赤になった顔をブンブン振り回すさくら。 
店主プリニーは突然の客の奇行にビックリ。  
「で、でもロランがどうしてもというのなら・・・って私は何てはしたないことを!でもニャンニャンだしvv」  
「お、お客さんどうしたッス!?」  
「はっ!?」  
店主プリニーに声をかけられてようやく我にかえるさくら。慌ててヨダレを拭く。  
「な、何でも無い。スマンな店主、迷惑をかけた」  
「は、はぁ・・・」  
 
妄想までするようになってしまってはオシマイだ、と自分をちょっと責めながら、さくらは再び飲み始めた。  
酒を飲み干したコップをカウンターに置くと、懐から例の指輪を取り出しジッと眺める。  
あれから。何度かアイテム界に出入りしているうちに色々と収穫があり、さくらにもエクソダスが支給された。  
いらない、とも言えないので装備はしているものの、どうしても指輪を手放せず・・・銀のチェーンを 
付けて、 首から提げていた。当然、ラハールから『サッサと売っちまえ(゚Д゚)ゴルァ!!』と言われてしま 
うのだが、何となく事情を察したエトナが適当にはぐらかしてくれている。・・・後がコワイ。  
「・・・お前のせいで、こっちは色々と苦労しているんだぞ、ロラン。」  
と言いながらも、さくらの顔は微笑みを浮かべている。切なく、胸を締め付けられるような想いをしても、 
それ以上に誰かを好きになるという事が温かく、心地よかった。フロンの言う「愛」も今なら理解できる。  
「店主、もう一本くれ。今日はとことん飲みたいんだ。」  
「ほいきたッスー」  
さくらはカウンターに置いた指輪を肴に酒を飲み・・・・・1時間。  
 
「う〜〜〜〜〜〜〜〜ぃ・・・・」  
完全に出来上がっていた。  
「それでなぁ店主、そのロランというのが・・・ヲイ、聞いておるのか!」  
「ハイハイ、聞いてるッスよ!っつーかお客さん飲み過ぎッス!」  
「ん〜?そうかぁ?まぁそれはどうでもいいがなぁ・・・それでそのロランというのがなぁ・・・」  
「ハイハイ、ロランというのが?」  
「ど〜〜〜〜〜〜〜〜しようも無いヤツでなぁ、弟子の猫娘に言い寄られてデレデレデレデレとしてるんだぞ!  
もうちょっと戦士としての自覚を持てっていうもんんだ、まったく!」  
こんな話をされても店主プリニーとしては困るのだが。 
これ以上店で騒がれても迷惑なのでとりあえずテキトーに話をあわせることにした。  
「そ、そりゃあまたろくでもないッスねぇ〜(ドキドキ)」  
「ロランの悪口をいうなぁっっっ!!!」  
「えーーーっ!?今自分が言ってたじゃないッスかぁ!!」  
店主の主張など当然聞く耳持たない酔っ払い。  
「アイツはなぁ、とぉってもイイヤツなんだぞぉ! 
ほら、このゆびわもロランが・・・・んふふふふ、ろら〜〜〜ん♪」  
台詞から漢字が消えた酔っ払いは、ゴキゲンなままカウンターに突っ伏した。  
(あぁ〜!サッサと帰るッスこの酔っ払い〜!!)  
店主の怒りの想いなど蚊が刺したほどにも感じない酔っ払いは、  
「・・・・・ろら〜ん・・・・だいしゅきだぁ・・・・・♪」  
と誰にも聞こえないような声でそう呟くと、そのままゆっくりとまぶたを閉じた。  
 
 
「ん・・・」  
さくらが目を覚ますとそこは自室のベッドの上(魔王城には和室がない模様)。  
泥酔しながらも帰ってこれたらしい。ちゃんと寝巻きも着ている。  
「痛っ・・・」  
二日酔いで頭が痛い。とりあえず水分補給する為にムクリ、と起き上がる。ふと、顔を横に向け・・・  
そこで固まった。  
「あ・・・あ・・・ああいうえおあえおえあえ・・・・」  
そこにはちょっとだらしない顔で眠る想い人、ロランの姿があった。どうして自分の隣で眠っているのか 
全く理解できず混乱しながらも、その寝顔がちょっとかわいいかなー、とか思ったりしていたり。  
「・・・んぁ?あぁ、もう朝か・・・」  
大きくあくびをして、ロランが目を覚ました。眠たそうに目をこする。  
「な、なんなん何でロランがここに・・・」  
「・・・覚えてないのか?」  
「う、うん・・・ちっとも・・・」  
頭が痛いがハッキリ言ってそれどころではない。さくらはベッドの上でなぜか正座してしまっていた。  
「まぁ、無理もないか・・・」  
ロランは頭をポリポリと掻きながら起き上がる。  
「昨夜は大変だったぞ。酔っ払ったお前を連れて帰って・・・」  
「そ、そうか・・・」  
「服も着替えさせられて・・・」  
「はい!!!???(滝汗)」  
「その後も大変だったし(酔っ払ってて)」  
さくらはあんぐりと口を開けて沈黙してしまった。  
「んじゃ、俺部屋に戻って寝直すから。オヤスミ〜」  
ロランは固まってしまったさくらを放置して部屋から出て行った。扉が閉まる音に我に返ったさくらは、 
痛む頭を抑えながらもどういうことかを必死で考えてみた。  
『服を着替えさせられて』。たしか下着は着けてなかったハズ。サラシだし。ということはつまり裸を 
見られたということでその後も大変だったということはそれ即ち・・・と、ひとつの結論に達した。  
 
 
もしかして・・・・・・・ヤっちゃった!?  
 
 
自分で出した結論に再び固まったさくら。でも今度はすぐに我に返った。  
「あ・・・えと・・・と、とりあえず着替えるか・・・」  
誰も聞いていないのだが、やや声を大にして立ち上がるさくら。寝巻きを脱いで、サラシを巻こうとし 
た時・・・  
ふと、鏡に映る自分に気づいた。  
「見られて・・・しまったんだな・・・」  
サラシを握る手から力を抜く。そこにあるのは、割と大き目の乳房がふたつ。どんなにキツく締め上げ 
ても戦いにおいてはどうしても邪魔になる。こんなもの、無くなってしまえばいいのに・・・そう思っ 
たこともある。  
「こんなモノでも喜んでくれたのかな・・・」  
という自分の言葉に、さくらはまた赤くなってうつむく。その瞳に映るのは、部屋の床と・・・自分の下半身。  
「あ・・・」  
ソコは、自分でも驚くほどに熱くなっていた。内腿を何かが――いや、それが何かはわかっている。  
どんなにストイックに生きていても、やはり女。興味が無いわけではない。  
前に魔女っ子3人娘が話していたのを偶然聞いて知った『おなにぃ』。後で意味を知って、はしたない、 
と思いつつもその日の夜に試し、知ってしまった快楽。指輪を貰った日からはその回数も増えた。  
「・・・・・・少し・・・だけ・・・」  
さくらは自らの秘裂にそっと指をのばした。  
 
「くっ・・ふっ・・あふ・・・んん」  
部屋にはさくらの甘く切ない喘ぎと、クチュクチュといういやらしい音が響いている。  
「はっ・・あぁっ・・くっ・・ダメ・・こんなの・・・」  
言葉とは裏腹に、指は止まるどころかどんどん激しくなる。仰向けになったさくらの腰が自然と浮き上がる。  
秘裂からはとめどもなく蜜が溢れ出す。今部屋にロランが入ってきたら・・・いやらしい女と思われて 
しまうだろうか。そう思うと、余計に燃え上がってしまう自分が恨めしい。  
「はぁっ・・ダメぇっ・・指が・・・止まらな・・んぅっ」  
どんどん登り詰めていく。もっと気持ちよくなりたい。そう思うさくらの指は、固く充血するクリトリ 
スへとのびる。  
「ヒッ・・ヒァッ・・・!!」  
ソコはそっと触れるだけでも激しい快感を与えてくれる。肉芽をいじる度にさくらの理性が本能に支配 
されていく。  
そしてさくらは、本能の求めるままにただひたすら快楽を求める牝へと変わっていった。  
「はあっ・・!ああ・・!!来る!来ちゃう!!大きいのが来ちゃ・・・ぁぁぁあああああああ!!!!!」  
搾り出すような声を上げ、さくらは絶頂に達した。はしたない声を部屋中に響かせ、背中を大きく反ら 
しながらビクビクと痙攣する。その顔にはいやらしい笑みが浮かんでいた。  
「はぁっ・・はぁっ・・はぁっ・・」  
絶頂の余韻に浸り、グッタリとベッドに身をゆだねる。やがて落ち着きを取り戻したさくらはゆっくり 
と起き上がる。  
「着替え・・・なくちゃ・・・」  
 
「しっかし・・・昨夜はスゴかったな」  
自分の部屋へと戻ったロランは、ベッドへ潜り込んでそう呟いた。ふと、昨夜の出来事を思い返してみる。  
「あ・・・ヤバ・・・勃ってきた(汗)」  
ご愁傷様。多分ソレでは眠れないでしょう。どこかからそんな声が聞こえたような聞こえなかったような、  
とにかく彼のムスコが落ち着くまでの間、『昨夜の出来事』をお楽しみくださ(以下略  
 
あの後。さくらがカウンターに突っ伏して眠りに入ってから1時間程して、ロランも同じ酒場へと入っていた。  
軽く飲んでから帰ろうかとしていたロランは、カウンターで眠りこける見知った顔に気付いた。  
「・・・さくら?」  
顔を覗き込む。普段の真面目で堅い彼女からは想像もつかない幸せそうなマヌケ面で眠っている。  
「さくら〜」  
パタパタと手を振る。当然無反応。  
「さくらさ〜ん」  
チョンチョンとつつく。やっぱり無反応。  
「うぉ〜い、さくらってば〜」  
鼻をつっついてみる。今度はちょっとだけ反応したかと思うと・・・  
「へくちっ」  
可愛らしいクシャミの後、さくらは起きあがった。まだ眠いらしく、目をこすっている。  
 
「やっと起きたか。こんなとこで寝てるとカゼひくぞ」  
「ん〜〜〜〜〜?」  
どうやら酔いは醒めてない模様。  
「ぉお〜♪られかと思えばロランどのではありましぇぬかぁ♪おちゅとめごくろーさまでありましゅ♪」  
ご機嫌で敬礼するさくら。  
「うわ酒臭っ!おま・・・何本飲んだんだよ・・・(汗)」  
「んふふふふ〜♪まぁよいではないか♪しょれよりホレ、おまえも飲め飲め♪」  
と、お猪口になみなみと酒を注ぐと、それをロランへよこす。  
「お、おう。それじゃ軽〜く・・・」  
と、酒を飲もうとお猪口に口を近づけたとき・・・なにやら刺すような視線が。  
「・・・・?(汗)」  
ロランがゆっくりと振り向いたそこには、店主プリニーの姿があった。  
(え?俺何かやった?)  
という視線で店主を見る。しかし店主は違う違う、とばかりにクチバシをさくらへとむける。  
(あ〜・・・・)  
ロランはなんとなくだが事情を察した。とりあえず、今日はもうここでは飲めないな〜、ということで。  
「・・・焼き鳥。十本つつんでくれ。責任もって連れて帰るから。」  
 

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル